東京六大学野球、戦力ダウンを見る
JR代々木駅から総武線各駅停車に乗り、千葉方面へ向かう。神宮球場のある千駄ヶ谷&信濃町駅、東京ドームのある水道橋駅。外濠の風景も情緒があり、好きな路線である。
電車内ではいつも文庫本を読むのだが、この日(1月30日)は忘れてきてしまった。千駄ヶ谷を過ぎたあたりで、東京六大学野球の戦力をふと考えてみたのだが、早大のドラフト3人組が抜ける穴はやはりとてつもなく大きいのではないか、と心配になった。
夜、帰宅してから、ざっとであるが“戦力ダウン”について調べてみた。何もマイナス方向を探らなくたって……の声も聞こえてきそうだが、現有戦力の底上げ具合や、新加入選手の実力がわからない今の時期はしかたがない。ご容赦願う。
それに各校戦力の底辺を知っておいた上で、プラスの戦力を積み重ねていくほうが妙味があるとしたものだ。
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●打者編
08年秋季リーグで、規定打席に達した選手のうち、四年生が何人だったかを調べた。
規定打席到達 うち四年生
早大 6人 4人
慶大 5人 0人
明大 5人 4人
法大 6人 0人
立大 5人 0人
東大 5人 1人
慶大、法大、立大に、四年生が1人もいないのに驚いた。慶大・今福、法大・伊藤、立大・二場ら、本来なら規定打席に到達していてよい選手が含まれてはいないものの、この3校の戦力ダウンは最小限に抑えられていると考えてよさそうだ。
東大もわずか1人(大坪)である。
反対に、早大、明大は、かなりの“地盤沈下”といえる。
明大は佐藤、池田、小林雄、佐々木が抜ける。5人中の4人であるから、ダウン度は早大の上を行く。
だが、ここは例年、“不沈艦隊”のイメージが強く、上が枯れればすぐに土中から伸びてくる芽がある。戦力の厚味は、六大学随一といっていいからだ。
早大は、上本、細山田、松本啓、泉が抜ける。昨年は田中幸、本田、小野塚といった重鎮が抜けて、得点力が落ちたように感じたが、今年はそれ以上のダウンを味わうことになりはしないか、と気がかりだ。
ただし、こちらの土中にも、いずれ大株になりそうな芽がいくつもある。控え選手も含めた厚味こそ明大に譲るかもしれないが、ポジションを獲る選手の実力は六大学随一ではないか、と贔屓目(笑)に見ている。
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●投手編
各校とも基本的に、「エース」が残る。早大・斎藤佑、慶大・中林、明大・野村、法大・加賀美、立大・仁平、東大・鈴木だ。
慶大の相澤、法大の小松も“エース級”であったことは間違いないが、実質は中林、加賀美にその座を譲っていたと思う。早大もエースナンバー(11・須田)が抜けてしまうが、14イニングしか投げられなかった不本意なシーズンであったから、大きな穴が開いたとは言えまい。
そういう観点からすると、2年前の早大(宮本、大谷)や、昨年の慶大(加藤)、明大(久米、古川、水田)が抜けたときのような、極端な戦力ダウンはないと見てよさそうだ。
野球の基本は、投手力を含めたディフェンスであることを考えると、今年もまた昨年と同様、きわどい勝負が続くのかもしれない。
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打者と投手、両方を見て、戦力ダウンが小さいのは、立大、東大、法大の下位チーム。なにやら“戦国”を予感させる。
上位では、慶大。投手の片肺であった相澤が抜けるとはいえ、規定打席到達打者5人が全員残る。
早大、明大のダウン度が目立つけれども、先に書いたように戦力は厚いと見る。
「四年生が活躍するチームは強い」とはよく言われること。08年春秋で優勝を争ったのもこの2校であったことを考えれば、ますますその意を強くする。
――と、ここまで書いてみて、はたと気がついた。早大、明大とも、規定打席到達者に三年生はいないのだ。(早大・小島宏、明大・小道がわずかに打席数が足りなかった)
活躍する四年生が何人出てくるのか。レギュラーを確保できないにしても、少なくともその座を脅かす存在であることが優勝争いの鍵になるのではなかろうか。
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電車に乗って行った先は、両国の江戸東京博物館(国技館のすぐ隣)。篤姫が乗った籠を見てみたかったのだ。(「~江戸と乗り物~珠玉の輿」展。~2月1日まで)
篤姫のものを含め、いくつもの女乗物、男乗物が置かれている。内部は狭く感じるが、中に座ればおそらくは絶妙の“包まれ感”があるのだろうと思わせる。
内部には、壁画というか、襖絵というか、絵が描かれている。長い道中、安らぎを与えてくれるのだろう。
もっとも、飛行機内でも映画を観る現代人には、動かぬ絵など耐えられまい。読書か、居眠りをしているほうがはるかにましかもしれない。
博物館を出てからは、駅前に何軒か並んでいるちゃんこ屋で、友人とちゃんこを食べた。
夕食にはまだ早い時間(5時頃)だったが、美味で、量もそこそこ。酒も少しいただいて、大いに満足であった。
(谷川彬良)



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