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野球

2009年11月 8日 (日)

斎藤佑はどんな主将になる?

 今日(11月7日)、出かけた先に何人かの野球好きがいたので、「斎藤佑新主将」の話題を振ってみた。

「あんまりタイプじゃないんじゃない?」
「いや、適任だと思うけどね」
「プレーで引っ張るタイプだろう。上本に近いんじゃないか」
「確かに、口うるさい感じはしないな。副将の宇高が上手くフォローすると思う」

 いくつか出てきた声の中で、一つ気になったのは、「頑張り過ぎなければいいけどね」というものだった。
 チームを引っ張るために、これまで以上に練習に力を入れるのはいい。しかし、疲労が溜まっていたり、調子が万全ではないのに頑張ってしまうことがあるんじゃないか――と言うのである。

 なるほど、性格的に真面目であればあるほど、そういった危険も出てくる。無理を重ねれば、故障の原因にもなろう。
 休みが必要な時には、休む勇気がほしい。斎藤の故障は、戦力の大ダウンになる。

 今季限りで引退した千葉ロッテの小宮山(早大OB)は、「これ以上練習したら故障しそうだ、と察知する能力が自分にはあった」と話していた。だから現役を長く続けることが出来たのだ、と。
 斎藤にそういった能力があるかどうかは知らないけれど、「これ以上は危ない」と感じることがあったら、絶対に無理はしないでほしい。
 主将である前に、選手なのだから。

 ――――――――――――――――――――

 野球の話からは離れる。
 今日出かけた先は、横浜だった。横浜球場や赤レンガ倉庫から近い場所にある結婚式場。姪の結婚式だったのである。
 11月の休日の大安は今日が最後とあって、それはそれは多くの式が執り行われたようだ。

 教会の結婚式。賛美歌は手元の歌詞カードには2コーラスあったのに、時間の関係なのか、1コーラスで終了。最後まで歌いたかったのに。(笑)
 披露宴。最近はいろいろ趣向が凝らされているらしい。新郎新婦が生まれた時の体重を再現したクマのぬいぐるみが置かれていたり、お色直しで何色のドレスを着るかのクイズが出されて、正解者の中から抽選で賞品がもらえたり……。

 姪は26歳で、ぼくが結婚する年に姉が産んだ子。姉は出産後、1か月くらい実家で過ごしたので、ぼくもその間、毎日、彼女の成長を見ていた。
 赤い顔で小さかった子が、いつの間にか大きく、きれいな娘になって嫁ぐ姿。父親でもないのに、涙が出てきて困った。(笑)

 アマの吹奏楽団に属し、クラリネットが上手な姪は、友人のクラ吹き3人とエルガーの「愛の挨拶」を披露した。
 ぜひ幸せな家庭を築いてもらいたい。
                        (谷川彬良)  

2009年11月 6日 (金)

斎藤佑樹、早大野球部第100代主将に

 夕方、ある方からのメールを読んで驚いた。斎藤佑が、早大野球部第100代主将に選ばれたというのだ。いやあ~、とにかく驚いたの一言。
 野球部の主将は、現三年生部員が投票し、その結果を参考にして監督が選ぶ方式(つまり、票数で決まるわけではない)だったと思うけれども、投票が少ない選手を主将にするとも思えないから、それ相応の投票があったのであろう。同僚から信頼されている証である。
 投手の主将は、2006年度の宮本賢以来。なお、副将は宇高である。

 それにしても、「斎藤主将」はほとんど想像していなかった。主将としての能力云々ではない。
 アマ球界で最も注目される選手であり、しかも来年はドラフトの超目玉。ただでさえ“狂騒曲”が予想されるところへ、「主将」の肩書き。もしも今年のように早大が優勝を逃したりすれば、その責任を斎藤が被ることになりはしないか――と心配なのである。

 しかし、その一方で、斎藤こそ主将に相応しい、という気もしてくる。
 一年生からエースとして活躍し、チームへの貢献度がナンバーワンであること。
 精神的な柱であること。(昨年春、明大戦で斎藤が負傷退場した時のチームの消沈ぶりを見ても良く分かる)。
 そして、節目となる第100代主将であること――などだ。
 どんなタイプの主将になるのだろう。言葉で引っ張るか、それとも背中で引っ張るのか。

 毎年、斎藤の背番号が何番になるか、予想を書いていたけれども、これでその必要もなくなった。皆さんも、予想する楽しみがなくなって、寂しいでしょうか?(笑)
「早稲田の背番号1といったら、斎藤佑樹と言われるようになりたい」と語っていたことがあったが、「1」は2年間で終了したわけである。
 となると、来年のエースナンバー「11」はあの人の背中に行って、「1」は内野に戻るのだろうか。

 さあ来年は、斎藤佑が天皇杯を手にする光景を絶対に見たい。
 秋には、選手宣誓を聞きたい。
 第100代主将斎藤佑、背番号「10」。
 その名が、その背番号が、そして早大野球部が、来年は光り輝きますように――。
                          (谷川彬良)

# そういえば、昨年書いた「架空実況」では、「主将・宇高、副将・斎藤佑」と書いたけれども、逆になってしまった。(笑) 
 まあ、あれは予想ではなくて、当時のスタメン二年生から「あいうえお順」で選んだだけなのだけれど。 

2009年11月 2日 (月)

斎藤佑、号泣

 早慶2回戦の9回。4番手としてマウンドに上がった斎藤佑は、打ち取ったかに見えたショート内野安打がきっかけとなり、1失点。2009年リーグ戦の投球を終えた。

 試合終了後、一塁側応援席、右翼側応援席に向けて整列し、頭を下げた後、手で顔を覆う斎藤の姿があった。
 上を向いても止まらない涙。拭っても拭っても、溢れてくる涙。
 春、秋とも、四年生に優勝を味わわせることができなかった、エースの責任感が流させた涙であろう。

 背番号17の楠田が、泣きじゃくる斎藤の肩を抱いて慰める姿があった。そして、背番号50番、武石コーチも――。
 学生コーチの武石は、早実出身。早実では主将であり、そして捕手。一学年下の斎藤佑の球を受けていた。
 武石が去った後の正捕手は、白川。「斎藤佑-白川」のバッテリーの誕生である。

 だが、白川の捕球技術は、まだまだ未熟だった。斎藤の低目への変化球を、後ろに逸らすことも多かった。
「前の捕手は、ちゃんと捕ってくれたよ」。斎藤が白川に語った“前の捕手”は、この武石だったのである。

 その言葉に発奮した白川は、来る日も来る日も体にあざを作りながら、捕球の猛練習。
 以後は、斎藤の球を逸らすこともほとんどなくなり、夏の甲子園制覇に結びついたのである。

 母校の先輩・武石のラストシーズンに、優勝をプレゼントできなかった無念。
 武石に抱き合いながら慰められた斎藤は、謝っているようにも見えた。
                         (谷川彬良)

最後の最後、四年生が見せた

 早大の頼みの綱、先発の大石は4回自責点6で降板。前日までの防御率トップから転落し、4位に終わった。
 7回を終わって、早大は0-6と敗色濃厚。しかし、8回、9回の攻撃で、ベンチを暖めることの多かった四年生が、グラウンドで躍動した。

 8回裏、代打で登場した「藤原」(観音寺一)は、右翼フェンスダイレクトの大三塁打。逆風がなければスタンドインしていたのではないだろうか。
 藤原の代走「新佐古」(早実)は、松本の犠牲フライの間にホームインした。

 9回、一死1塁で、4番原に代えて「大前」。甲子園の選抜大会で投手として活躍し、早大では背番号18を与えられた大型左腕だ。
 投手としては結果を残せず、野手に転向して背番号は「20」。その大前が、一二塁間へゴロのヒットを放ち、ベース上で泣いていた。これが大学初ヒットなのである。
 代走佐々木が送られ、ベンチに戻る大前に、ナインから、応援席から大きな拍手が送られた。

 佐々木が盗塁を決め、一死2、3塁から杉山の犠飛で1点を返し、二死3塁。
 次打者・山田敏は、絶対に打たなくてはならなかった。なぜなら、ネクストで背番号10「山川」がバットを握っているからだ。
 山田敏はセンター前タイムリー。9回二死、「代打・山川」のコールに、スタンドからは大拍手が起こった。

 その山川。「まだ終わりたくない」とでもいうように、カウント2-3からファウルで粘りに粘った。そのたびに、スタンドから拍手。
 そして十何球目かを、しぶとく三遊間ヒット。一塁ベースに立ち、両手を突き上げた。

 代打・宇高のタイムリー二塁打で3点差、なおも2、3塁とし、もしもホームランが出れば同点の場面をつくったが、代打・市丸はショートゴロ。
 頭から一塁ベースに突っ込んだ市丸の巻き上げた土ぼこりが、早大の「終戦」を告げた。

 藤原、大前、山川。大学野球生活、最後の打席でヒットを打つとは……。
 勝利には届かなかったが、四年生の起こした風に、三年生、二年生、一年生が乗っかって奪った、終盤の4点だった。

 四年生のみんな、今年は春秋とも優勝はできなかったけれど、最後の最後に良いドラマを見せてくれて、ありがとう。
 4年間、お疲れさまでした。
                            (谷川彬良)

2009年11月 1日 (日)

早慶戦は慶大連勝、優勝は明大

 2009年秋の早慶戦は、慶大が連勝。勝ち点4で全日程を終えていた明大の優勝となった。
 勝ち点を挙げれば優勝を手にできた早大は4位。應武監督が就任以来、必ず勝ち点4以上を挙げてきたが、勝ち点3、初のBクラス転落となった。

 ――――――――――――――――――――

「絶好調のチームと絶不調のチーム、って感じだな」
 応援席の近くで、男性のそんな声が聞こえてきた。もちろん、絶好調は慶大、絶不調は早大。なるほど、優勝の最短距離にいるのがどちらか分からないくらい、昨日も今日も慶大の力が投打に圧倒した。
 勝ち点4が明大。その下に、慶大、法大、早大が勝ち点3で続き、東都に負けないくらいの「戦国」であったのかもしれない。

 優勝した明大は早大に連敗。早慶戦で早大を圧倒した2位の慶大(勝率は明大より上)は、明大と5位立大に勝ち点を落とした。3位法大は、慶大に連敗、明大に1勝2敗。早大は前半は好調、後半は失速……。
 春の法大のように、ずっと好調の波をつかんだまま走ったチームはなかった印象が強い。

 優勝した明大は、東京六大学代表として明治神宮大会に出場する。全日本大学選手権の法大のように、ぜひ優勝を勝ち取り、六大学の力を示してもらいたいものである。
                           (谷川彬良)

早稲田、完敗

 早慶1回戦は、11-2で慶大の完勝。早大が優勝するためには、2連勝するしかなくなった。
 ただの敗戦ではない。“完”を付けなくてはならない、負け方だったと言うほかはないだろう。

 先発の斎藤佑は、立ち上がりこそ3連続三振だったが、徐々に慶大打線に追い詰められる。
 4回には4安打を集中され、3失点で降板。これで4試合続けて勝ち星なしになってしまった。
 ただし、KOはKOだけれども、自責点は1。バッテリーミスが今日は目立ち、落ち着かない投球になってしまった。

 その後に登板した4投手も、慶大打線を鎮火させることはできず。特に痛いのは、2回戦の先発の予定だったろう福井をつぎ込んで、打たれてしまったことだ。

 打線も調子が悪い。法大戦から、この日の6回まで、なんと31イニングゼロ行進。リーグ戦前半は頼りになっていた中軸打線が、まったく打てない状態になってしまった。

 完敗があれば、完勝あり。慶大はエース中林が完投し、打線も球を見切ったように自信満々で振ってきた。
 この打線の勢いを止めない限り、2回戦も慶大は優位に試合を進める可能性はあるだろう。

 早大投手陣で、傷を負っていないのは、登板しなかった守護神・大石のみ。その大石を、2回戦でどう使うのか? 先発なのか。それとも福井か、再び斎藤を先発させて、早めに大石に切り替えるのか。
 また、1回戦の極端に傾いた雰囲気を、がらりと変える策を用いることも必要なのではあるまいか。

 慶大は勢いがある。春、早大に連敗しているから、今度はこっちが、の思いも強いだろう。
 慶大に優勝の可能性が残っていたら、もっと盛り上がっていたことだろうが……。
 投打に元気がない早大、その逆の慶大。果たして、早大に救世主は現れるのだろうか?
                           (谷川彬良)

2009年10月30日 (金)

さあ歓喜の待つ早慶戦へ

 2009年六大学秋季リーグも、いよいよ大詰めの早慶戦を迎える。早大優勝の条件は「勝ち点獲得」であり、負けが一つ許される余裕がある。
 斎藤佑、大石、福井ら、厚い投手陣を誇る早大が普通の力を出せば、勝ち点を落とすことはないと見ている。

 できれば連勝で決めてもらいたいが、慶大はそんなに簡単な相手ではない。小野寺和、山本良、という二人の4割打者を筆頭に、打撃陣に力がある。
 投の柱・中林にも要注意だ。ドラフト指名は今回はならなかったものの、大学最後の舞台で一花咲かせるつもりでいるだろう。慶大の相場監督が指揮を執るのも最後であり、チーム一丸、例年以上の闘志を燃やしてくるはずだ。

 優勝とは別に見所となるのが、斎藤佑の復調加減だ。ここ先発3試合に勝ち星がなく、4試合連続となれば、自身初(だと思う)。
 OBの広岡氏が「フォームに躍動感がない」と評していたけれども、ステップ幅を狭くしたせいか確かにフォームがおとなしく見え、球に力がないように映る。

 もしも早大が負けることがあるとすれば、1回戦か。スタミナに不安がある中林だが、今季の1回戦はすべて勝ち投手になっているのだ!
“フル充電”の中林から、早大はそう簡単に点を取れないだろうし、もしも斎藤が本来の出来に戻っていない場合、苦戦を強いられる可能性は十分にある。

 とはいえ、早大優勝の可能性は、かなり高い。優勝決定の瞬間、だれがマウンドにいるだろうか? 
 斎藤佑も、大石も、福井も、まだ来年がある。
 できることなら、“獅子”の雄姿を見たいと思う。
                     (谷川彬良)

2009年10月27日 (火)

1年前と同じ青空

 1年前の2008年10月27日(月)、ぼくは神宮球場に居て、立明戦を観ていた。
 1年経った今日10月27日。今年は火曜日に変わったけれども、ぼくはまた神宮球場にいて、法明戦を観戦していた。
 午後2時、一塁側から見る三塁側スタンド後方(つまり奈良の方角)の空を見上げた。一年前も、そして今日も、青く、青く澄んでいた。いつまでも、どこまでも続くような汚れのない青……。

 神宮から帰って、今日の試合のブログを書いた後、その方のブログを訪問したら、まさに午後2時きっかりに記事がアップされていて、ちょっと、いや、かなり感じるものがあった。
 あの日から、もう1年が経ったとは、なんと月日の流れの速いこと。このあっという間の1年を、20回、30回、いや50回積み重ねれば……長生きなんて、そんなに難しいことじゃないんじゃないか、と思えてしまう。
 まあ、ぼくなんかはその頃には、道行く人に拝まれそうな年齢になっているはず。(笑) 同じくらいの方もたくさんいらっしゃるかな?

 奈良の方のお元気は、すでにご本人だけのものではありませんよね。少なくともぼくは、彼女からたくさんの元気をもらっています。

 奈良のMさん、
 御自分のためだけでなく、
 御家族のためだけでなく、
 はたまた斎藤君のためだけでなく(笑)、
 Mさんファンのためにも、ずっとずっと元気で長生きしてください。
 お願いします。
                     (神宮縁側会・谷川彬良)   

最終戦の風景

 リーグ戦の最終戦が“消化試合”(こう言っては語弊があるかもしれないが)ではなく、優勝の可能性を残して戦うことができる両校の選手たちは、とても幸せであろう。
 1勝1敗を受けての法明3回戦は、3-2で明治の勝ち。優勝の可能性を残したのは、明大だった。
 この結果、第7週を終えて明大が8勝5敗、勝ち点4となり、トップに立った。だが、早慶戦で早大(6勝3敗)が勝ち点を挙げれば、勝率の差で早大の優勝となる。

 ――――――――――――――――――――

 明治の辛勝だった。3-2とリードしての終盤は、ピンチの連続。8回は二死1、2塁。9回は無死1、2塁→送りバント失敗で一死1、2塁。さらに二死満塁となって、好打者の多木、という一打逆転サヨナラの場面を迎えたが、多木は空振り三振でゲームセットとなった。
 法大先発の二神は、1回に2四球を出すなど、本来の制球の良さは見られず。2回無死1塁、打者上本の時にエンドランを仕掛けられ、本来ならショートゴロ正面の打球が左中間に転がる間に勝ち越し点。(ショートがベースカバーに入るのを見越した上本の状況判断だったのかもしれないが)
 この回、さらにワイルドピッチで3点目を与えたのが法大は痛かった。

 一方、明大野村も、そんなに調子が良いとは思えなかったが、何とか持ちこたえた、という感じ。二神も野村も、7回7被安打だった。
 二神はリーグ戦通算9勝どまり。野村は13勝目を挙げた。

 終わってみれば、無死1塁からのエンドランが二塁打となり、勝ち越し点を挙げた上本の打撃が大きかった。やはりこの選手は、何かやりそうな雰囲気を持っている。
 1回戦のヒット→盗塁、から勝ち越し点を奪った活躍といい、この法大戦の勝ち点は彼のポイントでの働きが大きかったと思う。
 その上本、9回の打席で送りバントの構えをしていて、法大の剛球投手・武内の速球を顔面に受けた。口の周囲に当たってその場に倒れ、でも自分の足で歩いてベンチに下がり、代走を送られた。大丈夫だろうか?

 ――――――――――――――――――――

 法大は8回裏、二死1塁から代打・立石(四年)。明治の好投手、森田貴から三遊間ヒットを放ち、チャンスを広げた。
 得点には結びつかなかったが、彼にとってこれがリーグ戦6打数目の初安打。ラストシーズンの最後の最後にめぐってきたチャンスに、“念願”が叶った形だ。

 チェンジとなって、守備に出る選手を見送る列に加わった立石に、すでに降板していた二神が「(初ヒット)良かったな」と、背後から抱きかかえるように祝福し、立石も笑顔を見せていた。

 法大は9回裏二死満塁、一打逆転のチャンスをものにできず、試合終了。三振の多木は天を仰ぎ、明大ナインは両手を突き上げた。
 応援席に向いて整列し、この一年の応援に感謝する一礼をする法大ナイン。ベンチに入ろうとした二神が立ち止まり、少し進み出て、帽子を取り、丁寧にお辞儀をした。
 昨年の小松(現広島東洋)ほどマウンドには近づかなかったけれど、二神もまた神宮のマウンドに、グラウンドに、そうやって別れを告げたのだった。
                            (谷川彬良)

2009年10月25日 (日)

法大雪辱、3回戦へ

 神宮に到着したのは1時頃。東立2回戦は8回裏、立大が二死2塁(だったかな)のチャンスを迎えていた。
 ここまで4-0で立大リードであるから、このままならば立大最後の攻撃、つまり東大最後の守り。東大の投手陣には、あとアウト一つしか残されていない。

 東大の中西監督が、投手交代を告げている。「もしや……」と色めき立ったのであるが、ブルペンに背番号17(鈴木)はおらず。マウンドに上がったのは、香取だった。
 試合はこのまま、4-0で立大が勝利。試合後の整列にも、「17」はいなかった。

 東大は今年白星なしに終わり、昨秋の最終戦から21連敗。もしも、鈴木が投げられる状態であったならば、こんな成績ではなかったろう。
 鈴木はベンチ入りもできない状態なのか(インフルエンザとかならば、無理だが)。それとも、戦力にならないのならば、来年のある控え選手に神宮を経験させてやってくれ、とでも鈴木が言ったのか。
 最終戦は鈴木の姿が見られるものと思っていただけに、残念であった。閉会式には出てくるかな?

 試合終了後の整列。両校の主将が握手をし、主審がゲームセットを告げた。今日が神宮最後の試合となった四年生の中には、泣いている選手もいた。
 両校ナインは、それぞれ応援席に向かって整列し、一礼。スタンドからは一段と大きな拍手。「来年、期待してるぞ!」。東大側から、大きな声がかかった。
 そのすぐ後、一塁側立大応援席に、一人のユニフォーム姿が現れた。背番号10、主将の中山だ。何を言っているかは分からなかったけれど、学生たちに挨拶をし、お辞儀をして、今年の応援に感謝しているらしかった。とてもさわやかな光景だった。

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 どちらも優勝の可能性を残す法明2回戦は、3-1で法大の勝ち。決着は3回戦に持ち越された。
 今日の神宮は昨日よりもさらに冷え、使い捨てカイロを使っている人もいたし、熱燗(だと思う)の日本酒の売り子も出現したほどであった。

 だが、プレーする選手の中に、半袖アンダーシャツ姿が一つあった。試合開始から終了まで、ずっと半袖のまま。その選手の周囲だけ常夏なの?、というくらい、まったく寒そうな気配を見せない。
 一体、誰だと思います? 法大の先発・二神なのである。

 普通、投手は肩やひじを冷やさないように、神経を使うものである。暑い夏場でも長袖アンダーシャツを着ることもあるし、腕の筋肉の形状から球種を見破られる可能性もあるとして、投手の長袖は当たり前みたいなものである。
 しかし、二神は9回に駄目押しとなる3点目の二塁打を放って塁上に立った時も、ベンチからウインドブレーカーが届けられそうになったのを断った。

 また、打席に立つ時も、ひじ当てやすね当てなど防具らしきものは一切着けず、手袋だけでバットを握った。
 デッドボールが来たら、自打球が当たったら……法大ベンチは冷や冷やしただろうが、まったく無防備で打席に立ち続けた。
 二神は、いつもこうだったかな? それとも、この試合に懸ける意気込みを示したのか?

 ドラフト会議直前のマウンド。今日は無四球完投で、先週の早大戦は完封勝利。ヒーローインタビューも、当然半袖のまま、涼しい顔で受けていた。
 法大のエースが、春の雰囲気を取り戻してきた感じがする。
                       (谷川彬良) 

2009年10月24日 (土)

優勝争い、早大優位に

 優勝の行方に大きくかかわる法明1回戦は、5-1で明大の勝ち。この結果、法大の自力優勝が消滅。自力優勝の目があるのは、早大だけとなった。
 この後、法明戦がどのような結果になろうとも、早大は早慶戦に連勝で優勝決定。有利な状況となった。

 しかし、早慶戦で早大があっさり連勝できるかはわからない。今春こそ早大が連勝したけれども、早慶戦は3回戦までもつれるケースが非常に多いのだ。
 慶大はエース中林が「有終の美」を狙っているだろうし、相場監督が指揮を執る最後の試合でもある。慶大ナインは、何が何でも1勝、勝ち点奪取、と意気込んでいるはずだ。

 しかし、投手力が慶大よりも厚い早大が、勝ち点を落とすことまでは考えにくい。早慶戦は、早大の2勝1敗の可能性が高い、と読んでいるがいかがだろうか? 
 仮に早大の2勝1敗とすると、早大の最終成績は8勝4敗勝ち点4。
 法明2回戦に明大が勝つと、明大も8勝4敗勝ち点4でまったくの同率。
 法大もまた、2、3回戦に勝つことで8勝4敗勝ち点4になる。

 そう考えると、共に自力優勝のない法大、明大であるが、2回戦はまだまだ“大勝負”といってもいいかもしれない。

 いずれにしても、優勝の懸かる早慶戦。観戦なさる方もたくさんいらっしゃるでしょう。
 今日の神宮は、曇り空。温かいコーヒーが美味しく感じた。上着がなくては寒いと感じるほどだったので、早慶戦は厚手のものを用意したほうがよろしいかもしれない。

 ――――――――――――――――――――

 ところで、今日の第2試合・立東1回戦で、東大のエース鈴木はまたしてもベンチ入りしていなかった。彼にとって大学最後のカード。マウンドに上がれないとしても、ベンチに居る姿を最後に見せてもらいたいが……。
 先週、足を痛めた法大・亀谷も、ベンチ入りメンバーにはいなかった。だが、隣で観戦していた妻は、「ベンチに亀谷君がいるみたいだけど…」という。
 そんなはずはあるまい、と思って見てみたら、メガホンを持った亀谷が出てきて驚いた。背中を見ると、「51」番をつけている。(いつもは24番)。特別要員として、ベンチ入りしていたのだった。
                       (谷川彬良)

法大、痛い1敗

 互いに優勝の可能性を残す法大-明大1回戦は、9回表に4点を勝ち越した明大が5-1で先勝した。
 法大は8回裏、無死2塁のチャンスをつかみながら、送りバント失敗で3塁タッチアウト。その後、二死2塁からレフト前ヒットで走者の中尾が本塁突入したが、明らかに暴走で楽々タッチアウト。
 中尾は俊足であるが、時に「過信」と思わせる暴走がある。送球が逸れるのを期待してのものなのかもしれないが、今季だけでも、楽々タッチアウトを3度ほど見た。

 一方、明大に勝利をもたらしたヒーローの一人は、上本だ。途中から遊撃守備に就き、9回の初打席でセンター前(?)ヒット。
 次打者・謝敷のヒットで一死1、2塁となった後、三塁へ単独盗塁。法大の捕手・石川が投げられずに呆然としている時に、一塁走者の謝敷も二盗。法大はやむなく満塁策を採ったが、高く弾んだ一塁ゴロの間に、上本が決勝のホームを踏んだ。

 昨年まで早大にいた兄・博紀を思い起こさせる疾風の盗塁。単独であるから、サインではなく、自分の判断だろう。この大胆さが、こう着状態を一気に打開したと言ってよい。価値のあるプレーだった。

 6勝3敗、勝ち点3で、早大と首位に並んでいた法大にとって、まさに痛い1敗。これで「自力優勝」が消えたことになる。
                            (谷川彬良)

2009年10月23日 (金)

混戦の東都、いよいよ最終章

 東都大学野球(一部)は、台風の影響で延期になっている立正大(1勝)-青学大、國學院大(1勝)-中大を残すのみになった。(10月27日に行われる)
 國學院大-中大はどちらが勝ち点を挙げても、優勝&最下位争いには無関係だが、立正大-青学大は「大一番」である。

 立正大が勝ち点を挙げれば、1949年創部後、初優勝。一方、青学大は勝ち点を落とすと最下位となり、二部優勝・専修大との入れ替え戦が待っているのだ。

 優勝の可能性を残しているのは、亜細亜大。今季は開幕から2カード続けて勝ち点を落としながら、優勝の目を残した復元力はさすが。
 調子の悪かったエース・東浜の復調(5勝)が、大きくものを言った。「100安打」の主将・中田はリーグ史上6位タイの「103」まで伸ばした。

 青学大と最下位争いをしているもう一つのチームは、6連覇を目指した東洋大。夏場、部内でインフルエンザが流行し、満足に練習ができなかったとのことである。
 それにしても、春のリーグで1、2位だった東洋大、青学大のどちらかが最下位になるのだから、東都の戦力は拮抗している。最下位といったって、勝ち点は2なのだ。

 共に全日程を終えた亜細亜大と東洋大。亜細亜大の生田監督が言うように、どちらも「果報は寝て待て」の状況になった。
 亜大の果報は「優勝」、東洋大の果報は「最下位脱出」と、果報の中身は大きく違うが、「優勝」はもちろんのこと、「最下位脱出」も大きな価値のあることであるから、半端な喜びではないだろう。

「果報」が亜大、東洋大、一緒にもたらされることはないが、必ずどちらかには届く。
 さて、勝負の神様は、どちらへの配達を準備しているだろう?
                         (谷川彬良) 

2009年10月19日 (月)

斎藤佑、今季初黒星

 勝負どころの法大戦に2度先発して、1分け、1敗。試合後、斎藤佑が何を語るのか、非常に興味があったのであるが、「報道陣の取材を受け付けなかった」と伝えられている。

 1回戦(引き分け。6回、7安打、自責点3))終了後には、「調子はすごく良かった」「安打もジャストミートされていない」「次に投げるのが楽しみ」などと語り、次は絶対に勝てる、の自信をうかがわせた。
 にもかかわらず、今日は4回、5安打、自責点2で、今季初黒星。かなりショックを受けているのではないだろうか?

 今日、斎藤が打たれた安打も、ジャストミートされたのは1回和泉のレフト前、2回亀田のセンター前くらいのものではなかったか。
 多木、石川の三遊間安打は強くないゴロがコースが良くて抜けたものだし、2点目を失うきっかけとなった佐々木のライト前ヒット(ヒットエンドラン)は、叩き付けた高い打球が一塁手の頭を超えていったものだった。

 しかし、良い当たりをされていないとはいえ、立教戦から3試合続けて勝てなかったことは厳然たる事実。
 フォームを以前のものに戻しても、以前のようなピッチングができないでいるのか。それとも、今日も調子は良かったけれども、不運で負けただけ、と思っているのか。
 いずれにしても、斎藤佑は迷い道に入ってしまったのではないか、と心配になってしまう。

 先発して3試合勝てなかったことは、一年春、二年秋に続いて今回が3度目。しかし、4試合続けて白星なしは、一度もない。
 次の登板は、早慶戦。チームにとっても、斎藤佑にとっても、大事な試合となる。
                            (谷川彬良)

早大、連続完封負けで勝ち点献上

 0勝4敗2分。今年の春秋のリーグ戦における、早大の対法大戦成績である。今年は、ついに法大に一つも勝てなかった。
 2005年に應武監督が就任して以来、勝ち点を落とすことはあっても、必ず一つ白星を挙げていた早大が、今年の春、法大に白星なしで勝ち点献上の初の屈辱。
 そして雪辱を期したこの秋も、やはり白星なし。“大屈辱”と言ってもいいだろう。

 早大は、1回戦に引き分け後、2、3回戦に連続完封負け。1回戦の6回から、なんと25イニング0行進が続いていることになる。
 今日の3回戦、早大最大のチャンスは、2回の一死満塁。ビハインドは1点であり、少なくとも同点には追いつきたい場面であったが、後藤はセカンドゴロで併殺。これが何とも痛かった。

 立ち上がり、それほど好調とは思えなかった法大の先発・加賀美は、4回以降の6イニングを無安打と尻上がりの投球。早大は、チャンスらしいチャンスすら作れなくなってしまった。
 終わってみれば、早大はわずか2安打であった……。

 この3連戦、早大打線は1回戦9安打3点、2回戦6安打0点、3回戦2安打0点と、まさに尻すぼみ。
 今季が開幕してから、好調に映っていた打線は、法大投手陣の好調もあり、ついに火を噴くことはなかった。
 とくに、法大戦前まで3人とも高打率を誇っていた土生、山田敏、杉山のクリーンナップは、この3連戦は33打数2安打。ヒットを打ったのは、山田のみ……。

 早大の9回の攻撃は、3番の土生から。加賀美の好調ぶりから、敗戦は覚悟していたけれども、それでもぼくの脳内では「クリーンナップ3連発で逆転!」の快感映像が流れていた。(笑) 
 先頭の土生が、ライトへの会心の打球――だが、飛距離は十分であったが、ポールを30cmほど切れたであろうか……。
 結局、クリーンナップはあっさりと打ち取られ、ゲームセットとなった。

 だが、落胆することはない。法大に上に行かれたわけではなく、6勝3敗、勝ち点3と、まったくの同率なのだから。
 連敗しても、自力優勝が残っている戦いをそれまでしてきたことを、誇りに思えばいい。

 試合終了の両校挨拶が終わった後、ベンチに引き上げる早大選手の誰か(誰だかはわからなかった)が、ベンチ前で「アアァ~ッ!!」と大声を発して、悔しさを露にした。それは、ナイン全員の気持ちでもあったろう。
 その悔しさや良し。落胆はエネルギーを奪うが、悔しさはエネルギーを補充する。

 その悔しさを、思う存分、早慶戦にぶつければいい。2連勝で優勝が決まるかもしれないし、決まらなくとも法大との優勝決定戦になるわけだから。
 今、早大ナインが一番欲しがっているのは、間違いなく「法大戦」であろう。来春まで待たなければならないかもしれなかった法大へのリベンジの機会が、すぐそこに待っているかもしれないとなれば、勝ち点献上ぐらいで落胆している時間はあるまい。
                           (谷川彬良)

2009年10月18日 (日)

ベンチにいた男

 早法1回戦の先発が予想された法大・加賀美は、昨日のベンチ入りメンバーにも入っておらず、何かアクシデントがあったのだろうと思っていた。
 ところが、2回戦の今日、法大ベンチには背番号「19」の姿。加賀美である。出場はなかったが、ブルペンに入って投球練習をしていたところを見ると、3回戦は加賀美が先発なのか。
 早大の先発は斎藤佑であろうから、二人の4度目の先発対決は3回戦で実現するのかもしれない。

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 法大ベンチに、元気の良い男がいた。ただ一人、赤い(オレンジ?)メガホンを持ち、やたらと大声を出してチームメイトを鼓舞、激励している。
 守備から戻ってくる選手の尻をメガホンでぽんぽん叩いたり、とにかくじっとしていないのだ。

 誰だろう? 試合中、その男がネクストサークルにバットを置きに出てきて、ベンチに戻る際、背番号が見えた。「24」である。
 驚いた。昨日、同点打を打ちながら、一塁で右足を押さえて動けなくなった亀谷ではないか!

 一人で、ちゃんと歩いている。もう治ったのか? いや、よく見ると、わずかにだが右足を気にするようなそぶりもあった。
 試合に出られる状態なのかどうかはわからない。だが、もし出られなくても、出場している選手たちの精神的な力になろうと、きっと彼は一生懸命なのだろう。

 ネクストサークルへのバットの用意など、普通は下級生の仕事ではないのか。それなのに、最上級生(しかも副将だ)の亀谷が万全ではないであろう右足を運びつつ、その仕事を進んでやっているのである。
 こうした縁の下の力によって、グラウンドの選手の力が何割か、何%かアップするなら、大きな戦力となる。間接的に、亀谷は試合に“出場”していることになるだろう。

 今季3カードを欠場した亀谷が、この早大戦でやっと戻ってきた。気のせいなのかどうかわからないけれども、法大ベンチに活気が戻ってきている。
 春の調子に比べれば戦いぶりはまだまだだが、春優勝の立役者・エース二神、復活の完封勝利といい、押され気味の試合を粘りに粘った執念といい、春の勢いを取り戻しつつあるような気がするのである。
                          (谷川彬良) 

W敗戦、お疲れの日曜日

 神宮界隈に到着したのは、朝8時ごろ。神宮第二で行われる早実-日大三の強豪対決を観るためである。
 チケットの販売開始は9時であるが、共に人気校とあって集客の予測がつかず、少し早いかと思ったが出かけたのだ。
 スタンドに出た時には1階席にもまだ空席がたくさんある状態で、ほっと一息。

 さて、試合のほうは……経過は省略して(笑)、結果だけ。14-5で、日大三の7回コールド勝ちである。
 早実はエース鈴木が1回に3点、2回に5点を失ったのが痛く、追いつけるような雰囲気にはならなかった。

 来年の夏、早実が西東京を勝ち上がる、つまり日大三に勝つには、投手陣のかなりの底上げが必要だとはっきり感じる。
 現有戦力から、誰かが抜け出してくるか、来春の新入生に有望株がいてくれるか。打撃の力はあるだけに、期待をしたい。

 試合終了後、国立競技場のレストランでボリュームのある定食をゆっくりと食し、さてそろそろかな、と神宮球場に向かう。
 1時半。チケットを買っている時に、早大のスターティングメンバーが発表され、タイミングはばっちりであった。

 早大-法大の2回戦。試合のほうは……またも経過は省略して(笑)、1-0で法大の勝ち。昨日は引き分けだったので、これで早大は1敗1分と勝ち点献上のピンチを迎えた。
 再三チャンスのあった早大は、5回、一死1、3塁で宇高のセーフティスクイズ?が一塁正面へ転がり、打者走者タッチアウト、三塁走者が挟殺プレーで併殺になった場面が最大の逸機だった。
 9回裏二死3塁で、代打・大石。ここで先日見せたセーフティバントをしたら面白いな、と思ったが、セカンドゴロでゲームセットとなった。

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 先発の福井は、7回4安打と安定感のあるピッチングを見せた。1失点は、十分合格点であろう。
 問題は打線。とくに昨日12打数0安打に抑えられたクリーンナップ(土生、山田敏、杉山)は、今日も10打数1安打と結果が出ず。調子が落ちているのか、それとも法大の研究が功を奏しているのかはわからないが、明日もこんな調子だと苦しい。

 早法3回戦。この試合は双方(「早法」でも可。 笑)にとって極めて重要だ。
 早大は、この試合を勝っておけば、もしも法大戦で勝ち点を落としたとしても、早慶戦で連勝すれば、プレーオフなしの優勝の目が残る。
 一方、法大は早大と、勝ち点、勝率とも並ぶことができる。(慶明戦で慶大が勝ち点を取れば、自力は復活しないが)

 3回戦の早大の先発は、斎藤佑であろう。自ら「好調」と語る斎藤が、「勝つ」投球をできるのか。
「内容」よりも、「結果」が求められる試合と言えるだろう。
                          (谷川彬良)

2009年10月17日 (土)

復帰戦、執念の同点打

 春のリーグ戦で優勝し、大学日本一にもなった法大が、この秋季リーグ戦、波に乗り切れないのは、エース二神の不調と共に、1番打者・亀谷(四年)の不在が大きかったと思う。
 亀谷はリーグ戦開幕直前の練習中に、右ひざを骨折。リーグ戦は絶望ではないかと見られていた。

 今日の試合前、ベンチ入り選手が電光掲示板に映し出された。斎藤佑と先発対決すると思われた「加賀美」の名前がなかったのには、がっかりもし、心配もしているけれども(何のアクシデントがあったのか……)、「亀谷」の名を見つけて、もう戻って来られたのかと驚いた。

 その亀谷はまだ万全ではないらしく、ベンチスタート。途中、ライト守備から出場した。
 しかし、守れるということは、もう足は大丈夫であること。切り込み隊長、精神的支柱の一人が戻ってきて、法大は勢いをつけてくるのではないか、という気がした。

 7回裏、法大は2点を返して1点差。なおも二死1、3塁で、打者は亀谷。投手は大石。
 手に汗握るこの場面で、亀谷はショート松永のグラブをかすめるようなレフト前ヒットを放った。

 劣勢だった試合を振り出しに戻し、歓喜に沸く一塁側法大応援席。しかし、その喜びは次の瞬間、凍りついた。
 一塁塁上で、亀谷が右足を押さえて動けないのだ。一人では歩けず、同僚の肩を借りて、ベンチに引き上げる姿。スタンドからは温かい励ましの拍手が送られた……。

 まだ足は完全には治っていなかったのか。無理をしたのか。でも、亀谷が出場したかった気持ちはよく分かる。
 自身にとってのラストシーズン。いや、それよりも優勝するためにはもう一つも負けられない崖っぷち。チームが春ほどの勢いがないのは、自分の戦線離脱が大きいことを亀谷自身もわかっていただろう。
 その離脱の原因である右ひざ骨折にしても、自打球を当てたのが理由なのである。怒りは自分にぶつけるしかなく、責任も自分で取るしかないと、リハビリを続ける最中もずっとずっと思い続けていたのではあるまいか。

 亀谷の一打によって、法大は敗戦を免れた。四年生の見せた“執念”によって、法大は春の勢いを取り戻すのだろうか。
 亀谷のあのベンチへの下がり方を見ると、早大との残り試合と、来週の明大戦への出場は、むずかしいと思わないわけにはいかない。
 でも、もう一度、彼のはつらつとしたプレーを見せてもらいたい。
                            (谷川彬良)

早法1回戦は延長引き分け

 早大と法大。毎季接戦を繰り広げる構図は、今季も続いているらしく、1回戦は延長12回、3-3の引き分けとなった。
 これで両校は、昨秋から3季連続の引き分け試合。珍しいことではないだろうか?

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 投手の交代時期は、むずかしい。法大、早大とも、1テンポ交代を早めていれば、と思う試合であった。

 法大・三上の交代時期と思ったのは、5回表二死2、3塁の場面。打者の松永は3回に先制打を放っており、今日、早大打線の中で三上に最もタイミングが合っていたと言える打者である。
 法大の金光監督はマウンドに行ったけれども、そのまま続投。直後、松永にセンター前2点タイムリーが出た。

 早大・斎藤佑のピンチは、7回裏(ここまで3-0で早大リード)。法大は先頭打者がヒット、次の佐々木が右中間二塁打で1点を返し、さらに無死2塁。ここで打線は、1番からの上位打線に戻るので、ここが一つの交代期であるような気がした。
 斎藤は続く多木にタイムリーを許し、1点差。ここで應武監督は、リリーフに大石を送ったが、大石も二死1、3塁から亀谷に同点打を浴び、これで斎藤の白星がなくなった。

 2点差に迫られた場面で大石を出していれば、と思うが、1点差まで應武監督が我慢したのも理解できる。
 斎藤にはできれば完投勝利をさせたかっただろうし、大石も前回の立大戦で“神ピッチ”を見せていたから、1点差からでも大丈夫、と踏んだのではないかと思うのだ。
 でも、両監督とも、先発投手の交代時期は、少し後悔しているかもしれない。

 ただし、交代時期云々は、結果を見てからの一方的な論になってしまいがちであり、法大・三上を、早大・斎藤佑を早く交代させていても、望むとおりの結果になったかどうかはわからないわけである。
 その意味では、ぼくの言っていることは後出しじゃんけんのようなものであるから、ちょっと見、正しいようではあっても、実際がどうなったかは誰にもわからない。神のみぞ知る、というところだ。

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 さて、引き分けに終わったこの試合。早大に新たな攻撃パターンが誕生した。(笑)
 早大の1点目、2点目のホームを踏んだのは、9番打者の斎藤佑。3回は一死から、5回は二死からいずれもセンター前ヒットで出塁し、1番打者の小島がつなぎ、2番打者の松永が2本のタイムリーで3打点。
 強力クリーンナップの土生、山田敏、杉山が12打数0安打に抑えられたこの試合、9番打者の斎藤+大石で3安打、1番小島が2安打、2番松永が2安打(3打点)、あとは8番宇高が2安打。8、9番打者で、早大9安打中5安打という珍しい試合であった。

 斎藤佑の出塁がなければ、早大は無得点に抑えられてもおかしくなった試合。斎藤は3打席目には三塁前へセーフティバント(アウト)を見せるなど、チャンスメイクを意識した打席が続いた。
 ピッチングのほうは、今日は丁寧さを心がけていたよう。力感はあまりなかったけれども、それでも勝負どころではストレートで三振を取りに行き、6回で6三振。本調子ではないようだが、、最速145キロで、立大戦の4回4失点の時よりは修正できていたように思う。

 春の法大戦で4回6失点降板し、秋の雪辱を誓っていた斎藤。白星はならなかったが、途中までは「斎藤佑、会心の26勝目」をこの記事のタイトルにしようと思っていたほど、投打に活躍していたのである。塁間を走る姿も、何度も見られた。(笑)
 この引き分けは、早大、法大どちらにとって幸運だったのかよく分からない。ただ、一つ言えるのは、「打者・斎藤佑」がいなければ早大は負けていたかもしれないことである。
                           (谷川彬良)

2009年10月16日 (金)

さあ早法戦、明日はどこを見る?

 いよいよ法大戦である。法大は今春優勝し、大学日本一にもなったけれども、昨年までリーグ戦は下位のチーム。それでもなぜか早大戦は、好勝負を演じてきた。
 今季のチーム力を大雑把に見ると、早大は春より上、法大は春より下、と言っていいと思う。
 春は法大の2勝1分けだったが、今季は早大がやや優位にあるのではないか、という気がしている。

 さて、1回戦の先発は、早大はわれらがエース・斎藤佑であろう。斎藤は現在までのリーグ戦通算25勝7敗。大学に入って、東大、立大には負けておらず、慶大には1敗。残る6敗は、明大に3敗、そして法大3敗だ。
 今季、明大には一つ勝って、通算で5勝3敗。法大には通算で4勝3敗と、両校を苦手にしている。

 しかし、防御率には大きな違いがある。明大戦は60イニング投げて自責点7、防御率1.05。
 これが法大戦となると、61イニング投げて自責点17。防御率は2.50になってしまうのだ。

 明日の1回戦。法大の先発は、加賀美であろう。昨秋の初対決以来、斎藤佑-加賀美の投げ合いは、見る者を魅了してきた。
 昨秋(4回戦)の先発対決は、0-0の投手戦が続き、斎藤は9回で降板、加賀美は延長14回に2失点して、負け投手になった。
 しかし今春、1回戦は斎藤が2失点で5回降板したのに対し、加賀美は完投勝利寸前の9回裏、杉山に同点打を浴びて引き分け。
 再び両者の先発対決となった3回戦は、斎藤が4回6失点で敗戦投手になり、加賀美は5回3分の1を3失点で、勝利投手になった。

 ここまでを見る限り、斎藤佑と加賀美の投げ合いは、微差ではあるにしても、加賀美に軍配を上げなくてはならないだろう。
 加えて、チームは勝ったとはいえ、斎藤佑は前節の立大3回戦で4失点降板しており、加賀美は立大3回戦でリリーフ登板し、3回を無失点に抑えて勝利投手になっている。両者の心の明暗は、どんなものだろう?

 しかし、だ。斎藤佑には、誰にも真似できないような修正能力の高さがある。これまでも“KO”された次の試合は、ことごとくと言っていいほど好投してきた。
 その特異な能力を明日も見せてくれるだろうか。おそらく、見せてくれるだろう。斎藤佑の立ち上がりに注目だ。
                          (谷川)

最下位から初優勝へ

 新しい歴史を自分たちの手で刻む――その気持ちはどのようなものなのだろう。
 東都大学野球09秋季リーグの優勝の行方を大きく左右する一戦、立正大-國學院大3回戦が10月15日、神宮球場で行われた。

 勝ったほうが勝ち点3となり、優勝にぐっと近づく。両校とも優勝経験はない。東都大学の試合はぼくは滅多に見ないけれども、初優勝に懸ける気持ちがぶつかり合う熱戦になると思い、観戦の時間をつくった。
 一塁側(立正)、三塁側(國學院)、どちらに座ろうかと考えたが、春のリーグ戦で勝ち点0、最下位だった立正大側に座ることにした。

 試合は、序盤に2本のホームランなどで着実に加点した立正大が、エース南の危なげない投球で大一番を制した。
 立正大は、台風の影響で持ち越しになっている対青学2回戦(10月27日・神宮)に勝つと、初優勝が決まる。

 立正大が優勝すると、明治神宮大会の決勝で早大と対戦することになる(はず。 笑)
 この南という投手、ランナーがいない時には130キロ台の直球がほとんどなのだが、いざという時には思わぬ速球を投げ込んでくる。この日も、9回、ランナーを二塁に背負った場面では150キロのこの日最速の球を見せた。
 制球力もあり、スライダー(?)も低めに決めてくる。打ちにくい投手と言えそうだ。

 2点目のホームランを打った越前(三年、横浜)は06年の選抜大会で斎藤佑樹(早実→早大)と対戦したはずである。
 國學院では、代走で中澤(三年)が出場。レフトの守備に入り、打席では送りバントをきっちりと決めた。
 中澤と聞いて、ピンと来るだろうか? あの06年夏の甲子園の決勝再試合(早実-駒大苫小牧)で、9回に斎藤佑樹から追撃の2点本塁打を放った選手である。
 当時は体が細かった印象があるが、大学三年となった今はがっしりとすっかり大人の体になっている。

 ほぼ優勝決定戦といえたこの試合。観客席はまばらだった。平日であるし、この日に優勝が決まるわけではないから仕方ないか。
 近年は「人気の東京六大学、実力の東都大学」などと呼ばれることもあるほど、力のある選手が集まる東都大学リーグ。
 この日も緊迫感のある、レベルの高い試合をしていたので、もっと目に触れていいリーグであろう。

 神宮球場の優先使用権が東京六大学にあるのは当然としても、他の球場を使用するなどして、土日に開催するようにしたらファンが増えるのではないだろうか。
 選手たちの授業への出席回数も、格段に増えるに違いない。(嫌がる選手もいる? 笑)

 試合後のエール交換の後、國學院側から「立正大、優勝~!」の声が2度、3度発せられた。
 負けてやけくそになった、とかいう響きではない。さわやかな番外編のエールであった。
                                (谷川彬良)

2009年10月14日 (水)

亜大・中田、「100安打」達成

 亜大の主将・中田亮二が、東都大学リーグ通算「100安打」を達成した。10月13日に行われた対東洋1回戦、7回のホームランが記念すべき一打となった。
 100安打は、東都大学では史上14人目となる。

 さて、その東都大学リーグは、いよいよ終盤戦。第6週途中までで、勝ち点2が4校の大接戦になっている。
 しかし、共に勝ち点2の立正大-國學院大が、1勝1敗で10月15日(木)に3回戦を戦い、ここで勝ったほうが勝ち点3となって抜け出すことになる。

 立正大、國學院大とも、10月27日に青学大、中央大との2回戦を残しているが、立正、國學院とも先勝しているだけに、15日の立正-國學院3回戦が事実上の決勝戦といっても差し支えないと思う。
 どちらが優勝しても、悲願の「初」。15日は神宮球場で午後1時から試合開始だが、どのくらい観客が入るだろうか?

 ちなみに、6連覇を目指した東洋大は、2連勝後の6連敗で、すでに優勝は消えている。
                              (谷川彬良) 

早実、ベスト8

 高校野球の東京都秋季大会はベスト8が出揃い、今週末に準々決勝、来週末に準決勝と決勝が行われる。
 早実は、3回戦で足立学園に17-0(5回コールド)の圧勝。準々決勝は、強豪・日大三と激突することになった。
 準決勝は、帝京-成立学園の勝者。決勝に進めば、東海大菅生、日大二、都日野、明中八王子のいずれかと対戦する。

 早実はここまでの3試合、いわゆる強豪との対戦はなかったものの、10-1、9-1、17-0といずれもコールド勝ち。
 一方、準々決勝の相手・日大三は八王子、日大鶴ヶ丘という強豪校に、4-1、5-4で勝ち上がった。
 強豪との対戦が初めてとなる早実はいきなり横綱級と当たるわけで、ここで真の力が分かるといってもいいだろう。

 早実の投手陣は、エース鈴木が2試合に完投。3試合目は一次予選で完全試合(コールドのため参考記録)を達成した長坂と、一年生の内田、そして小野田が最後の1イニングを投げた。
 小野田は打撃を生かすために野手に専念するのかと思っていたけれど、マウンドに戻ってきたことは素直に嬉しい。球場でも、「お帰り」の拍手が起きていたそうだ。

 旧チームのエースだった小野田がこれまでマウンドに上がらなかったことで、他チームは「小野田」の名を投手ラインナップから消しかけていたのではないか? 
 この後の試合で投げるかどうかは別にしても、ここへ来ての復活劇は、もう一枚投手がいることを示して相手を混乱させようという和泉監督の作戦か。(笑)

 昨年は準優勝で甲子園出場となった早実。今年は優勝して、文句なく甲子園切符を手にしてもらいたいもの。
 そして、早大と兄弟揃って、明治神宮大会に出場する光景を見たい。そのチャンスは十分にあるだろう。

 この秋、早大も、早実も、打撃がすこぶる好調に見える。投手陣の多少の失点など、すぐに取り返してくれるような頼もしささえ感じさせる。
 早大打線は、ここ何年かで一番得点力があるのではないだろうか?

 ところで、早実-日大三は、18日(日)10:00から神宮第二で。この日、神宮では第2試合に、早大-法大がある。はしご観戦にはうってつけのスケジュールなのだけれど、早実の試合は入場券を手にできるかどうか……。(半分諦めている。 笑)
                             (谷川彬良)

2009年10月12日 (月)

立大、勝利を逃す?

 早立3回戦は、4回までに立大が4-0でリード。早大は敗戦の危機に立たされていた。
 立大の先発は、3日連続で戸村。3回までは順調に来ていたが、4回になると疲れからかコントロールが乱れ始め、ボールが低めに外れがちになった。

 この回のピンチは切り抜けたものの、5回ははっきり球威が落ちたように感じられた。先頭打者のピッチャーゴロを取り切れずに生かし、無死1、2塁から併殺必至のピッチャーゴロはファンブルして、一塁アウトのみ。この後、つるべ打ちされて、一挙5失点になってしまった。
 この回の途中で降板した戸村の、悔しそうな顔。しかし、スタンドからは孤軍奮闘のエースに大きな拍手が送られた。

「行けるところまで戸村で」。3日連続で先発させた立大・坂口監督の策に、ぼくも賛成である。ここで他の投手を先発に立てては、明らかに“気合負け”であろう。
 しかし、4回から疲れが見え始めた戸村を、5回もマウンドに上げたのはどうだったのだろうか? 4回裏立大の攻撃で戸村は出塁し、長い攻撃の間ずっと塁上にいた。5回の球威のない投球を見る限り、もう“行けるところ”ではなかったのではないか、という気がするのだ。

 戸村の後を受けた斎藤隼、丸山、仁平の3投手は、合計で4回3分の2を投げ、自責点は斎藤隼が失った1のみ。
 もしも、立大4-0の5回頭から継投に入っていたら、逃げ切れたのではないか?、と立大ファンなら思うところだろう。

 今日は早大ファンの友人と観戦した。早大が勝てば、もちろん大喜びする人である。
 だが、あの早大が5点を取って大逆転した場面で、友人は神妙な顔をしていた。「あんなに疲れて見えるのに……戸村君が何だかかわいそう」であると――。
                             (谷川彬良)

早大、一気の逆転で勝ち点3

 見事な集中打だった。0-4と4点をリードされていた5回表、早大打線は3日連続先発の戸村を攻め立てて5点を奪い、一気に逆転してしまった。
 逆転打を放ったのは、5番杉山。一死2、3塁。このような勝負どころで打てるのは「何かを持っている」証。勝負強い打撃は、春から何度見せてもらっているだろうか。

 今日の杉山のヒットはこの1本だったが、この場面で打てるなら、他の打席はどうでもいい、という気にさせられる。
 これでチームトップの打点7。捕手として、史上初の一年生ベストナインも見えてきた。

 5回から、5イニングのロングリリーフを見せた大石もまた、見事な投球。最速153キロで、11三振を奪い、1回戦よりずっと良かったはずである。(1回戦は観戦していない)

 ただ、早大が勝ったとはいえ、何かモヤモヤするのは、斎藤佑がノックアウトされたせいか。
 今日の斎藤は、大学に入って1、2の悪さ?、と思わせる内容ではないだろうか。

 4回を投げて、7安打2四球、4失点(自責点は2)。4イニングのうち3イニングに失点するなんて、過去にあったかな? 
 初回の先頭打者の一塁ゴロでベースカバーに走り、一塁手原からの送球を落としたプレー(原のエラー?)が悪い流れの始まり。コントロールは悪いし(球数93)、外野の深い場所までの打球が、いくつあったことか。

 2回だったか、立大主将の中山から「250奪三振」を記録したものの、嬉しさなんてまったくないだろう。

 立大から勝ち点を取ったというものの、今日の斎藤、昨日の福井の先発二本柱を見ていると、次の法大戦が心配になってくる。
 法大戦にもしも連敗するようなら、法大とまったくの同率になり、慶明戦で慶大が勝ち点をあげれば慶大がトップに立つことになる。

 修正能力の高さでは定評のある斎藤佑。さて、5日後の法大戦までに、どう修正してくるか、最大の見どころである。
                       (谷川彬良)

2009年10月11日 (日)

早大、初黒星

 早立2回戦は、立大が4-0の勝利。連続先発のエース戸村の完封劇で、3回戦にもちこまれることになった。立大は、今季4カード連続で3回戦を戦うことになる。みんな野球が好きなのだ。(笑)

 今日の早大は、散発の5安打。満足な当たりは、土生が最終打席に放ったゴロのセンター前ヒットくらいのものではなかったか。(この打球は速かった)
 早大の貧打、というよりは、立大戸村の投球をほめるべきだろう。ストレートは最速147キロ程度だったと思うが、変化球が低めにコントロールされていた。

 今季無敗だった早大からの完封勝利。試合後の戸村は、応援席からの声援に帽子を取り、笑顔でお辞儀を返した。
 先週の月曜日、法大3回戦でサヨナラ負けした時の泣き顔とは、まさに180度違う満面の笑み。主将中山と二人のヒーローインタビューの最中も、ずっと笑顔は消えなかった。よほど嬉しかったのだろう。

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 早大が負けたとはいえ、なかなか見ることのできない選手の出場があり、その意味では楽しめた一戦。
 投手では、松下、池下、大野、楠田。打者では藤原、松本、そして大石。(笑) 

 気になる選手の一人である楠田は、2イニング投げ2安打1三振。最速144キロを記録し、まずまず落ち着いた投球だったと思う。

 早大・最後の打者は、代打の大石だったのだが、低めの変化球に空振り三振。野手転向の大前がネクストで代打の用意をしていたので、そこまで見たかったのだが残念だった。
 それにしても、大石に代えられたのは、かつての(?)主砲・原。ショックはないだろうか?

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 早大が負けて喜んでいるわけではないが、明日も試合があることは喜んでいる。(笑)
 それに、明日の先発は斎藤佑樹であろうから、「26勝目」と、法大戦に持ち越されたと思っていた「250奪三振」のチャンスがめぐってきたことになる。
 250奪三振の達成は、明日の1回?、2回? まあ、明日は確実に決めてくれることだろう。

 今日、ぼくはなぜか三塁側(立大側)で観戦。早大ベンチやブルペンがよく見える。
 斎藤佑は試合前半はベンチ内で盛んに投球モーションを繰り返し、時にはベンチの端っこでステップ幅のチェックと、ステップと腕の振り下ろしのタイミングを確認していたようだった。
 終盤には、ブルペンで控え捕手の地引を相手に、明日に向けて力の入った調整をした。

 早大の先発は決まりだとして、立大の先発は誰だろう? エース戸村は、今日の投球数は143。順当なら、丸山か、斎藤隼か、仁平か。
 誰だとしても、行けるところまで行かせて、いざとなれば戸村――ということになるのか。

 しかし、今日、打ちあぐねた早大打線であるから、戸村の3連続先発も考えたくなるところだろう。
 戸村に行けるところまで行かせて、その後、誰かがリリーフ、という順も、立大・坂口監督は考えているかもしれない。
                     (谷川彬良)

2009年10月10日 (土)

斎藤佑樹、25勝達成

 通算25勝と250奪三振(あと4つ)の達成が期待された、この試合の斎藤佑。投げ合う相手が立大エース戸村であるから、25勝の達成はならないことはあったとしても、250奪三振のほうは軽くクリアするものと思っていた。
 しかし、6回を投げて奪三振は2つ。25勝は達成したけれども、今日は三振を狙わなかったのかな?

 今日は、神宮球場には行っていない(別の球場にいた)ので詳しいことはわからないのだけれども、観戦した友人がくれたメールによれば、「球の走りはあまり良くないみたい」とのことであった。
 立教打線も斎藤を研究していたろうし、いつも以上に球に食らいつく姿勢もあったのだろう。三振が少なかったのも、しかたがないかもしれない。

 この立大戦で斎藤の登板がないとすれば、250奪三振の達成は来週の法大戦になるはず。春、勝ち点を奪われた相手からの記録到達となれば、気分は悪くないだろう。
 まさか、それを狙っていたわけではないだろうけれど。(笑) まあ、法大戦のお楽しみ。

 打線は、相変わらず土生が好調のよう。4打数3安打で、前カードまでの打率.533から、さらに率を上げてきた。
 すっかり早大打線の核になった印象である。

 立大は、先発戸村3回、仁平3回、丸山2回、斎藤隼1回。戸村以外は無失点で、とくに仁平は1安打ピッチングの好投。
 斎藤佑vs仁平の対決が3イニングあったわけだが、その時の球場はいくらか盛り上がったのだろうか?
 立大は、明日もこの4人が投げることになることになるだろう。戸村の連続先発もあるかもしれない。

 それにしても、斎藤佑は6シーズン目で25勝目。立派なものである。
                                 (谷川彬良)

2009年10月 6日 (火)

エースは泣いていた

 1勝1敗で迎えた法大との3回戦。立大の敗戦は不運もあった。試合中、時折落ちてきてはすぐに上がっていた雨が、9回裏法大最後の攻撃(プロ併用日のため、延長なし)が始まった時に、雨らしい雨になってしまったのだ。
 ここまで0-0。立大としては、引き分けに持ち込むしかない。先発のエース戸村は好調で、法大打線をわずか3安打。引き分けの可能性が高いように見えた。

 しかし、先頭打者の何でもないゴロを、ショート伊藤公がエラー。次打者の送りバントは、二塁への送球が乱れてベースカバーの足が離れた。いずれも雨の影響がなかった、とは言えないだろう。
 さらに続く3番多木の三塁への送りバントは、内野安打で無死満塁。この絶好機に、4番松本雅がセンター前へ弾き返し、決着した。

 この秋のリーグ戦、立大のエース・戸村は、7試合に登板して3勝4敗。先発しては勝負の行方が明らかになるところまで投げる。味方がピンチを迎えれば、「頼むぞ」とマウンドを託される。
 登板した全試合に勝敗が付くことは、まさにエースの証といえる。

 この法大戦、1回戦で完投勝ちした戸村は、2回戦は1点リードの8回一死2塁のピンチでリリーフし、四球後に逆転の長打を浴びて敗戦投手になった。
 そしてこの3回戦は、連投の疲れも見せずに好投したものの、最後の最後に力尽きた。

 立大は3カードを終え、4勝5敗。落とした勝ち点は2つ。首位の早大との直接対決が残っているとはいえ、その早大は4勝0敗。立大の優勝は、ほぼ消えた。
 創部100周年の記念年。立大最後の優勝は、すでに10年前。優勝経験のない東大を除けは、天皇杯から一番遠ざかってしまっている。加えて、戸村自身にとってのラストシーズン。エースとして、是が非でも天皇杯を勝ち取りたかったことだろう。

 しかし、勝ち点奪取を目前にした2回戦で逆転打を喰らい、雪辱を期した3回戦はサヨナラ負け……。
「戸村で負けたのならしかたがない」と監督もチームの仲間も思ってくれるだろう。しかし、全力を出し切ったとは言え、エースの働きができなかったことに、戸村の胸は張り裂けんばかりではないか。

 試合後のグラウンド。サヨナラ打の法大・松本雅が一塁側でインタビューを受けている。
 三塁側のベンチ前では、戸村ががっくりとへたり込んで泣いていた。その背中に落ちる雨脚が強まっていることも気づかないように。
(2009年10月5日・神宮球場にて)
                           (谷川彬良)

 立教大学野球部のHPに掲載されている戸村君の「ラストエッセイ」です。       ↓
 http://www.rikkyo.ne.jp/web/z4000001/09essay/2.html

2009年10月 5日 (月)

微笑ましく、さわやかに

 二桁の番号を背負う選手は一人もいない。選手たちが守備に就くと、ベンチには監督一人しか残らない――そんな野球チームの試合を観た。現在の東大野球部にも、選手を複数送り込んでいるA高校の野球部だ。

 普通ならば、ベンチに入れなかった控え部員が、スタンドから声援を送る光景が必ずあるが、このチームの場合、誰もいるはずもない……とスタンドを見ると、なんとユニフォーム姿の選手たちがメガホンを叩きながら、盛大な声援を送っているではないか。
 しかし、グラウンドに散らばっている選手とは、ユニフォームの色が違う。よく見ると、同じ側で次の試合を行う高校の名前が書いてある。どうやら、ベンチ入りできなかった控え選手たちのようであった。

 A高校の野球部の父母がスタンド上段で慎ましやかに声援を送るすぐ前に陣取って、別の高校の控え部員である彼らが声援を送る。
「友情応援」というところなのだろうか。彼らは試合前のエール交換から始まって、試合中ずっとメガホン叩きと声援を絶やすことなく、最後のエール交換まで買って出ていたのだった。

 A高校と対戦したR高校も、部員がそんなにたくさんいるわけではない。ベンチ入りできなかった5、6人の部員が、スタンドで声援を送っていた。
 しかし、伝統的に強い野球部ではないから、エールの交換を行う習慣がないらしい。
 試合前、A高校からのエールを受けたのに、エールのお返しがないまま試合開始になってしまった。
 エールの交換があることは知っていても、どうやったらいいか、どのタイミングで声を出せばいいのか、わからないようなのである。大声を出す、気恥ずかしさもあったかもしれない。

 試合は、両チームともコントロールの良い先発投手が完投し、R高校が勝利した。通常ならば、勝利チーム側からエール交換をするとしたものである。
 だが、A高校の“友情応援団”は、R高校からエール交換があるかな、と少しの間待つ気配があったけれど、どうやら始まらないとわかり、「フレ~、フレ~」と敗戦側ながら先に行ったのだった。

 さて、R高校側はどうするのか、ぼくは興味深く見ていた。「試合前にもやらなかったのだから、きっと試合後もやらないだろう」と。
 そもそも、エール交換は絶対にやらなければいけないというものでもなかろう。東京六大学のように、儀式として決められていたり、高校野球でも「これこれ、このように……」と試合前に打ち合わせをしている光景を見ることもあるが、そういった場合を除けば“義務”ではないはずである。せいぜい“努力義務”というところか。

 さて、試合終了後のR高校スタンドはどんな状況になっていたか。一般の生徒はそもそも誰もおらず(そのように見えた)、野球部員の父母たちが一応立ち上がって、A高校側からのエールを受けていたのであるが、さっきまでいた控えの野球部員が一人もいなくなっている。
 エールを返すとすれば、その控え部員の誰かがやるべきところであろうが、試合終了と同時に荷物の片付けにどこかへ行ってしまったのだった。
 やはりエール交換は一方通行で終わる――とぼくは確信したし、他の数少ない観客も、もちろんA高校の友情応援団も同じことを思ったに違いない。

 その時である。R高校側スタンドから、思いもよらない声が発せられた。「A高校の健闘を祈って~! フレ~、フレ~……」。
 声の主は、スタンドに残っていた野球部の女子マネージャーだった。メガホンを持ち、身振り手振りも交えつつ、短いながらも“大仕事”を立派にやり遂げたのである。

 そもそも義務ではないのだし、状況を考えたら一方通行でも“許される”はずだった。
 でも、負けた側からエールを送ってくれているのだから、勝利側が何か応えなくてはいけない――きっと彼女は、そう思ったに違いないのだ。終わった後の彼女のほっとした表情と、愛くるしい笑顔がとても印象的だった。

 勇気のエールの後、A高校側から大きな拍手が沸き、スタンドの少ない一般客からも拍手が起こった。

 A高校の友情応援。R高校女子マネージャーのエール。
 微笑ましく、さわやかに。そんな応援風景だった。
(2009年10月4日 東京・府中市民球場にて)
                           (谷川彬良)

 #ちなみに、R高校がもう一つ勝ち、早実がもう一つ勝つと、対戦することになる。

2009年10月 3日 (土)

エース、復帰せず

 仕事をしなくてはならなかったのだけれど、神宮球場では法立1回戦が加賀美-戸村の投手戦の様相なのを速報で知り、これは面白そうだと終盤(7回から)観戦した。
 8回終了で1-1の同点。9回表一死1塁から立大4番・岡崎がレフトへ決勝2ランを放ち、決着した。

 法大・加賀美は好投をしたものの、またしても勝負どころでの失点。9回に決勝打、同点打を浴びる場面をこれまでに何度見たことだろう。
 まあ、勝負どころは決まって終盤であるから、疲れというものもあるにしても、それにしてもどうして?、と首を傾げてしまう。
 素材的には六大学でも有数だと思うので、不思議に感じている。性格的なものかな?
 投球で気になるのは、スローボールを続けて投げることが多いこと。慶大戦では、90キロ台を3球か4球、続けた場面があった。「緩急をつける」投球術は有効だと思うが、あそこまで必要なのかなあ?と思ったりもする。

 法大はこれで3連敗。大学日本一になった春の勢いはない。今日の試合も、同点の8回裏一死から3番・多木が四球で出塁すると、勝負どころと見て代走に快足・中尾。
 延長も考えられる展開であり、主軸の多木を引っ込めるのはどうかと思ったのだが……。
 次打者・松本雅は、おあつらえ向きのショートゴロ併殺。慶大戦でも感じたことだが、法大の歯車が狂ってしまっている。3敗してしまったことで、今の時点で法大の自力Vは消滅。ここから巻き返せるか?

 ――――――――――――――――――――

 今日の注目は、第2試合の慶東戦。東大のエース・鈴木の復帰が噂されていたので、その姿を見たかったのだ。
 しかし、一塁側ベンチから練習に出てくる中に、鈴木の姿はない。念のため、試合開始前の「ベンチ入りメンバー発表」も確認したのだが、やはり「鈴木」の文字はなかった。

 試合も気になったけれども、雨が時折落ちてくる天候だったので、試合開始前に神宮を後にした。
 ラストシーズンの鈴木。投げる姿は見られるのだろうか?
                      (谷川彬良)

2009年10月 1日 (木)

東都大学野球、「下克上」の様相

 第4週を終わった東都大学野球(1部リーグ)がすごいことになっている。春最下位だった立正大が、東洋大、亜細亜大から勝ち点を挙げて首位に立っているのだ。
 それどころか、現在の順位は上から、立正大、中央大、國学院大、亜大、東洋大、青学大(2位と3位、5位と6位は同率)。春のAクラス(東洋大、青学大、亜大)と、Bクラス(中央大、國学院大、立正大)がそっくり入れ替わっているのである。
 選手が入れ替わる秋→春ならあってもおかしくない展開だが、同じ選手が戦う春→秋では珍しいことに違いない。

 勝ち点は、上位3校が2、下位3校が1で、残りは2カードずつ。もしかすると、勝ち点3での優勝もあるのだろうか? 6校のうち、優勝経験がない立正大と國学院大をなんとなく応援したくなってしまうが……。
 また、東洋大が6連覇を実現するとすれば、「勝ち点3」での優勝しかなくなったことになる。

 もう一つ注目の亜大・中田の「100安打」は、97安打まで来た。残り2カードあるので、問題はなさそうである。

 http://www.tohto-bbl.com/gameinfo/schedule.php?YEAR=2009&SEASONID=02&LEAGUEID=01 

                             (谷川彬良)

2009年9月28日 (月)

早実、初戦は10月4日(日)

 09年秋季東京都高校野球、本大会のトーナメント表が公表された。
 早実の初戦は10月4日(日)で、対戦相手は京華商。決勝は10月25日(日)。優勝するには、6勝しなくてはならない。

 http://www.tokyo-hbf.com/news.php?nid=6cc2479a0aa8485d5801c4e8177e94e6

 早実の試合日程(予定)は、以下の通り。

・1回戦    10月 4日(日)12:30 八王子上柚木公園球場(対京華商)
・2回戦     10月10日(土)10:00 神宮第二球場(対佼成学園)
・3回戦     10月12日(月)12:30 市営立川球場
・準々決勝 10月18日(日)10:00 神宮第二球場(対日大三?)
・準決勝   10月24日(土)12:30 神宮第二球場(対帝京?)
・決勝    10月25日(日)12:00 神宮第二球場

 早実は準々決勝までは進めそうな雰囲気だが、その準々決勝で対戦するのは、日大三、日大鶴ヶ丘、関東一、八王子のいずれかになりそう。どこになっても、ここが一つの大きなヤマ。
 準決勝で対戦が予想されるのは、帝京か明大中野。厳しい試合となることは必至だが、ここが最大の難所と見る。
 決勝は、国学院久我山、東海大菅生、日大二、堀越、創価、明中八王子のいずれかが有力と見ているが、日大三、帝京ほどの強さはないのではないか。

 例によって、東京六大学野球とも日程が重なるので、どちらを観戦するか、かけもち応援をするか、これからじっくり考えることにする。(笑) 

 早実、2年連続の選抜大会出場なるか。
                            (谷川彬良)  

早稲田、乗った?

 07年春以来、5季ぶりに明大戦を2回戦決着とした早大。投打に安定感を見せての勝ち点奪取で、すでに勝ち点を落としている5校の上に立った。

 六大学野球連盟のHPでは、今日から順位表、打撃成績、投手成績が掲載されていて、打率1位は3番打者・土生で.533。2位は5番打者杉山、500。5位に4番打者山田敏、.429と上位に並ぶ。クリーンナップがこれだけ打っていれば、得点力不足に陥ることもなかろう。
 今季はこれまでのところ、3割打者が22人と、打高投低の様相だが、それにしても早大は前述の3人以外に、宇高、松永、原も3割超。ライバルと思われる明大戦を“楽”に乗り切れたのも、投手陣もさることながら、打撃陣の奮起が大きかったと思う。好投手・野村を打ったのも、自信になる。

 その投手陣。防御率トップは大石の1.13、2位は斎藤佑の1.38で、リーグ全体でこの2人だけが1点台。福井が3.00で7位も、まずまずだろう。
 福井は一皮むけたような大人のピッチング。力みがなく、コントロール重視を心がけているのか、今季は12イニング投げて四死球わずか2個。突然制御不能に陥ったかつての福井の姿が懐かしいくらいだ。(笑) 
 その分、三振が減ってしまった(明大戦は6イニングで2個)のは寂しい気もするが、あれもこれもと望むのは贅沢かな?

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 優勝候補筆頭と見られた法大は、春の勢いが感じられない戦いぶり。
 リーグ戦開幕直前に、亀谷が負傷したのが響いており、オーダーが固定できずにバタバタした印象。チームとして、果たして立ち直れるのであろうか?

 春はあれほど安定していたエース二神は、春から夏の試合の疲れがとれていないのか、ここまでリーグ最下位の防御率。
 春は戦列に加われなかった加賀美、武内が戻ってきて、投手力は厚いはずなのだが、みんなどうもピリッとしない。

 むしろ対抗馬一番手になりそうな勢いを、久しぶりに慶大に感じる。法大戦は、1回戦に続いて2回戦も中林が先発。見事に連勝で勝ち点をとった。
 すでに一つ勝ち点を落としているため、優勝のためには連勝が必要との判断だろうが、中林はそれを意気に感じる気持ちの強さと、それを体現するスタミナが備わってきたように思える。

 中林にとってラストシーズンであるばかりか、相場監督にとっても最後の指揮となる。中林以外にも主力に四年生が多い慶大が、なにやら不気味に映る。
 乗ってきた早大。対して、ここ9シーズン優勝のない慶大は、大学日本一の法大を破って勢いが出てきた。
 今季は早慶戦での決着になりそうな予感がするが、さてどうなるだろうか?
                              (谷川彬良)

2009年9月26日 (土)

斎藤佑樹、24勝目

 東京六大学野球09年秋・早明1回戦は、早大が4-2で先勝した。斎藤佑はリーグ戦通算24勝目。
 斎藤佑-野村のエース対決は春に続き2度目だが、またしても斎藤が制した。

 今日の斎藤は序盤、変化球から入ってストレート勝負――が基本線。初回、二死をとってから満塁のピンチとなったが、ここでも勝負球にストレートをもってきた。
 ストレートを重視する斎藤の姿勢が、よく表れた場面だった。

 だが、5回だったか、一死2塁のピンチには、應武監督が登場。斎藤と捕手の杉山を呼んで、なにやらアドバイス。
 これまでとは違い、ストレートから入って→勝負球に変化球、という逆パターンを見せて、後続を断った。

 直球に自信を深めている斎藤であるが、この場面でも同じパターンで攻めては危ないと思ったか。
 同じパターンでも打ち取ったかもしれないけれども、應武監督はここは“安全策”を採らせたのではないか。
 このあたりは、捕手出身の應武さんの危険を察知する嗅覚が働いたということなのかもしれない。正解だったと思う。

 明大の野村は、先週の立大戦の時よりも悪かったのだろうけれど、それ以上に早大打線に工夫が見られた。
 徹底したセンター返し。スコアリングポジションに走者を置いて、山田敏と土生のプッシュバント。守備陣をかく乱してやろうとの意思がはっきり見られた。この姿勢があれば、明日も優位な戦いができるのではあるまいか。土生、山田敏、杉山に当たりが出てきたのが頼もしく映る。
 それにしても、6番原、7番後藤、8番宇高。そのまま上位打線に持っていってもよさそうな重量級が並ぶ。全員が持ち味を発揮したら、すごい打線だと思いませんか?

 さて、7回を投げ終え、100球を超えたところで降板となった斎藤佑。ピッチングでは100点満点とはいかなかったかもしれないが、7回を投げて7三振。
 直球にこだわった場面もあり、まあ、そこそこ納得しているかな?

 打席の斎藤は、良くも悪くも(笑)目立っていた。最初の打席は、一死満塁で併殺打。3打席目は、送りバントが捕ゴロとなってまたしても併殺。
 しかし、5回の先頭打者となった2打席目は、なんと右中間への二塁打。斎藤のヒットは、春の東大戦以来、今年2本目だ。
 その後、貴重な2点目のホームを踏んだので、併殺打2つは帳消しにしてあげるとするか。(まだ足りない? 笑)

 ところで、塁間を走る斎藤佑が可愛いかどうか、男のぼくにはよく分からないのだけれども(笑)、久しぶりに斎藤が塁間を走り、ホームに帰ってくる姿を見た。
 ホームベースを踏んだ時の斎藤は、白い歯を見せて嬉しそうだった。
                         (谷川彬良)

 体のことをご心配いただき、ありがとうございます。本調子というわけにはいきませんが、一時よりは体調は戻ってきているので、体と時間が許すならば、書ける時には書いていこうと思います。
 個人的な備忘録、日記、あるいはメモみたいなものになるかもしれず、読むに耐えないものになってしまうかもしれませんが、お許しくださいませ。(谷川)

2009年9月10日 (木)

「100安打」達成、次は誰だろう?

 大学野球の4年間で「100安打」。東京六大学では史上28人、東都大学では史上13人しか達成していない、「一流打者」の証明といえるだろう。
 東都大学では、亜細亜大学の主将・中田が「あと10本」でこの秋のシーズンを迎え、最初のカード(対立正大)で2安打。昨年秋のような大スランプ(シーズンで5安打)でなく、普通の中田であるならば、苦しまずに達成できる数字である。
 亜大は立正大に勝ち点を献上し、中田本人は100安打どころではないかもしれないが、軽くクリアしてもらいたいものだ。

 東京六大学では、昨年秋、早大の上本と松本啓が同時に達成という史上初の快挙を成し遂げた。
 最近の「100安打」達成者を見ると、早大の選手が非常に多いことがわかる。

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「大学100安打」は、プロ野球で言えば「2000本安打」に相当するだろうか? いや、2000本安打は何年かかっても体力が続く限り(&契約してくれる限り)、何年かかってもかまわないのに対し、大学100安打は「4年間」の期間限定。その意味では、100安打のほうが価値が高いという見方もあろう。

 100安打を達成する一番手っ取り早い方法は、「一年春からのレギュラー確保」ということになるか。
 1シーズン12~13試合程度が8シーズンで、4年間でおよそ100試合。「1試合に1安打」なら、そう高い数字ではあるまい。

 しかし、入学早々にしてレギュラーを獲ることがそもそも難しい。金属バット→木製バットの戸惑い、投手のレベルの高さ……慣れるまでに時間がかかるものである。
 遅くとも、一年秋にはレギュラーになっていないと、100安打はかなり困難になる。
 ちなみに、昨年達成した上本はご存知のように一年春からレギュラー(4年間全試合フル出場!)で、一年春は15安打。松本啓は一年春は1安打で、一年秋からレギュラーとなった。

 また、打撃成績の良いチームに所属していれば、それだけ有利になろう。周囲の打者が打てば、打席の回数が増える。
 とはいえ、やはり一年のうちにレギュラーを獲らなければならないのは同じだろうけれど。

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 さて、東京六大学で次に「100安打」を達成するのは誰なんだろう? 
 一番近い打者は、立大・五十嵐の「70本」であるが、四年生だから残りはこの秋のシーズンだけ。1シーズン最多安打記録は、東京六大学も東都も「30安打」であり、不可能な数字ではないが……。
 今年春の首位打者・松本雅(法大)は17安打であり、最多安打は打率2位の亀谷の18安打。「30安打」がいかに遠い数字か、お分かりになるだろう。もちろん、可能性のある限り、挑戦してもらいたいし、応援もする。

 その次に「100安打」に近いのは、原(早大三年)で現在51本。残り3シーズンで49本は、毎季首位打者争いをするような活躍をすれば、可能な数字だ。
 以下、可能性がありそうなのは、青山(慶大三年)47本、宇高(早大三年)42本あたりまでか。土生(早大二年)は16安打であるが、今後大活躍する雰囲気があり、5シーズンで84安打も可能性ありと見る。

 今年の春、「100安打」の可能性を感じさせる活躍をした一年生が3人いる。多木(法大・15安打)、杉山(早大・10安打)、上本(明大・4安打)である。
 上本はわずか4安打だったが、全試合にスタメン出場。守備を買われての起用に見えるが、高校時代の非凡な打撃を見れば、大学の投手に慣れればもっと打てるはずの選手。タイプ的にいずれ1、2番を打つ可能性もあり、打席も多くなるだろうから、100安打到達もあると見ている。

 前述したように、一年生の場合、この秋にレギュラーデビューすれば、100安打に届くかもしれない。
 早大・地引や立大・松本、法大・土井など、まだまだ有望な打者がおり、彼らの活躍もこの秋の楽しみの一つといえるだろう。
                   (谷川彬良)

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 「お知らせ」

 リーグ戦開幕直前であり、大変心苦しいのですが、一旦「ねじまきの詩」を休止いたします。

 この夏以降、体調不良が続いています。(外見・性格的には元々“不良”なので、これで全身、外も内も「不良」です。 笑)
「禁酒」を宣言したのも、体調不良に気づいていたからです。(酒はあまり関係ないようなので、今はまた適度に飲んでいますが)

 休止にあたり、これまで当ブログを読んでいただいた方、また楽しいコメントや励ましのメールなどをたくさんの方からいただいたこと、心より感謝申し上げます。本当にありがとうございました。
 今後のことはわかりませんが、いつかまたこの場所で皆様とお会いできれば、と思っています。

 皆様はくれぐれもお体ご自愛くださいますよう。
 いつの日か、また――。(谷川)

     

2009年9月 2日 (水)

あるオープン戦

 昨日(9月1日)、横浜方面に仕事で出かけ、その帰りに東横線沿線にある法大グラウンドを覗きに行った。東伏見に向かうには、ちょっと遅いからだ。
 この日の対戦相手が東都の強豪・亜細亜大学だとわかっていたこともあり、法大グラウンドに足を踏み入れるのは初めてということもあり、突然思いついたにしてはまずまず楽しませてもらった。

 法大は5投手のリレー。見たいと思っていた主力投手が全員投げた。先発と2番手は、秋季リーグで先発の両輪と思われる二人。共に3イニング(2番手は2イニングだったかも)。3番手に左腕、4番手と5番手が1イニングずつ。
 5人のうち、自己最速が150キロ以上の投手が4人!(この日は何キロ投げたかはわからない) この秋も怖い投手陣だけれど、今日の調子は今ひとつ。一番状態が良さそうなのは、球にキレが感じられた左腕投手であった。

 一方の亜細亜大学。先発は秋もエースの働きが期待されるあの投手。4回を1安打、併殺があったので打者12人で投げ終えた。
 ゆったりしたフォームから、低目への変化球が実に効果的。法大の強力打線に、満足な振りをさせなかった。彼と同じ投球が出来れば、六大学の他大学も法大打線を抑えられるのに……とも思うが、その同じ投球がなかなか出来ないのである。

 法大打線はほぼベストメンバー。一方、亜大はあの主砲二人は出場せず。今週末にリーグ戦開幕を控えているせいなのか、法大の強力投手陣に相対して調子を崩すことを恐れたのかは知らないが、見たかった選手だけに残念であった。
 法大は5-3で勝ったものの、強力打線は本調子ではない。亜大の2番手以降の投手の制球難により、押し出し、暴投による得点などで逆転勝ちしたもの。リーグ戦開幕まで10日。最終調整はこれから、というところなのか。

 ――――――――――――――――――――

 法大グラウンドは、人工芝が美しい。昨年、神宮球場と同じ人工芝を張ったとのことで、芝生の陰影は神宮のそれそのままに見える。
 観客席は、バックネット裏の高い位置に150席ほど。野球場で見ている感覚とそう変わらない、見やすいグラウンドだと感じた。

 平日の昼間なのに、観客席は半分くらいは埋まっていたか。女性ファンの顔もチラホラ。
 プロ注目の投手が複数いるだけに、投球モーションに合わせて向けられるスピードガンの数は6つ、7つもあった。

 敷地内に入り、観客席に座るまでの間に、何人かの法大の選手とすれ違った。
 すると、ぞれぞれの選手がきちんとお辞儀をして「こんちは!」と、この地を初めて訪れるぼくのような者にも挨拶をしてくれるのだ。驚いた、というか、なんだか嬉しくなってしまった。

 試合開始は1時の予定だったのだが、15分くらい早く始まった。プレーボールを待つ間、女子マネージャーがやってきて、紙を配っている。
 ぼくももらった。何だろうと思うと、この試合の両チームのスターティングメンバー表なのである。法大のほうは、ベンチ入りメンバーまで書いてある。
 その女子マネージャーは、観客席の端っこに麦茶のクーラーと紙コップを置いて「ご自由にどうぞ」の貼り紙をしていった。
 こんなにサービスの良いオープン戦は、初めてのことだった。
                     (谷川彬良)  

2009年8月30日 (日)

究極(?)の魅せる野球

 友だちと酒を飲みながら(あれ、禁酒はどうしたんだ? 笑)、野球の話になった。今の野球をもっと面白くするには?――というテーマである。
 実現不可能な、まったくふざけた意見ばかりが出る中で、一つだけ、「こんなのがあってもいいかな?」という意見にぶち当たった。
 野球は9人のスターティングメンバーが打撃も守備も行うけれども、打撃スタメン、守備スタメン、それぞれに分けてはどうか?、というものである。

 ふつう、監督がオーダーを考える際、「守備には目をつぶって、打撃に期待する」「守備は天下一品だから、打撃には目をつぶる」といったように、何かしらに“目をつぶる”起用が少なからずある。
 それを「打撃・守備別スタメン」を組めるようにすれば、選手の長所ばかりが生かせるではないか。観客も、打撃・守備ともにレベルの高いプレーを見ることができるではないか。いわば、パ・リーグで導入されているDH制(主に投手の代わりに打つ打者)を、全ポジションに適用するものである。

 攻守別にメンバー編成されるスポーツに、アメリカンフットボールがある。攻撃時にはオフェンスチーム、守備時にはディフェンスチームがフィールドに出て、各選手が得意な持ち場で力を発揮する。
 野球でもやれないことはない。いや、むしろアメリカンフットボールはインターセプトがあれば、たちまちオフェンスチームが守備、ディフェンスチームが攻撃を行わなくてはならない時間があるのに対し、攻撃・守備が明確に分かれている野球こそ、攻守別チームが生かされるとも言えるかもしれない。

 将来的にそんな野球が実現したら、これまでだったらプロ球界から声がかからなかった「打撃だけの人」「守備だけの人」にも、プロ入りの道が拓けることにもなろう。打撃、守備だけでなく、足のスペシャリストによる代走専門があっても面白いかもしれない。
 もちろん、打撃、守備ともに優れている選手は、両方で出場すればいい。その場合、年俸は2倍見当が与えられることになるだろう。

 仮に、巨人に当てはめてみると、あの外野手は打撃専門になるだろうし、阪神でもあの選手は打撃専門かもしれない。
 早大野球部であったら、あの外野手とあの内野手は打撃チームになるだろうし、その代わりにはあの選手とあの選手が守備チームに入ることになるだろう。春季優勝の法政は打撃優先で戦ったそうだから、打撃チーム、守備チームでかなり顔ぶれが違うのかもしれない。(ボカシまくりで失礼。 笑)

 しかし、打撃・守備別チームにすることが、野球を面白くするかどうかは、よくわからない。選手交代に付属する“妙味”は失われるような気もするのである。
                            (谷川彬良)

 #今日8月30日は、娘の誕生日である。18歳。つい最近、女友だち5人でバンドを組んだとかで、毎日楽しそうにしている。
 しかし、大人に近づいてきても、むしろ心配は増す――というのが、父親にとっての娘という存在である。やれやれ。(笑)

2009年8月25日 (火)

これぞ野球の醍醐味

 夏の高校野球の決勝は、野球というスポーツの醍醐味、面白さを見せてくれた展開だったといえる。

 7回終了時点で、10-3で中京大中京のリード。ぼくは「勝負あったな」と思い、簡単な所用を済ませに外出した。
 ところが、戻ってみると、日本文理の攻撃は9回表二死1、3塁。得点は10-6と4点差に縮まっている。聞けば、二死無走者からの反撃だというではないか。

 日本文理の反撃はなおも続き、10-9とついに1点差。流れからして、「逆転もある」と思った瞬間、痛烈な当たりは三塁手正面のライナーでゲームセット……。
 勝者の中京大中京にはもちろんのこと、敗者である日本文理ナインの驚異的な粘りにも割れんばかりの拍手が送られていた。この夏の高校野球、最後の1試合。両者存分の戦いを見せてくれた。

 9回二死無走者、6点ビハインド。サッカーならば残り1分で2点差、ラグビーならば残り1分で2トライ2ゴール差――といった場面だろうか。
 もちろん、時間制のサッカー、ラグビー、バスケットボールなどと、回数制の野球を同じ土俵で語るには無理があるわけだけれども、“感覚”的にはそんなところではないか。(サッカーやラグビーでも、奇跡的と言われる逆転劇はあるけれども)
 それほどに、6点差、あと一人アウトでゲームセットの場面は、普通ならば諦めても仕方がない「絶体絶命」であろう。

 しかし、たとえ100点差があろうとも、逆転の可能性があるのが野球だ。自分は絶対に最後の打者にならない――この気持ちを実現し、繋いでいくことで、不可能と思えたことが手の届くところまでやってくる。
 思えば、先月の日米大学野球。勝ったほうが優勝となる第5戦、9回表に米国が3点を勝ち越し、日本は敗色濃厚に追い込まれた。
 しかし、二死1、3塁からの連続タイムリーで同点、11回にサヨナラ勝ちを果たしたのだった。これだから、野球は最後まで目が離せない。(ぼくは一時目を離したのであるが。 笑)

 野球とは面白く、恐ろしいゲームであるとつくづく思う。
                              (谷川彬良)

 #しばらくの間“主夫”(笑)を務めていて疲れが溜まり、更新できませんでした。

2009年8月14日 (金)

斎藤佑樹、見納め?

 IOC(国際オリンピック委員会)が理事会を開き、2016年夏季オリンピックに追加する候補競技として、7人制ラグビーとゴルフの2競技を選んだそうだ。正式には、10月のIOC総会で決まるらしい。
 復活を目指していた野球は、念願叶わず。ゴルフはトッププロの出場が見込めるが、野球は大リーグの人気選手の出場が保障されないことが響いた、などと報道されている。
 野球が世界的なスポーツになり切れていないことも、理由の一つではあるんだろう。

 野球ファンとしては、なんとも残念な結果だ。メダルが獲れなかった昨年の北京五輪のリベンジをもくろんでいたプロ選手もいるだろうし、日の丸を背負って五輪の舞台で活躍したいと思っていた高校、大学野球などのアマ選手もいたはずである。

 そういえば、斎藤佑樹と田中将大を起用して作られた、野球の五輪復活CM。学生野球が行われる球場などでよく映像が流されたけれども、復活の道筋がひとまず断たれたことで、今後は流されなくなってしまうのだろうか?
 今、高校野球が行われている甲子園では、流されている? 1か月後に始まる秋の六大学野球リーグでは、もう観られないのかな?

 もしも2016年に復活するとしたら、斎藤佑も田中も、20代後半の一番力が出る頃。復活したら、面白いことになりそうだと期待していたのだ。
“あの夏”の主役2人が、日本の「金」に貢献――こんな見出しは、夢物語で終わってしまうのだろうか。

 まあ、五輪はなくても、WBCがあるから、そこでの活躍を期待するとしますか。
                              (谷川彬良) 

2009年8月 6日 (木)

HANABI

 今日(8月6日)は、明治神宮外苑の花火大会であった。今年で30回目だそうである。
 いつも様々なスポーツが繰り広げられる神宮球場、神宮第二球場、国立競技場、秩父宮ラグビー場、軟式野球場という神宮外苑一帯が会場となる。メイン会場は、神宮球場だそうだ。

 例年開放されている絵画館前は、なぜか立ち入り禁止。毎年ここで観るのが好きだったのだが……開始直前で、さてどうしようと慌てたけれど、国立競技場の近くに何とか座り込んだ。
 花火は「美しさ」はもちろんのこと、「音」も重要な要素である。あの体に響く打ち上げ時と破裂時の爆音、音圧がないと、花火の魅力も半減すると思っているので、できるだけ打ち上げ会場(神宮第二球場)の近くで観たくなる。
 今年は、カラフルな花火が多かったように思うが、どうだったろう?

 ――――――――――――――――――――

 華やかな夜空を見上げながら、つま恋の吉田拓郎を思い出していた。3年前の9月、かぐや姫と一緒にコンサートを行った拓郎は、最終盤に人気曲「落陽」をもってきた。
 その歌の最中、かなりの数の打ち上げ花火が上がったのだった。ステージからは、正面右手。観客からは、左後方。拓郎はバックバンドの演奏中、感慨深そうにその花火を見つめていたのだった。拓郎は、何を考えていたのだろうか?
 アンコール前の最後の曲「今日までそして明日から」を歌い終わり、エンディングの演奏が続く中、拓郎は観客席に向けて、数十秒間、深々とお辞儀をし続けたのだった。とても印象に残る光景だった。

 ミスチルの歌に「HANABI」がある。

 ♪決して捕まえることの出来ない
  花火のような光だとしたって
  もう一回 もう一回……
  僕はこの手を伸ばしたい♪

 空に向かう時の期待感。
 破裂した時の高揚感。
 もう打ち上がらないと分かった時の寂寥感……。

 花火はじつにきっぱりと、光と影を表現する。人生は、花火のようなもの?
 漆黒の闇でも、次にまた打ち上がるまでのインターバルであることがわかっているなら、人間はその闇にも耐えられる。どんな状況に置かれている人でも、次なる打ち上げの準備はきっとできるに違いない。

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 花火を見ながら、多くの人がビールを飲んでいた。まだ20歳そこそこと見える女の子も、当たり前のようにプシュッと缶を開ける。とても美味しそうだ。

 じつは、禁酒を始めた。今日が2日目。(笑) ある人が「禁酒する」と言うので、「それなら、ぼくも」と便乗したのである。
 一人の禁酒は辛いが、仲間がいるとまったく違うことがわかった。これまでなら、花火を観ながらビールを飲まないなんて考えられなかったが、今日は麦茶でへっちゃらだった。(笑)
 暑い中、隣の連れはビールを飲んでいるのに、それでも平気なのには自分でも驚いた。何とか続きそうな気がしてきた。

 ただし、アルコールを体に入れないことが、健康にプラスに働くか、マイナスに働くかはわからない。もしも、禁酒がマイナスに作用するようなら、禁酒は緩やかに解くつもりでいる。
 まだ2日間だけなので、プラスかマイナスかはもう少し経ってみないとわからないと思う。ただし、今のところ、禁酒がマイナスに働く事象は、何一つ起こっていない。残念だ。(え? 笑)

 さて、今日は花火が打ち上がった神宮球場。春の六大学リーグ戦では、大林(立大)の代打逆転サヨナラホームランや、今井(法大)の優勝決定サヨナラホームランといった劇的な“花火”が打ち上がった。
 秋のリーグ戦は、どんな派手な花火が打ち上がるだろうか? できれば、早大の試合で観たいものである。
 あ、もちろん、早大が打ち上げる側で。(笑)
                          (谷川彬良)    

2009年8月 4日 (火)

東京六大学野球09年秋季リーグ日程発表

 東京六大学野球リーグの秋季日程が発表になった。
 開幕は9月12日。早慶戦は10月31日、11月1日。
 開幕式は、9月12日(土)10:15~。
 第2週、第3週は「プロ併用日」で、試合開始は10:30。

第1週(9月12日~)  法大 - 東大  慶大 - 立大
第2週(9月19日~)  東大 - 早大  明大 - 立大
第3週(9月26日~)  法大 - 慶大  明大 - 早大
第4週(10月3日~)  立大 - 法大  慶大 - 東大
第5週(10月10日~) 早大 - 立大  東大 - 明大
第6週(10月17日~) 早大 - 法大   明大 - 慶大
第7週(10月24日~) 明大 - 法大   立大 - 東大
第8週(10月31日~) 早大 - 慶大

http://www.big6.gr.jp/game/league/2009a/2009a_schedule.html

 なお、連盟HPでは発表当初、早慶戦が10月30日(金)、31日(土)となっていた。
 そんなことはあるまい、と連盟に電話確認したら、「あ、そうですか? それは間違いです。正しくは、10月31日(土)、11月1日(日)。いやあ、ありがとうございました」と言われた。(笑) HP、もう訂正されているかな?

 開幕カードは、法大-東大。早大は第2週から登場する。

 戦力がまったく分からない今の時点でうかつなことは言えないが、優勝争いの軸は春優勝の法大、これに続くのが早大、明大と見るのが妥当か。
 不気味なのは、立大。春5位とはいえ、5勝は4位慶大の4勝を上回った。慶大はエース中林次第だろうけれど、優勝を狙うには少し足りないか? それとも左腕・田村(力道山の孫)あたりが台頭してくるか? 
 春は10戦全敗だった東大は、エース鈴木が万全の状態で復帰すれば、最下位脱出もあるかもしれない。

 早大にとっては、第3週の明大戦、第6週の法大戦が大きな山。
 ここ何シーズンも拮抗した勝負を繰り広げる両チーム。
 早大は、明大から勝ち点を挙げれば、法大戦が“優勝決定戦”になるのかもしれない。

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 それにしても、早い。春のリーグ戦が終わってそんなに時間が経っていない気がするのだ。
 春リーグ戦終了後も、今年は全日本選手権や日米大学野球を観戦したせいもあるかもしれないが、それでも早い。
 斎藤佑も、6シーズン目を迎える。残り3シーズンなんて、きっとあっという間に過ぎ去ってしまうのだろう。

 気の早い話だが、斎藤世代が卒業した後、六大学野球はどうなるのだろう、とふと考える。
 このブログを読んでくださっている方からメールをいただくことがあるが、「斎藤君から入った六大学野球ですが、今では興味が広がって、早大の試合以外も観るようになりました」という方もいらっしゃれば、「斎藤君が卒業したら、観ないと思います」ときっぱり言い切る方もいらっしゃる。
 球場で、斎藤佑樹にばかりカメラを向けている人を見ると、「ああ、あの方は“卒業したら神宮に来ない派”なんだろうなあ」と思ったりもする。

 今、ここでどうこう言っても仕方あるまい。2年後の春、斎藤佑のいないリーグ戦が始まれば、わかることである。
 ぼくの希望としては、もちろん観客が多いことを願っている。選手も張り合いがまったく違うだろうし、観客の一人としても気分がぐっと盛り上がる。
 この2年間は、それまでよりも観戦がずっと楽しいものになったと実感している。できれば、ずっと続いてほしいもの。
 斎藤以上、とまでは言わないが、同等クラスの選手が入ってきてくれないものか?(「同等」もむずかしいかな? 笑) 
                          (谷川彬良)

2009年7月30日 (木)

西東京大会決勝、観戦雑記

 日大三-日大二の西東京大会決勝戦。“決戦”とはいうものの兄弟対決とあって、たとえばどこかとどこかの対戦(どことどこだ? 笑)のような刺々しさはなく、応援席には円い空気が漂っていた。
 ぼくは日大三側に座っていたのだけれど、日大二が校歌を演奏する際には、日大三応援席からも少なくはない手拍子が起こっていたくらいだ。

 決勝戦だから、NHKでもMXテレビ(東京ローカル局)でも放映があったのだけれど、仕事を蹴飛ばして神宮球場に駆けつけた。
 この夏、高校野球を現地で観ていない。いや、早実-東亜学園を府中市民球場で観たけれども、あれは降雨ノーゲームになってしまったから、「観た」とは言えない。

 何か物足りない夏……という気がして、甲子園を目指すこの夏最後の東京の試合を観ようと思い立ったわけだ。
 それにしても、暑かった。今日の1試合だけで、何試合分かの「夏」を吸収した感じである。

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 日大三。日大二。ユニフォームも良く似ている。
 ストッキングの色と、ラインの数(日大三は3本、日大二は2本)が違うくらいかな?

 スコアボードの得点欄に表示される校名は、日大三が「三」、日大二が「二」。すごく分かりやすい。(笑)
 仮に早実と早大学院が対戦するとしたら、「実」と「学」とかになるのかな?、などとぼんやり考えていた。

 この2校に限らず、早大の付属校、系属校同士が東京の大会で対戦するとしたら、あるいは甲子園で対決するとしたら(早慶戦ならぬ“早早戦”ですね)、試合中ずっと「紺碧」が鳴り響くんだろうか?
 とまあ、これはある方からの受け売りである。無断借用失礼。(笑)

 試合は、序盤から大差がついて、応援席は「勝負あった」の雰囲気だったのだけれど、前の記事に書いたように、日大二の選手たちはどんな点差になっても諦めていなかったのだろう。
 日大三の選手たちも最後まで気の抜いたプレーはなく、点差の割には「締まった」試合だったように思う。

 9回表、日大二が2点を取った時、選手も応援席もすごい喜びようであった。昨日の帝京-都雪谷で、0-21から1点を返した雪谷と同じように。
 テレビ観戦ではなかったので、監督の表情までは分からなかったけれど、日大二の監督も雪谷の監督の同じような笑顔を見せていたのかもしれない。

 閉会式まで見終えて、球場を出てくると、予想通り「日大三、甲子園へ」の「号外」が、勝利の瞬間の写真付きで配られていた。
                            (谷川彬良)

西東京代表は日大三

 夏の甲子園を目指す西東京大会の決勝・日大三vs日大二の兄弟校対決は、19-2で日大三が勝ち、4年ぶりの甲子園出場を決めた。

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 8回裏、日大三の“最後”の攻撃。この時点で19-0。日大三の勝利、日大二の敗戦は、まさに確定的であった。
 その思いは、日大三の応援席も、日大二の応援席も、同じだったのではないかと思う。

 だが、この直後、熱いプレーが出る。この回の日大三の先頭打者が、三塁ゴロを打った。
 その時だ。一塁ベースに向かって走る影が、二つあった。一つは当然ながら、打者走者。もう一つは――背番号2を着けた日大二の捕手である。

 三塁ゴロは三塁手が無難にさばき、一塁で普通にアウト。捕手は三塁手の悪送球に備えて、一塁まで走ったのである。
 その走り方が尋常ではない。一塁ベースを数メートルも超える位置まで、カバーしたのである。

 すごいプレーだと思う。繰り返すが、チームは0-19で負けている。残る攻撃は、9回表の1回のみ。今大会6試合目。捕手という重労働のポジション。今日も炎天下で消耗が激しかったろう。それでもなお、一塁に向かって全力で走る捕手……。
 高校野球では基本プレーなのかもしれないけれども、この状況であそこまで走る捕手を初めて見た気がする。

 その日大二の捕手・山田君は、9回表の先頭打者。好投を続ける日大三のエース・関谷君の球に食らいついて、一二塁間を破るヒットを放った。
 そして、後続の2点タイムリーヒットで、日大二最初のホームベースを踏んだ。
 だが、試合は続かず、2-19で日大二は敗戦。山田君は試合終了の挨拶後、グラウンドに突っ伏して泣いていた。

 昨日の東東京大会決勝・帝京vs都雪谷(24-1)もそうだけれども、大差をつけられてしまったからといって、諦めているわけではないことがよく分かる。
 夢にまで見た甲子園が、目の前にある。可能性が残っている限り、勝利を目指して全力を尽くそうではないか――。

 今日の山田捕手の一塁への全力カバーにしても、「20点目を防ぎたい」ということではなかったろう、と後になって思った。
 9回表に19点以上取って、絶対に勝つんだ、という気持ちのこもったプレーだったのだと思う。
 本当に、良いものを見せてもらった。
                               (谷川彬良)

2009年7月29日 (水)

都立勢、がんばった

 東東京大会の決勝戦・帝京-都雪谷が行われ、帝京の勝ち。甲子園切符を手にした。
 敗れたとはいえ、決勝まで勝ち上がった都雪谷の健闘は見事。明日は西東京大会の決勝戦(日大三-日大二)が行われるが、ベスト4には都小平、都日野と都立校が2校残り、勢力図が私立優位の東京にあって、都立高が存在感を示した。

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 東東京決勝の帝京vs都雪谷。後者にも甲子園出場経験はあるとはいうものの、王者・帝京の勝利を予想する人が多かった。
 予想通りというべきか、帝京が勝ったわけだけれど、24-1という記録的なスコアになるとは思わなかった。

 帝京打線に力があるにせよ、ここまで一人で投げてきた都雪谷の坂本投手には疲れがありあり。
 守備のミスもあり、1回に6点を失うと、以降も失点を重ねて途中降板となった。

 もしも準決勝から決勝まで中三日あれば、勝敗が逆になるかどうかは別にしても、もっと“勝負”になったと思う。坂本投手は、なかなかの好投手である。
 しかし、勝ち上がれば日程がきつくなるのは分かっていたこと。決勝まで投げ切れるスタミナ十分の大エースを一人持つか、帝京のようにそこそこのレベルの投手を複数揃えるかしなければ、トーナメントは勝ち抜けないのだから、仕方がないことだ。

 ぼくは今日もテレビ観戦していた。帝京が1回に6点取ったところで用事を済ませに外出し、しばらくして戻ってからテレビをつけると、なんと「21-0」。
 あまりの大差にテレビを消そうかと思ったのだが……最後まで見届けようと、そのままにしておいた。

 直後の8回裏、21点を追う都雪谷の攻撃。勝敗はいまさらどうにもならないことは、誰もがわかっている。
 その雪谷が、やっとのことで1点を取った。その時の応援席の喜びよう! そしてベンチ前で、ホームベースを踏んだ選手を迎える監督の弾けるような笑顔。
 勝利にはつながらないことは分かっているだろう1点であるが、敗色濃厚のその中でも得点するために一生懸命の選手たちに、拍手をしないわけにはいかない。
 決勝まで来て、負ける悔しさは尋常ではないはずなのに、そこで負ける監督の顔ではないように見えた。

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「人生はいつでもやり直しが利く」と言った人がいる。いつでもやり直しが利く――この言葉を、まともに聞く人はどれくらいいるだろうか。若い時ならいざ知らず、“いつでも”やり直しが利くなんてことがあるはずがない――。
 まあ、確かにそうである。歳を重ねるにしたがって、実現可能な「夢」は数を減らしていくだけ。

「やり直しが利く」は必ず夢を実現することができる、などという“甘ちゃん”の考えではないはずだ。
 その真意とは――。何かに失敗しても、思い通りにならなくても、不測の事態が起こったとしても、落胆せず、腐らず、やけくそにならず、自分を見失わず、「いつでも前を向いて進むことができる」ということを言いたいのであろう。
 これならば、自分の立ち位置にかかわらず、常に前を向くことができる。進んでいくことができる。

 都雪谷の0-21から奪った1点を、これに当てはめるのはこじつけに過ぎるか。
 でも、敗色濃厚のあの中でも、諦めずに1点を取った選手たちを見ていて、ぼくはそう感じたことは事実なのである。
                               (谷川彬良)

2009年7月26日 (日)

つ、強い……!

 早実はすでに敗退してしまったというものの、西東京大会準々決勝の日大三-東亜学園は興味のある対戦であった。
 日大三は町田市、東亜学園は中野区。どちらも、ぼくが以前住んでいた自治体の学校なのも何となく縁を感じさせたし、日大三の上位打線を打つ某選手が中学でうちの娘と同級生だったことを、つい最近知った。

 そして何よりも、一昨日、早実にコールド勝ちした東亜が、第一シードの日大三とどんな内容の試合をするのか。
 早実の実力を客観的に測る、面白い試合になるはずである。

 結果は――な、何と日大三のコールド勝ち。(13-1) 前試合で、早大打線が6回3安打0点と沈黙した東亜の三堀投手を、日大三打線はなんなく打ち崩し、1回5点、2回2点。4回にはさらに攻め立ててKOしてしまったのだ。
 先日「日大三の打線は別格」と府中市民球場で話していた男性の言葉に、嘘はなかった。準決勝、決勝。日大三の勢いを止める学校はあるのだろうか?
                             (谷川彬良)

2009年7月24日 (金)

まさか……凹

 早実の夏が終わった。
 降雨ノーゲームによる再試合となった早実-東亜学園は、10×-0で東亜学園の勝ち。早実はベスト16にとどまった。

 場所を代えて、今日は神宮球場。早実の先発は昨日に続いて鈴木(二年)。毎回のようにピンチを迎えつつも、何とか凌いでいたが、4回裏一死、ピンチを残して小野田(二年)がリリーフ。
 この回は併殺で切り抜けたものの、5回にエラーも絡んで3失点。6回は……書くのもつらいほどのつるべ打ち。0-9の場面で内田(一年)がマウンドに上がったが、三遊間にタイムリーを打たれて0-10。
 10点差がつき、6回コールド負けとなった。

 早実に足りないものははっきりしている。
 二年生になった小野田、鈴木の両輪に、成長が見られない。とくに制球に関しては、昨年よりも低下している?
 制球をまとめようとすると、今度は真ん中に集まって打ちごろになる――という悪循環。一昨年の中野、昨年の小野田、鈴木と、毎年期待の一年生投手が入ってくるのに、伸び悩んでしまうのが歯がゆい。
 また、投手の暴投か、捕手(土屋・二年)のパスボールなのか、いずれにしてもバッテリーミスが今日の試合はいくつもあったし、6回、敗戦が決定的になってからの野手の守りも集中力欠如がありありだった。

 主将の中野、大野、森、大矢ら、早くからチームを支えてきた三年生たちの高校野球は、これで終わったことになる。
 思いもしない敗退だったろうし、悔しさで一杯だろう。今日の試合、6回に大量リードを奪われた場面では、まだ試合が終わっていないのに、守備位置で涙を浮かべている選手もいた。

 でも、彼らには「お疲れさま」と言いたい。今年は選抜出場を果たしてベスト8に進出したし、常に期待を抱かせ続けるレベルを保っていたと思う。
 本当にお疲れさま。良く頑張ったよ。

 ――――――――――――――――――――

 今日は仕事をしながらのテレビ観戦であった。正直、勝ってくれると思っていて、日曜日に予定されている次の試合に備えて、仕事をせっせとこなしていたのだ(いや、テレビに釘付け。 笑)。
 負けるにしても、まさかコールドとは……。ちょっとしたことで大差になる。それが野球というものか。

 ――――――――――――――――――――

 今日はもう一つ、凹むニュースが入ってきた。吉田拓郎のコンサート中止である。
 自身が「最後のコンサートツアー」と銘打って6月から始まったツアーは、体調不良によって途中で中止になっていて、体調の回復具合が気になっていた。だが、体調は回復せず、残る2公演(明日のつま恋と、8月の東京)も中止を決定したという。

 ぼくはチケットを買うことができず、今回のツアーに行く予定はなかったものの、言いようのない寂しさを感じる。
 フォーク界を長く引っ張ってきている吉田拓郎。もうコンサートは開かないかな? だとしたら、残念でならない。

 ぼくにとっては、3年前の「吉田拓郎&かぐや姫 in つま恋」が最後のコンサートになってしまうのかもしれない。
 いや、コンサートがやれるやれない云々よりも、まずは拓郎氏の体調回復を祈るのみである。頑張れ。
                            (谷川彬良)

2009年7月23日 (木)

早実-東亜学園、降雨ノーゲーム観戦記

 やれやれ。今夏、初めて早実の試合を見に行ったのであるが、5回表早実攻撃中に雨が降り出し、攻撃終了後、そのままノーゲーム。
 早実は8-3とリードしており、7回コールドは見込める状況であっただけに、なんとも残念である。
 仕切り直しとなるこの対戦は、明日(7月24日)9時から神宮球場で行われる。なお、これによって日程がずれ込むことになり、準々決勝は26日9:00(神宮)、準決勝は28日9:00(神宮)、決勝は30日12:00(神宮)に変更になった。ご注意ください。

 中止が決定する前に、ぼくは府中市民球場を後にした。5点リードで、このまま早実が勝利するだろうし、早実の各選手の調子も大体見せてもらったからだ。
 ところが、帰宅してから、さて勝敗は、と確認すると「降雨ノーゲーム」の無情の文字……。

 府中の天気予報は「少雨」であり、雨が降ることは予想していたけれども、まさか中止になるとは思わなかった。
 首を傾げたのは、球場側の雨対応。両チームの選手を引き上げさせた後、グラウンドにシートを掛けないのである。すぐに止むと思ったのか、それともシートが備えられていないのか? どちらにしても、ひどい話である。(早実がリードされてのノーゲームなら、こんなに怒らない。 笑)

 ――――――――――――――――――――

 今日の試合はまったく記録に残らないけれども、早実の選手の様子を少し。
 先発は、1回戦先発以来の鈴木。制球の良さが身上の鈴木は立ち上がりから制球が悪く、高め、外角遠めに外れる。
 1回は1失点後の満塁を切り抜けたが、3回には6番打者に2点本塁打を浴びた。
 昨年から、あるいは今春から進歩したのかはわからない。ただ、登板間隔が空いて感覚がつかめなかった点はあるだろう。今日の最後のイニング(4回)は、上位打線を簡単に三者凡退にした。

 打線は好調のようである。とくに、安田、大矢、中野、森あたりが結果を出している。
 今日、初めて見たのは、一年生の安田。ランナー2人を置いて、レフトポール近くへの大二塁打を放った。
 体は大きくはない左打者。あの方向へあの打球を飛ばせるのは非凡である。球をとらえるポイントの良さと、リストの使い方が上手い感じがする。

 ノーゲームになった今日も入れて、ここまでの4試合。安田は1番打者として、初回に必ず出塁している。(安打、四球、二塁打、四球)。選球眼も良さそうだ。
 早実は4試合とも初回に得点しているが、この安田の出塁が大きいことは言うまでもない。
 天才肌かな? 今後も注目に値する選手である。

 ――――――――――――――――――――

 府中市民球場は1万人くらい収容できるのであるが、試合直前にぼくが到着した時点ですでにほぼ満席。
 ぼくは早実応援席脇の階段に座っての観戦となった。

 先日の日米大学野球もそうであったが、最近は試合中に男性によく話しかけられ、そのまま一緒に観戦するケースが多い。
 今日も隣の60歳代?の男性(早実ファン)が話しかけてきて、いろいろ情報をもらった。

「今日はコールドだね」「だといいですね」「今年の打線はよく打つよ。安田も良いし」。
 しかし、楽観論はここまで。(笑) リードを広げて勝利が見えてきたところで、次の対戦相手となる日大三の話になった。
「日大三の打線はすごいよ」「早実も悪くないと思いますけど、もっとすごいですか?」「目じゃないね。投手も良いし」……。

 そうなのだ。早実の試合の前に登場した日大三は今日も勝ち。(相手は創価) 2回戦11-0、3回戦12-0、そして今日の4回戦は11-0。すべて二桁得点、相手に一点も許さない、見事なコールド勝利。しかも、投手は試合ごとに違うのである。
 早実は、こんな日大三に勝てるだろうか? “事実上の決勝戦”などと言われてもいるようだが、こてんぱんにやられてしまうのではないか。
 しかも、早実は明日も試合をしなくてはならなくなり、日大三は試合なし。早実のマイナス面ばかりが目に付いてしまうが……。

 早実は、今日はエース小野田はベンチスタートで登場せず。次戦に備えての体力温存と思われる。
 それに今日投げた鈴木も感覚を思い出したようだし、成長しつつある一年生の内田もいる。打線は良いのだから、彼ら投手陣がどこまで踏ん張れるか、なのである。
 日大三戦のことばかり書いてしまったが、その前に東亜学園との再試合に、完璧な試合運びをして勝利し、勢いをつけてもらいたいものだ。

 ただし、東亜学園も、まったく侮れない相手だ。
 今日、雨が降るかもしれない予報の中、球場に出かけたのは、中野、大野、森らの代の“最後の試合になるかもしれない”の思いもあったからである。
                            (谷川彬良)  

2009年7月22日 (水)

早実、3回戦もコールド勝ち

 09年夏の甲子園・西東京大会3回戦、早実-保谷は、8-1で早実の7回コールド勝ち。早実はこれで3戦続けてのコールド勝ちとなった。
 早実は、2ランを放った大矢や、中野、森などの活躍で、効果的に得点を重ね、投げては一年生の内田が先発で5イニング、その後の2回を小野田が締めた。

 打線は、相変わらず好調のようだ。昨年のチームよりも、得点力はありそうである。
 しかし、問題は僅差の勝負になったときに、確実に1点を取る力があるかどうかだ。今日は1回表、先頭の安田が二塁打を放ちながら、2番磯網は送りバントを失敗。安田は三塁アウトになった。
 送りバントは、重要な戦術である。まあ、簡単そうに見えて難しいのであるが、一つの失敗が敗戦につながることもあるだけに、100%(近い)の成功率を目指してもらいたい。

 さて、投手陣。早実のここまでの3試合で、マウンドに上がった投手は4人。鈴木、小野田、内田、福留である。
 鈴木は1回戦に先発して5イニング投げたものの、その後は登板なし。4回戦からの強豪との対戦でフル回転させるために、休養を与えたということなのか?
 小野田は、3試合すべてにリリーフで登板。1、2回戦は不安定だったものの、今日の3回戦が内容は一番良かったらしい。

 一年生の内田。背番号11番を着けて、ここ2試合に先発。2回戦は3イニング4安打1失点、3回戦は5イニング3安打1失点。内容は今日のほうが良かったらしい。
 観戦した友人は「早実で一番活きの良い球を投げている」と評す。3試合で、チーム最多の8イニングを投げている。

 昨年は、小野田、鈴木の2枚看板であったが、今年はそこに内田が加わった印象。もしかすると、内田がエース的な働きをすることもあるのではないか?
 今年3月に15歳になったばかりの内田。一年生エースとして甲子園準優勝した、あの荒木大輔のようになってくれないだろうか?

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 今日は府中市民球場での試合。2番目に近い初台駅(京王新線)から30分ほどの距離にあり、遠くはないので、必ず観戦するつもりであったのだが……今日もできなかった。
 12時半試合開始予定であったから、家を11時過ぎに出ればいいだろうと思っていたら、第一試合(10時開始予定)が日食による明るさ不足で1時間遅れ――(すいません、冗談です。(笑) 今日の東京は朝方まで雨模様で、その影響で開始が遅れただけです)。

 だったら、第二試合の早実-保谷は1時半頃開始なんだろうな、と思っていたら、第一試合が早く終わってしまい、第二試合の開始は1時頃とのこと。
 結局、これから家を出るのでは試合開始に間に合わないことが分かり、観戦を断念したのである。(気合不足?)

 試合が予定されている明日、明後日は、東京の天気予報には傘マークがあり、試合ができるかは微妙。
 いったい、いつになったら観戦できるだろうか。

 ところで、皆既日食(部分日食)をご覧になった方はいらっしゃるでしょうか? 渋谷はその時間、空一面を雲が覆っていたのでまったく空を見上げなかったのだが、東京でも薄雲の間から部分日食がわずかの時間、見えた場所もあったそうだ。
 次に皆既日食が国内で見られるのは、26年先とか。ぼくはきっとこの世にはいない気がしているので、最後のチャンスを逃したかな?(笑)
                              (谷川彬良)

2009年7月19日 (日)

早実、3回戦へ

 第91回夏の甲子園大会を目指す早実は、西東京大会2回戦で都田無工と対戦し、17-1で5回コールド勝ちとなった。
 早実は、内田-福留-小野田の投手リレー。今日は外出していたので内容はまったく分からないのだが、小野田、鈴木の二本柱に不安要素を感じるので、内田や福留らの控え投手にはどんどん登板機会を与えてほしい。
 中でも、内田(一年)は力のある速球を投げると聞いているので、投手陣の救世主にならないかと期待をしている。

 今日は、試合開始が1時間遅れたそうだ。12時半開始の予定が13時半。気温はそれほどでもなかったものの、蒸す中で1時間待たされた選手はきつかったろう。(観客も?)
 前の試合、都保谷vs中大付が延長(10回)になったためで、この試合の勝者・都保谷と早実は3回戦で対戦する。

 都保谷は都立の強豪で、粘り強い試合をする。今日の試合も、4点を先行されながら、5回に同点。7回に1点リードされると、直後の8回に再び同点に追いつく。そして延長10回、決勝点を奪った。
 地力では早実が優ると思うが、最後まで諦めないチームは怖い。終盤まで僅差であったら、どちらが勝ってもおかしくないのではないか。

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 今日は、父の13回忌法要であった。12年前の父の死去以来、弟の他界を始め、身内、親戚の集まる機会は気持ちが暗くなるものばかりだったのであるが、久しぶりに明るいニュースがもたらされた。
 姪っ子が11月に結婚するのである。

 姪は26歳。ぼくの姉の娘である。お相手は同学年で、小学校、中学校が同じだった“幼なじみ”のようなもの。
 在学時はとくにどうという存在ではなかったらしいが、20歳の時の同窓会で再会。付き合いが始まったそうだ。

 初めての姪(甥も含めて)であるし、誕生月(1月)が同じ、学生時代に吹奏楽部であったり(姪は今もアマチュア楽団でクラを吹いている)と、ぼくとは共通点がいくつかあり、可愛がってきた娘だ。
 吹奏楽を始めたきっかけがぼくにあったのかどうかは聞いたことがないけれど、そうであるならば嬉しいことである。
 姪が所属するアマチュア楽団の年に一度の演奏会に行くのが、ここ何年かの恒例になっていて、いつも楽しませてもらっている。

 じつは、姪には知的障害の弟がいる。肉親にそういう人物がいると、結婚問題にも影響することがある、と聞いたこともあり、ぼくも心配していた一人だ。
 その姪が結婚する。ぜひぜひ幸せになってもらいたい。
                             (谷川彬良)

2009年7月17日 (金)

早実、初戦はコールド勝ち

 さあ、早実の夏の戦いが始まった。西東京大会の1回戦(府中市民球場)で、実践学園と対戦。10-3で、7回コールド勝ちとなった。
(今日は球場には行けず。友人から何度か速報を入れてもらっていた)

 先攻の早実は1回、先頭打者・安田(一年)のヒットを足がかりに、暴投で1点先取。しかし、その後は相手投手を打ちあぐね、4回まで追加点を奪えず。
 いや~な雰囲気になってきたらしい。そんな中、早実の先発・鈴木は4回、逆転2ランをレフトに打たれてしまう。

 しかし、直後の5回。早実は安田のタイムリー二塁打、中野の満塁ホームラン(!)などで、一挙8点のビッグイニング。一気に9-2と突き放した。
 早実は、鈴木が5回まで投げ3失点。6回からは小野田。春までの先発・小野田→リリーフ・鈴木とは逆リレーとなった。

 6回にも1点追加した早実は、小野田が2イニングを無失点に抑え、7点差で7回コールド勝ちとなった。
 一旦は逆転されて冷やりとしたものの、早実打線の振りはまずまずだったらしい。一番の安田は、3安打の活躍だったそうだ。楽しみな新人が出てきたものである。

 東京は今日は30℃まで届かず、球場もまずまず凌ぎやすかったとか。ああ、観に行きたかった。
                           (谷川彬良)

日本、優勝

 2勝2敗で迎えた日米大学野球第5戦(最終戦)は、日本が8-7でサヨナラ勝ち。前回大会(07年・米国開催)に続いて、連覇を果たした。

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 ぼくは満足していた。日本が勝ったから、優勝したから、というのは二の次。両チームが見せた勝利への執念が感じられた試合だったからである。

 米国の9回表の3点。エラーが絡んだとはいえ、これまで抑えられていた菅野をとらえた、見事な攻撃だった。
 そして、3点を奪われて敗色濃厚と思われた9回裏の日本の同点劇。二死1、2塁から、3番加藤が左中間への2点二塁打で1点差。
 この時の中堅手がトライしたダイビングキャッチ。グラブはわずかに届かなかったけれども、何が何でも捕ってやるの気迫が感じられた。

 続く4番中原が、右中間への二塁打で同点。なおも続くサヨナラのチャンスに、内野ゴロの中田は必死の一塁ヘッドスライディング。アウトにはなったものの、これまた気持ちの入ったプレーだった。
 是非はともかく、一塁へのヘッドスライディングは“熱く”なるプレーだ。

 11回裏、先頭の小池が粘りに粘って四球。10球以上にはなったかな?、とは思っていたが、報道で「15球」だったことを知った。
 最後は、米国の二つのエラーでサヨナラ勝ちするわけだが、ことごとくファウルで粘って出塁した小池の粘りは、日本チーム全員の気持ちを表していたように思う。あれだけ投げさせると、特別な雰囲気になる。

 9回を終わって、7-7。勝利の女神はどちらかに微笑むことになるのだろうが、どちらが勝っても、どちらが優勝になっても、もうどちらでも良いような気がしていた。
 両チームとも大事な場面でエラーが出てしまったけれども、それもまた野球である。

 日本の優勝という結果になったとはいえ、ほとんどが一、二年生だった米国も素晴らしいチーム。来年の世界大学野球選手権は、また厳しい戦いが待っていることだろう。
 両チームには素晴らしい試合をありがとう、と言いたい。5連戦、お疲れさま。
                             (谷川彬良) 

2009年7月15日 (水)

決着は最終戦

 09年日米大学野球第4戦は、8-3で日本の勝ち。対戦成績を2勝2敗とした。
 大学日本代表には謝らなくてはいけない。決着が最終戦までもつれてくるとは思わなかった。
 というのも、投手陣はともかく、日本の打撃陣は昨年あたりに比べると小粒のような感じが大会前からしていたのだ。
 その上、第1戦で、米国先発のコールに手も足も出ず……だから、今夜の第4戦で米国が優勝を決めるような気がしていた。

 しかし、今夜の米国優勝決定の条件として、「コール先発」があった。打線は他の投手に対しては得点できることが分かったけれども、それでもコール相手では取れても2点かな?、と思っていたのである。だから今日、コールが出てきたら、日本は厳しいな、と。
 兎にも角にも、これで2勝2敗のタイ。明日の第5戦は勝っても負けても最終戦。「勝ったほうが優勝」の試合ほど、面白いものはない。

 しかし、不気味なのだ。今日の第4戦、コールは十分に先発ができただろう。体力もありそうな投手である。それなのに、最終戦にとっておいた。
 一つ負ける余裕がある。ならば大会関係者が望む「最終戦決着」でもかまわない。万が一、第4戦に負けても、こちらにはコールという絶対的な切り札がいる。最終戦で白黒はっきりつけてやろうじゃないか――米国の考えはこんな感じかな?

 最終戦になれば、日本の先発は大学球界を代表する斎藤佑樹。エース同士の投げ合いをむしろ望んで、コールを第5戦に残したのではないだろうか。
 もちろん、コールにもう1日の休養を与え、より万全を期す意味もあったろうけれど。

 雌雄を決する最終戦で、エースがエースに投げ勝つ。最終戦決戦は、日本も望むところだ。(3回戦を終わって1勝2敗だったのだから、望むしかなかったのであるが。 笑)
 米国のエース・コールは、メジャーリーグでもエースになれる可能性がある。その投手に投げ勝てば、斎藤は“印籠”を手にすることができる。
「おれはあのコールに投げ勝ったんだぞ」
「ははーっ」(とひれ伏す)

 いや、この言い方は正しくないかもしれぬ。
「おれはあの斎藤佑と投げ合ったことがあるんだぞ」
「ははーっ」
 国際的な大エース(になるはず。 笑)・斎藤佑と対戦したことを、むしろコールが“印籠”として使うようになるかもしれないではないか。(笑)

 さて、神宮球場の第5戦。どんな結末が待っているだろうか?
「ここ一番」に強い斎藤佑が投げ勝つような気がしてならないが――。
                               (谷川彬良)

2009年7月14日 (火)

さすがは斎藤佑樹

 日米大学野球第2戦(東京ドーム)は、終盤ハラハラさせながらも7-5で日本の勝ち。1勝1敗とした。
 さすがは斎藤というべきだろう。立ち上がり見るからに制球が不安定で2失点するも、回を追うごとに調子を上げて、5回4安打2失点。

 球種や球の軌道に慣れられて危なくなっていく、のではなく、米国打線に的を絞らせない。
 斎藤が自分の投球さえできれば、そうそうは打たれない、ということであろう。

 斎藤は7回ぐらいまで投げるんだろうと思っていたが、点差が4点あったためだろうか、5回でお役御免。
 しかし、救援陣が斎藤の好投をフイにしそうになってしまった。大石は6回こそ危なげなかったが、7回は連打と死球で一死満塁のピンチを残して、乾に交代。
 その乾は、4番ニューマンにライトへ3点打を浴びて、一気に試合が緊迫してしまったのだ。

 乾は8回、一死満塁を残して降板。この大ピンチを救ったのが、菅野。3番、4番の怖い打者を連続三振で退けた。
 今日の殊勲者は、斎藤佑と菅野。菅野は初めて見たけれど、150キロ超の速球を投げる素晴らしい投手。巨人・原監督の甥っ子ということだから、行く末は巨人なのかな?

 さて、5回で降板した斎藤は、もう一度先発があるのだろうか? できることなら、米国の速球投手コールと投げ合う姿を見たい。
 この日の最速が142キロ(だったと思う)の斎藤は、第1戦のコールの速球を見て何を思っただろう。今の斎藤は直球にこだわっているから、「おれも直球で勝負したい」とますます刺激されたのではないか?
                           (谷川彬良)

2009年7月12日 (日)

皇太子ご一家、野球観戦

 皇太子ご一家が、7月12日のプロ野球・東京ヤクルトスワローズvs横浜ベイスターズ(神宮球場)を観戦なさったそうだ。
 春に行われ、日本が2連覇を果たしたWBCをご覧なった愛子様が野球に興味を示されて、この日の観戦となったとのことである。

 天皇家は、昭和天皇の時代から野球にご興味をお持ちでいらっしゃるが、まだ7歳の愛子様が興味を示されたことは、一野球ファンとしてとても嬉しい話である。
 愛子様は、観覧席で笑顔を見せていらしゃった。

 皇太子ご一家のお住まいになる赤坂御用地と神宮球場は、目と鼻の先にある。神宮球場脇の有名な銀杏並木で、何年か前にご一家が散歩されている光景がニュースで流れたこともある。
 天皇杯が下賜されている東京六大学野球も、たくさんご覧になっていただきたいものだ。

 私事で恐縮であるが、3年前の秋だったか、青山通りの豊川稲荷脇の横断歩道をぼく一人が渡ろうとした際、左折してきた車が待ってくれたことがある。
 立派な黒い車であったので、誰が乗っているんだろう?、と後部座席を見ると、秋篠宮御一家でいらっしゃった。
 その御車がぼくが渡るのを待っていただいているなんて、何と恐れ多いこと。(笑) 最敬礼をしつつ、足早に通り過ぎたことは言うまでもない。
                        (谷川彬良)

負けちゃいましたね

 都議選の投票をし、その後の用事を済ませて夕方に帰宅し、速報をチェック。日米大学野球選手権の初戦は、日本が0-3で敗れたことを知った。
 映像を見ていないので本当のことはわからないけれど、点差以上に“完敗”だったのかな?

 日本は、先発二神が2失点、東浜が1失点したということだが、合計3失点ならば投手陣としては合格ではないだろうか?
 昨年の細山田、大野という大学球界を代表する2捕手が抜けて、ディフェンス面を心配していたのであるが、それほど心配は要らないのかもしれない。

 むしろ、心配なのは打線。大会前から、昨年の大学ジャパンと比べて得点力が低いように感じているのだけれど、今日の初戦は無得点に終わった。
 まあ、米国の先発コールは今日の最速156キロ(自身の最速は163キロ!)で、おそらく150キロ台を連発したのであろうから、そんな速い球を初めて見る日本の打者が面食らったのも無理はあるまい。

 肝心なことは、敗戦の中から今後につながる“何か”をつかんだかということ。相手守備の“穴”でもいいし、今日打たれた打者の苦手コースを発見した、とかでも良い。
 それをつかんでの敗戦であるならば、気落ちすることはあるまい。

 短期決戦で重要なのは、第2戦。日本シリーズ(7戦制)を戦う監督もよく口にするし、大学ジャパンの榎本監督も初めから「第2戦が大事」と語っている。
 ならば、明日の東京ドームでの第2戦をものにすれば、数字の上でタイに持ち込めるし、精神的には優位にも立てるだろう。

 日本の命運は、やはりこの人、第2戦先発予定の斎藤佑樹にかかってくる。ぜひとも米国打線をシュンとさせる快投を見せてもらいたい。
 日本に大量点は望めない気がするので、斎藤には1点に抑えてもらい、2-1くらいで日本勝利かな?
                              (谷川彬良)

2009年7月11日 (土)

東京も開幕

 夏の甲子園を目指す東・西東京大会の開会式が、神宮球場で行われた。東京の参加校は、東西合わせて264学校。一部不参加校を除いて、東西それぞれが3校ずつ、レフト側、ライト側から同時に入場行進した。
 昨年の優勝校、準優勝校が優勝旗、準優勝杯などを返還。昨年、西東京大会準優勝の早実・中野主将は、これまでやんちゃなイメージだったけれど、今日は大人びた表情をしているように感じた。

 今日は神宮球場に行くことも考えたが、東京ローカルでテレビ中継があるので、仕事をしながら見ていた。
 開会式後、昨年の大会の決勝・早実が日大鶴ヶ丘の模様がテレビで流された。うーん……あの悔しさを思い出してしまった。(笑) 最後、ゲームセットとなった併殺打の小野田が、一塁にヘッドスライディングをしたシーン……。
 今年の早実は、どこまで勝ち上がってくれるのだろうか。

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 この時期になると、高校野球にまつわるいろいろな話が目や耳から入ってくる。

 朝日新聞に載っていた話だ。
 東京のある高校。ある野球部員は二分脊椎症という難病を抱えながらも、周囲にはそのことを隠しながら他のメンバーと同じ練習を続けた。頑張り屋だったそうだ。
 だが、昨年6月。肝臓がんに侵された。それを知った部員たちは、秋の都大会で背番号「20」を彼にあげることを監督に訴えた。
 監督は頷いた。他にもメンバーがいるのに、入院している彼にベンチ入りの背番号を与えたのである。

 しかし、この野球部は、19人で戦うことになった。「20番」のユニフォームは、病室に飾られた。だが、意識が混濁することが多くなり、昨年10月、彼は16歳の短い生涯を閉じた。
 11月の17歳の誕生日。部員たちは彼の練習ユニフォーム(53番)に寄せ書きをして、部室に飾ったという。そのユニフォームは、この夏の大会でベンチ入りするそうだ。

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 今朝、大分県で、県大会の開会式に向かう柳ヶ浦高校の部員を乗せたバスが横転し、二年生部員が一人死亡した他、多くの部員が大けがをしたという。
 このバスに乗っていたのは控え部員で、別便のベンチ入りメンバーは開会式に出場できたという。

「さあ、今日から」という時の何とも悲しく、残念な事故。
 ご冥福を祈る。
                            (谷川彬良) 

2009年7月 6日 (月)

日米大学野球、斎藤佑への期待

 来週(7月12日~)から、日米大学野球が始まる。2年前の前回、米国開催で初めて優勝した日本チームが連覇を果たすことが出来るのかが、まずは注目される。
 日本チームで一番注目される選手は、やはり斎藤佑樹(早大)になろうか。

 一年生で出場した前回大会は、第3戦に先発して勝利投手となり、優勝に王手を懸けた。
 しかし、優勝が決まった後の第5戦、5番手で登板した斎藤は敗戦投手。高校三年時から続いた「無敗神話」が崩れる苦い経験もした(自責点は0)。首を振りながら降板する斎藤を、今でも覚えている。
 その意味では、今大会は斎藤にとって、リベンジの舞台とも言えるのかもしれない。

 斎藤はどのような使われ方をするのだろうか? リリーフ構想も捨てがたいとは思うが、やはり先発が一番似合うのではないだろうか。
 ただし、チームの“顔”として、勝負どころでの救援も見たいとも思う。

 斎藤の最大の目標は日本チームの優勝であるだろうけれど、個人としても絶好のアピールの場でもある。
 日米のスカウト陣が集結するこの大会。来年のドラフトの超目玉になっているが、もしもいきなり大リーグを目指すのであれば、ここで結果を残しておきたいものだ。
 メジャー予備軍の米国打線をきっちり抑えられるようなら、最高のアピールになる。一度は投げておきたいという「150キロ」も、この大会でのクリアを狙っているのではないか。

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 時々、スピードガンの“功罪”を思う。スピードガンは、速い球を投げられる投手が優秀で、そうでない投手は劣る――の一つの基準を生み出した。(ある意味では正しく、ある意味では間違いであると思うが)。
 しかし、優秀な投手とは、突き詰めれば「点を取られない投手」である。速い球を持っていても、打ち込まれる投手はいるし、最速が130キロ台であっても、変化球とのコンビネーションを武器に「エース」であった投手もいるのである。

 もしスピードガンが無いとしたら、斎藤は「150キロ」を追い求めただろうか? 「速い球」を投げたいとは思っただろうが、「150キロ」を目標にすることはなかったのではないか?(当然だ。スピードガンが無ければ測りようがない。 笑)
 NHKのインタビューでは、「142~143キロでも空振りをとれる」というようなことを自信満々に語っていたから、今のままでも十分におつりの来るスピードを斎藤はすでに持っている。

 それでも「150キロ」の看板が欲しい。常に150キロを投げるつもりがないのなら、それほど必要ではないようにも思う。
 ただ、「150キロ投手」であることは打者に無言のプレッシャーを与えるだろうし、斎藤側にとっても心理面で優位に立てる、ということなのか。

 観客の一人としてみた場合、スピードガン表示は野球観戦の楽しみの一つになっている。
 投手が投げるごとに、スコアボードの表示に目が行くクセがついている人も少なくないのではないだろうか。
 その楽しみを知ってしまった以上、スピードガンが無くなったら野球の面白さの何割かが減るような気もする。

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 野球とは関係ない話だが、お許しを。

 7月4日、米国独立記念日。明るいニュースが入ってきた。「自由の女神」の王冠展望台が、約8年ぶりに見学できるようになったのだ。
 2001年9月11日、あの同時多発テロの直後から、「自由の女神」は立ち入り禁止になっていた。04年に台座部分への立ち入りは可能になったものの、王冠部分は閉鎖されたままだった。

 前大統領が就任した年にテロが起こり、そして今年、オバマ新大統領が就任して立ち入り禁止が解除された。
 自由と民主主義の象徴である「自由の女神」が、やっと自由を取り戻した、と言っていいだろうか。

 もう10年以上前のこと、「自由の女神」の体内に入ったことがある。王冠部分に上がるために、中の階段で順番待ちをしていたのであるが、あいにくの雨と風。
 まあ、雨は関係ないと思うのだが、そこそこ強い風が吹いていたために、王冠部分の立ち入りは中止されてしまった。本当に残念だった。

 間近に見る「自由の女神」はもちろん素晴らしい。中に入ると、女神の胎児になったかのような幸せな気分にもなる。
 もう一つ、感動を覚える場所がある。「自由の女神」のあるリバティー島へは、バッテリーパークからフェリーで向かうのだけれど、島が近づいて来ると進行方向右側に、ふっと「女神」が現れる。その瞬間の気持ちを何と表現したらいいものか……。「神」を前にした、神々しい気持ち、とでもいうのだろうか。

 その時以降、ニューヨークには行っていない。今のところ予定はないけれど、「王冠」到達はやり残している宿題(笑)のようなものだ。
 死ぬまでに一度でいいから、王冠からマンハッタンを眺めてみたい。それまで、いや今後ずっと、再び立ち入り禁止になる事態が起こらない、平和な世界が続くことを祈るばかりだ。
                          (谷川彬良)

2009年7月 5日 (日)

応援席の気になる男(2)

 東京六大学野球リーグ戦。この春の早大の試合は、何度か学生応援席に近いところで観戦した。
 高校時代から気になるあの男が応援部に入部し、元気な姿を見せてくれていたからだ。

 M君は、某高校で応援リーダーを務めていた。細い躯体に学生服をまとい、風になびく長めの前髪。「巨人の星」の花形満のよう。風がなくても腕を振り、体を動かすたびに、さらりさらりと揺れる。
 その姿がいかにもかっこいい。元々は妻がファンだったのであるが、母校が必敗の状況でも選手を鼓舞し続ける彼に、ぼくも好感を抱くようになっていた。

 高校では最上級生として応援をリードしてきた彼が、大学では下っ端としてこれまでにない一面を見せているのが何とも面白い。
 早慶戦で、リーダーの一年生部員は頭の天頂部分の髪だけを残して、側面はぐるりと刈上げ。それだけでも十分に笑えるのだけれど、リーダー台にリーダーの二年、一年とチアが乗り、ダンスパフォーマンスを繰り広げたのだ。

 リーダーがチアを腕で抱えあげる見せ場では、軽量のM君は逆にチアに抱えあげられていたりするわけだ。(笑)
 高校時代は大人の顔をして澄まして応援していた彼も、大学ではピエロ役もやらなくてはならない。彼自身がそういう部分を面白がっているのか、嫌々やっているのかは知らないけれど、応援部員として、また人間としての幅を広げるための役に立つことを願うばかりである。

 彼が4年間、応援部を続けてくれるだろうか。幹部になると、髪をオールバックにするリーダー部員が多いようだが、M君は高校時代のような髪型が似合うのではないか? 
 もしも主将になったら、エール交換で校歌を振る際に、前髪がなびいて実にかっこいいだろうと思うのだ。

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 7月4日(土)、パシフィコ横浜で行われた「海のエジプト展」記念シンポジウムに行った。
 パネリストは、フランス人海洋考古学者のフランク・ゴディオ氏、近藤二郎氏(早大教授、早大エジプト学研究所所長)、野上健紀氏(NPO法人アジア考古学研究所副理事長)、そして日比野克彦氏(アーチスト、「開国博Y150」アートプロデューサー)である。

 エジプトの海の発掘調査を行うゴディオ氏を、昨年11月、日比野氏が訪ね、日比野氏は海中に潜って、海中に眠るスフィンクス像を海中に居ながらにしてスケッチしたことがある。

 内容については、いずれ主催の朝日新聞社から伝えられると思うけれども、現地で日比野氏が「海中探査船はどこにある?」と聞くと、「そこだ」とホテルの目の前の海を指差された。こんなすぐ近くの海に古代の至宝が眠っていることに、大いに驚いたそうである。
 また、海中でスケッチをしている際、日比野氏から水泡が上がらなくなって(つまり呼吸をしていない)、ゴディオ氏が心配したこともあったという。日比野氏はスケッチに集中して、息を止めていただけのことだったそうだ。(笑)
 クレオパトラが愛した都アレクサンドリア(11キロメートル四方)が、地震か津波といったものによって、一瞬にして(おそらく数秒)で水没したらしいことも驚きであった。

 このシンポジウムでぼくは最も感じ入ったのは、歴史的時間枠の“錯覚”だった。
「ギザの大ピラミッド」は紀元前2570年頃。世界三大美女の一人「クレオパトラ」(7世)が生きた時代は、紀元前数十年。その間には、2500年もの長い時間がある。
 つまり、「ピラミッド→クレオパトラ」よりも、「クレオパトラ→現代」の時間のほうが短いのだ。
 よくよく考えれば当たり前のことで、気がつくかどうかの問題なのだけれど、ピラミッドとクレオパトラをつい「同時代」と括ってしまう人が多い、とパネリスト(近藤氏)は語っていた。

 この日は、このシンポジウムを聞かせてもらっただけで、ゴディオ氏がエジプトの海から引き上げた至宝490点の展示は見ていない。
「海のエジプト展」は9月23日まで開催しているので、いずれじっくりと見るつもりである。
               (谷川彬良)

2009年7月 2日 (木)

応援席の気になる男(1)

「大学野球」(2009春季リーグ決算号)の17ページに、法政大学応援団の団長・田中貴大君が写真付で紹介されている。東京六大学史上初の「親子二代」の応援団長だそうである。
 かつて団長を務めていた父親は、利幸氏だという。「あっ」と驚いた。その利幸氏の下級生時代のことが、かすかにぼくの記憶にある。

 腕を組んだ息子さんの写真は、なかなかの男前である。父親の利幸氏もまた、良い男であった。二重まぶたで、西郷隆盛、あるいは武蔵丸に似た包容力のありそうな、一目見ただけで印象に残る人物だった。
 さすがに、団長を務めるだけの男は違う。ただし、現在の利幸氏についてはまったく知らない。学生時代で比較する限り、男っぷりは息子さんのほうが一枚上かな?(笑)

 久しぶりに、優勝の懸かった法明戦。見事、連勝で6シーズンぶりの歓喜を味わった法政大学。
 以前、このブログの記事で、試合終了後の「学生注目」で言葉を詰まらせていたリーダーがいた、と書いたけれど、この田中団長だったかもしれない。
 春季リーグの開幕日前日、法大野球部グラウンドを訪れた田中団長は、金光監督、石川主将らナインを前に必勝のエールを送ったという。異例の出来事だったそうだ。

 記憶に間違いがなければ、父親の利幸氏の団長時代にも、法政は優勝を果たしたのではなかったか。
「学生注目」時の涙は、団長として父親と同じ目標を果たした責任感も含まれていたのかもしれない。

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 今日(7月2日)のNHKの「クローズアップ現代」に、盲目のピアニスト、辻井伸行さん(20歳)が出演していた。
 米国のバン・クライバーン国際ピアノコンクールで第1位となった後、ドイツでの演奏会の模様が映し出された。

 ドイツに何人か呼ばれた演奏家のうち、辻井さんの演奏会入場料は最安価の約3000円。コンクールで優勝したとはいえ、まだまだ無名なのだ。
 小さなホール。リハーサルに訪れた辻井さんは「小さい(ホールだ)ね」とつぶやく。大きなホールとはまったく響きが違い、ピアノを奏でるまでもなく、自分の足音でホールの器がわかったようであった。

 米国とは違って、ドイツの聴衆の耳は肥えている。それを知っている辻井さんは、緊張していた。
 観衆の中には、辻井さんにはそれほど期待を持っていなくて、「友達が行けなくなったから、代わりに来た。大した演奏でなければ、すぐに帰る」と言う人も混じっていたくらいだ。

 介添えの人と舞台に出て行き、ピアノの前に座る。しかし、緊張からなかなか弾きだすことができない。
 緊張を抑えるために、ハンカチで鍵盤を拭い、気息を整えたほどだった。

 しかし――。緊張などかけらも感じさせないほど滑らかに、演奏が始まった。始まってしまえば、もう辻井氏の世界である。体を大きく揺らしながら、鍵盤を愛しむ。
 聴衆の表情が変わった。何度も頷く人。微笑む人……演奏が始まる前とは、明らかに雰囲気が変わった。

 数曲を、辻井さんは弾き切った。沸き上がる拍手。極東の小国からやってきたピアニストへの惜しみない賞賛の嵐だ。
 舞台に出てきたときと同様、介添えの人と舞台袖に下がる辻井氏。舞台の扉が閉じられる。

 そのまま楽屋に戻ろうとするが、立ち止まって耳を澄ますと……拍手が鳴り止んでいない! 演奏者にとって、こんなに嬉しい瞬間はないに違いない。
 辻井氏は、自ら舞台に出て行き、アンコール曲を弾いた。用意していなかったので迷ったようだったが、優勝したコンクールで演奏して一番盛り上がった曲を弾いた。
 弾き終わった辻井氏に、スタンディングオベーションが待っていた。

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 辻井さんが優勝したバン・クライバーン国際ピアノコンクールのある審査員の採点紙には、文字が書かれていなかった。白紙である。こんなことはありえない。辻井さんの演奏があまりにも素晴らしく、思わず聴き入ってしまったのだという。
 普通、コンクールに出てくる若者はやたらと音が大きかったり、これでもかとテクニックに走って演奏が速くなったりするのだそうだが、彼の演奏はそのような無用に誇張する部分がなく、自然に、ゆったりと、心地よく響いた。最近では珍しいことだそうである。

 辻井さんは、これから内外での多くのコンサートを通じて、名声を高めていくことになる。
 まだ20歳の若者である。番組の中で本人は、「音楽以外のいろいろな経験をしたい」と語っていた。

 辻井さんには、「恋」をしてもらいたいと思う。いや、プライベートのことは何も知らないから、もしかしたら今だって恋をしているかもしれない。もしそうなら、これからもっとたくさん恋をしてほしい。
 人は「恋」をすることで変わる。世界が一変する。(そんな経験は皆さんもお持ちでしょう?) 両想いでも、片想いでもかまわない。たとえ悲恋だとしても、マイナスになることはない。そうした経験が、彼の音楽により一層の情感を加えることになるはずである。
                          (谷川彬良)

2009年6月26日 (金)

親父の一番長い日

 先週であったか、「親父の一番長い日」というドラマが放送された。
 さだまさしの歌に同じタイトルがあったなあと思い、見始めてみると、まさしく彼の歌が原案だそうである。(以前にも、ドラマ化されたことがあるらしい)
 そのさだ氏本人も、チョイ役で2カットに登場していた。セリフなしであったけれど、この方はしゃべりだすと長いので、まあこれで良かったのではあるまいか。(笑)
 それはさておき、ドラマのクライマックスに、小道具として「野球」が使われていた。 

 物語は、結婚適齢期の娘(長澤まさみ)に結婚を約束した彼氏がいて、さて父親(國村隼)が結婚を許すか許さないか――という、娘のいる家庭なら大抵は出くわすことになる昔からあるワンパターンの骨格である。
 そのパターンを踏襲して、もちろん父親は結婚に大反対である。初対面で「君に“お父さん”と呼ばれる筋合いはない」などと、お決まりのセリフ(笑)も出てくる。

 そんな折、彼氏が仕事で大怪我をしてしまい、車椅子生活になってしまう。もしかすると、一生車椅子の世話にならなくてはならないかもしれないのだ。
 それでも、二人の愛は変わらない。再び結婚の許しをもらうために、車椅子の彼氏が家に来ることになっていた時間、会いたくない父親は外出した。

 外は強い雨。一人の若者が雨宿りをしている。車椅子。娘の彼氏だった。
 傘を差すことが出来ず途方に暮れているところへ、婚約者の娘がやってきて傘を差す。濡れた背中を拭き、車椅子を押しながら、家へと連れて行く。
 父親はその光景を、隠れてじっと見ていた。しかし、家に戻ることはなく、外で飲んだ。「長い時間待っていたのに、なぜ帰って来てくれなかったの?」と娘は怒った。

 父親は、彼が好青年であることは分かっている。車椅子の彼に対する娘の気持ちが変わらないことも分かっている。
 なぜ結婚を許してくれないの?、と娘は思うだろうが、父親の立場となれば、娘を愛するがゆえに慎重にならざるをえない。健常の時でも反対であったのに、今は車椅子の世話になっているんだぞ……。

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 翌日、彼氏の母親が訪れた。息子の結婚を懇願するのかと思いきや、「お嬢さんと、車椅子の息子を結婚させるわけにはいかない」。
 この先、娘さんの苦労は目に見えている。だから、この話はなかったことに――彼氏の母親にしてみれば、断腸の思いの一言だった。

 父親は病院に向かった。入院している彼氏に向かって、「オレと勝負をしろ」。草野球の投手をやっている父親が、かつて野球をやっていたことのある彼氏に「3球勝負」を持ちかけたのだ。「1本でもヒットを打ったら、娘をやる」
 河原のグラウンド。マウンドに父親。バッターボックスで車椅子の彼氏がバットを構える。婚約者である娘、彼氏の母親ら、家族が見守る。

 第一球、空振り。第二球、かろうじてバットに当てたが、ファウル。そして、運命の第三球――。
 思い切り振ると、ボールは前に飛んだ。投手前への小飛球。彼氏は「絶対にセーフになってやる」と、車椅子のまま精一杯走り出す。
 打球は、投手の前にポトリと落ちた。しかし、父親は処理しようとしない。一塁に向かう彼氏に向かって、こう言った。
「参った」――。

 父親は、とっくに結婚を許す気になっていたろう。そこへ、彼氏の母親から「結婚話はなかったことに」と言われて焦った。
 だが、これまでのいきさつから、素直に許すわけにはいかない。そこで、「3球勝負」の舞台を、わざわざ作ったのである。
 ヒットを打たなくても、空振り3つでも、父親は結婚を許すつもりだったはずである。
 フィクションではあるが、この二人の幸せな行く末を願わずにはいられない。

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 この父親の気持ちは、とてもよく分かる。ぼくの娘は、8月に18歳。数年後に彼氏を連れてくることが、きっとあるんだろう。
 娘とすれば、四の五の言わずに認めてくれることを望むだろうけれど、親とすれば彼氏を吟味する時間が必要だ。どこの親だって、そうだと思う。それが親の愛情であり、親として果たすべき最後の責任であるはずだ。

 しかし、うちの娘に、そのような彼氏が現れるかどうかが問題なのだけれど。(笑)
 ボーイフレンドはいるようだが、結婚となれば別の話。誰かいい人はいないかな?

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 朝起きてみると、驚きのニュースが待っていた。
「マイケル・ジャクソン死去」。何があったのか。本当に驚いた。

 性的虐待疑惑など、いろいろあった人生だったけれども、彼の歌手としての実力は本物だった。
「スリラー」など大人になってからの楽曲はもちろんのこと、ジャクソン・ファイブ時代の「ベンのテーマ」など、あどけなさの残る彼の歌唱力、リズム感も素晴らしかった。
 あの切れ味鋭いダンステクニックも然り。

 ぼくはディズニーランドのアトラクションの一つ、「キャプテンEO」(主演マイケル・ジャクソン、プロデューサーはジョージ・ルーカス、監督フランシス・コッポラ)が大好きだった。 
「キャプテンEO」がなくなって10年以上経つと思うが、ぜひもう一度見たい。

 同年代のスーパースターがまた一人亡くなった。
 マイケル・ジャクソンさん、安らかに。
                              (谷川彬良)   

2009年6月21日 (日)

がんばれ、早実

 夏の高校野球の西東京大会。早実は激戦区に入ってしまった。早実と優勝を争うと言われる日大三ばかりか、強豪校がずらり。
 真の実力があれば組み合わせは関係ない、と言われるかもしれないけれど、強豪相手となれば消耗度が違う。決勝まで7試合。ボディブローのように疲れがたまらないかと心配になる。
 まあ、このブロックの学校はどこも同じ事を思っているだろうけれど。

 気をつけないといけないのは、「このブロックを勝ち抜いたチームが、最も甲子園に近い」などと早くも言われていること。
 昨年だって、本命と言われた日大三に準決勝で勝った時点で「これで甲子園だ」と喜んだのも束の間。決勝では日大鶴ヶ丘に苦杯をなめた。切符をつかむまでは、まったく安心はできないのである。(日大鶴ヶ丘は、もちろん強かったけれど)

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 ところで、中野主将を始め、大野、森、大矢ら、今年の早実の三年生には、ぼくは強い愛着を感じている。
 名前を挙げた4人は2年前、一年生ながらベンチ入りして、夏の西東京大会に出場。中でも、4番を任された森の堂々とした大きな体、多摩一本杉球場で放ったライナーのホームランは強烈な印象であった。以来、彼らは、中心選手として早実を引っ張ってきた。
 このブログを始めた時期と重なったこともあり、早実の試合をぼくがこんなに多く観戦したことは過去になかったのである。

 そんな彼らも、もうすぐ高校野球生活を終える。ついこの間、入学してきたとばかり思っていたのだが……。
 終えるにしても甲子園であってほしいし、できるならは3年前の「選抜ベスト8→選手権・優勝」と同じ道を歩んで締めくくってもらいたい。

 中野主将らは、“あの夏”の全国優勝を見て早実に入ってきた初めての代である。入学した際には、後藤、斎藤佑、白川らの優勝中心メンバーは大学進学であったから、“憧れ”の選手たちとはすれ違いである。
 来年、早実での3年間を終えて、中野らがどんな進路を選ぶのかは知らないけれど、ファンの一人としてはやはり早大に進学してもらい、先輩優勝メンバーたちの“同僚”として天皇杯を目指してほしいものである。
 ちょっと気が早かったかな?(笑)

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 話はまったく変わるけれど、今日6月21日はわが家の3匹の猫の誕生日である。
 ぼくが仕事をするデスク横のダンボール箱で、母猫は3匹を産み落とした。いずれも雄。三兄弟というと、ゴルフの「尾崎三兄弟」や「だんご三兄弟」(どちらも古!)、最近では「余分三兄弟」(笑)なんてものもあるようだが、わが家の猫の場合、「癒し三兄弟」(本当か? 笑)とでも言っておこうか。

 母猫と三兄弟の計4匹は、時折「フーッ!」と毛を逆立ててケンカをすることもあるけれど、一日の時間の9割は仲良くしているようである。
 母猫は4月で5歳、三兄弟は今日4歳になった。元気で長生きしてもらいたいものである。
                 (谷川彬良)

2009年6月20日 (土)

第91回夏の高校野球、西東京大会組み合わせ

ゆう 第91回全国高等学校野球選手権大会・西東京大会の組み合わせ抽選が行われた。
 早実の戦いは、7月17日の実践学園からスタート。ノーシードのため、優勝までは7試合。決勝戦は、7月28日である。

http://www.tokyo-hbf.com/news.php?nid=b3c6718b7c219b91333362500b8c031e

●早実の試合日程

 1回戦   7月17日(金)14:30 (府中)    実践学園
 2回戦   7月19日(日)12:30 (明大球場) 都田無工
 3回戦   7月22日(水)12:30 (府中) ……中大付?
 4回戦   7月23日(木)12:30 (府中) ……東亜学園?
 準々決勝 7月24日(金)09:00 (神宮)  ……対日大三?
 準決勝   7月26日(日)10:00 (神宮) 
 決勝    7月28日(火)12:00 (神宮)

 順当ならば、準々決勝で日大三と対戦することになる。多くのメディアの予想では、早実と日大三が「戦力充実」とされており、ポイントの試合となる。
 早実にとって、この準々決勝は5試合目。さらに3連戦の3試合目となるのが辛いところか。投手陣のスタミナが試される。

 4つのブロックに分けてざっと眺めてみると、早実のブロックは強豪が一番多い印象。
 日大三を筆頭に、創価、東海大菅生、明中八王子、専大付、東亜学園などが揃う厳しいブロックだ。

 今年の早実は、実力のある一年生が多数入学して、練習試合でも力を発揮しているようである。選抜出場メンバーからポジションを奪いそうな選手も複数いるとのことだ。
 なお、明大球場での試合(2戦目)は、「応援禁止」とのことである。

 その明大球場の試合、ぼくは法事があり(父の13回忌)、残念ながら観戦できないが、あとの試合は都合をつけて応援に駆けつけたい。(真夏の3連戦は体力的に厳しそうであるが)
 早実は、昨夏、昨秋と続けて、決勝戦で負けている。三度目の正直なるか?
 夏の甲子園はまだ訪れていないので、ぜひ行ってみたいものである。(暑いだろうなあ~。 笑)
                      (谷川彬良)

2009年6月19日 (金)

ブログのご紹介

 すでにご存知の方も多くいらっしゃると思いますが、このブログにも何度か“出演”(笑)して下さっている方がブログを始められました。
 大学野球、高校野球、プロ野球などの他、ご自身の身辺雑記などもあり、楽しみなブログが一つ増えて嬉しく思っております。
 16日には、阪神タイガースの二軍の試合を観戦なさり、上本選手のリポートもありました。

 ご本人の了解がいただけましたので、遅くなってしまいましたがご紹介いたします。
 興味のおありになる方は、ぜひご一読を。癒し系のデザイン、元気をもらえそうなブログだと思います。

 ブログタイトル 「悠・悠日記」

http://blog.goo.ne.jp/yu_yu1825/e/eedbd781d920e6f0a3ce03a4f021c824

                          (谷川彬良)

2009年6月14日 (日)

終盤に逆転、法大8度目の日本一

 09年の全日本大学野球選手権決勝・法大-富士大は、5-1で法大の勝ち。14年ぶり、8度目の日本一の座を勝ち取った。

 この選手権、昨日まで3試合を戦った法大は、3-0、4-3、5-2。今日の決勝戦は最大の4点差勝利となったが、この4試合の中で敗色は一番濃かったといえる。
 7回を終わって、0-1。法大が出した走者は、1回二死からの多木のヒット、3回の石川の死球の2人のみ。芯でとらえた打球が野手の正面をつくなどの不運もいくつかあったものの、90キロ台~140キロを使い分ける富士大のエース・守安の投球に、幻惑されていたといってもいいだろう。

 しかし、野球は何をきっかけに流れが変わるかわからない。富士大にあった流れを変えたプレーは、法大が同点に追いついた8回表にあった。
 一死1、2塁で代打・土井(一年)が三塁手の頭上、グラブをかすめて超える内野安打。二塁走者の代走・中尾が三塁をオーバーラン。あわてて戻る中尾、そこへ三塁手のタッチプレー。
 判定は「セーフ」。タイミングはアウトだと思ったが、中尾の指先がタッチをかいくぐったのか?

 これで一死満塁となり、続く亀谷は浅いレフトフライ。普通のランナーであれば本塁突入は自重したかもしれないが、俊足の中尾はタッチアップ。送球も逸れ、待望の同点のホームを踏んだ。

 この回は同点止まりだったものの、9回は法政に傾いた流れを確認するばかりの場面が続いた。
 先頭の多木が、この日自身2本目のヒットで出塁すると、4番松本雅の送りバントは一塁手前への小飛球。猛ダッシュしてダイビングキャッチを試みるものの、グラブ先端に当たって、ボールは捕手の後方まで転がり(内野安打)、無死1、2塁となった。
 続く5番佐々木の送りバントが捕手後方への小飛球(捕球はできず)となったところで、代打に大八木。送りバントをしに出てきたのだろうと誰もが思うところだが、バントの構えから一転ヒッティング。右中間への二塁打となって、ついに勝ち越し点が入った。

 この後も、内野安打、内野ゴロなどで3点を追加して5-1。本塁へ投げても間に合わない当たりが続いて、法大に面白いように点が入った。
 富士大エース・守安の疲れもあったとは思うが、いったん流れが変わるとそう簡単に流れは元に戻らないんだなあと思ってしまう。
 法大だって、三塁オーバーラン(8回)、送りバントが2度小飛球になる(9回)など、細かなミスがあったのにもかかわらず、すべてが法大側の“好結果”になったのであるから……。

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 それにしても、今季の法大はしぶとさが目立った。今日の決勝戦も、リーグ戦の優勝決定試合も、8回に同点に追いつき、9回に決勝点。(リーグ戦はサヨナラ本塁打)
 それ以外の試合でも、終盤に貴重な得点を挙げるケースが多かったように思う。

 最高殊勲選手と最優秀投手は、二神。首位打者は、15打数10安打の多木。リーグ戦で存分に働いた二人は、この選手権でも実力をいかんなく発揮した。
 惜しくも準優勝となったが、富士大のエース守安を中心とした守りの野球も立派だった。7回を終わった時には、「このまま1-0で終わるのでは」と思ったくらいである。拍手を送りたい。

 リーグ戦、新人戦、全日本選手権と、10週続いた大学野球の春はこれにて終了。シーズンを締めくくる試合とあって、早大の試合でしかお見かけしないお顔も、ちらほらいらっしゃった。
 ぼくの次なる観戦予定は、日米大学野球(7月13日東京ドーム、16日神宮球場)。7月11日から始まる高校野球の西東京大会は、早実の応援に行くつもりである。

 皆様もしばらく小休止でしょうか。春のシーズン、お疲れさまでした。
                           (谷川彬良)

2009年6月13日 (土)

法大、決勝進出

 全日本大学野球選手権準決勝・法大-関西国際大は、5-2で法大が勝ち、いよいよ決勝に駒を進めた。
 法大は、春のリーグ戦からこれで13連勝(1引き分けをはさんで)。春の締めくくりの試合を、有終の美とできるか。

 法大の一年生、多木の好調が続く。選手権の初戦は6番で3打数2安打。2戦目は3番に上がって、4打数2安打。
 そして、準決勝のこの日は、4打数4安打! しかも、3打席目まではいずれもタイムリーヒット(3本目は一塁手の前で打球が跳ねるラッキー安打だったが)。
 当然、ヒーローインタビューに呼ばれた。

 この選手権で、通算11打数8安打。クリーンナップを任されると硬くなりがちであるのに、しかもまだ一年生であるのに、緊張など微塵も感じさせない。
 この全国大会でこんなに自信をつけてしまって、秋のリーグ戦は早大を始め、他校にとってますます厄介な存在になってきそうである。(笑)

 法大は、エース二神が完投勝利。2点は奪われたものの、リードを許すことなく、“冷や冷や”の印象はなかった。
 今季は何度も思うけれども、昨年までとは違う投手が投げているみたいに感じる。
 終盤、「治療のため」に、ベンチに下がった一幕があった。マメでもつぶしたか? 決勝戦に影響がないといいが。

 さあ、東京六大学代表として、2年前の早大以来の日本一の座につくことができるだろうか。

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 午後、東京六大学応援団連盟が主催する応援団「六旗の下に」が行われるとあって、法大の応援団は人数が少なめであった。
 開演は3時。午前中からリハーサルが行われるはずであり、試合終了は1時半近く。
 神宮で応援し、その後、日比谷公会堂に駆けつけた法大応援団諸君は、忙しかったことだろう。お疲れさま。

 神宮球場で準決勝を観戦し、「六旗の下に」をご覧になった方もいらっしゃるようである。
 最近は第1部ステージドリル&チアリーディング、第2部各校校歌、応援歌、拍手紹介という構成のようだが、以前は若手の女性歌手をゲストに呼んでいた時期があった。太田裕美さんとか、森田つぐみさんとか。
 ぼくは太田裕美さんのコンサートに何度も行った大好きな歌手であったので、ドキドキしながら出番を待ったものである。(笑)

 しかし、メインイベントは、何と言っても「校歌、応援歌、拍手紹介」である。各校リーダー部の意地と面子がここに集約されているといっていい。
 その中でも、「勝利の拍手」といった拍手紹介は、各校のリーダー責任者が演じるとあって、緊張感が充満する。

 たとえば、ある大学の場合、足を踏ん張って体が地に着くくらい横に倒し、じっと何秒間(何十秒?)もそのままの姿勢を保つ時間があるのだけれど、ここが最大の見せ場。
 会場に音はなく、あるとすれば客席からの掛け声。その後には、さざ波のようにわき起こる感嘆の拍手。演じるリーダーの額には、じっとりと汗が浮かんだりしている。

 無事に演じ切れば面目が保たれるが、横に倒した体のバランスを崩して、ステージに手を着いてしまう場面を見たこともある。
 そんな時のリーダーは、演じ終えて舞台袖に下がった後でも、じつに悔しそうな顔をしている。

 今年の「六旗の下に」はどんな盛り上がりであったろうか。
 いつもは野球応援などの盛り上げ役として、脇役に徹する応援団諸君。今日ばかりは、その彼らが「主役」を務める。
 きっと、良き青春の1ページになったことだろう。
                           (谷川彬良)

2009年6月11日 (木)

法大、ベスト4進出

 全日本大学野球選手権は、第3日。東京六大学代表の法政は日本文理を4-3で下し、土曜日の準決勝に進出した。
 六大学代表としてぜひとも優勝してもらいたいものであるが、楽に勝たせてくれる相手などいない。今日の試合も、4-0とした時には楽勝ムードが漂ったけれども、序盤に1点差に詰め寄られ、追加点は奪えず、やっとのことで逃げ切った、というゲームであった。

 法大の先発は、快速球男の三嶋。しかし、リーグ戦での安定感はなく、ボールの多い苦しい投球。1回の一死満塁は切り抜けたが、その後も制球定まらず、2回途中で降板した。
 リーグ戦は守護神としてラッキーボーイ的な働きをしたけれども、先発ではなぜ? 早大の大石も先発では苦労していたけれど、リリーフと先発ではそれほどリズムや、気持ちの持って行き方がちがうということなのだろうか?
 三嶋は高校時代は先発でガンガン投げていたのであるから、不思議なことである。今日は調子が悪かっただけなのかな?

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 日本文理は、昨日“怖い試合”を演じただけあって、地力のあるチームだと感じた。投手ではロングリリーフをしたエース・古川の変化球がキレて打ちづらく、点を奪える気配がない。1点リードはあったけれども、「負けるかもしれない」と真剣に思った。
 しかし、法大も三上がロングリリーフをきっちりこなし、最後の2イニングはエース二神が締めた。

 それにしても、法大は2試合で6失策。そのうちショートの多木は4失策。
 報道によれば、二神は昨日、多木に対して「3失策までなら許す」と言っていたらしいが、それは寛大すぎないだろうか?(笑) まあ、リラックスさせるためなんだろうけれど。
 ただ、前記事のkumiさんへのコメントにも書いたように、一塁手佐々木のワンバウンド送球を捕る技術にも問題がありそうなので、少しは割り引いてあげないとかわいそうかな?

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 さて、法大は頂点まであと2勝。東京六大学の力を示してくれるだろうか?
 それにしても、この選手権や秋の明治神宮大会に出てくるチームは、どこも強い。まあ、各リーグで優勝してきているのだから当然なのだけれど。

 将棋に喩えると、リーグ戦は「名人戦」、トーナメントは「竜王戦」というところか。
 名人戦は、A級~C2組まで5クラスある順位戦(リーグ戦)を戦う棋戦で、名人に挑戦権を得るためには最低5年はかかる。
 しかし、「竜王戦」は1組~6組までトーナメントで戦い、一番下の6組でも優勝すれば、竜王への挑戦者を決める決勝トーナメントに出場できる。つまり、プロになりたての棋士でも、竜王になれる可能性があるのである。
 名人戦は「安定感」、竜王戦は「爆発力」「勢い」がぼくが抱くイメージである。

 高校野球はトーナメントを勝ち抜いたチームが、さらに甲子園でトーナメントで優勝を争う。
 一方、大学野球はリーグ戦を勝ち抜いたチームが、今行われている選手権や秋の明治神宮大会ではトーナメントで優勝を決める。勝ち抜くためには、どのチームにもある「安定感」に加え、「勢い」や「爆発力」があるかどうかが鍵になってくるのだろう。

 野球の話になぜ唐突に将棋が絡んでくるのか? 
 今日、神宮球場に来る前に、将棋会館(渋谷区)のそばで米長邦雄氏(永世棋聖、日本将棋連盟会長)とすれ違ったので。(笑) 理由はそれだけです。
                                (谷川彬良)

2009年6月10日 (水)

恐ろしい試合

 6月10日、全日本大学野球選手権に出場している東京六大学代表・法政大学を応援しに、神宮球場に行った。(法大3-白鴎大0)
 先発二神は、リーグ戦同様の安定した投球。6安打、無四球の完封勝利を飾った。

 照明灯に灯が入った4回表、法大に先制点が入った。走者一塁で、一年生の多木(坂出)がライト前ヒットでチャンス拡大。
 続く指名打者、これまた一年生の土井(智辯学園)が三遊間をゴロで抜いて、二塁ランナーを迎え入れた。

 春のリーグ戦でベストナインに選ばれた多木は、相変わらず軸のしっかりしたフォームで、左へ右へライナーの2安打。
 もう一人の一年生、土井は、新人戦でクリーンナップを打ち、2試合計7打数3安打3打点。勝負強さもある。
 この試合もDHで起用されるあたり、一軍でもすでに通用する打撃力を持っているようである。

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 さて、この前に行われた日本文理大-九州国際大は、野球の恐ろしさをまざまざと見せつける試合となった。
 4-2と九州国際大リードの8回裏、追う日本文理大は一死満塁の大チャンスを迎えた。

 しかし、次打者は二塁手が一歩も動かない正面のゴロ。誰もが併殺でチェンジと思った瞬間、二塁手はトンネル。右中間に転がる間に2者が還り、4-4の同点となった。
 この後は、日本文理のつるべ打ち。あれよあれよの6点追加で10-4。なおも一死2、3塁で高く弾んだ一塁ゴロを、間に合わないホームへ投げて11-4……。

 なぜ一塁でアウト一つ取らないんだ?、と首を傾げていると、両校ベンチからナインが飛び出してきた。7点差。あ、そうか。コールドで、試合終了なのであった。
 いやあ、こんな試合を久しぶりに観た。2点リードでチェンジのはずが、一気にコールド負けに転落とは。野球というゲームの面白さ、恐ろしさを改めて知った次第。

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 野球とは関係のない話である。

 米国のバン・クライバーン国際ピアノコンクールで第1位となった盲目のピアニスト、辻井伸行さん(20歳)。彼の名前はずっと前から聞いたことがあり、その力量はぼくも知るところであった。今回の演奏の映像を少しだけ見たけれど、驚嘆するしかない。
 目が不自由であることで聴覚が研ぎ澄まされるなどと言う人もいる。仮にそういう面もあるにしても、やはり目が不自由であることは、健常者にはない苦労を強いられることになるはずだ。

 譜面を読むわけにはいかない。どうやって覚えるのかと思ったら、左手、右手に分けて録音してもらって、耳で覚える。そして、それを両手で合体させるわけである。
 指揮が見えない。ピアノ独奏でない限り、何らかの楽器と呼吸を合わせなくてはならないわけだが、辻井さんは頭を振ってタイミングを合わせるのだそうである。

 ピアノが好き、というピアニストとしての最大のエネルギーを持っていたとはいえ、その努力たるや並大抵ではなかったことだろう。

 テレビのニュースで、こんな話を聞いた。
 生まれながらにして目が見えなかった辻井さんが高校生の時、こんなことを口にしたそうだ。

「一日だけでいいから目が見えるようになって、お母さんの顔を見てみたい。次の日からは、また目が見えなくていいから」

 五体満足に生まれたって、親に何やかやと不平不満を漏らす子どもだっている。ましてや全盲という、大きなハンデを負っているのだから、親に対する恨み辛みの一つも言ったっておかしくはないところではないのか。
 それなのに、一目だけ母親の顔を見たら、また目が見えなくてもいい、とは……。なんていじらしい、泣かせることを言うのだろう。
 このエピソードを話したのは辻井さんの父親であるが、彼の目には涙が溢れていた。

 今回の受賞にあたって、辻井さんは両親への感謝の言葉を口にした。世界に認められた素晴らしいピアニストになったわけだが、それ以前に素晴らしい人間であると思う。応援したくなる音楽家だ。
                     (谷川彬良)

2009年6月 4日 (木)

MVPは誰か?

 東京六大学野球09年春季リーグ戦は、法政大学の優勝で幕を閉じた。始まってしまえば、いつもあっという間の8週間。今季もまた、数々の記憶に残る戦いを見せてくれた。
 思い通りの成績を残した選手、想像以上の成績を残した選手、あるいは飛躍が期待されながら力不足を実感した選手……。それぞれに春を振り返り、秋に向けての練習が始まっているはずである。

 さて、恒例の「ファンが選ぶMVP」(連盟HPで6月5日午後6時まで投票受付)。
 今季は4勝をあげた3投手、二神(法大)、斎藤佑(早大)、野村(明大)の順で上位に並んでおり、二神、斎藤佑のマッチレースになっている。

 二神の安定感は抜群だった。4試合連続完投勝利。制球も良く、その間の四死球はわずか1。何よりも最終防御率は1.41である。
 対抗の斎藤佑は、リーグ最多イニングを投げて奮闘したものの、2敗したのが痛い。
 とくに、終わってみれば“優勝決定戦”だった法大戦(3回戦)に自責点6で黒星。最終防御率は2.25と、二神と大差がついた。

 成績、貢献度など、投票する人にはそれぞれの「MVP理由」があるはずなので、最終的にどちらが選ばれるかはわからない。
 ただ、早大と法大の優勝争いになると予想した今季、ぼくは両校の試合はほとんど観た。冷静に判断すると……二神が上回っていたように思う。

 もしも、二神と斎藤佑の成績が逆だとして、しかも早大が優勝していたとしたら、圧倒的な得票が斎藤佑に集まっていたのではないだろうか。
 投手のベストナインは、二神が選出された。しかも満票である。

 ――――――――――――――――――――

 それにしても、と思うのは、野手陣に対する評価(得票数)の低さである。野手トップの松本雅(法大・首位打者獲得)の得票は、トップの10分の1にも届かない。
 元々、投手が選ばれるケースが多いとはいうものの、斎藤佑が入学してからはより「投手」に関心が集まっている気がする。

 斎藤ファンによる斎藤への投票、アンチ斎藤による対抗馬への投票が繰り返されている?(すみません、推測です。 笑) そのせいで、投手への投票が多いのかなあ、と。
 ちなみに、今季、野手の活躍度ナンバーワンは、亀谷(法大)ではないかとぼくは思っている。打率2位、外野手としての広い守備範囲、明大戦で加点を阻んだ本塁好返球……。もっと得票が多くていいはずである。

 早慶戦が終わってから、ぼくも「MVP」に投票した。誰に? ええと、ぼくは迷わずに「二神」。斎藤佑に投票したい気持ちはもちろんあるのだが、冷静に判断した結果である。
                        (谷川彬良)

2009年6月 2日 (火)

新人戦準決勝、地引が3ラン

 東京六大学野球09年春の新人戦準決勝、早大-明大は、7-5で明大の勝ち。3季連続優勝の早大は、3位決定戦に回ることになった。

 敗戦の中で魅せてくれたのは、4番に座った一年生・地引。甲子園にも出場した大型捕手であるが、今日は右翼手で出場した。
 5打数3安打4打点。2、3打席目に三遊間へヒットを放つと、2-7と5点ビハインドの7回に、レフトへライナーの3ラン。試合を一気に面白くしてくれた。

 地引はリーグ戦の2打席は、軽くあしらわれた感じだったが、大学のレベルでもう少し経験をつめば、長打を期待できる打者になれるのではないだろうか。
 原、宇高、山田、土生、杉山、地引……順調に伸びてくれれば、近い将来、早大は大型打線を組むことが可能になる。

 この試合、早大は明大の7本を上回る11安打を放ちながらの敗戦。1回表、先頭川西の二塁打を足場に無死2、3塁のチャンスをつかみながら、3、4、5番が凡退したのが痛かった。
 ここで1本出ていれば、試合はまったく違った展開を望めた気がする。

 守備でも、大きなエラーがあった。1回、一死1、2塁で、セカンドゴロ。併殺を狙った渡邊侑が、二塁に悪送球。レフト線に転がる間に、先制点が入った。
 0点でチェンジのはずが、終わってみれば4点。明大に大きな主導権を握られてしまった。

 投手陣で好投したのは、最後の2イニングを投げた左腕・大野(二年)。今日の早大の中では唯一140キロを越える球を投げ、6打者に対し3奪三振。
 1試合登板したリーグ戦でも、3打者から2三振を奪っており、テンポの良い投球は気持ちがいい。できることなら、先発させたかった。

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 準決勝・第2試合の慶大-法大は、8-7で慶大が勝利して、決勝に進んだ。
 慶大は、甲子園を沸かせた左腕・田村圭が先発。ぼくは4回の投球までしか観られなかったのだが、最速は139キロだったか。

 そこまで得点を許さなかったのだから「好投」ということもできるが、法大打者には良い当たりも多かったように思う。
 二塁手・金田を始め、守備陣の位置取りがよく、いくつか助けられていた打球があった。

 明日の決勝は、慶大-明大。三位決定戦は、早大-法大となった。
                   (谷川彬良) 

2009年5月31日 (日)

プロ注目右腕・大石、遊撃手でスタメン

(六大学09春早慶2回戦・W6-K5 早大2勝)

 単純に、面白いな、と思った。早大の154キロ右腕、大石(三年)が、09年春季リーグの早慶2回戦で、遊撃手としてスタメン出場したのだ。
 予兆はあった。昨日の1回戦、大石は控え野手として打撃練習に登場し、左打席で真剣に取り組んでいた。

 そして、今日の2回戦。打撃練習の開始と同時に、ヘルメットを被った大石がバットを持って出てきた。
 どっしりとした構えから、いい当たりのライナーを外野に飛ばす。内野手をやっていたことがあるとはいえ、大学ではほぼ投手専業。それでいながら、他の野手顔負けの打球の速さである。

 2回表だったか、大石のところにゴロが来た。余裕を持って掴んだものの、送球に移るまでに一呼吸置いてしまい、一塁は間一髪のアウト。(ぼくはセーフかと思った)
 チェンジになってベンチに迎えられた大石は、斎藤佑樹に「ヒヤヒヤさせやがって」とでもいうように、こぶしを突きつけられていた。(笑) 

 その大石。2回裏、野手としての初打席は、なんと右中間真っ二つの三塁打。次打者・市丸のセンター前ヒットで、先制のホームを踏んだ。
 その後、早大が優位に試合を進めながら、7回に慶大が1点差(6-5)に詰め寄ると、應武監督は大石をポジションチェンジしてマウンドへ送る。高校野球ではよく見る光景だが、大学野球では珍しい。

 雨が降っていて投げにくかったのか、9回までの2イニングで奪三振ゼロ。これまた大石には珍しい。しかし、1点差を危なげなく投げきって、春のシーズンを締めくくった。さすがは大石である。 

 大石の遊撃手起用は、今回のみのことなのか。それとも、秋のシーズンにもあり得ることなのか。
 春季優勝の法大は、二神、加賀美、武内、三嶋。明大は野村、難波、森田貴。立大は戸村、増田、仁平――というように、他校には「右のエース」が多い。早大は、それらの投手を打ちあぐねることが多かった。
 早大の内野陣は、原、松永、宇高、後藤と、すべて右打者。右投手の外角球に手が出ない場面が少なくなく、そこで「元内野手」の大石に白羽の矢が立ったのではないのだろうか。

 秋以降も、「内野手・大石」が見られるかもしれない。前半は打撃、守備で貢献し、終盤になればマウンドに駆け上がって、チームを勝利に導く。なんとも痛快な筋書きではないか。(ふと思ったのだけれど、斎藤佑はこんな大石を、ある意味羨ましく思ったのではないだろうか?)
 ただ、先制点をもたらす三塁打を放ち、打撃では非凡さを見せたものの、守備は送球や打球の追い方などに不安な面があったように思う。“急造”(何日か前からショートの練習をさせていたとはいうものの)なのだから、仕方がないが……ただし、いくつかあった飛球はきちんを捕球していた。

 ヒーローインタビューには、この大石が呼ばれた。先制のきっかけとなる三塁打と、2イニングを無難に締めた投球。当然だろう。
 應武監督は、大石の打者としての素質を高く評価しているそうで、「(投手か野手か?)オフに話して決める」と話しているらしいが……。

 プロ注目の154キロ右腕・大石。あの快刀乱麻の投球は、見納めとなってしまうのだろうか?(まさか)  大石の打撃センスは、それほどにすごいのか? 

 そうそう、度肝を抜かれたのは、こちらも投手・福井の初ホームラン。打った瞬間それとわかる会心の当たりで、レフトスタンドに運んだ。
 これで福井も野手転向? って、それじゃあ投手がいなくなってしまう。(笑)
                       (谷川彬良)   

2009年5月30日 (土)

早慶1回戦、余禄

 早慶1回戦。試合前の打撃練習に出てきた顔ぶれを見て、スタメン捕手が白川であることはわかった。
 これで「あのバッテリーが実現するんだ」と確信したものの、「あれれ?」の光景が待っていた。

 打撃練習はスタメンに続いて、控え選手と先発投手が行う。外野にいた斎藤佑がベンチに戻ってきて、ヘルメットを被り、バットを持って出てきた。ここまでは予想通り。
 だが、もう一人、バットを持って出てきた投手がいた。「15番」大石。ゲージの横で盛んに素振りを繰り返す。そして、ゲージに何度も出入りして、本格的な打撃練習を繰り返したではないか。

 この打撃練習の前半、大石はショートの守備位置にいて、打球を処理したり、一塁方向へ送球したりして、野手の真似事をしていた。
 そして、その後に打撃練習……。先発は斎藤なのか、大石なのか?

 まあ、先発投手は大方の予想通り斎藤だったわけだけれど、大石は野球部に入部当初、内野手登録だった。
 もしかすると、内野手に戻りたい? それもと投手と内野手を掛け持ち? 

 先日、自身最速の154キロを出したプロ注目の右腕が、投手のポジションを投げ出すとは思えない。
 大石の一存で今日のような練習は出来ないと思われ、應武監督も承知の上でのことのはず。何とも不可解な大石のパフォーマンスであった。

 何か情報をご存知の方は、ご一報を。(笑)
                                 (谷川彬良)

「心のバッテリー」、早慶戦で実現

(六大学09春早慶1回戦・W5-K1 早大1勝)

 ついにこの日が来た。“あの夏”の歓喜の後、秋の国体(兵庫県高砂球場)でも早実は3試合戦って頂点を極めているが、「正捕手」がマスクをかぶったのは最初の福知山成美戦の1試合のみ。(残りの試合は、発熱でベンチ外)
 その試合が行われた2006年10月1日以来、約2年8か月ぶりに神宮球場に所を代えて、公式戦での「心のバッテリー」が実現した。

 斎藤佑樹-白川英聖。この日を二人が特別なものと考えていたかどうかは知らないけれど、多くの人は待っていた。
 慶応の打撃練習終了の合図となるサイレンが鳴り終わり、早稲田のスタメングループがバットを手にベンチから出てきた。
 背番号「26」。白川がこのメンバーに入っているのを見て、今日が“その日”であることに気づいた一部の人からは、早くも拍手が起こった。

 スタメン発表。松永-小島宏-山田敏-原-宇高-土生-後藤。そして「8番、キャッチャー、白川君」。この時の観客席のどよめき、拍手、歓声。
 さらに「9番、ピッチャー、斎藤君」。このコールがあって、早大側応援席は沸きに沸いた。ついにこの瞬間がやってきたのだ。

 ――――――――――――――――――――

 1回表の早大の攻撃が終わり、ベンチ前で投球練習をしていたバッテリーが、グラウンドに向かう。
 マウンドに斎藤佑、ホームベースに白川。他の野手はまだベンチにいて、フィールドにたった2人だけの時間。さらに後藤が斎藤の後ろを抜けて、ショートの守備位置につく。後藤、斎藤佑、白川。フィールドに3人だけの時間もまた、誰かが演出したかのように訪れた。

 初スタメンマスクの白川は、奮闘した。2回一死1、2塁のピンチで、慶大はレフト前ヒット。山田敏からのダイレクト返球をつかんだ白川は、走者を見事にブロックし、先制点を阻んだ。
 かなりの衝撃があったはずだが、球をがっちりと離さなかった好プレーだ。

 5回の攻撃は、先頭の後藤が会心のレフト前ヒット。白川の送りバントが投手と捕手の中間に転がり、内野安打。この試合でリーグ戦初めて打席に立った白川は、2打席目で初ヒットを記録した。
 次打者・斎藤佑の送りバントは、捕手が間に合わない三塁に送球して、フィルダースチョイス。無死満塁。走者は、後藤、白川、斎藤佑。早実ファンも兼ねる早大ファンには、たまらない場面になった。(笑)
 この回、同じく早実出身の山田敏が押し出し死球を選ぶなどして、3点を追加(5-0)。試合をほぼ決定づけた。

 斎藤佑は10三振を奪ったものの、6安打4四球。あまり調子は良くなかったろう。球が高めに浮いたり、逆にワンバウンドするような球が連続する場面もあった。
 それでも終盤、ブルペンに行って修正し、犠飛の1点に抑える完投で22勝目。試合後のインタビューで、斎藤は「やはり投げやすかった」、白川は「楽しい一日だった」と語ったそうだ。

 白川のスタメン起用は、一年生捕手・杉山が前日練習中に顔面に球を当ててベンチアウトしたことによる“代役”と考えるべきだろう。
 1試合かぶってくれたことで、杉山との“違い”(このことについては、いずれ書くことがあるかも)も見えたことも事実だが、斎藤が「投げやすかった」のであれば、今後も二人にバッテリーを組ませる価値はあるのではないか。

 高校時代に戻って、二人がそれなりに“楽しんだ”この試合。斎藤佑と“古女房”との久しぶりの実戦(誤解を招きそうな表現であるが、お許しを。 笑)を、こちらも観客席から存分に愉しませてもらった。
                    (谷川彬良)

2009年5月29日 (金)

ちょっといい話

 明日(5月30日)の東京は、午前中の降水確率が60%。早慶戦がやれるかどうか、相変わらず怪しい状況である。日曜日は、なんとかやれそうな雲行きであるが。
 考えてみたら、早慶戦が平日になろうとなかろうと新人戦が予定されている。(早慶戦の翌日から3日間)
 リーグ戦と同様に楽しみにしている試合であるので、せめて早大の試合だけでも観戦したいものである。

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 さて、今日(5月29日)の朝日新聞に、「いい話」が載っていた。いずれも野球の話である。

 一つは、横浜・工藤公康投手の話。
「ゲンを担いで特別なユニフォームで試合で臨んだが、負けてしまった。さてどうする?」との質問に、工藤は、「縁起が悪いから二度と着ないとは絶対に思わない。むしろ、勝つまでこれを着てやろうと思う」と答えた。

 これは、ほんのさわり。広告局の記事であり、「一部地域のみ」と断り書きがあるが、読める方は読んでいただきたい。ネットで読めるといいのだが、むずかしいか?
 工藤投手の前向きな考え方が伝わってきて、中年のぼくとしては、非常に勇気づけられた。(笑)

 もう一つは、スポーツ欄にある、「長島三奈の『熱闘の予感』」。高校野球に関する、いくつかのエピソードが紹介されている。(確認していないが、こちらならネットで見られるかもしれない) 一つだけ紹介する。
 10年前、ある学校の甲子園練習を取材していた時のこと。一塁ベース付近に老けた球児がいた。よく見てみると、その学校の監督さんだったそう。選手と一緒にノックを受けているのである。

 守備の模範を見せているのではない。この監督は選手時代、甲子園に出場できなかった。
「ここでプレーをするのが夢だった。嬉しくてしょうがない」

 これは、よくわかる気がする。少年時代の夢は、何年たっても、何歳になっても、いつまでも夢として“熱”を持ち続けるのだ。
 甲子園に出場できる学校は一握り。試合でなくてもいいから、甲子園のグラウンドに立って、球を追いかけてみたい――と願う“少年”は、全国にたくさんいるんだろうと思う。
 昨年の夏の甲子園で、元高校球児の親子キャッチボールなる催しがあったけれども、毎年続けてもいいのではないだろうか。

 高校球児でなくても、野球場に降り立つのは一つの憧れでもある。ぼくは学生時代、開会式や表彰式の演奏で、後楽園球場と神宮球場の芝生に立ったことがある。
 美しい緑の絨毯は、ふかふかとして靴裏から心地よい感触が伝わってきた。後楽園球場はファウルエリアは、水はけ対策なのだろうが、思いのほか傾斜が強かったことを覚えている。
 昨年、神宮球場が人工芝を張り替えたが、完成間近のグラウンド(ファウルゾーン)に立ったことがある。新しい人工芝は毛足が長くて、それはそれは気持ちが良かった。
 ゲートが開いていたのでちょっと覗いてみただけなのだけれど、球場外に出てきてから「無断立ち入り禁止」の立看板に気づいた。ごめんなさい。(笑)
                      (谷川彬良)  

2009年5月27日 (水)

5連覇

 09年春。首都大学野球は東海大、そして今日、東都大学野球は東洋大がそれぞれ5連覇を決めた。
 奇しくも、斎藤佑樹が大学に進んでから始まった連覇。早大も勝ち続けていれば今季で新記録の5連覇だったのだあと、妙な感慨にふけった。

 午前中、表参道に外出する用事があり、テキパキと終わらせて神宮球場に向かった。
 東京六大学と同じく、東都も直接対決の優勝争いとなったので、その第2ラウンドをぜひ観たかったのである。

 選手では、亜細亜大学主将の人気者、“ブーちゃん”こと、中田亮二(明徳義塾)を、大学時代に見ておきたかった。

 その中田は、1回表、二死無走者からコンパクトなスイングで一二塁間を抜くヒット。体に似合わず(失礼)、足も速い。満塁までチャンスを拡大したが、後続なし。
 2回表も二死無走者から満塁となり、ここで打席に中田。一打同点の場面だったが、ショートフライでチェンジとなった。

 亜細亜大は東洋大を上回るヒット数でチャンスはつくるものの、結果は昨日の1回戦と同じスコア(3-2)で東洋大が連勝。
 東都では、戦後初となる5連覇の偉業となったわけである。

 最後の打者は三振でゲームセット。マウンドに集まって、大喜びする東洋大ナイン。
 亜細亜大ナインは、呆然とその光景と見つめている。ここ何季も、実力は拮抗していると言われながら、どうしても破れない東洋大の壁。
 今季こそはと1位でこの最終決戦を迎えたが、またしても敗れ、5連覇を許す屈辱。亜細亜大ナインは、試合終了の挨拶に向かう気力を失っていた。

 それは主将の中田だって同じだったろう。だが、彼はいち早くホームベースに走り、まだベンチ前でがっくりしているナインに向けて、「早く来い」と手招きした。
 喜びの輪が解けた東洋大ナインと、落胆の表情のままの亜細亜大ナインが整列し、礼を交わした。

 中田は、東洋大主将の小島と握手して、健闘を称え合った。亜細亜大は3位に順位を落としてリーグ戦を終えることになったが、この悔しさを胸に、秋は再び優勝争いをするに違いない。

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 亜細亜大は、1点ビハインドの8回裏、マウンドに一年生の東浜(沖縄尚学)を送った。
 4連勝と負け知らずで臨んだ大勝負の1回戦は、6回9安打を浴びて初黒星。東浜はこのまま春を終えたくなかったろうし、監督もこのまま終わらせたくはなかったのだと思う。

 東浜は一死からレフト前へヒットを打たれるが、次打者を内野ゴロ併殺。
 納得のいく結果だったのか、それとも味方の最後の攻撃を鼓舞するためだったのか、マウンドから相当なスピードでベンチに走り込んだ。

 その東浜は、最高殊勲選手&最優秀投手となった東洋大・鹿沼を差し置いて、一年生にしてベストナインに選出された。
 4勝、4完投、防御率はトップの0.82。東都のスター選手の仲間入りである。
                              (谷川彬良)

2009年5月24日 (日)

雨上がりの神宮、劇的サヨナラ優勝弾

 東京六大学野球09年春季リーグ戦・法大-明大2回戦は、同点の9回裏、法大・今井がライトスタンドへサヨナラ本塁打。6季ぶり、43回目の優勝を決めた。

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 雨模様の中始まった試合。序盤、法大、明大ともチャンスをつかみながら、先制機を逃す展開。そんな中、法大は3回、亀谷のライトへのホームランなどで3点を奪った。
 あと1勝すれば優勝が決まる法大。優位な展開となり、空も祝福するかのように雨は上がった。

 ところが、追い詰められた明大が反撃。4回1点、5回2点で同点に追いつき、6回には勝ち越し点を奪って4-3。
 3回途中から救援した明大・森田貴が好投。流れは明大に傾き、3回戦突入の可能性が高まった。

 1点ビハインドの法大は、8回裏。一死1、2塁のチャンスに代打・喜多が三遊間へのゴロ。これを途中からショートに入っていた山内慎がレフト線へ大きく弾いて同点。(記録はエラーだが、難しい当たりであり、ヒットとしてもいいのに、と思った)
 なおも一死2、3塁で、明大は亀谷を敬遠して一死満塁。ここでエース野村をつき込んだ。
 絶体絶命の明大。野村の投げた初球を、和泉が完璧にとらえた。だが、三塁正面へのライナー。がっちりつかんだ三塁手がそのままベースを踏み併殺。ピンチを切り抜けた。

 法大は9回表、リリーフエース・一年生の三嶋をマウンドに送り、1安打を許したものの0点に抑え、「引き分け以上」が確定した。(プロ併用日で延長はなし)
 8回の絶好機を逃したとはいえ、法大とすれば「負けなければ良し」の計算はあったろう。3回戦に先発するであろう野村を引っ張り出し、9回裏もそのまま投げる。
 法大はエース二神を温存したまま、3回戦に臨める。

 だが、その3回戦はやって来なかった。9回裏の先頭打者は、前日同点打を放ち、この日3番に抜擢された今井(三年)。
 完璧にとらえた打球は、背走する右翼手を無情にもうっちゃって、ライトスタンドへ突き刺さった。

 優勝決定のシーンは、どの大学であれ、感動するものだ。
 法大ベンチからナインが飛び跳ねながら腕を突き上げて出てくる。殊勲の今井を迎えるためにホームベースを取り囲み、ベースを踏む今井の頭を、体を、バンバン叩く。和泉が昨日と同じように雄たけびを上げている。
 だれかれとなく、抱擁し、ハイタッチし、体をぶつけ合い、喜びを爆発させた。泣いている選手もいた。

 ――――――――――――――――――――

 優勝決定とあって、試合後に優勝インタビューが場内にも流された。法大の金光監督、石川主将、投手リーダー二神、そしてサヨナラ本塁打の今井。
 金光監督も泣いていたらしい。インタビュアーに「赤い目をしている」と突っ込まれていた。その後には、監督、主将らの胴上げが繰り返された。
 学生応援席では、団長(?)が締めくくりの「学生注目」を始めるところであったが、感涙に咽んで、言葉を詰まらせていたようだった。

 法大の胴上げのシーンを、三塁側の明大ナインがじっと見つめていた。(全員ではないようだった)
「連勝して逆転優勝」のつもりが、連敗。法大の歓喜を睨みつけるように見ている選手もいた。まぶたに焼き付けて、秋へのモチベーションとするかのように。

 この試合の勝利投手は、昨日に引き続き一年生の三嶋。今季は登板5試合、合計7イニングながら、防御率0.00。法大では二神の4勝に次ぐ、3勝を挙げた。
 もう一人の一年生・多木は、打率リーグ5位と「打」で貢献。先輩たちがはしゃぐ輪の外で、新戦力の二人ががっちりと握手していたのが印象的だった。
                   (谷川彬良)

2009年5月23日 (土)

延長熱戦、優勝王手

 東京六大学野球09年春季リーグの優勝を決める法大-明大は、5-3で法大が先勝。勝ち点を挙げれば優勝となる法大が、王手を掛けた。

 法大・二神、明大・野村。共に4勝のエース対決となったこの試合。好調な立ち上がりを見せた野村に対し、二神は固さがありあり。
 4試合連続完投勝利中、四死球わずかに1の二神が、1回裏、先頭打者に四球を与えた。
 無死満塁とされ、犠牲フライの1点に抑えたのはさすがというべきだが、3回に2点を追加されたところでKOとなった。

 一方、明大・野村は好調。最速149キロの直球に、多彩な変化球を交えて的を絞らせない。
 7回を終わって、法大は3安打。明大が3-0とリードして、試合はこのままかと思われた。

 だが、ここから法大は、昨年にはなかった粘りを見せた。
 8回、先頭の和泉がヒット、松本雅の死球でつかんだ一死1、2塁で、一年生の多木がライト線へ2点三塁打。続く今井は、ファウルで粘りに粘った後、セカンドの頭を越す同点タイムリーを放った。

 野村は9回まで投げたが、この試合は四死球6を与えるなど球数が多く、計148球。疲れが見えた8回、1、2塁のピンチとなったところで、スイッチしてもよかったかな、と思った。
 2点タイムリーの多木には、その前にもライナーのヒットを打たれていたのだ。

 法大は、二神降板の後、西、藤田(共に四年)、吉越(二年)、三嶋(一年)と繋ぎ、明大打線に1点も許さなかったのが大きかった。
 とくに8回途中からリリーフした三嶋は、最速153キロのストレートを軸に8打者を完璧に抑えた。
 早大の守護神、大石の投球を見るような爽快感がある。コントロールも安定しており、このレベルの投球をするリリーフ投手は、大石とこの三嶋くらいのものではないだろうか。

 その三嶋は、「打」のヒーローにもなった。10回表、二死2、3塁。両打ちの三嶋は、右の森田貴に対して、あえて「右打席」を選択。
 高く跳ねたセカンドゴロを、突っ込んでショートバウンドで処理しようとした二塁手・遠山が後逸。決勝の2点タイムリー内野安打となった。

 法大を生き返らせた2点三塁打の多木、そして完璧リリーフ&決勝打の三嶋。
 “表舞台”には一年生コンビが立ったものの、チャンスを作った打撃陣も、反撃を待って気持ちを切らさずに救援をこなした投手陣も、四年生の力が大きかったと思う。

 10回表に決勝打を放った三嶋が、チェンジになってベンチ前に戻ってきた。万雷の拍手で迎えるナインと観客。
 これから最後のマウンドに向かうことになる三嶋に、紙コップの水を手渡し、ヘルメットを脱いだ頭に帽子を被せてあげている男がいた。今日、先発でKOされた二神だった。
 投手リーダーの役割を与えられているエースが、下級生がやるような雑用を買って出ているのだ。

 何気ない、こんな一コマが、ぼくは好きでたまらない。
                      (谷川彬良)

 # 新型インフルエンザの感染者が東京で出てから、初めての週末。神宮球場は1万2000人の観客がつめかけたが、マスクを着用している人はほんのわずかだった。
 ざっと見渡したところ、せいぜい1%くらいの印象。ピリピリした雰囲気は感じられなかった。

2009年5月22日 (金)

次代を担う? 一年生遊撃手

 優勝争いとは別に、注目しているのは「一年生遊撃手」。明大・上本(広陵)、法大・多木(坂出)は共に全試合スタメン出場を続けており、すでにチームでの地位を確立している。

 上本は打撃では本来の力を発揮していないが(打率.154)、守備で魅せる。
 とくに三遊間のゴロへの対応は見事で、逆シングルで捕った時点で一塁送球へのスタンスができている。送球も安定しており、不安がない。
 表現が難しいが、まるで二塁守備のような軽い身のこなし、といった感じか。もしかすると、お兄ちゃんより上手?(すみません、怒らないで下さい。 笑)

 多木の売り物は、打撃(左打ち)。現在、打率.316はリーグ6位。打点10は2位タイと、勝負強いところを見せている。
 打ち損じが少なく、ライナー性の打球が多い。高校通算36本塁打と長打力もあり、今後、土生(早大)あたりと並んで、六大学の看板打者に成長してくるかもしれない。
 ちなみに、土生と多木は偶然、打率が同じである。(5月18日現在)

 上本は荒木郁(三年・日大三)を外野に追いやり、多木は長谷川(二年・常葉菊川)を控えに回させてしまった。
 荒木郁は押しも押されぬ中心選手であり、長谷川は昨年、一年生ながらレギュラーをつかんだ有望選手である。

 その二人からレギュラーを奪ったのであるから、この二人の一年生は相当なものをもっているはず。多木は打撃が目立っているけれど、守備も悪くない。
 今季は打撃好調の多木がベストナインに選出されようかという勢いだが、今後、この二人が六大学のショートの盟主争い、名手争いをするのかもしれない。
                         (谷川彬良)

 

2009年5月21日 (木)

さあ優勝はどっちだ

 東京六大学野球09年春季リーグは、各校1カードを残すのみとなった。第7週は1位法大、2位明大の直接対決。
 勝率で優位に立っている法大は、勝ち点を挙げれば優勝。明大は連勝すれば優勝、2勝1敗なら同率となり、優勝決定戦が行われることになる。
 直接対決での決着は、観ている側としては一番面白い展開といえる。

 法大は初戦の立大1回戦に敗れたのみで、以後は8勝1分け。一方、明大は開幕6連勝で臨んだ早大戦で1勝2敗。法大は、明大が勝ち点を落とした早大に快勝している。
 法大(10試合)は、得点53、失点18。明大(9試合)は得点33、失点20。この数字を見る限り、法大が優位のように思える。

 しかし、明大には野村がいる。昨年のリーグ戦で、野村は法大戦4試合に登板し、19回3分の2を投げて自責点0。秋には、完封勝利(2安打12奪三振)を収めている。
 また、今季3勝を挙げている難波は、防御率1点台。昨年は登板しておらず、法大にとっては“初顔”。打撃好調の法大とはいえ、相当苦労するのではないだろうか。

 法大の頼みの綱は、エース二神だ。今季は4試合すべて完投勝利で、防御率は0.75、四死球1と、抜群の安定感を見せる。
 もう一人のエース、加賀美はここ2カードベンチ入りしておらず、明大戦に出て来られるかどうかも大きなポイントだろう。

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 明大は、勝ち点が懸かった早大3回戦に、野村も難波も使わなかった。邪推かもしれないけれど、善波監督はどんな展開になろうと、二人を使う気はなかったのではないだろうか。(短いイニングならあったかもしれないが)
 勝ち点をとれば法大とタイになるが、それよりも法大との決戦に向けて野村と難波のコンディションを整えさせるほうを選んだのではないかと思うのである。

 決戦はどちらにもプレッシャーがかかるが、単独首位の法大がより強いのではないだろうか。
 一方の明大は、「連勝しかない」の気概で立ち向かうことができる。(連勝でなくても、勝ち点をとれば決定戦になるのだけれど)

 数字上は法大が若干有利と見るが、接戦ならば“気合”の」明大が有利かもしれない。
 失策数は明大7、法大12。このあたりの数字が、勝敗にどう影響してくるか。

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「新型インフルエンザへの対応」について、連盟が以下のように発表した。

 ご来場いただく皆様に安心・安全に試合観戦をお楽しみいただくための予防策として、下記のとおりの対応をいたしますので、ご協力お願いいたします。

1.セキ、発熱等の症状があるお客様は観戦を自粛ください。
2.必要とされる場合は、マスクの持参および着用をお願いします。
3.神宮球場では入場ゲート、トイレ等に消毒液を設置いたします。

 優勝の懸かる法明戦、翌週の早慶戦。クライマックスを迎えたリーグ戦に、予想されたことではあるが、やはり新型インフルエンザが影響してきた。
 東京でも感染者が出たのであるから、こうした措置は当然なのだろう。
 健康体ではあっても、感染すると肺炎などの合併症を引き起こす可能性のある状況に置かれた方もいらっしゃるでしょうね。心配なことである。くれぐれも、ご自愛いただきたい。

 今週末、来週末、神宮球場にどのくらいお客さんが入るだろうか?
 いや、それよりも、選手にも観客にも感染が広がらず、収束に向かうことを祈るばかりである。
                      (谷川彬良)

2009年5月20日 (水)

早明戦、観戦雑記

(六大学09春早明戦・早大2勝1敗)

 3連戦のうち、球場で観戦したのは1回戦と2回戦のみ。3回戦は、仕事をしながらパソコンで試合経過を追っていた。
 早大のリーグ戦の試合は、昨年は全試合を観戦した(と思う)ので、自宅観戦は久しぶりのこと。不思議な感覚であった。(笑)

 その3回戦。早稲田スポーツの速報をONしたところ、まず飛び込んできたのは「杉山、不慮の事故」の報。
 春の明治戦は“何か”が起こってしまうのかなあと、暗~い気分になった。昨年は逆転サヨナラホームランがあったし、斎藤佑の負傷退場もあった。

 明治のノックの送球が当たったらしいが、ただの打撲で大したことはなかったのは幸いだった。
 後になって、「この試合を観たかった」と無性に思った。二番手捕手と思われる市丸がマスクをかぶったこの試合、杉山と比べてどの辺りが“優”で“劣”なのか。
 すべての面で杉山が上回っているのか、市丸の長短所はどこなのか、この目で見定めたかったのである。残念。そして、同じ意味で、いつか白川のスタメンマスクも見たいものである。

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 日曜日の2回戦は、じつはあまり覚えていない。(笑) 法大が慶大に連勝し、早大の優勝がなくなって脱力したのか、朝も雨が降っていて体が勝手に休戦モードに切り替わってしまっていたのか、それとも単なる体調不良だったのか判らないけれども、試合中、ずっと眠かったのである。
 終盤、逆転のチャンスを迎えた場面では目が覚めたものの、あと一打が出ず……。

 斎藤佑と松下はともかく、池下、大野という経験のない投手をリリーフに送ったことで、「應武監督は秋に向かっている」と感じた。
 1点ビハインドの場面で池下、2点ビハインドで大野。ブルペンで他の投手より調子が良かったのだろうけれど、優勝を狙う明大相手にはきびしかったか。優勝の可能性が残っていたら、同じ投手起用をしたかな?、などと眠気が襲う頭の中で(笑)ぼんやりと考えた。(池下、大野には申し訳ない言い方になってしまうが。でも、この二人には非常に期待している)

 開幕カードの東大戦。11-0の1回戦は、斎藤佑7イニング、大石2イニング。13-1の2回戦は、福井6イニング、大前1イニング、松下2イニング。実戦登板の少ない投手には、このような大差の試合で経験を積ませてあげてはどうなのだろう?、神宮のマウンドに慣れさせたらどうなんだろう?、と思ったりするわけである。
 まあ、應武監督の真意は判らないので、ぼくはまったく的外れのことを言ってしまっているのかもしれないのだが。

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 まだ優勝の可能性が残っていた土曜日の1回戦。早大の打撃練習を見ようと、9時15分過ぎに球場に入った。
 観客席に出てすぐに、“知り合い”の姿が目に入った。街ですれ違う友達にするように「○○さん」と気軽に声を掛けたのだが、怪訝なお顔。
 そうだ、初対面であることを忘れていた。(笑) 「谷川です」と名乗ると、「あっ」というお顔に変わった。

 早大の打撃練習を見ながら、お話をした。お元気そうで何より。こちらの体の心配までしていただいて、ありがたかった。
 そうこうしていると、その方のお知り合いの3人の方が近づいていらっしゃった。もちろん、初対面なのであるが、驚いたのは皆さんがこのブログを知っていて下さったこと。
 そして、さらに驚いたのは、その3人の方をぼくのほうからも存じ上げていたことだ。(このブログへコメントやメールを下さったり、、あるいはその方が展開なさっているブログを拝見したり、などで)

 お会いする約束をしていたわけではないのに、4人の方にお目にかかれるとは望外の出来事であった。
 皆さん、ありがとうございました。嬉しゅうございました。
                           (谷川彬良)

2009年5月17日 (日)

早大、連覇なくなった

(六大学09春早明2回戦・W3-M5 1勝1敗)

 早明2回戦が始まる前に、早大の優勝は消えていた。第1試合の慶法2回戦で法大が勝って8勝1敗(1分)の勝ち点4。
 早明2回戦で早大が勝てば6勝3敗(1分)勝ち点3となり、まだ可能性が残っていそうだけれど、その場合、明大は6勝2敗勝ち点3。第7週に法大vs明大の直接対決が残っているため、いかなる結果になっても法明のうちのどちらかが、早大の成績を上回るからだ。
 連覇がなくなった早大だけれど、応援部のリーダーは昨日と同じく鉢巻をして応援していた。

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 1回戦で見せた「つながり」のある打線はどこに行ってしまったのだろう。
 中盤まで、明大先発・難波を打ちあぐねていた早大は、終盤、チャンスをつくったが、あと一本が出なかった。

 ブレーキとなったのは、1番渡邊侑。7回、1点差に迫ってなおも一死満塁。最悪同点と誰もが信じるこの場面で、なんとピッチャーゴロ併殺。
 9回は2点差で同じく一死満塁、一打同点の打席は、三振。続く宇高も三振でゲームセット。
 この試合、宇高は4三振。調子の悪さがありありで、立教戦以降の5試合は21打数2安打である。昨年の活躍から、今年は打線の「核」の期待もあっただけに、なんとも歯がゆい。

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 合点がいかないのは、なぜ今日も斎藤佑が先発だったのか、である。
 1回戦で斎藤は、8イニング投げている。雨で中1日となるのなら、2回戦の先発もあるか、とは思っていたが、2日連続先発とは……。

 優勝の可能性が残っていたのなら、もちろんわかる。ちょっと無理をさせてでも、一番信頼のおける投手に託したくなるだろう。
 昨日のうちに連続先発を言い渡してあったのかもしれないけれども、試合開始直前に、早大の優勝は消えているのである。なぜ他の投手ではいけなかったのか?
 他の投手を出して敗れた場合、3回戦は再び斎藤佑-野村の対決となる。それを避けたかったのか?

 優勝は最大の目標であって当然だ。だが、それがなくなったのなら、選手に無理をさせないことに監督は配慮しなくてはならないのではないか。
 今季、勝ち星ペースがあまり良くない斎藤を、勝ち投手にしてあげたいのかもしれない。エースが勝ち星を重ねる状況は、チームに勢いを与えるかもしれない。
 でも、(前記事にココさんがコメントして下さっているように)投手の肩・肘は消耗品。プロ野球の先発投手は、今や1週間に1度のマウンドが当たり前のようになっている時代なのである。
                  (谷川彬良)   

2009年5月16日 (土)

斎藤佑、21勝目

(六大学09春早明1回戦・W7-M0)

 2点以内のロースコアの試合になると思っていた。プロ併用日で9回打ち切りであるから、0-0、あるいは1-1で引き分けかとも。
 いずれにしても、1点が遠い投手戦になるだろうと、多くの人が予想していたのではないだろうか。

 しかし、1回の攻防を終えて、試合前の緊迫感はほぼ消えうせていた。
 早大は1回に4点。明大先発の野村は「ボールが高めに浮いた。最悪の内容」と話した。ショックがありありだったという。

 しかし、野村はこれがリーグ戦初黒星。通算9勝1敗、勝率9割とは、素晴らしいペースである。
 斎藤佑が初黒星を喫したのは、一年生秋の法大戦。1回戦引き分けの後、2回戦に先発した斎藤は、6回9安打でKO(それでも失点は2)。そして「パニック」発言を残した。
 しかし、4回戦に再び先発し、初完投勝利。見事にリベンジを成し遂げた。

「ショック」の野村が再びこの早大戦に登板する機会があるとすれば、早大打線は今日の試合のように“簡単”ではないだろう。
 好投手は修正して、リベンジを果たすもの――だとすれば、やはり警戒しなければならない。

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 一方、斎藤佑は、初回に4点をもらって気が楽になった。早大ファンも気が楽になった。(笑) 
 いつもこんな展開だといいんだが……と思う一方で、ぎりぎりの勝負も望んでしまう天邪鬼。まあ、一方的な負け試合(今季の法大戦のような)でなければ、楽しめるということか。

 斎藤は8回3安打9奪三振。ボールが先行する場面もたびたびあったものの、まずまずのペースだったといえる。ひやりとしたのは、小道にセンターフェンス手前まで運ばれた当たりくらいだったと思う。
 立教戦2試合、そしてこの明治戦と、3試合続けて好投。いつものペースの斎藤に戻ったといっていいだろう。これで今季やっと3勝。通算21勝目となった。

 早大のこの3試合は、斎藤先発-大石リリーフのパターンが続いている。逆転優勝には後がないだけに、信頼度の高いこの2投手に頼りたい、というところか。
 日曜日は、東京は悪天候が予想されている。中一日空いての2回戦となった場合、先発は誰なのか。もしや、再び今日と同じ対決もある?
                       (谷川彬良)

早大打線、つながった

(六大学09春早明1回戦・W7-M0)

「まさか」と言っては失礼だろうか。あれほど“決定力不足”を露呈していた早大打線が、1回、二死無走者から4点を奪うとは、誰もが目を疑ったのではないか。敵も味方も。(笑)

 斎藤佑が無難な立ち上がりを見せ、その裏、明大・野村も簡単に二死として、戦前予想の「投手戦」の滑り出しを見せた。
 しかし、野村との広陵同級生対決となった3番土生が、当たりは良くなかったけれど、センター前にうまく落として口火を切る。
 4番原は四球でチャンスを広げ、山田、杉山が連続タイムリー。さらに小島宏が左中間を深々と破って、2点を追加。瞬く間の初回4点だった。

 いやあ、早大打線が明大戦でこんなに胸のすく攻撃を見せたのは、いつ以来のことだろう。
 3番土生は2安打、5番山田は4安打2打点、6番杉山は2安打1打点、7番小島宏は2安打4打点。「打倒野村」を果たすべく、センター中心に打ち返す意識が見て取れた。明大エース、野村を3回KO。やれば出来るのだ。(笑)

 ただ、渡邊侑、宇高の1、2番コンビ、8番後藤は蚊帳の外だった。とくに後藤は、3打席目まで必ず二死チャンスで打席が回ってきて、1、2打席は見逃し三振。3打席目は空振り三振。
 いつもの應武監督なら、連続見逃し三振あたりで交代させられてもおかしくないところであったが、まあ点差があったから、というところか?

 何はともあれ、注目のこの一戦に7-0と大差をつけての快勝。この打線の勢いが2回戦も続くかどうか、注目したい。
 前カードの立教戦も、決定打がなかっただけのことで、ヒットはそこそこ重ねていた。今年の打線は、そんなに悪くないと思う。
                      (谷川彬良)

2009年5月12日 (火)

斎藤佑樹、初めての経験?

 変なタイトルになってしまったけれど、内容はいたって真面目である。安心して、お読みいただきますよう。(笑)

 六大学野球09春季リーグは、第5週を終わって明大、法大が勝ち点3。早大、慶大が勝ち点2で追う。
 第6週は早明、慶法が対決する正念場。もしも早慶が揃って勝ち点を落とすようなら、優勝は法明に絞られる。
 連覇を目指す早大は、明大に連勝しても自力Vは復活しないが、可能性を残すために絶対に負けられない戦いである。

 1回戦の先発は、斎藤佑と野村の可能性が高い。
 変えてくる可能性があるとすれば明大だろうけれど、昨年実現しなかった二人の先発対決を、ぜひ見せてもらいたいものである。

 斎藤佑にとっては、意地でも負けられまい。六大学のエースとして、これまで現役最多の20勝(6敗)。入学してからの4シーズンで3度優勝し、その投の中心には必ず斎藤がいた。

 対する野村。入学した昨年春にいきなり優勝し、秋には44年ぶりの防御率0.00を達成してしまった。
 しかも、ここまで9勝(0敗)。「勝ち続ける」と言った斎藤の言葉を、野村は体現しているのだ。
 もっとも、斎藤は「早稲田は勝ち続ける」と言ったわけだけれど、昨年春、優勝を逸した際には「1回くらい、負けることもある」と見栄を切った手前、その明大に二度も優勝を持っていかれては、何とも恰好がつかない、と思っていることだろう。
 兎にも角にも、ここで10連勝という一区切りの数字を与えてしまったら、「六大学のエース交代?」とだって言われかねないではないか。

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 これまでの斎藤は、加藤幹(慶大)、岩田(明大)といった先輩投手、仁平(立大)、加賀美(法大)といった同学年投手との投げ合いばかりだったと言ってよい。「エース対決」とは言え、気分的には楽な部分が大きかったのではないか。
 だが、野村は1学年下である。初めてと言っていい年下エースとの対決に、どんな心模様でマウンドに上がるだろうか。猛烈な勢いで駆け上がってきた後輩投手に投げ負けるのは、プライドが許さないのではないだろうか。
 こんな時の斎藤がどんなピッチングをするか、楽しみでしょう?

 その上、斎藤は甲子園の優勝投手であり、野村は準優勝投手――と、余計なことを外野(ぼくのことです)が考えすぎなのかもしれないけれど、斎藤はどれほどこの一戦に勝ちたいだろう、と思う。
 その野村はインタビュアーに「斎藤佑樹投手に勝てるところはあるか」(だったかな?)と訊かれ、「試合には勝ちます」とサラッと言い放ったらしい。
「試合に勝つ」って、それは「斎藤より力が上」と言っているようなものではないか。(笑)

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 まあ、斎藤も、野村も、どこまでお互いを意識しているかは分からない。熱さ無縁の冷静な投球で、両校ゼロ行進となるのかもしれない。
 ただ、六大学野球ファンとしては、じつに興味深い試合だと思っており、ちょっとばかり対決ムードを煽ってみたかったのだ。(笑)
 どちらも、大学野球史上に残る好投手。最高の投げ合いを展開してもらいたい。
                      (谷川彬良)

2009年5月 9日 (土)

危険と隣り合わせのスポーツ

 5月5日に札幌市で行われた高校の練習試合で、ショートゴロがイレギュラーして、遊撃手の右目下の頬骨を直撃。意識不明の重体となり、8日に亡くなったそうだ。残念なことである。
 硬球に触れたことのある方はお分かりだろうが、思いのほか硬い。怪我の危険は常に付きまとうし、当たり所が悪ければ、今回のようなケースにもなる。
 試合中の事故としては、1972年の第1回日米大学野球の東門明選手(早大)が思い出される。一塁走者だった彼は、内野ゴロで併殺を狙った送球を頭部に受け、5日後に亡くなった。まだ19歳の若さだった。

 いつも愉しませてもらっている野球であるが、ひやりとさせられる場面にたびたび遭遇する。
 六大学野球でも今季、明治の上本内野手だったか、イレギュラーしたゴロを顔面に当てた。

 イレギュラーではないが、昨年春は、斎藤佑樹が打球を足にまともに受けて退場した。しびれたそうであるが、あれが頭部だったり、心臓だったらと思うとぞっとする。まさに、不幸中の幸いである。
 注意しきれない部分もあるわけだけれど、1ファンとしては、試合中も練習中も、事故のないことを祈るばかりである。

 気をつけなくてはならないのは、観客もそうだ。球場でファウルボールやホームランボールの直撃を受けた人を何度か見たことがある。
 最近では、東京ドームなどがグラウンドに迫り出した客席を設けていて、“臨場感”や“選手の目線での迫力”を売り物にしている。ファンも喜んでいるから、まあ、それはそれで良いのだろうと思う。

 でも、そのすぐ隣には、「危険」が潜んでいることを十分に認識しておかないといけない。
 観客の自己責任だとはいっても、負傷者が出ては周囲の観客も愉しさを奪われるだろう。

 六大学野球で言えば、リーダー部員やチア部員はもっと注意が必要だと感じる。
 リーダー部、吹奏楽部、バトン部(チア)のうち、試合中にグラウンドを常に見ていられるのは、基本、吹奏楽部のみ。リーダーもチアも、ほとんどはグラウンドに背を向けて応援活動をしているわけだ。

 ファウルは場所を選ばずに飛んでくる。彼らの脇をライナーがかすめた場面も知っている。
 応援活動も大事だけれど、体や命はもっと大事だ。野球部のように、ブルペンを守る役がいるのならいいけれど、応援団にはそうした監視役はいないようである。
 であるならば、応援の最中ではあっても、投手が投げる瞬間だけはグラウンドの方向を見るようにしてもらいたい。

 ファウルになる可能性、直撃する可能性は、きわめて低いことはわかっている。心配しすぎかな?
                        (谷川彬良)

2009年5月 8日 (金)

早立戦、雑記

 日がずいぶん経ってしまったけれど、六大学野球09春早立戦について、思いついたことをつらつらと。

 3回戦の試合前、早大の先発投手が気になっていた。打撃練習中、外野に散らばる投手陣の中で、ただ一人(だったと思う)キャッチボールをしていたのが、斎藤佑樹だった。
 相手は、「心のバッテリー」(あちらのブログで拝見したグッとくる表現なので、勝手に使わせていただきました。 笑)の白川である。この日は「26番」を着けて、ベンチ入りしていた。

 打撃練習が続く中、斎藤がベンチに走って戻ってきた。普通なら、ヘルメットに替え、バットを持って出てくるはずなのだが、出てこない。
 やがて、打撃練習終了のサイレンが鳴った。先発投手がバントの一つも練習しないのは、珍しいこと。2日連続の先発とあって、体力温存?

 一年生の外野手・佐々木。この試合の終盤、代走から試合に入り、打席が回って来た。
 二死3塁。これまでの打席でスイングをしていない佐々木が何をやるのか。見たいシチュエーションであった。

 佐々木は、1球目をセーフティバントするが、バックネットへのファウル。これで内野守備はますます警戒する。
 だが、佐々木は2球目もバント。これも同じようなファウル。2ストライクとなって、さすがに最後はスイングして三振となった(試合でスイングを見たのは初めてだ)。
 でも、この場面、もう一度バントを見たかった。「バントしかしない打者」を極めてほしい気がするのだ。
 守備が良いので、明治戦でも出場機会があるだろう。彼の打席、足、守備にご注目。

 立教先勝の2、3回戦、早大は斎藤佑、大石の二人のエースしか投入しなかった。3回戦は松下か福井の先発も考えられたが、前にも書いたように、1回戦の立ち上がりの悪さを應武監督が気にしたのだと思う。
 また、エース戸村を始めとする立教投手陣を、それだけ警戒していたことになる。
 斎藤佑は2度の先手を許したが、7回投げて2失点。勝ち星をつけてやりたかったけれども、2日連続の先発としては十分に合格点。同点のまま大石に引き継いで、立教戦勝ち点の立役者となった。

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 それにしても、立教はまたしても1回戦に勝ちながら、勝ち点ならず。同じことが3カードも続くのは、珍しいことだ。
 普通、1回戦に勝つチームが「強い」としたものである。2勝で勝ち点となるリーグ戦。先に勝つことがどれだけ有利であることか。だから、どのチームも1回戦にエースを立てて、もし3回戦となっても再びエースで勝負――が一般的な戦い方だ。

 地力はある。好投手も、好打者も多い。だが、何かが足りないのだろう。守備的なものか、気合的なものか。
 明日からの第5週。立教は明治と対戦する。立教の優勝はすでにないが、優勝争いをする明大が苦戦、あるいは勝ち点を落とすケースもあると見ている。

 1回戦は、戸村と野村の投げ合いになるだろう。立教打線は野村をなかなか打てないだろうが、やや力不足に映る明治打線も戸村を簡単には攻略できまい。増田も、仁平も、調子が良いようだ。
 明日は、神宮球場方面に出る用事があるので、少しだけでも試合を見られたらと思っている。
                (谷川彬良)

2009年5月 5日 (火)

何かを持っている男

(六大学09春早立3回戦・W3-R2、延長14回)

 延長14回を戦って、早大は15安打、9四死球、残塁20。出場したほとんどの選手に、ヒーローになるチャンスがあったといってよい。
 だが、ヒーローインタビューに呼ばれたのは、一年生捕手・杉山だった。この男は、やはり何かを持っているということなのか。

 延長14回表、簡単に二死。延長15回引き分けがはっきり見えてきた後、大石が三遊間へのヒット。
 続く杉山は、深い守備位置の左翼手の前に弾むヒット。本来なら、1、2塁のはずが、バウンドが変わったのか、前進して処理しようとした左翼手が後ろに逸らした。
 大石は一塁から一生懸命走って、決勝のホームベースを駆け抜けた。

 杉山はこの試合、飛球を打ち上げるケースが目立った。打席の前に應武監督から度々アドバイスをもらっていたが、わずかに打つポイントがずれているようだった。
 6打数目にしてやっと打ったヒットが、貴重な決勝二塁打。幸運も味方したとはいえ、敗戦目前の法大1回戦を引き分けに持ち込んだ起死回生二塁打もあり、「ここぞの杉山」の頼もしさを発揮している。

 延長に入る前の終盤、一つの見せ場があった。立教の攻撃は、二死で一塁ランナーは50mを5秒8で走るという五十嵐。
 リードが大きく、走る気配を見せていたとはいえ、杉山はストライク送球で俊足ランナーの盗塁を刺してみせた。それも間一髪でもなんでもない。二塁の手前で、楽々アウトなのだ。

 杉山の二塁送球や牽制球は、試合のたびに良くなっている。練習中からその肩を見ている相手チームはなかなか走ることができず、この3連戦で初めて立教が盗塁を企てたのが、この五十嵐の盗塁死だった(と思う)。
 昨年までの細山田時代もそうだったが、相手チームは怖くて盗塁の作戦を採れない。一か八かで走ってみると、きっちり刺される。
 これからも相手チームは、足を使った攻撃がなかなかできないのではあるまいか。盗塁を刺す捕手はもちろん優秀だが、“走らせない”捕手はその上を行く。攻め口を制限し、投手を楽にする、大した捕手だと思う。
                    (谷川彬良)

2009年5月 3日 (日)

出た! 154キロ

(六大学09春早立2回戦・W3-0R)

 エース斎藤佑は、8回まで2安打ピッチング。8回裏には3点目が入って、区切りの20勝を完投で飾らせてもよかったはずである。
 3回戦に備えさせる意味もあったかもしれない。しかし、應武監督は、この男も試しておきたかったのではないだろうか。
 早大のもう一人のエース・大石である。

 法大戦に先発、リリーフで2試合に登板し、計6イニングで6失点。優勝の可能性を残すには、この男の復活がどうしても必要なのだ。
 大石は、先頭打者に変化球を続けた後、一転してストレート勝負。148キロから入った後は150キロ台を連発し、何球目だったか、スコアボードに「154キロ」表示。スタンドがどよめいた。03年の一場(明大)、今季の三嶋(法大)に続く、六大学の最速タイ記録である。

 昨年までの大石が戻ってきた。9回の1イニングを2奪三振、15球で締め、復活を印象付けたことは大きな意味がある。
 この試合の大石の出来は、3回戦の投手起用に大いに関わってくるはずである。大石が使えなければ、松下、福井のどちらかを先発させ、抑えに斎藤佑を用意させる。
 しかし、磐石の大石が戻ってきたことで、もしかすると3回戦は再び斎藤佑を先発にもって来ることもできる――と應武監督は考えてはいないだろうか。

 立教の先発は、1回戦と同じ戸村であろう。慶大戦、法大戦とも、3回戦は打たれてしまっているが、だからこそ「三度目の正直」を目指して、並々ならぬ闘志を燃やしてくるに違いない。
 だからこそ、早大は先制点をやりたくない。だが、1回戦で先発した松下も、リリーフした福井も、最初の回は不安定で失点している。それだったら、今日好投した斎藤を先発させて、兎にも角にも先制点をやらない展開を狙うのではないか――と、これまた素人の浅はかな推測である。(笑)

 ただ、早大は次週は試合がない。そのくらいの使い方は、酷使とはいえないと思うのだが……さすがに先発はきついかな?
                      (谷川彬良)

エース、8回12奪三振で20勝

(六大学09春早立2回戦・W3-0R)

 5日前と同じ投手だとは思えなかった。今日の試合はコントロールの安定度が前試合とは一変し、8回を投げて2安打無失点、12奪三振。最速は147キロ。
 何よりも、四死球0が頼もしい。制球さえ乱れなければ、やはりそう打たれる投手ではないのである。

 2試合足踏みしたとはいえ、これで平成最速タイ(36試合目)となる20勝到達。本人は新記録が成らなくて満足はしていないだろうけれど、優勝争いに踏みとどまる貴重な勝ち星となった。

 力を証明しなくてはならなかった。法政戦で勝ち星を挙げられなかった自分のためもあるが、「この男」のためにも好投したいと斎藤は必死だったのではあるまいか。
 一年生捕手・杉山。図抜けた実力はチームの誰もが認めるところではあっても、少なくない失点を重ねて法大戦、立大1回戦と3連敗。今日のこの試合は、この男のためにも負けられない――と。

 今日の試合を見ていて、バッテリーの意思疎通が図れてきたと感じた。事前の打ち合わせを十分にしたことはあったにしても、サインに首を振ることは(ほとんど)なく、杉山の要求通りに投げて、2安打、12奪三振に封じた。
 見事な復活劇、といっていいだろう。

 しかし、不安材料もある。立大の5番大林に、ライト、レフトへあわやホームランかの大飛球(ファウル)を飛ばされたり、その他の打者にもフェンス際までもっていかれる場面があった。
 昨年と比べて、もしかすると球質が軽いのか?、とこのあたりが気になった。

 単なる通過点(ちょうど中間点あたりか)とはいえ、区切りの20勝。気分が悪いはずはない。
 試合の中盤には、ベンチに戻ってくる際に杉山と笑顔を見せる余裕も出てきたし、試合後のインタビューでは、5日前の涙目とは180度違う笑顔も見せた。
 エースが戻ってきた早大。さあ優勝に届くだろうか。
                    (谷川彬良)

早稲田、残った

(六大学09春早立2回戦・W3-0R)

 負ければ前カードの法大戦に続いて勝ち点を落とし、優勝争いから脱落する早大は、3-0で勝って、優勝争いに踏みとどまった。

 総得点3のうち、1、2点目はラッキーを絵に描いたような得点であった。
 5回、先頭の渡邊侑は、左中間へのヒット。無謀かと思えた二塁突入は、送球が一塁側に逸れて、二塁打となった。まさに、好走塁と無謀走塁が紙一重であることの典型である。
 続く松永は、二塁ライナーかとも思われたが、ワンバウンドと判定され、無死1、3塁。

 ここで打者は斎藤佑。ネクストで應武監督からなにやら耳打ちされていた斎藤は、一塁前へのバント。一塁手も慌てたけれど、もっと慌てたのは三塁走者の渡邊。
 突っ込んではいけないのに、「スクイズのサインを見落としたか」とでも勘違いしたか、スタートを切ってしまった。三本間に挟まれたが、三塁手の捕手への送球が乱れて、まさに運良く先制点となった。斎藤のバントは、スクイズではないと思うが、どうだったか?

 7回の2点目は、ショートの2つのエラーでもらったもの。松永の打球をショートがエラー。斎藤が送って二死2塁となり、杉山のショートゴロを一塁へ悪送球。
 一塁塁上で、杉山はやったとばかりにガッツポーズを見せていた。何はともあれ、斎藤佑、杉山が1、2点目に絡んだ。このバッテリーが“ラッキーボーイ”とでもいうかのような流れだった。

 自力で奪ったのは、3点目のみ。8回、土生がライトスタンドへ、目の覚めるようなライナーを突き刺した。
 今日は5番で2安打。法大戦に続く一発。左投手であっても、常にクリーンナップに置いてほしい選手である。

 早大打線は4安打。得点も相手に助けられたものがほとんどであり、本調子とは程遠い。
 しかし、どんな形であれ、少ない得点を投手陣が守り抜くのが、昨年までの早大野球。應武監督が目指す「1-0で勝つ」とは、まさに今日のような試合ではないか。

 先発した斎藤、リリーフの大石がともに好投して、早大は優勝争いのがけっぷちに踏みとどまった。
                      (谷川彬良)

2009年5月 2日 (土)

「春」は続くか、この男次第

 立教1回戦に負けた早大は、ここまで2勝3敗。2回戦に敗れるようなことがあれば勝ち点を2つ落とすことになり、連覇の期待が大きかった「春」はそこでほぼ終了する。
 その2回戦の先発が有力なのは、斎藤佑である。今日は試合中盤からブルペンに入り、投球練習を続けていた。見にくい位置であったので、内容は残念ながらわからない。

 試合前のノックで、斎藤は一塁線に立ち、一塁へ送球されたボールを本塁に戻していた。
 ぼくの連れは「いつもと同じ表情に見える」と言ったが、ぼくには元気がないように見えた。
 普通の状態なら、先発を任されるはずの1回戦。ぼくはなぜここにいるのだろう?、といった、面白くなさそうな雰囲気である。

「春」が続くも、終わるも、この男次第だということになる。立教の先発は、今日の試合途中で調整していた仁平か。
 今季はともに調子が悪いけれど、「ライバル対決」が何かを呼び覚まし、エンジン全開とならないものだろうか?

 ――――――――――――――――――――

 もうひとり、鍵を握る男は「杉山」か。この日は、法大3回戦に続いて「1番」に座った。
 杉山-川西-土生の1番~3番は前試合と同じ。法政戦の9回同点打を見ると、杉山はクリーンナップに置きたい気がするのだが、それよりもまずチャンスをつくることが先決だと應武監督は考えているのだろう。
 今日はノーヒット(2打数)だったが、四死球3つを選んで、トップバッターとしての役割は十分に果たしたといえる。

 だが、捕手としては、ここ4試合連続で一人でマスクをかぶり続け、失点は2、8、8、5。勝敗は、1分け3敗。失点はすでに昨秋のチーム総失点「21」、昨春の「15」を上回ってしまっている。
 投手陣の不調が最大の理由(それは間違いない)とはいっても、杉山は捕手としての責任を感じているのではないか。どんな形にしても、「白星」がほしいところである。
                  (谷川彬良)

まさかの3連敗

 立大1回戦に敗れた早大。法大戦の連敗に続いて、じつに3連敗である。05年に應武体制になってから9シーズン目。3連敗は初めての出来事である。
 負けることは仕方がない。そういう時もある。だが、どうにもチームに元気がないような気がする。
 連敗だから元気がないのか、元気がないから連敗なのか。

 ――――――――――――――――――――

 今日のスコアは、立大5-早大2。7回だったか、無死満塁で山田敏が浅いセンターフライ、宇高がショートゴロ併殺に倒れたのが痛かった。
 だが、早大は2点しか取れなかったけれども、昨年あたりならば、こんな“貧打”の試合でも、2-0や2-1で勝ってきたのが早大ではなかったか?
 法大戦を終えて、エース斎藤佑の防御率は4.50。もう一人のエース大石は6.75。斎藤佑は、規定投球回に達したリーグ9人の中で、最下位の数字である。

 だが、昨年の投手陣と違うからといって、投手陣ばかりを責めるのはどうかと思う。
 それまでが投手陣におんぶに抱っこの打撃陣であったのだから、たまには投手陣を助けて打ち勝つ試合を見せてほしいものである。

 ――――――――――――――――――――

 それにしても、投手は立ち上がりがむずかしいんだな、と改めて感じさせた試合であった。
 この日、早大先発の松下は、1回に3失点。後藤の失策はあったものの、左へ右へ長打を浴びてしまった。しかし、以後は5回まで無難な投球。

 6回から登板した福井は、松下の立ち上がりと同じように長打を浴びて、2失点ながら、次の7回は無失点。
 2失点完投の立大・戸村にしても、初回に2失策があったとはいえ、2四球もあって1失点した。

 早大は、三番手に楠田を投入。今季初ベンチ入りで、即、登板機会がやってきた。
 その楠田は8回に登板。先頭打者に左中間二塁打を許して、「お前もか」と思わせたけれど、続く3人を落ち着いた投球で退けた。
 最速は142キロだったか。初登板であることを考慮すれば、まずまずのマウンドだったと思う。
 早大は負けてしまったけれど、楠田が元気な姿を見せてくれて嬉しかった。
                   (谷川彬良)

2009年5月 1日 (金)

今にして思えば

 早大が勝ち点を落とした法政戦。その2回戦で、こんな場面があった。
 試合前のノック。いつもなら、應武監督がバットを振って、飛球を打ち上げ、ゴロを転がす。よほどのことがない限り、監督自ら打つのだ。

 ところが、大石が先発するこの試合。監督はノックを学生コーチの武石に任せた。
 應武さんはどこにいたかというと、ブルペン。投球練習をする大石をチェックしていたのである。

 久しぶりの先発マウンドであるから、先発の心構えみたいなものを再確認したのか。それとも、調子がそれほど良くないのを感じ取っていて、心配だったのか……。
 ノックを放り出しての投球チェック。今にして思えば、大石KOの予兆?ともいえる光景だった。

 ――――――――――――――――――――

 この法政2回戦は、早大は三塁側。その三塁側内野席に、早大ファンと思われるボヤキオヤジがいた。
 年齢は60後半~70歳くらい。ボヤキの多くは先発・大石に向けられていた。

 5回で94球も投げたこの日はボール球が多く、投げるたびに「なにやってんだよ!」。3点目を三塁打で取られた後も続投と知るや、「まだ投げんのか。もうやめろ!」などと延々とののしり放題。
 早大が得点を挙げると、手を叩いて喜んでいるのだが、劣勢の場面だと選手を袋叩きにするのだ。大石には届いていないと思うけれど、周囲のかなり広い範囲までその声は届いていたろう。

 まあ、こういうファンは少数だけれども、必ずいる。応援するのは、うまく行っている時だけ。ちょっとでも気に食わないと、まるで敵のようにこき下ろす。(相手のことをこき下ろすのだって、ぼくは嫌いだけど)
 いつでも自分の思い通りに試合が進むと思っているのだろうか? 応援するチームの投手が苦しんでいるのなら、なぜ「がんばれ!」と言ってやれないのか。
 大石がこれまでどれほど早大の勝利に貢献してきたかを考えたら、そんな台詞を吐けるわけがないと思うのだが……。

 この男性、またしても三塁打で4点目を取られた後、どこかに消えてしまった。
 周囲の人は、ほっとしたはずだ。(ぼくも含めて)

 ――――――――――――――――――――

 余談である。

 法政との3回戦で、勝ち点を献上するのを見届けて帰宅したわずか1分後、先週から10日間ほど留守にしていた妻が帰宅した。
 開口一番、「どうだった?」と訊く。つまり、早大が勝ったか、と訊いているのだ。

「負けたよ」と答えるぼく。「ええっー」。絶句する妻。
 ニュースをチェックして、昨日まで1敗1分けであることは知っていて、今日も試合があることはわかっていたのだ。

「斎藤はボコボコ」
「……」
「昨日は大石もボコボコ」
「……」

 妻は斎藤佑と大石のファンであるから、かなりのショックだったようである。
 明日からの立教戦。妻と一緒に観戦である。斎藤佑も大石も、妻を立ち直らせてくれるだろうか。(笑)
                  (谷川彬良)

立教戦の見どころ

 明日(5月2日)から、早立戦である。法政に勝ち点を落としたとはいえ、優勝争いはまだまだこれから。
 ただし、勝率争いになったときのために、早大は残り試合を全勝で突っ走りたいところだ。

 対戦相手の立教は、慶大、法大に勝ち点を落としたものの、1回戦には必ず勝つ。
 そもそも、早大が一つも勝てなかった法大に勝利しているのであるから、決して弱いわけではない。

●投手
 1回戦の先発は、立大はエース戸村だろう。
 150キロ近い速球を中心に組み立てる投球は、そう簡単に打ち崩せない。1週休みがあり、休養十分だから、早大は苦戦しそうだ。

 その戸村に誰をぶつけるかが注目。法大戦2試合で打ち崩された斎藤佑の調子が戻っていれば、やはりこの男に託すだろうけれど、そうでないのなら安定感の増した福井か、力のある球が戻ってきた松下がいい。
 どちらかが完投できればベスト。しかし、リリーフを送る場面がきた時に、大石への信頼が戻っているのかどうか。
 もしも、まだあの状態ならば、この立教戦だけでなく、リーグ戦後半に向けて大いなる不安を抱くことになる。法大3回戦でベンチ入りした左の大野(二年)も、見たい投手だ。

 斎藤佑vs仁平は、2回戦の先発対決かな?

●打者
 法政3回戦で、應武監督は打線を大きくいじってきた。杉山-川西-土生-原-宇高-松永-渡邊侑-佐々木-斎藤佑。「一番・杉山」と発表されたとき、スタンドにどよめきがあった。そして、打線の「核」として期待していた土生が、ようやく「3番」に入った。
 第一打席、杉山は初球をセンター前ヒット。追い込まれた試合でも、最初から行ける気持ちの強さを感じた。
 続く川西は、送りバントを決めて、新打線が功を奏すかと思えたが、後が続かなかった。

 しかし、この試合、山田敏と土生は、法大エースの加賀美からリーグ戦初ホームランを放った。
 山田はレフトスタンド中段へ、土生はライトポールにぶち当てる、ともにライナーの素晴らしい当たりであった。加賀美に疲れはあったらしいけれど、六大学のエースの一人から記念すべきホームランを打ち、自信を持ったのではないだろうか。
 とくに土生は、1回戦であわやサヨナラのレフト前ヒット。法大一年の速球投手・三嶋の150キロに負けていなかった。

 8番・佐々木は1打席で交代したが、もう少し打席を見たかった。試合前の打撃練習ではもちろんスイングしているが(右でも左でも)、試合になると相変わらずスイングをせず。左打席でのセーフティバントは、またしても間一髪アウトになった。
 彼のような快足打者をラインナップに置くと、相手は嫌がるだろう。1番を打てるようになれば面白いのだけれど、まだ力不足だと思う。

 法大3回戦のこの打線をそのまま持ってくるのか、あるいはこの打線は加賀美用のスクランブルであって、立教戦は元に戻してくるのか。(土生の3番は続けてほしい)
 これまたスタメン発表が楽しみになる。
                   (谷川彬良) 

2009年4月29日 (水)

どうしたんだ、大石達也

 早法3回戦の9回表。マウンドには、早大のリリーフエース・大石がいる。だが、腰を上げ、出口に向かう観客がたくさんいた。
 相手校のファンではない。一塁側の早大ファンだ。こんな光景を目にすることになろうとは、思いもよらなかった。

 一時は1-6とリードされた早大は、小刻みに1点ずつを返して4-6。9回裏の攻撃が期待された。
 だが、この回から登板した大石が2失点。早大ファンはここで席を立ったのである。

 これまで、登板すれば必ずといっていいほど快刀乱麻の投球を見せた。前カードの東大戦でも、2回で4三振を奪った。
 その大石が、この法大戦は「らしさ」が見られない。先発した2回戦は、5回を投げて8安打4失点。3回戦は前述のように2失点。3安打を浴び、奪三振は1。1イニングを投げきるのに、29球も要した。

 調子が悪いだけなのか、それとも先発を経験したことで、リリーフのいつものリズムさえも失くしてしまったのか。
 球速は150キロ近かったけれども、何かが違うのだ。

 その「何か」とは何なのだろう? 好調な法大打線が大石を上回った、ということなのか。それならば、仕方がない。その側面もある。

 しかし、この法大戦で3試合とも登板した福井は計7イニングで1失点、2試合に登板した松下は計3イニングで失点0。この二人は、好投していたのだ。
 斎藤佑と大石。この2大エースを法大がかなり研究していたようである。今季の斎藤-杉山のビデオを徹底的に分析し、「追い込まれると低めに変化球が来るから、カウントを取りにくる球を狙った」そうだ。
 今回は、法大の研究と、分析に基づく攻略法をチームとして徹底できたことの勝利なのだろう。

 ――――――――――――――――――――

 しかしながら、法大だけが特別なことをしているわけではない。どのチームも相手の投手、打者を研究し、攻略法を考えるのは今や当たり前である。
 早大ももちろん、加賀美や二神、法大打線のことを研究したはずなのだ。だが、このような結果になった。相手が一枚上だったと、認めるしかないだろう。

 さて、法大が研究したという斎藤-杉山の投球パターン。週末対戦する立大だって、同じように研究しているはずだ。
 斎藤も大石も、法大戦で攻略された投球パターンを変えるのか、頑固に続けるのか。それとも、捕手を代えて目先を変えるのか。
 相手にいろいろ考えさせるだけでも、捕手を代える手はあるかもしれない。たとえ杉山と同じリードをしても、同じ結果にならない可能性もあるだろう。

 もっとも、それ以前に、斎藤と大石が捕手の要求どおりの球を投げられる調子に戻せるかどうかが問題だろう。
 とくに斎藤はあれだけ制球が乱れており、杉山のリードの問題以前の状態だった。杉山を責めては、可哀想である。

 立大戦。2大エースの調子は戻っているか。それとも、調子の良い福井、松下を先発に使うのか。
 また捕手はやはり第一人者の杉山を使うか、それとも目先を変えるか。應武監督の采配も、見所になる。
                      (谷川彬良)

初めての出来事

 早大野球部の監督に就任して9シーズン目の應武監督。過去8シーズンは優勝を逃しても必ず「9勝」を挙げていた。つまり、同一カードで連敗したことはなかったのだ。
 だが、今季(09年春)の法大戦。1回戦に引き分けた後、2、3回戦を連敗。残り3カードで勝ち点を挙げても、勝利数は「8」にとどまる。
 同一カード連敗は初めてであるが、そもそも2カードにまたがった「連敗」も、過去2度しかない。(2006年春、2007年秋)

 これで自力Vは消滅した。明大、法大が勝ち点を落とさない限り、早大の優勝はないわけである。
 しかし、残る3カードを全勝すれば、8勝2敗勝ち点4。もちろん、十分優勝に届く成績である。潜在能力から考えれば、6連勝は特別な出来事とは思わない。
 ただ、そのためには、斎藤佑、大石の二枚看板の復活が必要だ。すぐに迎える立大戦、二人の状態が注目である。
                     (谷川彬良)   

2009年4月28日 (火)

どうしたんだ、斎藤佑樹

(#文末に追記あり)

 優勝の行方に大きく関わってくる09年春の早法戦は、2勝1分けで法大が勝ち点をとった。
 第3週を終えた今日、順位表が発表され、勝ち点を落としていない明大が1位、法大が2位。3位の早大は秋春連覇に向けて、苦しい展開となってきた。

 ――――――――――――――――――――

 法大戦3回戦の先発は、斎藤佑樹。この試合に勝てば、平成最速の20勝到達新記録(35試合目)になる。
 3回まで、法大打線を無安打に抑えた。奪三振は4。この数字だけを見れば、「調子が良いじゃん」と思う人もいるだろう。

 だが、1回、3回と2度の満塁のピンチを迎える。なぜだ? 
 斎藤は大学に入って一番ではないかと思うほど制球が悪く、3回までに四球2、死球3(2者連続も)、振り逃げ1(暴投)の大乱調だったのだ。
 この2度の二死満塁で、法大の打者は好調の多木(一年)。ここをうまく抑えたことで、後半立ち直ってくれるのではないか、と應武監督に期待を抱かせたのかもしれない。

 だが、斎藤は一気に崩れる。早大1点先制直後の4回、法大は石川のタイムリーで同点に追いついて、さらに一死満塁。3番亀谷(現在、打率トップ)がセンターオーバーの三塁打。一気に3点を勝ち越した。
 斎藤はここが限界だったと思う。アウトにする打者も、あちこちに球がばらつき、ストライクとボールがはっきりしていた。この状態でストライクを取ろうとすると、球威がどうしても落ちるから、打ちごろの球が行きやすいのだ。

 4番の松本を三振にしたものの、5番佐々木にレフトへ2点本塁打を浴びた。マウンドで斎藤がうなだれる。このホームランがなければ、1-4。早大は最終的には4得点したのだから、ここで斎藤を見切っておけば……と悔やまれるところだ。
 それほどに斎藤は悪かった。リーグ戦で、これまでの1試合最多失点は4(一年春の早慶戦)であるが、それを上回る失点6。屈辱的なKOとなった。

 ――――――――――――――――――――

 この6失点の4回、こんな光景があった。無死1塁で、斎藤の前に転がった送りバントは二塁封殺。(この時、捕手杉山は、セカンド送球を大声で指示していた)
 この直後、斎藤はマウンドに戻る際に、捕手・杉山に向かって、走るしぐさをした。「一塁ランナーの盗塁に気をつけろよ」のジェスチャーだ。杉山は頷いた。

 昨年までの女房役・細山田に対してだったら、斎藤がこんなふうに気を遣うことはありえない。先輩の細山田にそんなしぐさをしたら、「バカヤロウ(わかってるよ)」と叱られそうなところだ。
 だが、捕手は一年生の杉山だから、念には念を入れて注意を促した。このように気を遣うことで、もしかすると投球に100%集中できていないのかもしれない、とも思った次第。この直後、斎藤は3点三塁打、2点本塁打を打たれた。

 昨日、白川とチェックしていたフォーム、腕の振りは、修正されていなかった。こんなにもコントロールの悪い斎藤は、見たことがない。
 今週末は、立大戦が控えている。土曜日まで中3日。エース斎藤は、どこまで調子を戻せるだろうか?
                     (谷川彬良)

(追記) まめごまさんからのコメント、また別の方からもメールでご意見をいただきました。今回の斎藤君の不調は、「肉体改造も一因では?」というわけです。
 球速アップ、威力増などを目指し、昨年11月から始めたというウエイトトレーニング。筋肉のつき方がこれまでの斎藤の投球フォームや腕の振りに微妙な影響が、もしかしたらあるのでしょうか?
  努力の方向が間違っておらず、スケールアップするための“成長痛”であればいいなと思います。

 また、今回の法大戦は、「150キロを投げたい」と斎藤は言っていましたが、その力みによってフォームのバランスを崩していたかもしれませんね。

 

2009年4月27日 (月)

危機感漂う早大ブルペン

 早法2回戦は、法大が8-1と大勝し、対戦成績を法大の1勝1分けとした。この法大に傾いた流れを早大がいかに食い止め、連勝して勝ち点を逆転奪取するのだろうか。
 3回戦は初戦と同様、斎藤佑vs加賀美の先発対決となりそうである。

 敗色濃厚となった今日の試合中、早大のブルペンは主力投手が次々と入って調整する姿が見られた。
 先発して、5回を投げた大石。昨日ぼくが先発と予想した「彼」とは、この大石のことであった。(すみません、嘘です。「彼」とは、やはり「彼」です。 笑)
 大石はオープン戦で何度か先発の機会を与えられていたから、リーグ戦に入っても先発はあるだろうとは思っていた。おそらく、昨日の試合で、福井と松下が安定していたから、昨年までの大石の役割を福井と松下に任せられる、と應武監督が考えたかもしれない。

 リリーフ登板を続けてきた大石が、先発でどんな投球を見せるのか。昨年来、ずっとこの機会をぼくは待ってもいた。
 しかし、5イニングで被安打8、自責点4。リリーフなら1イニングで2つ奪う三振は、5イニングで5つにとどまった。大魔神のごとき大石が、1イニングにタイムリー三塁打を2本浴びるなど、考えられようか?

 四球3、投球数94に、苦しみの後がうかがえる。降板後、大石はプルペンに行き、何かを確かめるように投げていた。
 この日の大石は、単に調子が悪かっただけなのか、それともいつもと違う先発というリズムが、本来の力を奪ったのか。「先発不適格」の判断を下すのは、まだまだ早い。

 今日の二番手・福井は、最初の回は先頭打者に変化球を3つ続けて3球三振。次の二神にはセンター前に弾き返されたのもの、次打者を併殺。わずか6球(か7球)で切り取った。
 しかし、2イニング目は20球以上投げさせられ、2安打1四球で1点を失う。不運な三塁打が絡んでいるとはいえ、彼もまた、降板後にブルペンで何かを確かめていた。

 ――――――――――――――――――――

 試合中、ずっとフォームを気にしていた投手がいた。今日は登板しなかった「彼」である。
 イニングの合間、ベンチ前で整列する時にも、彼は再三投球フォームを繰り返していた。
 腕の振りで、何か気になることがあるらしい。それは何イニングにもわたる。

 4回だったか、マウンドに上がる前の大石のキャッチボールの相手を彼(ええい、はっきり「斎藤佑」と言ってしまおう。 笑)が務めたのだけれど、すぐに控え捕手の地引がやってきた。
 斎藤はまだ相手をしたかったようなのだが、地引にその役を譲った。

 試合終盤、斎藤は白川を相手に、ブルペンで投げていた。相変わらず腕の振り、あるいは振りの角度が気になるらしく、ベンチに戻ってくる途中でまだ繰り返している。
 すると、白川が「そうじゃない」というように、自分で「こうだ」と右腕を振って見せた。それを見た斎藤は、白川を参考にして、さらにもう一度、二度、右腕を振り下ろした。

 その光景を見ていて、ちょっと胸が熱くなった。今日の試合は負けても、明日、明後日、持てる力を100%出すために、エースと捕手のリーダー格の二人が必死なのだ。
 明日、斎藤は先発する可能性が高い。長い付き合いのバッテリーがこの日導き出した結論が、どんなふうに結実するか、これは見ものである。
 そして、いつかこの二人がリーグ戦で18.44mの間隔で向き合う場面を、ますます見たくなった。
                          (谷川彬良)

連覇赤信号?

 早法2回戦。日差し、風の強さは昨日と同じような神宮球場。ただ気温は昨日よりも少し低かったか。
 その気温は法政打線の最適温であったらしく、法大は16安打8得点と躍動した。

 ――――――――――――――――――――

 1回表、二死から山田敏のライト前ヒット、原の右中間二塁打で先制した早大であったが、その裏、すぐさま同点に追いつかれた。
 チェンジになって守備から戻ってきた後藤に対し、應武監督がカミナリを落とした。帽子を取って、神妙に後藤が頷いている。

 1回裏一死満塁のピンチで、次打者はセンターの守備位置よりやや前のフライ。中継に入ったショート後藤は、小島からの送球受けてもホームへ投げなかった。
 すぐにホームへ投げていれば、アウトだったかもしれないタイミングだったのである。

 監督が怒っているのは、(推測だが)後藤が三塁走者はスタートを切らないだろうと勝手に決めつけていたからだと思う。
 送球を受けた後藤が、最初に視線をやったのは三塁ベース。そこに走者がいないのを見て、後藤は「えっ」と驚いたような表情をした。このケースは、まず本塁へ投げるつもりで振り返ればならなかっただろう。

 また、他の野手が、声で指示を出していたかも気になるところ。とくに一番近くにいた松永が、「(三塁走者が)突っ込んだぞ!」と叫べば、後藤は迷いなくホームへ投げていたと思うのだ。
 たぶん、監督の叱責は松永にも向けられていたろう。この叱責は、ナイン全員の円陣の中で行われた。

 もう一つ気になったのは、中盤、法大が無死2塁のチャンスをつかんだ場面。次打者が送りバントをし、つかんだ大石は三塁を見たものの投げず。これまたすぐに投げていれば、アウトのタイミングに見えた。
 だが、大石は自重して一塁へ投げた。このケースでは捕手がどこへ投げるかを指示しているはずだが、杉山の指示はどうだったのか? 声を出していたのか、出したけれど届かなかったのか、届いたけれど大石が躊躇したのか。

 ――――――――――――――――――――

 1-8と完敗した早大。5回に2点を奪われ、3点差となってからは、「今日は負け」のムードがスタンドには漂った。
 法大先発の二神は、立大戦に続いての無四球完投勝利。終始リラックスして、力に頼らないピッチング。しかし、ゲームセットの三振は、148キロの直球で奪った。

 法大は乗ってきた感がある。明大は開幕4連勝。早大がリーグ戦序盤で勝ち点を落とすようなことになれば、早慶戦の前週の法明戦が優勝決定戦になってしまうかもしれない。
 しかし、悲観するのはやめよう。07年秋、08年秋とも、法大戦は2回戦を終わった時点で1敗1分けだったが、そこから連勝して勝ち点を奪ったのである。

 さて、背水の陣で迎える3回戦、4回戦。神宮球場は、早稲田打線の最適温になるだろうか。(って、何度だ? 笑)
                       (谷川彬良)

2009年4月26日 (日)

屈辱?の四番・原

 早法1回戦、9回裏。先頭打者の3番山田敏がショートのエラーで出塁すると、應武監督は4番原に代えて新佐古(早実・四年)を打席に送った。
 新佐古は期待通り送りバントを決め、杉山の同点打を引き出した。

 しかし、先頭打者が出たから、送りバントのために代打を出した、というわけではない。
 9回裏の攻撃が始まる時から、ネクストに原の姿はなく、この日初めてベンチ入りした一年生の地引(29番)がヘルメットをかぶって素振りを繰り返していたのだ。

 1点差で最終回の攻撃。4番に座り、しかも早大で最もホームランが期待できる打者。
 それなのに、應武監督はその原を引っ込めた。原にとって、これ以上の屈辱はあるまい。しかも、一年生が代打に送られるところだったのだ。(地引の打撃も見たかったけど)

 この試合の原は、桐蔭学園の同級生である法大のエース加賀美に、まったくいいところなし。
 しかも、守備では何でもないゴロをエラーし、またアウトにはしたものの、やはり簡単なゴロが手につかない怪しい守備をしていたのだ。

 でも、いくら應武監督の堪忍袋の緒が切れたとはいっても、あの1点差の場面で代えられるとは思わなかったのではないか。
 もしかすると、試合後、原は東伏見まで罰走ではなかったかと心配しているのだが、どうだったろう。
 まあ、明日、明後日と試合があるのだから、そこまではしないかな?
                       (谷川彬良)

斎藤佑樹、20勝目は持ち越し

 早法1回戦。平成最速の20勝到達を狙った斎藤佑樹は、1回に2点を失い、調子は今ひとつ。その後は得点は許さなかったものの、5回6安打奪三振3。5回の打席に代打を送られた。
 最速は146キロだったから、球速はまずまず。しかし、法大打線は斎藤のあらゆる球種、球道を研究していたようで、アウトになっても「いい当たり」がかなりあった。
 とくに法大の一年・多木(左打者)はタイミングが合っていて、1回の山田敏のファインプレーの打球も、この多木が放ったものだった。

 引き分けに持ち込んだ早大の投のヒーローは、リリーフした福井と松下である。
 福井は3イニング、松下は1イニング投げて、追加点を許さぬいい仕事をした。
 今季の福井は安定感があり、松下も最速147キロを記録するなど、今日は前回登板よりも良い内容だった。

 それにしても、應武監督が第2先発の福井を、初戦のリリーフに送り込むとは思わなかった。この法大戦は、最初に負けたら勝ち点を獲れないと思ったからではないだろうか。
 これで少なくともあと2試合、法大戦がある。明日の先発は、誰だろう? 福井か、松下か、あるいは再び斎藤佑か。
 この3人のうちの誰かだとは思うが、ぼくの予想は「彼」である。
 ふと思ったのだけれど、この法大戦。應武監督はこの3人、それに大石、さらにワンポイント的に大前を使って、どの試合も継投で乗り切ろうとするかもしれない。
                     (谷川彬良)

9回裏二死、杉山同点二塁打

 早法1回戦は、2-2の引き分け。天秤はどちらにも傾かなかったとはいえ、試合後の両校ナインの心は何色だったろうか?

 初回に2点を先取し、その後も終始試合を優位に進めてきた法大は、2-1とリードの9回裏二死2塁から、杉山の同点二塁打を浴びた。
 マウンドにうずくまった先発・加賀美は、ここで降板。奮闘したエースに、法大側からだけでなく、早大側からも大きな拍手が送られた。
 リリーフした速球派の三嶋(一年)は土生に三遊間を破られ、「早大サヨナラ勝ちか」と思われたが、法大の好中継プレーで、本塁憤死。プロ併用日の規定により、9回引き分けとなった。

 引き分けとはいえ、ショックが大きいのは法大側だろう。加賀美は立大1回戦の逆転サヨナラ本塁打に続いて、今日も9回二死2塁から痛打を浴びた。
 杉山をポンポンと2ストライクに追い込んでから、一つ(?)ボールの後に打たれたもので、この好投手にして、なぜあと一人を討ち取れないのか、不思議である。リードして迎える9回がトラウマにならなければいいのだけれど……。

 しかし、加賀美だけを責めるのは可哀想だ。9回裏の法大は、守備固めにショートに長谷川を入れた。だが、その長谷川が、先頭打者・山田敏のゴロを一塁へ低投し、一塁手が確保できずにエラー。
 これがなければ、加賀美は完投勝利を挙げていたことだろう。法大は、今日、3エラー。(三塁難波、捕手石川、そして遊撃長谷川) せっかくの勝ちゲームを勝ち切ることができない。

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 法大のミスに助けられたとはいえ、早大はよくぞ引き分けた。一年生の杉山は、追い込まれながらも、加賀美のカーブ(?)によくついて行き、レフトへ弾き返した。
 今日は2安打。勝負強さに加え、4番原、5番宇高がまったくタイミングがとれていなかったことを考えると、明日はクリーンナップを打たせてもいいかもしれない。

 開幕試合に続いて、この大事な法大戦の初戦もマスクをかぶり続けた。背番号「6」へ、着々と地歩を固めているといってよいだろう。

 しかし、この試合、杉山は第2ヒーローだ。最大のヒーローは、山田敏だと思う。
 1回表、法大が2点先制した後の二死1、2塁で、左中間を破ろうかというライナーをレフトの山田は横っ飛びダイビングキャッチ。ドンぴしゃりの大ファインプレーで、追加点を阻んだ。
 抜けていれば、2点追加で4-0。9回裏に2点目を取るのがやっとだった早大であったのだから、このプレーがなければ1回にして“ゲームセット”になりかねなかったわけだ。

 なお、この試合、早大はもう一人の注目捕手・地引(一年)と、昨年の早実の主将・徳井がベンチ入りした。
                         (谷川彬良)

2009年4月25日 (土)

仕切りなおし

 東京六大学09年春季リーグ第3週の土曜日は、雨で中止となった。明日以降は東京地方は雨マークはなく、試合はできる模様。
 ただし、日曜日はやはり強風が吹き荒れそうで、早大、法大、慶大、明大の各打者は、風のいたずらを当てにした“フライ打法”を用いるのではないかと……。(笑)

 斎藤佑が「平成最速の20勝」に王手をかけていることもあり、早大、法大の優勝争いもあり、強風だろうが何だろうが、神宮球場は大いに盛り上がるものと思われる。

 さて、日曜、月曜に試合が行われることになったので、今日のぼくは仕事に集中。順調に進んで、心置きなく観戦できそうになってきた。
 スピーディーに仕事を進めるには、マーチをBGMにするに限る。今日は朝から、パソコンに取り込んである名曲マーチを流しながら、デスクに向かった。

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 その中の1曲に「星条旗よ永遠なれ」がある。「マーチ王」のスーザ作曲によるすばらしい旋律であり、アメリカ合衆国の「公式行進曲」にも制定されている格式の高い名曲だ。
 ぼくにとっては、「威風堂々第1番」(エルガー作曲)の次に好きな行進曲。何年か前、サントリーホールでプロのオーケストラの演奏を聴いたことがあるが、涙が出そうになるほど感動したものだ。そして、学生時代に、思い出のある曲でもある。

 ぼくが所属した吹奏楽部に、初心者のフルート吹きの男(Y)がいた。
 初心者であるから、もちろん下手くそ。吹奏楽よりは、野球応援で試合を観ることに重きを置くような、向上心のない奴であった。

 ところが、だ。一年以上も経ったある日、突然、音楽に目覚めた。合奏練習時間以外、多くの時間を練習に割くことなどなかったYが、一心不乱にある曲を練習をするようになったのである。
 その曲こそ、この「星条旗よ永遠なれ」だった。

 この曲には、ピッコロ(フルート奏者が持ち替えて演奏する、最も小さな管楽器)のソロがある。
 後半部分、静かに流れるメロディーの裏で、ピッコロが16分音符主体のオブリガートを奏でる。
 さらに、最後のグランディオーソの部分では、管楽器が派手にメロディーを吹き鳴らす大音量の裏で、最小の楽器であるピッコロがたった1本でその大音量を蹴散らして、メロディーに“勝つ”。まさに「蜂のひと刺し」の趣であり、フルート(ピッコロ)吹きの醍醐味、胸のすく場面だ。

 なぜYが、この曲を練習するようになったのか? 理由はたった一つ、同じフルートパートに入ってきた女の子のせいである。
 つまり、次の演奏会のプログラムに入っているこの曲を完璧に演奏することで、そのかわいい後輩に、良い所を見せたかったわけだ。
 何日も何日も、彼は一生懸命練習した。だが、元々のレベルが低いわけで、どう贔屓目に見ても「本番まで間に合いそうもない」と誰もが思うくらいの技量であった。

 本番当日、何人かいるフルートパートの中で、ソロの部分はYが任されることになった。
 演奏は、完璧ではなかった。16分音符の連続に、テンポからやや遅れてしまう部分があった。聴衆からすれば、「下手くそ」に聴こえたはずである。

 だが、それまでのYを知っているぼくら部員からすれば、“驚嘆”に値する演奏だった。
 よくぞここまで、吹けるようになったものだ、と部員全員が感動すら覚えたのである。

 異性の心をくすぐろうとした不埒な動機(笑)であったとしても、何か目標を持った人間はこんなにも一つのことに熱中できるのだなあと、気づかされた。
 男にとっての女、女にとっての男。その存在は、時に計り知れない力を生む。皆さんも、そんな経験がおありではないでしょうか? もちろん、ぼくにもあります。(笑)
                         (谷川彬良)

2009年4月24日 (金)

早法戦、どうやら水入り

 週末から予定されている東京六大学のプチ天王山・早法戦は、どうやら水入りになりそうである。土曜日は全国的に雨模様で、東京も一日雨の予報だ。
 ぼくはもう諦めて、月曜日にやる予定の仕事を、明日中にこなす方向に突き進んでいる。(笑)

 さて、この水入りがどちらに有利に働くのか、微妙なところだろう。
 第2週、試合のあった法大は、エース加賀美の回復には優位だろうが、野手陣にとってはせっかく中4日で臨める試合勘の“生温かさ”が冷めてしまうかもしれない。
 対法大戦は最後は勝ち点を奪っても、1回戦に敗れることの多かった早大側に、恵みの雨かな?、と思っているところである。

 日曜日、東京の天気予報は「晴れのち曇り」で試合は行われそうであるが、どうやら「強風」が吹き荒れそうとのこと。せっかくの好カード、しかも斎藤佑-加賀美の黄金対決が予想される試合だけに、風のいたずらで決着するようなことにならなければと心配している。
 あまりの強風ならば、連盟は「順延」の勇気をもってほしいと思うが……それは無理だろうなあ。

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 さて、野球とは無関係の話。
 昨日(23日)、NHKの正午と夜7時のニュース。トップニュースは何だったかご存知か? SMAPの草彅剛、逮捕のニュースであった。

 泥酔して、都会の公園で丸裸。奇声を発していて、通報でやってきた警察官にも抵抗して逮捕されてしまった。(この公園は何度か行ったことがあるが、とても居心地がいい)
 公然わいせつ罪は立派な罪であるけれども、もしも警察官に従順な態度を見せていたなら、逮捕まではなかったかな?

 逮捕から一日たって、彼に向けられた非難はトーンダウンしているようである。
 彼を擁護するつもりはないにしても、酒を飲んで気持ちが大きくなって、普段できないようなこと(犯罪になるようなことではなく)をやってしまった人はたくさんいるんだろうなあ、と思う。

 草彅剛の場合、前後不覚になるほど酔っ払って「どうして裸になったかわからない」と語っているようだが、真夜中の公園で周囲に人影はなし。
「裸になったって、かまわないだろう」くらいの気持ちは無意識のうちにあったかもしれない。結局、家宅捜索まで行われた結果、覚せい剤使用の可能性はなく、逃亡の恐れもないことから釈放された。

 真夜中の公園で丸裸――もし、彼のような有名人でなかったら、誰も見向きもしない話である。だが、有名人だけに、天下のNHKのトップニュースになってしまう。
 真昼の繁華街であればわかるが、誰もいない真夜中の公園なのである。裸になったことよりも、大声を出して周辺住人の安眠を奪ったことのほうが罪、くらいのものである。あんなに大々的に取り上げる必要はあったのか、と思う人は少なくないのではないか。

 まあ、NHKがトップニュースに取り上げたことの意味がないとは言わない。「酒の上のことだから」と、酒の上の悪さには甘いといわれるニッポン。
 酒の上であっても、「悪ふざけをしたら逮捕される」とアピールできたとしたなら、これほど効果のあるコマーシャルはなかっただろう。

 この言い方は問題かもしれないが、SMAPの中で、草彅剛は最も犯罪からは遠い場所にいるような人間に見える。
 人の良さそうな顔、柔らかな物言い。好印象を与えてきた人物だからこそ、CMにも多数起用される。
 しばらくの間は活動を自粛することになるのだろうが、復帰した際、彼をとがめる声がどのくらいあるか、ぼくは興味を持っている。
                                (谷川彬良)

2009年4月23日 (木)

さあ早法戦

 東京六大学野球09年春季リーグは、週末から第3週を迎える。
 早大-法大、慶大-明大のまだ勝ち点を落としていないチーム同士とあって、力関係を知る興味深い対戦である。
 慶大と明大の試合は長い時間を観ていないので、早大-法大戦についてだけ述べることにする。(早大、法大の今季5試合はすべて観た)

 ここ最近は、早大が勝ち点を奪っているものの、法大との対戦はいつも苦戦している。法大が5位に沈んだ昨年春、4位の秋も、紙一重の勝負となった。
 今季の法大は最上級生が多く、落ち着いた試合運びを見せている。またしても接戦になるような気がする。

●打撃力
 試合数が少なく、対戦相手も違うので単純に比較はできないが、打率は早大.306、法大.316の数字を残している。
 法大は3試合で犠打(犠飛も含む)が10。早大は3。法大は立大と競り合った試合をしたせいもあるが、送りバントを多用し、2回戦、3回戦は失敗がなかった(と思う)。
 ただし、法大の安打は当たり損ねや内野安打も多く、力強さという点では早大が勝る。「一発」を打てる打者も、早大に多い。
 大きく違うのは、盗塁数。法大は3試合で1、早大は2試合で10。走る意識の高い早大のほうが、チャンスを作れると思う。

●投手力
 早大は、斎藤佑、福井、大石、松下、大前ら。法大は、加賀美、二神、武内(まだかな?)、三嶋、藤田ら。質、量とも、六大学の双璧と言ってよく、互角だろう。
 気になるのは、四死球。法大は3試合で1つしか与えていないのに、早大は2試合で7つ与えている。
 それにしても、誰が先発してきても、見応えのある投手戦が展開されるのではないか。1回戦は斎藤佑-加賀美、2回戦は福井-二神と予想しているが、うっかり席を立てないようなぎりぎりの勝負になるかもしれない。

●守備力
 ここがポイントになりそうな気がする。早大は2試合で失策0。法大は3試合で失策5。守備力は、早大が勝ると見る。
 法大の弱点は、三遊間。三塁和泉は、1、2回戦で得点につながる失策をし、遊撃多木(一年)は3回戦で2失策した。
 ただし、和泉は3回戦ではレフトに回り、守備の布陣は落ち着いた。多木も本来、守備が悪くなさそうだし、守備だけなら長谷川を起用する手もある。

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 今季の法大は、優勝候補の2番手にいるかもしれない。その意味でも、この早法戦はまだ第3週とはいえ、“大勝負”と見ている。
 両校とも、有望な新入生もいて(早大・杉山、佐々木、法大・三嶋、多木)、しかも勝敗に絡みそうな予感もある。
 土曜日は空模様が怪しいけれど、面白い試合になりそうである。
                       (谷川彬良)

2009年4月22日 (水)

東京六大学、今季はどこが強い?

 東京六大学野球09年春季リーグは、第2週を終えた。6校すべてが顔を見せ、早大、慶大、法大、明大は各勝ち点1を取り、東大、立大は勝ち点を2つ落として早くも優勝争いから脱落した。
 まだ試合数が少ないけれども、ここまでの戦いぶりから、簡単に各校の印象を。

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●東大
 エース鈴木の離脱が痛い(左ひじ痛との報道がスポニチにありました。 >外苑西通りの狼様)。しかし、エースがいない明大戦は投手陣が奮起して、大接戦を繰り広げたのは立派。
 早大戦では田中捕手の守備がおぼつかなかったが、経験を積むごとに良くなってきた。肩もまずまずである。
 昨年よりも打線が良いようだし、鈴木が復帰したら面白い戦いをしてくれるんじゃないだろうか。

●立大
 創部100周年。勝ち点を連続で落としたのは痛恨だろう。
 1回戦はエース戸村で勝てるものの、二番手投手が力不足。戸村にしても、3回戦ではスタミナ不足なのか、手の内を読まれてしまうのか、打ち込まれてしまう。
 打線もあまり調子が良くないようだ。

●明大
 東大と大接戦の末、勝ち点を獲った。エース野村は昨年に続いて好調を維持しているようだが、二番手投手の力は落ちる。
 打線は安打が少なく、迫力も感じられないが、最初のカードだったので調子がつかめていないだけかもしれない。
 しかし、チーム力は昨年よりも下? ただし、エース野村の奮闘で、優勝争いに絡む可能性もあるだろう。

●法大
 加賀美、二神が実力どおりの投球を見せた。藤田、西といった救援陣はバラエティに富み、先日は三嶋、三上といった下級生がすぐにも活躍できそうな投球をした。
 ここに調整不足で出遅れた武内が加わってくるとなれば、相当な布陣。投手力の厚味は、早大と双璧ではないか。
 攻撃陣も今季は送りバントを多用し、得点の匂いを感じる。ただし、内野安打などラッキーな安打も多い。

●慶大
 エース中林が大黒柱の働きをしている。最上級生になって、中心選手の自覚十分と見た。
 立大との1回戦は完封負けしたものの、2、3回戦で計20点。四年生が多く残る攻撃陣だけに粘っこく、得点力はそこそこありそうである。

●早大
 東大戦は、斎藤佑樹と福井が「先発二本柱」と言ってよい十分な投球を見せた。救援の大石も磐石。松下、大前らも控えており、不安はない。
 ドラフト3人組が抜けて心配された攻撃陣も、心配したほどの地盤沈下はなさそう。好投手と当たるこれからが真価を問われるわけだけれど、昨年まで出番が少なかった後藤、山田、土生、新人の杉山、佐々木といったあたりに期待がもてる。
 唯一の懸念は、経験の少ない捕手陣か。勝負どころで守備のほころびがないといいのだが。
 それでも、優勝候補筆頭であることには変わりない。

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 野球の話ではない。今日、驚いたことがあったので少しだけ。

 娘が「膝が痛い」というので、近くの医院に付き添った。足を曲げると膝の周辺がかなり痛み、歩くのにも難儀する状態。家の階段も、やっとこ上がっていた。
「膝に少しだけ水が溜まっていますね」と初老の男性医師が言う。「注射をしましょう」と、膝の周りに10本ほど小さな注射を繰り返した。

 そして、「さあ、歩いてごらん」
 そんな、注射を打ち終わったばかりで……と半信半疑で見ていると、娘はスイスイと歩いた。「ええっ?」ってなものである。痛みはきれいに消えていた。これには驚いた。

 水を抜いたのではなく、炎症を抑える薬を打ったということだ。
「この注射は、私にしかできないんだよ」と自信満々に言う。先日は、今をときめく女優のお母さんが、この注射のおかげで治ったそうだ。
 膝ではなくて、顔面に神経系の不具合が起きて、他の大きな病院で手術日まで決まっていたらしいが、この医師の注射一発で手術回避。嘘のように元通りになったという。

 医師によれば、膝痛、腰痛、肩こり……といったものは、この注射で治せるという。
 ぼくの妻は、頑固な肩こりだし、腰に不具合も抱えている(ぎっくり腰をやったことがある)。「治してあげるから、奥さんも連れておいで」。
 妻は外出中で、帰ってくるのは来週。帰ってきたら、この医院(家からすぐそばだ)に行くよう、進言することにする。
                    (谷川彬良)

2009年4月20日 (月)

快速球投手、神宮に登場

 09年東京六大学野球・法立3回戦は8-1で法政が勝ち、勝ち点1とした。
 創部100周年の記念年の立教は、慶大戦に続いて勝ち点を落とし、早くも優勝争いから脱落した。慶大戦、法大戦とも1回戦を取りながら、連敗をしてしまった。

 立教は、先発型でありながら(ぼくが勝手に思っている)、今季リリーフ登板ばかりの仁平がようやく先発。だが、不安定な立ち上がりで初回4失点。
 以後も調子は上がらず、4回無死、ピンチを残して降板した。斎藤佑樹の好敵手、どうした?
 リリーフしたエース戸村も、2回で4安打を打たれ、立教は勝負どころの3回戦、慶大戦に続いて大敗となった。

 一方の法政は、昨季よりも戦力が充実していると見る。この3試合、いずれも2ケタ安打。得点力はかなり上がっているのではあるまいか。
 1回戦、逆転サヨナラ本塁打を浴びた加賀美は、この日は序盤にリードをもらったこともあって、90キロ台のカーブも交え、楽しむかのようなピッチング。8点差となり、5回で降板した。

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 さて、本日のハイライトは、終盤に登場した法大の本格派右腕二人。
 8回の1イニングを投げた三上(県岐阜商・二年)は、190センチの長身から145キロ程度の速球を投げ下ろす。一度、「156キロ」の球速表示が出たのだけれど、これは誤表示ではあるまいか? 150キロを超えたのはその1球だけで、あとは140キロ台半ばであった。
 本当だとしたら、大学生投手としての最速新記録である。(現在の記録は154キロだったと思うが、違ったかな?)

 その三上よりも鮮烈だったのは、9回の1イニングを投げた三嶋(福岡工・一年)だ。
 投球練習を見ていて「こりゃ速いぞ」と思い、打者と対戦しての球速表示を楽しみにしていたのだけれど、最初の3球は表示されず。(速すぎて計測不能?)
 やっと表示されるようになり、140キロ台半ばが何球か続いた後、次なる球は「154キロ」。その後にも「152キロ」を計測したから、この154キロは本物だと思う。

 この法立戦、ぼくは3試合とも観戦してしまったことになるが、一番のお目当てはこの三嶋だった。
 社会人対抗戦で153キロをマークしたと報道されており、どんな投手かこの目で確かめたかったのだ。

 大きくはない体(174センチ)から、速いモーションで投げてくる。阪急で活躍した山口高志のようなイメージか。(彼ほどのダイナミックさはないが)
 どこの大学の選手であれ、レベルの高いプレーを見るのは嬉しいことである。

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 今週末の早法戦は、優勝に向けてどちらも落とせないカードだ。
 最多優勝回数42回を誇る法大は、41回の早大の優勝をなんとしても阻止したいし、早大はそれに並びたい。熱戦が展開されることになるだろう。

 しかし、速球派の多い両校の投手陣だけに、勝敗は抜きにしても見ごたえがあると思う。
 試合をご覧になられる方は、ぜひそのあたりにも注目していただきたいものだ。
                      (谷川彬良)

2009年4月18日 (土)

法大・加賀美、逆転サヨナラ喰らう

 東京六大学野球09年春季リーグ第2週は、東大-明大、法大-立大の対戦。昨日の予報ほど気温は上がらなかったようで、まずまずの観戦日和であった。
 法立戦のみ観戦予定にしていたのだけれど、東大-明大の速報を見たら、6回を終わって1-1。しかも、明大のラインナップに「8番遊撃手・上本」。そう、今年早大を卒業して阪神入りした上本博紀の弟のデビュー戦だ。
 兄と同様、一年春の開幕戦からスタメン。このまま卒業まで、兄弟揃ってフルイニング出場を続けるか? その最初の試合を見なくてはと、そそくさと昼食を済ませ、神宮に駆けつけた。

 球場に到着した時には、9回表3-2でリードしていた明大が、さらに1点追加。先発の野村は、6安打16奪三振で完投勝ち。
 ただし、昨年から続いていた連続イニング無失点は途切れた。

 デビュー戦の上本は、3打数ノーヒット。失策1が記録されたが、目の前でイレギュラーしたゴロであり、あれがエラーではかわいそう。
 また、明大は3番に謝敷(三年、大阪桐蔭)が入った。06年夏の甲子園で斎藤佑樹(早大)と対戦しており、今リーグでの対戦が楽しみである。

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 法大-立大戦は、加賀美-戸村の投手戦で6回まで0-0。2-1で法大リードの9回裏二死2塁、立大は代打・大林がライトへ逆転サヨナラホームランを放った。
 注目の加賀美は10三振を奪う好投だったが、勝利目前でうっちゃられた。

 二神、武内とプロ球団から注目される四年生投手2人がいながら、開幕投手に指名された加賀美(三年)であったが、詰めを誤った感が強い。
 9回、先頭打者にヒットを許し、送りバントで二進。二死としたものの、代打大林に内角球で勝負に出て、ライトへ被弾した。

 昨年、一年生ながら4番を打ったこともある打者に、この場面で内角はどうだったか? 
 外角を狙ってのコントロールミスかもしれないが、この試合、四球0だった加賀美。制球はまずまずであったから、やはり内角で勝負にいったのではないか、と見る。

 法大は強いと思っていたが、今日の戦いぶりはあちこちに隙が見えた。
 送りバント3回のうち、成功したのは最初の1回のみ。
 7回、ようやく1点先取した後の守りでは、二死2塁でサード正面のイージーゴロを和泉(四年)が一塁へ高投し、同点を許す。この時、カバーした一塁手は本塁へ投げようともせず……。

 法大の中盤の攻撃で、二死で三塁にランナーを置いた場面。立大投手のワンバウンドの暴投が捕手を通り越したのだが、主審に当たってボールはその場にとどまって、三塁ランナーはホームインできず。
 試合内容は法大が上回っていたが、運にも見放されていたといえる。

 逆転サヨナラホームランは、大学野球ではそう簡単に出るものではないが、昨春も左打者のライトへの同じような逆転サヨナラホームランを見た。
 打たれた大学は、優勝できなかったけれど、今季の法大はどうなのか?

 ところで、明大・上本と同様、法大も一年生の多木(坂出)が8番遊撃手でスタメン出場。4打席ノーヒットで途中から退いたが、良い当たりも見せていた。
 優勝争いとは別に、早大・杉山、明大・上本、法大・多木ら、新人選手の活躍も楽しみにしたい。
 もう一つ、今日敗れたとはいえ、好投した加賀美は、来週の早法1回戦に先発してくる可能性が高いだろう。昨秋、決着のついていない斎藤佑vs加賀美(9回を投げ合って、0-0。延長で早大は勝つが、斎藤は9回終了時にマウンドを降りた)の再戦が、どうやら見られそうである。
                       (谷川彬良)

2009年4月15日 (水)

「罰走」は本当に“罰”なのか?

 昨年の秋の六大学野球リーグ戦で、早大・小島宏が送りバントを失敗し、神宮球場から早大野球部グラウンド(西東京市・東伏見)まで「罰」としてランニングで帰るよう命じられたことがある。
 距離は20キロ弱というところか。素人には途方もない道のりであって、「大変だなあ」と思うしかない。

 しかし、どうなんだろう。走るのが好きな人間だったら、命じた側が考えるほど「罰」とは感じないのであるまいか?
 神宮→東伏見。地図をざっと見たところ、新宿から青梅街道に入るのが一番分かりやすいルートだろうか。このルートを走ったとすれば、中野坂上(笑)や荻窪あたりを抜けていくことになる。

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 ぼくが若い頃、夜11時頃になると、ジョギングをしていたことがある。走り始めは苦しくても、その生活リズムに慣れてくると、走るのが気持ちよくなってくる。その日のランニングの中でも、「苦しい」だけではなく「気持ちがいい」と感じる時間がある。
 だから、これまで何人の選手が神宮球場から練習場まで帰ったかは知らないが、彼らの中にも「罰走って、楽しいじゃん」と感じた選手がいたって、おかしくないと思うのだ。(無理がある? 笑)

 でも、「走るのが楽しい」は、昨今のマラソンブームを見れば明らかなところである。
 三井住友カードの機関誌「VISA」(5月号)に、ノンフィクションライターの最相葉月氏が「ランニングブーム」について触れていらっしゃる。
 少し引用させていただくと、「ランニングブームを憎めないのは、チャリティを兼ねたレースが増えているし、なにより走る本人たちが楽しそうだからだ」と書いている。
 そうなのだ、記録を狙う一流選手はいざ知らず、一般ランナーにとって、走ることは楽しいのである。

 しかし、最相氏は、こうも書いている。
「耳にイヤホン、ひらひら飾りがついたウエア、一丁前にオーダーメイドの靴なんぞ履いている。で、終わったら飲み会ですか。本当は飲み会やりたいから走ってるんじゃないですか」
 いやに手厳しいなあと思っていたら、すぐ後に、「……いや、うちの夫のことだ」の一言が付け加えられていた。(笑)

 ご主人様はあちこちのマラソン大会に出場されるらしく、変なデザインの参加賞Tシャツが増える一方とか。
 でも、月曜に締め切りを抱える最相氏は、「週末遊んであげられない妻としては、夫が家でゴロゴロしているよりずっと気は楽。ラン・フォーエヴァーの精神でがんばっていただきたい」と結んでいる。

 時代は移り変わっても、「亭主元気で留守がいい」は、奥さま連の永遠の願望なのでありましょう。

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 さて、話を元に戻すが、「罰走」を「楽しい」と感じることは、やはりないんでしょうね。東京マラソンの一般ランナーのように、カメラに向かって楽しげに手を振るなんて、自発で、好きなペースで走るからこそである。
 練習、試合、そしてミス。怒った監督から「罰走」の命令。疲れた身体でほぼハーフマラソンを走る早大選手が「楽しい」と感じるわけがない。もっとも肉体的というよりは、精神的な“罰”なのだろうけれど。

 今季、罰走を命じられる選手が一人も出ず、優勝に突っ走ってもらいたいものである。
                                (谷川彬良)

(余談: 若い頃、ジョギングをしていたこともあるぼくは、最近はやらず。「走る」はぼくにとって“強い”運動であるらしく、翌日、疲れが出てしまうのだ。
 で、このところ運動らしきものとしては、自転車と速足くらいのものか。自転車は20分漕げば「運動」になるらしい。自転車は身体に負担が少ないにもかかわらず、そこそこの運動になっているという。だったら、少しでも「楽」なほうがいいでしょう? 
 もっとも、身体を鍛えようというのに「楽」につられてしまうのは、ケシカランというか、情けないというか……。 笑)

早大・小島宏、見違える活躍

 09年春の東京六大学野球が開幕し、前季覇者の早大は東大に連勝して勝ち点1。法大のもつリーグ最多優勝記録(42回)に並ぶべく、順調なスタートを切った。

 打線で最も数字を残したのは、小島宏(四年)である。この2試合で、9打数6安打、打点7。リーグ戦は昨年まで、39試合に出場して、108打数22安打(.204)、打点9であったから、一気にブレークした印象である。
 昨年春は打率.286で、細山田と並んでリーグ6位の成績を残したが、秋は送りバントを失敗して東伏見までの「罰走」を課せられたり、ベンチ入りさせてもらえない屈辱も味わった。

 だが、今年になって、オープン戦でも成績を残し、リーグ戦でもこの大活躍。卒業した四年生の中に、小島の頭を押さえつけていた選手がいたわけではないだろうが(笑)、伸び伸びとしていて何か悩みが吹っ切れたような印象を受ける。
 数少ないベンチ入り四年生野手として、経験は一番豊富である。主将の山川と一緒に、「おれが引っ張らなければ」の気持ちは強いだろう。

 試合前のノックで、強肩を見せてくれる。昨年は、松本啓がいたものだからそれほど目立ってはいないが、小島の肩も相当なもの。
 遠投に限っていえば、松本啓が120メートルなのに対し、小島は125メートルである。神宮に行かれる方は、小島(と土生も)の肩に注目されるとよいと思う。

 この東大戦は、左腕・鈴木の先発が予想されたため打順は2番であったが、主力投手に右が多い法大戦は、トップバッターで出場することになるだろうか。
 東大戦では、1、2回戦とも盗塁を決めており、足も試運転済みだ。

 四年生が活躍するチームは強い、と言われる。“谷間”ともささやかれた代ではあるが、山川とこの小島にはプレーでも、精神面でも、ガンガン引っ張っていってもらいたいものである。
                     (谷川彬良)

2009年4月14日 (火)

早大-東大、観戦雑記

 東京六大学野球09年春季リーグ戦の開幕カード、早大-東大を観戦して感じたことを簡単に。

 昨年あたりと違い、コンバットマーチのテンポが明らかに遅い。ブラスの指揮者の問題ではなく、リーダー部の意向が反映していると思われる。でなければ、「もっと速くしてくれ」とすぐにクレームがつくはずである。だが、毎回同じテンポであった。
 おそらく、リーダーの振り(腕の突き出しとか)がこのテンポのほうが“決まる”のではないか。
 でも、記憶違いかもしれないが、以前はこのくらいのゆったりテンポではなかったかなあ、という気もする。

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 観客席が、今年は静かな気がする。どうしてだろう?、と考えてみたところ、選手に声を掛ける観客があまりいないことに気づいた。
 昨年は、「ホッソヤッマダーッ!」の声があちこちから挙がったけれど、今年は彼に代わる選手がいないということか。
 ドラフト3人組らが抜けた後釜の実力を見極めようと、選手の一挙手一投足に集中している人が多いような気もする。細山田のように、誰か“オモロイ”選手はいないものだろうか?(笑) 

 2回戦では、近くから聞こえてくる会話に、ついつい集中してしまった。女性と男性の二人連れでいらっしゃるのだが、どちらも早実の選手や過去のプレーについてもお詳しく、しばしそのあたりの話で盛り上がっていたのである。
 チラリとお顔を拝見したところ、お二人とも先ごろ甲子園(早実-天理戦)でお見かけした方だった(と思う)。

 女性は甲子園の三塁側(早実側)内野席に一人でいらっしゃり、男性はアルプススタンドで応援なさっていた。
 年齢はずいぶん離れていらっしゃり(女性は20代、男性は40代か50代?)、ご夫婦やご家族ではないと思われる。お互いに、言葉遣いが敬語基調なのである。

 今年の早大は、早実出身者がたくさん登場する。早大・早実の両方のファンにとっては、ことさら楽しめるリーグ戦になってくれそうである。
                 (谷川彬良)

2009年4月13日 (月)

早大一年生・佐々木、“振らず”に勝負する男

 東京六大学野球09年春の開幕カード(早大-東大)の3打席で、彼はバットを振っていない(と思う)。それでいて、1安打、失策で出塁、死球と、すべての打席で出塁している。
 早実出身の一年生・佐々木孝樹(外野手)。1回戦は、無死1、2塁に代打で登場。一塁前にセーフティバントを転がして、無死満塁とチャンスを拡大。
 2回戦の最初の打席は、バント処理を焦った投手の悪送球を誘い、一塁セーフ。(記録はエラー)
 2打席目は、バント処理に備えようと投げ急いだのか、バントの構えを見せる佐々木の内角に来て死球、となった。

 早実時代は左右打ちで、右打席で力強いスイングを見せ、長打も放っていた。しかし、左のスイングは力なく、結果を残せず。昨年は、まったく左打席に立っていない。(と思う)
 だが、早大に進んで、ここまで3打席はすべて「左」。しかも、徹底してセーフティバントを見せる。
 オープン戦でスイングの有無は知らないけれど、リーグ戦のこの2試合を見ると、バントの奥義を極めようとするかのような姿勢にも見える。

 いつかは“振る”ことになるだろうけれど、相手がバント守備を敷いても、その間隙を突いて生きてしまおうというのか。
 これは面白い。優秀な打者だって、10回のうち3回のヒット。佐々木の足をもってすれば、“振らず”に3回、4回のヒットが可能なのではないかと思えてくる。

 もしかすると、應武監督の指示なのか。今のリーグ戦は各校ともレベルの高いエースを抱えており、膠着状態に陥る可能性がある。
 そんな状況下、この佐々木で相手内野陣を引っ掻き回し、チャンスの芽を作る。あるいは三塁にランナーを置いた場面で、代打に送る。相手にとっては、イヤラシイだろう。
 次の試合は第3週の対法大。強力投手陣を抱えるだけに、佐々木が光る場面も出てくるのではないか。

 また、対立大戦で仁平との対戦も、ぼくは大いに楽しみにしている。
 早実が全国優勝を果たした06年の西東京大会準決勝で、早実は日大鶴ヶ丘と対戦した。
 4-4で迎えた9回裏、早実の攻撃は一死満塁。打者は斎藤佑樹。しかし、斎藤はボテボテの三塁ゴロで、ホーム封殺。これで二死満塁。延長は必至と思われた。

 なぜなら、打者は代走から守備に入っていた一年生の佐々木。なんと、これが公式戦初打席なのだ。
 だが、佐々木の打球は当たりこそ良くなかったが、一二塁間をゴロで抜けてライト前へ。歓喜のサヨナラ勝ちとなって、決勝へ駒を進めたのである。
 この時、佐々木は右打席。投手は仁平(立大)だった。

 それについて書いた記事はこちら。
      ↓ 
http://nejimaki-no-uta.cocolog-nifty.com/blog/2007/08/post_9ffd.html 

                      (谷川彬良) 

後藤・リーグ戦初本塁打、4打点

 ヒーローインタビューに呼ばれたのは、この男だった。早実が夏の甲子園で全国優勝を果たした時の主将・後藤貴司である。

 1回、山田の二塁打で先制した後、レフトフェンスの金網直撃の2点二塁打。6回には、公式戦初本塁打となる2ランを、左中間に叩き込んだ。
 選球眼が良く、その裏返しで「もっと積極的に打っていけばいいのに」と思わせることもあるが、今日はきっちりと結果を出した。

 3番山田、4番原、5番宇高、6番後藤と並べた右4人は、長打が期待できる重量打線。東大戦以外でどのくらいの結果を残せるかが問題だけれど、昨年と比べて「打線が弱くなった」とは今のところ感じない。

 その前を打つ小島宏は、まさに絶好調だ。1回戦の2安打1打点に続き、2回戦は4安打6打点。
 昨年の秋、ベンチを外されたこともある男が、伸び伸びと野球をやっている。
                  (谷川彬良)

早大・福井、器の違い見せる投球