いよいよ、世紀の一戦
明日1月14日、世紀の一戦が行われる。
プロ棋士vs最強コンピューターソフトの「電王戦」である。
コンピューター側は、去年5月に開催された第21回世界コンピュータ将棋選手権の優勝ソフト「ボンクラーズ」。
対する人間側は、いまさら説明の必要はないであろう、米長邦雄永世棋聖。日本将棋連盟の現会長である。
簡単に説明すると、ボンクラーズの実力はすでにプロ棋士の域に達しているとも言われる強豪。
受けて立つ?米長永世棋聖は、すでに現役を退いたとはいえ、名人1期を始め、4冠王に輝くなど、大名人中原誠の好敵手だった男。
どちらが勝つのか、じつに興味深いが、昨年12月、両者のプレマッチが行われ、ボンクラーズが圧勝した。
ただし、この対局は1手30秒だったのに対し、明日の「本番」は持ち時間3時間。
人間側にとって十分かどうかはわからないが、考える時間はそこそこある。
難しいことは良くわからないが、前例のある戦いになったら、ボンクラーズは相当に強いらしい。ただし、前例のない戦いになれば……。
前哨戦で、米長氏はその弱点を突いてやろうと、いきなり前例のない手を指したのだが、通じず。
完敗となったらしい。
将棋界の頂点に立った男が、コンピューターに連敗することはプライドが許すまい。
――――――――――――――――――――
人間対コンピューターという興味とは別に、この対戦が実現したこと、わざわざ将棋連盟の会長が最前線に立つことがすごい。
もしも、旧い体質の連盟であったら、コンピューターの存在など無視し、あくまでも「人間対人間」の、見ようによっては“井の中の蛙”とも言われかねない戦いを続けていたかもしれない。
だが、米長会長は、コンピューターソフトとの共存を図ろうとしているらしい。
もしかしたら敗れて、過去の栄光に傷がつく?かもしれないのに、それでも対戦を実現させたのだ。
おそらくは、将棋界の将来を見据えてのことであろうから、そこに彼の懐の深さ、潔さといったものを感じるわけである。
明日の「電王戦」は東京・千駄ヶ谷の将棋会館で指されるが、「ニコニコ生放送」で生中継され、原宿のニコニコ本社では、大盤解説も行われる。
対局の立会人は谷川浩司九段(17世名人資格保持者)であり、大盤解説には渡辺明竜王(初代永世竜王資格保持者)という豪華版で、将棋連盟の力の入れようがわかろうというものだ。
(谷川彬良)
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