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2009年6月26日 (金)

親父の一番長い日

 先週であったか、「親父の一番長い日」というドラマが放送された。
 さだまさしの歌に同じタイトルがあったなあと思い、見始めてみると、まさしく彼の歌が原案だそうである。(以前にも、ドラマ化されたことがあるらしい)
 そのさだ氏本人も、チョイ役で2カットに登場していた。セリフなしであったけれど、この方はしゃべりだすと長いので、まあこれで良かったのではあるまいか。(笑)
 それはさておき、ドラマのクライマックスに、小道具として「野球」が使われていた。 

 物語は、結婚適齢期の娘(長澤まさみ)に結婚を約束した彼氏がいて、さて父親(國村隼)が結婚を許すか許さないか――という、娘のいる家庭なら大抵は出くわすことになる昔からあるワンパターンの骨格である。
 そのパターンを踏襲して、もちろん父親は結婚に大反対である。初対面で「君に“お父さん”と呼ばれる筋合いはない」などと、お決まりのセリフ(笑)も出てくる。

 そんな折、彼氏が仕事で大怪我をしてしまい、車椅子生活になってしまう。もしかすると、一生車椅子の世話にならなくてはならないかもしれないのだ。
 それでも、二人の愛は変わらない。再び結婚の許しをもらうために、車椅子の彼氏が家に来ることになっていた時間、会いたくない父親は外出した。

 外は強い雨。一人の若者が雨宿りをしている。車椅子。娘の彼氏だった。
 傘を差すことが出来ず途方に暮れているところへ、婚約者の娘がやってきて傘を差す。濡れた背中を拭き、車椅子を押しながら、家へと連れて行く。
 父親はその光景を、隠れてじっと見ていた。しかし、家に戻ることはなく、外で飲んだ。「長い時間待っていたのに、なぜ帰って来てくれなかったの?」と娘は怒った。

 父親は、彼が好青年であることは分かっている。車椅子の彼に対する娘の気持ちが変わらないことも分かっている。
 なぜ結婚を許してくれないの?、と娘は思うだろうが、父親の立場となれば、娘を愛するがゆえに慎重にならざるをえない。健常の時でも反対であったのに、今は車椅子の世話になっているんだぞ……。

 ――――――――――――――――――――

 翌日、彼氏の母親が訪れた。息子の結婚を懇願するのかと思いきや、「お嬢さんと、車椅子の息子を結婚させるわけにはいかない」。
 この先、娘さんの苦労は目に見えている。だから、この話はなかったことに――彼氏の母親にしてみれば、断腸の思いの一言だった。

 父親は病院に向かった。入院している彼氏に向かって、「オレと勝負をしろ」。草野球の投手をやっている父親が、かつて野球をやっていたことのある彼氏に「3球勝負」を持ちかけたのだ。「1本でもヒットを打ったら、娘をやる」
 河原のグラウンド。マウンドに父親。バッターボックスで車椅子の彼氏がバットを構える。婚約者である娘、彼氏の母親ら、家族が見守る。

 第一球、空振り。第二球、かろうじてバットに当てたが、ファウル。そして、運命の第三球――。
 思い切り振ると、ボールは前に飛んだ。投手前への小飛球。彼氏は「絶対にセーフになってやる」と、車椅子のまま精一杯走り出す。
 打球は、投手の前にポトリと落ちた。しかし、父親は処理しようとしない。一塁に向かう彼氏に向かって、こう言った。
「参った」――。

 父親は、とっくに結婚を許す気になっていたろう。そこへ、彼氏の母親から「結婚話はなかったことに」と言われて焦った。
 だが、これまでのいきさつから、素直に許すわけにはいかない。そこで、「3球勝負」の舞台を、わざわざ作ったのである。
 ヒットを打たなくても、空振り3つでも、父親は結婚を許すつもりだったはずである。
 フィクションではあるが、この二人の幸せな行く末を願わずにはいられない。

 ――――――――――――――――――――

 この父親の気持ちは、とてもよく分かる。ぼくの娘は、8月に18歳。数年後に彼氏を連れてくることが、きっとあるんだろう。
 娘とすれば、四の五の言わずに認めてくれることを望むだろうけれど、親とすれば彼氏を吟味する時間が必要だ。どこの親だって、そうだと思う。それが親の愛情であり、親として果たすべき最後の責任であるはずだ。

 しかし、うちの娘に、そのような彼氏が現れるかどうかが問題なのだけれど。(笑)
 ボーイフレンドはいるようだが、結婚となれば別の話。誰かいい人はいないかな?

 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 朝起きてみると、驚きのニュースが待っていた。
「マイケル・ジャクソン死去」。何があったのか。本当に驚いた。

 性的虐待疑惑など、いろいろあった人生だったけれども、彼の歌手としての実力は本物だった。
「スリラー」など大人になってからの楽曲はもちろんのこと、ジャクソン・ファイブ時代の「ベンのテーマ」など、あどけなさの残る彼の歌唱力、リズム感も素晴らしかった。
 あの切れ味鋭いダンステクニックも然り。

 ぼくはディズニーランドのアトラクションの一つ、「キャプテンEO」(主演マイケル・ジャクソン、プロデューサーはジョージ・ルーカス、監督フランシス・コッポラ)が大好きだった。 
「キャプテンEO」がなくなって10年以上経つと思うが、ぜひもう一度見たい。

 同年代のスーパースターがまた一人亡くなった。
 マイケル・ジャクソンさん、安らかに。
                              (谷川彬良)   

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コメント

谷川さま

ドラマは残念ながら見れていないのですが、谷川さんの説明で内容がよ~く分かりました。
亡き父親はとっても厳しい人で紹介する時は、とってもドキドキでした。
私以上にドキドキだったのは言うまでも有りません今の主人です(笑)
作戦を考えました(笑)
先に姉達に紹介したんです。
味方を作っておきました(笑)
それが良かったのかどうかは分かりませんが、今に至っています。
お嬢様も分かりませんよ~ある日突然ってよくあるようです(友人の体験談 笑)

マイケルジャクソンさんの訃報はビックリでした。
まさにあの時代でしたから・・・
ご冥福をお祈り致します。

まめごま様

 こんにちは。いつもありがとうございます。
 なるほど~、いきなり親に紹介するのではなく、先に外堀を埋めておくわけですね。(笑) 
 わが家の話で恐縮ですが、うちの息子に彼女がいるようで、娘は会ったことがあるらしいです。同じ作戦を遂行中かな? 次は妻を取り込んでおいて、父親(ぼく)なんて最後になって、もう判を押す(承諾する)しかない状況になっているかもしれません。(笑)
 まあ、子どものことは信頼しているつもりなので、よほどのことがない限り反対することはありませんけどね。でも、娘はちょっぴり心配かな? 父親としては。(笑)

 マイケル・ジャクソン氏、報道量がすごいですね。スーパースターの証です。早すぎましたけど、常人には考えも及ばない、中身の濃い50年だったことでしょうね。

谷川さま
こんにちは。
私の結婚は半年前の事ですが、父はどうだったのかしら~?と思いました。
少なくとも私の前では「ヨカッタ」を繰り返していましたが。(笑)
オークパーク時代からの幼馴染みですから、「相手はどんな男か?むこうの家族は?」の心配は無かったと思います。
寧ろ相棒に「ホントにウチの娘で良いの?」と心配していました。(汗)
今年、兄が結婚するのですが、私の時よりも両親は緊張しているようにも見えます。特に母が。
もしかしたら、娘の時は父親が、息子の時は母親が、より感慨深くなるのかな~?と周囲を見て感じています。
M.ジャクソン氏の件、現地では色んな場所で追悼集会のようなものが開かれているそうです。
早いご逝去でとても残念ですが、私は彼の老人姿を想像できなく、“legendary king of pops”である彼らしいような気もしています。
心から御冥福をお祈り致します。
Amen

サラ様

 こんにちは。いつもありがとうございます。

 M・ジャクソン氏の老人姿、たしかに想像できませんね。60歳、70歳になった彼がどんな歌を歌うのか聴いてみたかった気もしますが、これもまた運命なのでしょう。
 ――――――――――――――――――――
 さて、親の立場からすると、子どもが幼馴染と結婚するのは安心感が強い気がします。小さい頃からの付き合いならば、親同士も知り合いで気心が知れていることもありますが、何よりも結婚する当人同士が長い時間をかけての成長を見守ってきて、それでも「この人なら」と思ったことが尊いと思うのです。
 いろいろなものに対する価値観も、とても近いものがあるでしょうからね。

>「ホントにウチの娘で良いの?」と心配していました。(笑) 

 娘がいつか彼氏を連れてきたとしたら、ぼくも同じ台詞を吐くと思います。(笑)
 お兄様、今年ご結婚なのですか。お祝い続きですねえ。それはそれは、おめでとうございます。サラさん家は、幸せ一杯ですね。

(追記) 思い出したので一言。妻の妹が結婚した際、身籠っていた妻のおなかはかなり大きくなっていました。出席者の方々に祝福されて、とても嬉しかったのを覚えています。

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