どうしたんだ、大石達也
早法3回戦の9回表。マウンドには、早大のリリーフエース・大石がいる。だが、腰を上げ、出口に向かう観客がたくさんいた。
相手校のファンではない。一塁側の早大ファンだ。こんな光景を目にすることになろうとは、思いもよらなかった。
一時は1-6とリードされた早大は、小刻みに1点ずつを返して4-6。9回裏の攻撃が期待された。
だが、この回から登板した大石が2失点。早大ファンはここで席を立ったのである。
これまで、登板すれば必ずといっていいほど快刀乱麻の投球を見せた。前カードの東大戦でも、2回で4三振を奪った。
その大石が、この法大戦は「らしさ」が見られない。先発した2回戦は、5回を投げて8安打4失点。3回戦は前述のように2失点。3安打を浴び、奪三振は1。1イニングを投げきるのに、29球も要した。
調子が悪いだけなのか、それとも先発を経験したことで、リリーフのいつものリズムさえも失くしてしまったのか。
球速は150キロ近かったけれども、何かが違うのだ。
その「何か」とは何なのだろう? 好調な法大打線が大石を上回った、ということなのか。それならば、仕方がない。その側面もある。
しかし、この法大戦で3試合とも登板した福井は計7イニングで1失点、2試合に登板した松下は計3イニングで失点0。この二人は、好投していたのだ。
斎藤佑と大石。この2大エースを法大がかなり研究していたようである。今季の斎藤-杉山のビデオを徹底的に分析し、「追い込まれると低めに変化球が来るから、カウントを取りにくる球を狙った」そうだ。
今回は、法大の研究と、分析に基づく攻略法をチームとして徹底できたことの勝利なのだろう。
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しかしながら、法大だけが特別なことをしているわけではない。どのチームも相手の投手、打者を研究し、攻略法を考えるのは今や当たり前である。
早大ももちろん、加賀美や二神、法大打線のことを研究したはずなのだ。だが、このような結果になった。相手が一枚上だったと、認めるしかないだろう。
さて、法大が研究したという斎藤-杉山の投球パターン。週末対戦する立大だって、同じように研究しているはずだ。
斎藤も大石も、法大戦で攻略された投球パターンを変えるのか、頑固に続けるのか。それとも、捕手を代えて目先を変えるのか。
相手にいろいろ考えさせるだけでも、捕手を代える手はあるかもしれない。たとえ杉山と同じリードをしても、同じ結果にならない可能性もあるだろう。
もっとも、それ以前に、斎藤と大石が捕手の要求どおりの球を投げられる調子に戻せるかどうかが問題だろう。
とくに斎藤はあれだけ制球が乱れており、杉山のリードの問題以前の状態だった。杉山を責めては、可哀想である。
立大戦。2大エースの調子は戻っているか。それとも、調子の良い福井、松下を先発に使うのか。
また捕手はやはり第一人者の杉山を使うか、それとも目先を変えるか。應武監督の采配も、見所になる。
(谷川彬良)



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