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2009年6月

2009年6月26日 (金)

親父の一番長い日

 先週であったか、「親父の一番長い日」というドラマが放送された。
 さだまさしの歌に同じタイトルがあったなあと思い、見始めてみると、まさしく彼の歌が原案だそうである。(以前にも、ドラマ化されたことがあるらしい)
 そのさだ氏本人も、チョイ役で2カットに登場していた。セリフなしであったけれど、この方はしゃべりだすと長いので、まあこれで良かったのではあるまいか。(笑)
 それはさておき、ドラマのクライマックスに、小道具として「野球」が使われていた。 

 物語は、結婚適齢期の娘(長澤まさみ)に結婚を約束した彼氏がいて、さて父親(國村隼)が結婚を許すか許さないか――という、娘のいる家庭なら大抵は出くわすことになる昔からあるワンパターンの骨格である。
 そのパターンを踏襲して、もちろん父親は結婚に大反対である。初対面で「君に“お父さん”と呼ばれる筋合いはない」などと、お決まりのセリフ(笑)も出てくる。

 そんな折、彼氏が仕事で大怪我をしてしまい、車椅子生活になってしまう。もしかすると、一生車椅子の世話にならなくてはならないかもしれないのだ。
 それでも、二人の愛は変わらない。再び結婚の許しをもらうために、車椅子の彼氏が家に来ることになっていた時間、会いたくない父親は外出した。

 外は強い雨。一人の若者が雨宿りをしている。車椅子。娘の彼氏だった。
 傘を差すことが出来ず途方に暮れているところへ、婚約者の娘がやってきて傘を差す。濡れた背中を拭き、車椅子を押しながら、家へと連れて行く。
 父親はその光景を、隠れてじっと見ていた。しかし、家に戻ることはなく、外で飲んだ。「長い時間待っていたのに、なぜ帰って来てくれなかったの?」と娘は怒った。

 父親は、彼が好青年であることは分かっている。車椅子の彼に対する娘の気持ちが変わらないことも分かっている。
 なぜ結婚を許してくれないの?、と娘は思うだろうが、父親の立場となれば、娘を愛するがゆえに慎重にならざるをえない。健常の時でも反対であったのに、今は車椅子の世話になっているんだぞ……。

 ――――――――――――――――――――

 翌日、彼氏の母親が訪れた。息子の結婚を懇願するのかと思いきや、「お嬢さんと、車椅子の息子を結婚させるわけにはいかない」。
 この先、娘さんの苦労は目に見えている。だから、この話はなかったことに――彼氏の母親にしてみれば、断腸の思いの一言だった。

 父親は病院に向かった。入院している彼氏に向かって、「オレと勝負をしろ」。草野球の投手をやっている父親が、かつて野球をやっていたことのある彼氏に「3球勝負」を持ちかけたのだ。「1本でもヒットを打ったら、娘をやる」
 河原のグラウンド。マウンドに父親。バッターボックスで車椅子の彼氏がバットを構える。婚約者である娘、彼氏の母親ら、家族が見守る。

 第一球、空振り。第二球、かろうじてバットに当てたが、ファウル。そして、運命の第三球――。
 思い切り振ると、ボールは前に飛んだ。投手前への小飛球。彼氏は「絶対にセーフになってやる」と、車椅子のまま精一杯走り出す。
 打球は、投手の前にポトリと落ちた。しかし、父親は処理しようとしない。一塁に向かう彼氏に向かって、こう言った。
「参った」――。

 父親は、とっくに結婚を許す気になっていたろう。そこへ、彼氏の母親から「結婚話はなかったことに」と言われて焦った。
 だが、これまでのいきさつから、素直に許すわけにはいかない。そこで、「3球勝負」の舞台を、わざわざ作ったのである。
 ヒットを打たなくても、空振り3つでも、父親は結婚を許すつもりだったはずである。
 フィクションではあるが、この二人の幸せな行く末を願わずにはいられない。

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 この父親の気持ちは、とてもよく分かる。ぼくの娘は、8月に18歳。数年後に彼氏を連れてくることが、きっとあるんだろう。
 娘とすれば、四の五の言わずに認めてくれることを望むだろうけれど、親とすれば彼氏を吟味する時間が必要だ。どこの親だって、そうだと思う。それが親の愛情であり、親として果たすべき最後の責任であるはずだ。

 しかし、うちの娘に、そのような彼氏が現れるかどうかが問題なのだけれど。(笑)
 ボーイフレンドはいるようだが、結婚となれば別の話。誰かいい人はいないかな?

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 朝起きてみると、驚きのニュースが待っていた。
「マイケル・ジャクソン死去」。何があったのか。本当に驚いた。

 性的虐待疑惑など、いろいろあった人生だったけれども、彼の歌手としての実力は本物だった。
「スリラー」など大人になってからの楽曲はもちろんのこと、ジャクソン・ファイブ時代の「ベンのテーマ」など、あどけなさの残る彼の歌唱力、リズム感も素晴らしかった。
 あの切れ味鋭いダンステクニックも然り。

 ぼくはディズニーランドのアトラクションの一つ、「キャプテンEO」(主演マイケル・ジャクソン、プロデューサーはジョージ・ルーカス、監督フランシス・コッポラ)が大好きだった。 
「キャプテンEO」がなくなって10年以上経つと思うが、ぜひもう一度見たい。

 同年代のスーパースターがまた一人亡くなった。
 マイケル・ジャクソンさん、安らかに。
                              (谷川彬良)   

2009年6月21日 (日)

がんばれ、早実

 夏の高校野球の西東京大会。早実は激戦区に入ってしまった。早実と優勝を争うと言われる日大三ばかりか、強豪校がずらり。
 真の実力があれば組み合わせは関係ない、と言われるかもしれないけれど、強豪相手となれば消耗度が違う。決勝まで7試合。ボディブローのように疲れがたまらないかと心配になる。
 まあ、このブロックの学校はどこも同じ事を思っているだろうけれど。

 気をつけないといけないのは、「このブロックを勝ち抜いたチームが、最も甲子園に近い」などと早くも言われていること。
 昨年だって、本命と言われた日大三に準決勝で勝った時点で「これで甲子園だ」と喜んだのも束の間。決勝では日大鶴ヶ丘に苦杯をなめた。切符をつかむまでは、まったく安心はできないのである。(日大鶴ヶ丘は、もちろん強かったけれど)

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 ところで、中野主将を始め、大野、森、大矢ら、今年の早実の三年生には、ぼくは強い愛着を感じている。
 名前を挙げた4人は2年前、一年生ながらベンチ入りして、夏の西東京大会に出場。中でも、4番を任された森の堂々とした大きな体、多摩一本杉球場で放ったライナーのホームランは強烈な印象であった。以来、彼らは、中心選手として早実を引っ張ってきた。
 このブログを始めた時期と重なったこともあり、早実の試合をぼくがこんなに多く観戦したことは過去になかったのである。

 そんな彼らも、もうすぐ高校野球生活を終える。ついこの間、入学してきたとばかり思っていたのだが……。
 終えるにしても甲子園であってほしいし、できるならは3年前の「選抜ベスト8→選手権・優勝」と同じ道を歩んで締めくくってもらいたい。

 中野主将らは、“あの夏”の全国優勝を見て早実に入ってきた初めての代である。入学した際には、後藤、斎藤佑、白川らの優勝中心メンバーは大学進学であったから、“憧れ”の選手たちとはすれ違いである。
 来年、早実での3年間を終えて、中野らがどんな進路を選ぶのかは知らないけれど、ファンの一人としてはやはり早大に進学してもらい、先輩優勝メンバーたちの“同僚”として天皇杯を目指してほしいものである。
 ちょっと気が早かったかな?(笑)

 ――――――――――――――――――――

 話はまったく変わるけれど、今日6月21日はわが家の3匹の猫の誕生日である。
 ぼくが仕事をするデスク横のダンボール箱で、母猫は3匹を産み落とした。いずれも雄。三兄弟というと、ゴルフの「尾崎三兄弟」や「だんご三兄弟」(どちらも古!)、最近では「余分三兄弟」(笑)なんてものもあるようだが、わが家の猫の場合、「癒し三兄弟」(本当か? 笑)とでも言っておこうか。

 母猫と三兄弟の計4匹は、時折「フーッ!」と毛を逆立ててケンカをすることもあるけれど、一日の時間の9割は仲良くしているようである。
 母猫は4月で5歳、三兄弟は今日4歳になった。元気で長生きしてもらいたいものである。
                 (谷川彬良)

2009年6月20日 (土)

第91回夏の高校野球、西東京大会組み合わせ

ゆう 第91回全国高等学校野球選手権大会・西東京大会の組み合わせ抽選が行われた。
 早実の戦いは、7月17日の実践学園からスタート。ノーシードのため、優勝までは7試合。決勝戦は、7月28日である。

http://www.tokyo-hbf.com/news.php?nid=b3c6718b7c219b91333362500b8c031e

●早実の試合日程

 1回戦   7月17日(金)14:30 (府中)    実践学園
 2回戦   7月19日(日)12:30 (明大球場) 都田無工
 3回戦   7月22日(水)12:30 (府中) ……中大付?
 4回戦   7月23日(木)12:30 (府中) ……東亜学園?
 準々決勝 7月24日(金)09:00 (神宮)  ……対日大三?
 準決勝   7月26日(日)10:00 (神宮) 
 決勝    7月28日(火)12:00 (神宮)

 順当ならば、準々決勝で日大三と対戦することになる。多くのメディアの予想では、早実と日大三が「戦力充実」とされており、ポイントの試合となる。
 早実にとって、この準々決勝は5試合目。さらに3連戦の3試合目となるのが辛いところか。投手陣のスタミナが試される。

 4つのブロックに分けてざっと眺めてみると、早実のブロックは強豪が一番多い印象。
 日大三を筆頭に、創価、東海大菅生、明中八王子、専大付、東亜学園などが揃う厳しいブロックだ。

 今年の早実は、実力のある一年生が多数入学して、練習試合でも力を発揮しているようである。選抜出場メンバーからポジションを奪いそうな選手も複数いるとのことだ。
 なお、明大球場での試合(2戦目)は、「応援禁止」とのことである。

 その明大球場の試合、ぼくは法事があり(父の13回忌)、残念ながら観戦できないが、あとの試合は都合をつけて応援に駆けつけたい。(真夏の3連戦は体力的に厳しそうであるが)
 早実は、昨夏、昨秋と続けて、決勝戦で負けている。三度目の正直なるか?
 夏の甲子園はまだ訪れていないので、ぜひ行ってみたいものである。(暑いだろうなあ~。 笑)
                      (谷川彬良)

2009年6月19日 (金)

ブログのご紹介

 すでにご存知の方も多くいらっしゃると思いますが、このブログにも何度か“出演”(笑)して下さっている方がブログを始められました。
 大学野球、高校野球、プロ野球などの他、ご自身の身辺雑記などもあり、楽しみなブログが一つ増えて嬉しく思っております。
 16日には、阪神タイガースの二軍の試合を観戦なさり、上本選手のリポートもありました。

 ご本人の了解がいただけましたので、遅くなってしまいましたがご紹介いたします。
 興味のおありになる方は、ぜひご一読を。癒し系のデザイン、元気をもらえそうなブログだと思います。

 ブログタイトル 「悠・悠日記」

http://blog.goo.ne.jp/yu_yu1825/e/eedbd781d920e6f0a3ce03a4f021c824

                          (谷川彬良)

2009年6月14日 (日)

終盤に逆転、法大8度目の日本一

 09年の全日本大学野球選手権決勝・法大-富士大は、5-1で法大の勝ち。14年ぶり、8度目の日本一の座を勝ち取った。

 この選手権、昨日まで3試合を戦った法大は、3-0、4-3、5-2。今日の決勝戦は最大の4点差勝利となったが、この4試合の中で敗色は一番濃かったといえる。
 7回を終わって、0-1。法大が出した走者は、1回二死からの多木のヒット、3回の石川の死球の2人のみ。芯でとらえた打球が野手の正面をつくなどの不運もいくつかあったものの、90キロ台~140キロを使い分ける富士大のエース・守安の投球に、幻惑されていたといってもいいだろう。

 しかし、野球は何をきっかけに流れが変わるかわからない。富士大にあった流れを変えたプレーは、法大が同点に追いついた8回表にあった。
 一死1、2塁で代打・土井(一年)が三塁手の頭上、グラブをかすめて超える内野安打。二塁走者の代走・中尾が三塁をオーバーラン。あわてて戻る中尾、そこへ三塁手のタッチプレー。
 判定は「セーフ」。タイミングはアウトだと思ったが、中尾の指先がタッチをかいくぐったのか?

 これで一死満塁となり、続く亀谷は浅いレフトフライ。普通のランナーであれば本塁突入は自重したかもしれないが、俊足の中尾はタッチアップ。送球も逸れ、待望の同点のホームを踏んだ。

 この回は同点止まりだったものの、9回は法政に傾いた流れを確認するばかりの場面が続いた。
 先頭の多木が、この日自身2本目のヒットで出塁すると、4番松本雅の送りバントは一塁手前への小飛球。猛ダッシュしてダイビングキャッチを試みるものの、グラブ先端に当たって、ボールは捕手の後方まで転がり(内野安打)、無死1、2塁となった。
 続く5番佐々木の送りバントが捕手後方への小飛球(捕球はできず)となったところで、代打に大八木。送りバントをしに出てきたのだろうと誰もが思うところだが、バントの構えから一転ヒッティング。右中間への二塁打となって、ついに勝ち越し点が入った。

 この後も、内野安打、内野ゴロなどで3点を追加して5-1。本塁へ投げても間に合わない当たりが続いて、法大に面白いように点が入った。
 富士大エース・守安の疲れもあったとは思うが、いったん流れが変わるとそう簡単に流れは元に戻らないんだなあと思ってしまう。
 法大だって、三塁オーバーラン(8回)、送りバントが2度小飛球になる(9回)など、細かなミスがあったのにもかかわらず、すべてが法大側の“好結果”になったのであるから……。

 ――――――――――――――――――――

 それにしても、今季の法大はしぶとさが目立った。今日の決勝戦も、リーグ戦の優勝決定試合も、8回に同点に追いつき、9回に決勝点。(リーグ戦はサヨナラ本塁打)
 それ以外の試合でも、終盤に貴重な得点を挙げるケースが多かったように思う。

 最高殊勲選手と最優秀投手は、二神。首位打者は、15打数10安打の多木。リーグ戦で存分に働いた二人は、この選手権でも実力をいかんなく発揮した。
 惜しくも準優勝となったが、富士大のエース守安を中心とした守りの野球も立派だった。7回を終わった時には、「このまま1-0で終わるのでは」と思ったくらいである。拍手を送りたい。

 リーグ戦、新人戦、全日本選手権と、10週続いた大学野球の春はこれにて終了。シーズンを締めくくる試合とあって、早大の試合でしかお見かけしないお顔も、ちらほらいらっしゃった。
 ぼくの次なる観戦予定は、日米大学野球(7月13日東京ドーム、16日神宮球場)。7月11日から始まる高校野球の西東京大会は、早実の応援に行くつもりである。

 皆様もしばらく小休止でしょうか。春のシーズン、お疲れさまでした。
                           (谷川彬良)

2009年6月13日 (土)

法大、決勝進出

 全日本大学野球選手権準決勝・法大-関西国際大は、5-2で法大が勝ち、いよいよ決勝に駒を進めた。
 法大は、春のリーグ戦からこれで13連勝(1引き分けをはさんで)。春の締めくくりの試合を、有終の美とできるか。

 法大の一年生、多木の好調が続く。選手権の初戦は6番で3打数2安打。2戦目は3番に上がって、4打数2安打。
 そして、準決勝のこの日は、4打数4安打! しかも、3打席目まではいずれもタイムリーヒット(3本目は一塁手の前で打球が跳ねるラッキー安打だったが)。
 当然、ヒーローインタビューに呼ばれた。

 この選手権で、通算11打数8安打。クリーンナップを任されると硬くなりがちであるのに、しかもまだ一年生であるのに、緊張など微塵も感じさせない。
 この全国大会でこんなに自信をつけてしまって、秋のリーグ戦は早大を始め、他校にとってますます厄介な存在になってきそうである。(笑)

 法大は、エース二神が完投勝利。2点は奪われたものの、リードを許すことなく、“冷や冷や”の印象はなかった。
 今季は何度も思うけれども、昨年までとは違う投手が投げているみたいに感じる。
 終盤、「治療のため」に、ベンチに下がった一幕があった。マメでもつぶしたか? 決勝戦に影響がないといいが。

 さあ、東京六大学代表として、2年前の早大以来の日本一の座につくことができるだろうか。

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 午後、東京六大学応援団連盟が主催する応援団「六旗の下に」が行われるとあって、法大の応援団は人数が少なめであった。
 開演は3時。午前中からリハーサルが行われるはずであり、試合終了は1時半近く。
 神宮で応援し、その後、日比谷公会堂に駆けつけた法大応援団諸君は、忙しかったことだろう。お疲れさま。

 神宮球場で準決勝を観戦し、「六旗の下に」をご覧になった方もいらっしゃるようである。
 最近は第1部ステージドリル&チアリーディング、第2部各校校歌、応援歌、拍手紹介という構成のようだが、以前は若手の女性歌手をゲストに呼んでいた時期があった。太田裕美さんとか、森田つぐみさんとか。
 ぼくは太田裕美さんのコンサートに何度も行った大好きな歌手であったので、ドキドキしながら出番を待ったものである。(笑)

 しかし、メインイベントは、何と言っても「校歌、応援歌、拍手紹介」である。各校リーダー部の意地と面子がここに集約されているといっていい。
 その中でも、「勝利の拍手」といった拍手紹介は、各校のリーダー責任者が演じるとあって、緊張感が充満する。

 たとえば、ある大学の場合、足を踏ん張って体が地に着くくらい横に倒し、じっと何秒間(何十秒?)もそのままの姿勢を保つ時間があるのだけれど、ここが最大の見せ場。
 会場に音はなく、あるとすれば客席からの掛け声。その後には、さざ波のようにわき起こる感嘆の拍手。演じるリーダーの額には、じっとりと汗が浮かんだりしている。

 無事に演じ切れば面目が保たれるが、横に倒した体のバランスを崩して、ステージに手を着いてしまう場面を見たこともある。
 そんな時のリーダーは、演じ終えて舞台袖に下がった後でも、じつに悔しそうな顔をしている。

 今年の「六旗の下に」はどんな盛り上がりであったろうか。
 いつもは野球応援などの盛り上げ役として、脇役に徹する応援団諸君。今日ばかりは、その彼らが「主役」を務める。
 きっと、良き青春の1ページになったことだろう。
                           (谷川彬良)

2009年6月11日 (木)

法大、ベスト4進出

 全日本大学野球選手権は、第3日。東京六大学代表の法政は日本文理を4-3で下し、土曜日の準決勝に進出した。
 六大学代表としてぜひとも優勝してもらいたいものであるが、楽に勝たせてくれる相手などいない。今日の試合も、4-0とした時には楽勝ムードが漂ったけれども、序盤に1点差に詰め寄られ、追加点は奪えず、やっとのことで逃げ切った、というゲームであった。

 法大の先発は、快速球男の三嶋。しかし、リーグ戦での安定感はなく、ボールの多い苦しい投球。1回の一死満塁は切り抜けたが、その後も制球定まらず、2回途中で降板した。
 リーグ戦は守護神としてラッキーボーイ的な働きをしたけれども、先発ではなぜ? 早大の大石も先発では苦労していたけれど、リリーフと先発ではそれほどリズムや、気持ちの持って行き方がちがうということなのだろうか?
 三嶋は高校時代は先発でガンガン投げていたのであるから、不思議なことである。今日は調子が悪かっただけなのかな?

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 日本文理は、昨日“怖い試合”を演じただけあって、地力のあるチームだと感じた。投手ではロングリリーフをしたエース・古川の変化球がキレて打ちづらく、点を奪える気配がない。1点リードはあったけれども、「負けるかもしれない」と真剣に思った。
 しかし、法大も三上がロングリリーフをきっちりこなし、最後の2イニングはエース二神が締めた。

 それにしても、法大は2試合で6失策。そのうちショートの多木は4失策。
 報道によれば、二神は昨日、多木に対して「3失策までなら許す」と言っていたらしいが、それは寛大すぎないだろうか?(笑) まあ、リラックスさせるためなんだろうけれど。
 ただ、前記事のkumiさんへのコメントにも書いたように、一塁手佐々木のワンバウンド送球を捕る技術にも問題がありそうなので、少しは割り引いてあげないとかわいそうかな?

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 さて、法大は頂点まであと2勝。東京六大学の力を示してくれるだろうか?
 それにしても、この選手権や秋の明治神宮大会に出てくるチームは、どこも強い。まあ、各リーグで優勝してきているのだから当然なのだけれど。

 将棋に喩えると、リーグ戦は「名人戦」、トーナメントは「竜王戦」というところか。
 名人戦は、A級~C2組まで5クラスある順位戦(リーグ戦)を戦う棋戦で、名人に挑戦権を得るためには最低5年はかかる。
 しかし、「竜王戦」は1組~6組までトーナメントで戦い、一番下の6組でも優勝すれば、竜王への挑戦者を決める決勝トーナメントに出場できる。つまり、プロになりたての棋士でも、竜王になれる可能性があるのである。
 名人戦は「安定感」、竜王戦は「爆発力」「勢い」がぼくが抱くイメージである。

 高校野球はトーナメントを勝ち抜いたチームが、さらに甲子園でトーナメントで優勝を争う。
 一方、大学野球はリーグ戦を勝ち抜いたチームが、今行われている選手権や秋の明治神宮大会ではトーナメントで優勝を決める。勝ち抜くためには、どのチームにもある「安定感」に加え、「勢い」や「爆発力」があるかどうかが鍵になってくるのだろう。

 野球の話になぜ唐突に将棋が絡んでくるのか? 
 今日、神宮球場に来る前に、将棋会館(渋谷区)のそばで米長邦雄氏(永世棋聖、日本将棋連盟会長)とすれ違ったので。(笑) 理由はそれだけです。
                                (谷川彬良)

2009年6月10日 (水)

恐ろしい試合

 6月10日、全日本大学野球選手権に出場している東京六大学代表・法政大学を応援しに、神宮球場に行った。(法大3-白鴎大0)
 先発二神は、リーグ戦同様の安定した投球。6安打、無四球の完封勝利を飾った。

 照明灯に灯が入った4回表、法大に先制点が入った。走者一塁で、一年生の多木(坂出)がライト前ヒットでチャンス拡大。
 続く指名打者、これまた一年生の土井(智辯学園)が三遊間をゴロで抜いて、二塁ランナーを迎え入れた。

 春のリーグ戦でベストナインに選ばれた多木は、相変わらず軸のしっかりしたフォームで、左へ右へライナーの2安打。
 もう一人の一年生、土井は、新人戦でクリーンナップを打ち、2試合計7打数3安打3打点。勝負強さもある。
 この試合もDHで起用されるあたり、一軍でもすでに通用する打撃力を持っているようである。

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 さて、この前に行われた日本文理大-九州国際大は、野球の恐ろしさをまざまざと見せつける試合となった。
 4-2と九州国際大リードの8回裏、追う日本文理大は一死満塁の大チャンスを迎えた。

 しかし、次打者は二塁手が一歩も動かない正面のゴロ。誰もが併殺でチェンジと思った瞬間、二塁手はトンネル。右中間に転がる間に2者が還り、4-4の同点となった。
 この後は、日本文理のつるべ打ち。あれよあれよの6点追加で10-4。なおも一死2、3塁で高く弾んだ一塁ゴロを、間に合わないホームへ投げて11-4……。

 なぜ一塁でアウト一つ取らないんだ?、と首を傾げていると、両校ベンチからナインが飛び出してきた。7点差。あ、そうか。コールドで、試合終了なのであった。
 いやあ、こんな試合を久しぶりに観た。2点リードでチェンジのはずが、一気にコールド負けに転落とは。野球というゲームの面白さ、恐ろしさを改めて知った次第。

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 野球とは関係のない話である。

 米国のバン・クライバーン国際ピアノコンクールで第1位となった盲目のピアニスト、辻井伸行さん(20歳)。彼の名前はずっと前から聞いたことがあり、その力量はぼくも知るところであった。今回の演奏の映像を少しだけ見たけれど、驚嘆するしかない。
 目が不自由であることで聴覚が研ぎ澄まされるなどと言う人もいる。仮にそういう面もあるにしても、やはり目が不自由であることは、健常者にはない苦労を強いられることになるはずだ。

 譜面を読むわけにはいかない。どうやって覚えるのかと思ったら、左手、右手に分けて録音してもらって、耳で覚える。そして、それを両手で合体させるわけである。
 指揮が見えない。ピアノ独奏でない限り、何らかの楽器と呼吸を合わせなくてはならないわけだが、辻井さんは頭を振ってタイミングを合わせるのだそうである。

 ピアノが好き、というピアニストとしての最大のエネルギーを持っていたとはいえ、その努力たるや並大抵ではなかったことだろう。

 テレビのニュースで、こんな話を聞いた。
 生まれながらにして目が見えなかった辻井さんが高校生の時、こんなことを口にしたそうだ。

「一日だけでいいから目が見えるようになって、お母さんの顔を見てみたい。次の日からは、また目が見えなくていいから」

 五体満足に生まれたって、親に何やかやと不平不満を漏らす子どもだっている。ましてや全盲という、大きなハンデを負っているのだから、親に対する恨み辛みの一つも言ったっておかしくはないところではないのか。
 それなのに、一目だけ母親の顔を見たら、また目が見えなくてもいい、とは……。なんていじらしい、泣かせることを言うのだろう。
 このエピソードを話したのは辻井さんの父親であるが、彼の目には涙が溢れていた。

 今回の受賞にあたって、辻井さんは両親への感謝の言葉を口にした。世界に認められた素晴らしいピアニストになったわけだが、それ以前に素晴らしい人間であると思う。応援したくなる音楽家だ。
                     (谷川彬良)

2009年6月 4日 (木)

MVPは誰か?

 東京六大学野球09年春季リーグ戦は、法政大学の優勝で幕を閉じた。始まってしまえば、いつもあっという間の8週間。今季もまた、数々の記憶に残る戦いを見せてくれた。
 思い通りの成績を残した選手、想像以上の成績を残した選手、あるいは飛躍が期待されながら力不足を実感した選手……。それぞれに春を振り返り、秋に向けての練習が始まっているはずである。

 さて、恒例の「ファンが選ぶMVP」(連盟HPで6月5日午後6時まで投票受付)。
 今季は4勝をあげた3投手、二神(法大)、斎藤佑(早大)、野村(明大)の順で上位に並んでおり、二神、斎藤佑のマッチレースになっている。

 二神の安定感は抜群だった。4試合連続完投勝利。制球も良く、その間の四死球はわずか1。何よりも最終防御率は1.41である。
 対抗の斎藤佑は、リーグ最多イニングを投げて奮闘したものの、2敗したのが痛い。
 とくに、終わってみれば“優勝決定戦”だった法大戦(3回戦)に自責点6で黒星。最終防御率は2.25と、二神と大差がついた。

 成績、貢献度など、投票する人にはそれぞれの「MVP理由」があるはずなので、最終的にどちらが選ばれるかはわからない。
 ただ、早大と法大の優勝争いになると予想した今季、ぼくは両校の試合はほとんど観た。冷静に判断すると……二神が上回っていたように思う。

 もしも、二神と斎藤佑の成績が逆だとして、しかも早大が優勝していたとしたら、圧倒的な得票が斎藤佑に集まっていたのではないだろうか。
 投手のベストナインは、二神が選出された。しかも満票である。

 ――――――――――――――――――――

 それにしても、と思うのは、野手陣に対する評価(得票数)の低さである。野手トップの松本雅(法大・首位打者獲得)の得票は、トップの10分の1にも届かない。
 元々、投手が選ばれるケースが多いとはいうものの、斎藤佑が入学してからはより「投手」に関心が集まっている気がする。

 斎藤ファンによる斎藤への投票、アンチ斎藤による対抗馬への投票が繰り返されている?(すみません、推測です。 笑) そのせいで、投手への投票が多いのかなあ、と。
 ちなみに、今季、野手の活躍度ナンバーワンは、亀谷(法大)ではないかとぼくは思っている。打率2位、外野手としての広い守備範囲、明大戦で加点を阻んだ本塁好返球……。もっと得票が多くていいはずである。

 早慶戦が終わってから、ぼくも「MVP」に投票した。誰に? ええと、ぼくは迷わずに「二神」。斎藤佑に投票したい気持ちはもちろんあるのだが、冷静に判断した結果である。
                        (谷川彬良)

2009年6月 2日 (火)

新人戦準決勝、地引が3ラン

 東京六大学野球09年春の新人戦準決勝、早大-明大は、7-5で明大の勝ち。3季連続優勝の早大は、3位決定戦に回ることになった。

 敗戦の中で魅せてくれたのは、4番に座った一年生・地引。甲子園にも出場した大型捕手であるが、今日は右翼手で出場した。
 5打数3安打4打点。2、3打席目に三遊間へヒットを放つと、2-7と5点ビハインドの7回に、レフトへライナーの3ラン。試合を一気に面白くしてくれた。

 地引はリーグ戦の2打席は、軽くあしらわれた感じだったが、大学のレベルでもう少し経験をつめば、長打を期待できる打者になれるのではないだろうか。
 原、宇高、山田、土生、杉山、地引……順調に伸びてくれれば、近い将来、早大は大型打線を組むことが可能になる。

 この試合、早大は明大の7本を上回る11安打を放ちながらの敗戦。1回表、先頭川西の二塁打を足場に無死2、3塁のチャンスをつかみながら、3、4、5番が凡退したのが痛かった。
 ここで1本出ていれば、試合はまったく違った展開を望めた気がする。

 守備でも、大きなエラーがあった。1回、一死1、2塁で、セカンドゴロ。併殺を狙った渡邊侑が、二塁に悪送球。レフト線に転がる間に、先制点が入った。
 0点でチェンジのはずが、終わってみれば4点。明大に大きな主導権を握られてしまった。

 投手陣で好投したのは、最後の2イニングを投げた左腕・大野(二年)。今日の早大の中では唯一140キロを越える球を投げ、6打者に対し3奪三振。
 1試合登板したリーグ戦でも、3打者から2三振を奪っており、テンポの良い投球は気持ちがいい。できることなら、先発させたかった。

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 準決勝・第2試合の慶大-法大は、8-7で慶大が勝利して、決勝に進んだ。
 慶大は、甲子園を沸かせた左腕・田村圭が先発。ぼくは4回の投球までしか観られなかったのだが、最速は139キロだったか。

 そこまで得点を許さなかったのだから「好投」ということもできるが、法大打者には良い当たりも多かったように思う。
 二塁手・金田を始め、守備陣の位置取りがよく、いくつか助けられていた打球があった。

 明日の決勝は、慶大-明大。三位決定戦は、早大-法大となった。
                   (谷川彬良) 

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