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2008年10月

2008年10月30日 (木)

早稲田3選手、ドラフト指名おめでとう。

 2008年のプロ野球ドラフトが行われ、プロ志望届を出していた早大の上本、細山田、松本啓の3選手は、いずれも指名された。
 上本は阪神タイガース(3巡目)、細山田は横浜ベイスターズ(4順目)、松本啓は横浜ベイスターズ(1巡目2球団競合)である。

 本人の希望通りだったかはわからないけれども、実力が高く評価され、指名があったことをまずは喜びたい。應武監督も、安堵したことだろう。
 昨年のドラフトは残念な思いをしただけに、とにかくホッとした。

 ファンである皆さんは、どんな感想をもたれたでしょう?
 細山田と松本啓は、プロでも同じ釜の飯を食うことになるのだろうか。そうなると、ベイスターズファンがかなり増えるかな?

 上本は、ぼくはまったく予想していなかったタイガース。あの細身に縦じまのユニフォームって、さらに細く見えるかな。チームカラーが合うかも心配だけど、彼ならきっちり溶け込むはず。
 根っからのタイガースファンで、早大ファンの人にとっては、こんなに嬉しいことはないでしょう。良かったですね。

 さて、3選手はスムーズに入団してくれるかな? 3人がセ・リーグに集結して、直接対決も観られることになれば、ファンはたまらないだろう。
 3人は、今夜は祝杯かな? いや、みんなが集まってお祝いをしてくれているかもしれない。でも早慶戦前だから、軽めに切り上げもらって……。(笑)

 上本君、細山田君、松本君、ドラフト指名、まずはおめでとう。これで早慶戦に集中できるね。

 ――――――――――――――――――――

 東京六大学からは、法大・小松剛(広島カープ3巡目)、明大・岩田慎司(中日ドラゴンズ5順目)も指名された。
 小松は東大戦で負け投手になっていたから、ぼくは気にしていたのだ。よかった。

 そして、忘れてならないのが、巨人が育成枠で指名した尾藤竜一(岐阜城北高卒)。早大野球部のこの春の部員名簿に、彼の名前は載っていたのだ。(大学中退らしい)
 育成枠でも、彼には嬉しかったことだろう。尾藤君、おめでとう。
                (谷川彬良)

 #尾藤君の指名については、ぼくも気づいていませんでした。
 教えてくださったYさん、ありがとうございました。

2008年10月28日 (火)

東大、善戦も勝ち点ならず

 法東4回戦は、3-2で法大の勝ち。春、勝ち点1だった法大は、これで勝ち点3となった。
 東大は互角の戦いをしたものの、わずかに届かず。勝ち点なしに終わった。

 ――――――――――――――――――――

 仕事をしなくてはならなかったのだが、でも早慶戦前の最後の試合なので、何とか終わりのほうだけでも駆けつけようと準備をしていた。
 ところが、試合開始の1時少し前、先発は東大・鈴木-法大・加賀美の文字を連盟HPで見た途端、「これはやはり最初から観なくては」の気分に。現在、六大学の最高のパフォーマーの一人である加賀美を、観ないわけにはいかない。

 で、急遽、早退届を出して強引に認めてもらい、自転車で駆けつけた。(クルマよりも、自転車のほうが早い不思議な場所だ。 笑)
 球場に入ると、1回裏の法大の攻撃が始まるところ。東大はすでに1-0とリードしていた。

 観客は1000人と発表されているが、そんなに入っていないだろう。どんなに少なくても、たぶん1000人と発表するのだと思われる。
 試合は、東大先制、法大逆転、東大6回に追いつき、法大が7回に勝ち越す――という、今日も追いつ追われつの好ゲーム。
 東大は10安打を放っており、打線はかなり力をつけたと感じる。来年は、各校が警戒しないと、勝ち星だけでなく勝ち点を献上することもあるかもしれない。

 ――――――――――――――――――――

 9回表、法大最後の守り。マウンドには、先発・加賀美。一死をとった後だったか、金光監督がマウンドへ向かい、一言二言話し、ベンチに戻った。
 この時の会話は推測するしかないが、「やっぱりお前に任せる」と言ったのではないかと思っている。

 というのは、8回の投球を終えた加賀美に対して、監督が何か言い、加賀美は「はい、わかりました」と答えている。
 おそらく監督は、「9回、あと一人になったら、小松を出す」と言ったのではないかと思うのだ。

 だが、8回裏に法大は追加点を奪えず、迎えた9回は1点差。金光監督は、四年生の小松に最後のマウンドを託したかったろうが、昨日の試合の小松でのサヨナラ負けが頭をよぎったのではないか……。
 二死になって、最後の打者に投球する加賀美を見ながら、ブルペンで投球練習をしていた小松がベンチに引き上げてきた。
 涙があふれ、グラブで顔を隠しながら……。

 そして、試合終了。応援席前にナインが整列し、一礼をした後、ベンチに戻る選手とは逆方向に、小松は一人、マウンド方向に向かっていた。
 フェアゾーンには入らず、ファウルゾーンで小松の足が止まった。何をするんだろうと見ていると、帽子をとり、マウンドに向かって丁寧にお辞儀をしたのだった。
「四年間、ありがとう」とでも言ったのだろうか。

 その小松がベンチ方向に戻ってくると、完投勝利の加賀美が小松に何か渡している。
 ウイニングボールだった。小松の口は「いいのか?」と動いたように見え、加賀美の口は「はい」と動いたように見えた。

 そして、加賀美はヒーローインタビューに向かい、小松はベンチ前にじっと立ち、大学生としてはもう立つことのないマウンドをしばらくの間見つめていた。
               (谷川彬良)

2008年10月27日 (月)

「最終戦を見届けるつもりだった」の記

 立明(1勝1敗)、法東(法の1勝1分)で迎えた3回戦。「今日がたぶん、4校の最終戦だろう」と疑わず、午前中に仕事をマッハで終わらせ(笑)、神宮球場にすっ飛んで行き、三塁側内野席の最上段に座った。
 第1試合は明治が勝って、予想通り(というか、引き分けでなければ決着)最終戦となったが、第2試合は何と東大が今季2勝目(勝利投手鈴木もこれで2勝)となり、決着は明日に持ち越しとなった。

 ――――――――――――――――――――

 立明3回戦は、11-3と明治の大量リードにもかかわらず、9回に「無失点男」の野村が登板した。
 エースでありながら、この立大戦は初登板。防御率0で終わらせるために、もう登板しないのだとばかり思っていた。
 その野村。いきなり連打を浴び、無死1、3塁。「これは記録が途切れるだろう」と確信した。
 次打者は、併殺コースのセカンドゴロ。得点差からして、4-6-1の併殺を狙うところだが、本塁へ投げて得点を許さない。もちろん、野村の記録のためだ。(一死1、2塁)

 このあたりでぼくはグラウンドに背を向けたので(2時になったのだ)、試合展開を見ていないのだが、再びグラウンドに顔を向けた時には、アウトカウントが1つ増えていた。(三振だったそうだ)
 野村はピンチになってから本領を発揮して、最後の打者も三振。結局、防御率0のまま今季を終えた。

 挨拶を終えて戻ってくる立大ナイン。遠目だったので誰だかわからないが、おそらく四年生なのだろう。涙が止まらない選手がいた。

 ――――――――――――――――――――

 法大は明日、東大との4回戦を迎える。ん?、4回戦。たしか法大は、早大とも……。(笑)
 優勝目前のチームにも、最下位のチームにも、互角に戦ってしまう法大って、強いのか弱いのかよくわからん。

 でも、鈴木が登板した時の東大はかなり骨があって、けっこういい試合になる。
 疲れているだろうが、4回戦も鈴木がかなりの回数を投げることになるだろう。(先発もあるかも)

 法大は、同点の8回から小松(四年)がマウンドへ。9回に一死満塁のピンチを与え、セカンドゴロの送球が本塁に間一髪間に合わず、サヨナラとなった。
 この小松、プロ志望届を出していて、広島が上位指名かとの噂がある。
 ドラフト直前の東大戦の黒星。影響がなければいいのだが……。

 ――――――――――――――――――――

 10月26日の呼びかけに対し、たくさんのメールをいただきました。ご賛同いただいた方がこんなにもたくさんいらっしゃったと知り、感激しています。
 彼女の人気ぶりに驚きました。(笑)
 メールを送っていただいた方(初めての方もたくさんいらっしゃいます)、奈良に祈りを送ってくださった方、本当にありがとうございました。この場にて御礼を申し上げます。

 午後2時。全国のあちらこちらから、奈良にたくさんの気持ちが届いたことでしょう。
 きっと彼女は、ウイニングボールを手にしていると思います。
                (谷川彬良)

2008年10月26日 (日)

10月27日(月)午後2時、奈良に向けてエールを

 10月27日、月曜日、ある手術が行われる。
 患者さんは女性。今春、ある大学野球部の着用品に、大学のイニシャルを刺繍するお仕事をされた。

 刺繍する際、彼女はその野球部の「勝利」のために、心を込めたという。
 その祈りが通じてか、その大学野球部は、あと1勝すれば優勝するところまで来ている。ぼくも応援している大学である。

 だから、今度は彼女の「勝利」のために、何かをしてあげたいと思った。しかし、顔も知らない彼女に対し、一体何ができるのか……。
 思いついたのは、手術の時間に、病院の方角に向けて「祈り」を送ることだった。

 ――――――――――――――――――――

 もしも、ぼくと同じことを考える方がいらっしゃったら、祈っていただけないでしょうか。
 もしもいらっしゃるのでしたら、仕事、家事、勉強……の手を止めて、一緒に祈りましょう。

 顔も知らぬ彼女に向けて、顔を知らぬ者同士が、ほんの一瞬でも、同じ時間に、同じ方角を向いて、同じ気持ちをもつ。それも悪くないのではないかと思いました。
 声にはならず、形にもなりませんが、何がしかの「力」となって届いてくれるかもしれません。

 手術開始時間は、10月27日(月)午後2時。
 病院は奈良にあります。
 ご賛同いただける方、2時ジャストに奈良に向けて、一緒に気持ちを送りましょう。

 野球部の優勝の前に、まずは彼女に勝利を――。
               (谷川彬良)

#彼女は今日(26日)、入院したそうです。

早実は準優勝

 都高校野球秋季大会の決勝、早実vs国士舘は、3-1で国士舘の勝ち。来春の選抜大会出場を確実なものにした。
 早実は2回表、主将・中野の2試合連続ホームランで先制したが、すぐに同点ホームランを返され、6回には捕手のパスボールと犠牲フライで2点を失った。

 先発・小野田はまずまずの内容だったと思うが、打線が4安打(?)と沈黙。国士舘の右横手投げ投手の変化球に幻惑され、完投されてしまった。
 準決勝で12得点の打線は、外角のスライダー(カーブ)を見逃すケースが目立った。球速は最速でも120キロ台と思われ、「打てそうで打てない」ことから、後半は焦りにも似た淡白な打撃になってしまったのが惜しまれる。

 ――――――――――――――――――――

 国士舘高校、おめでとう。選抜でも健闘してもらいたい。
 早実は敗れたとはいえ、夏の大会に続いての準優勝。選抜されるかどうかは、関東の他校との比較になるが、可能性はある。(その前に、国士舘が明治神宮大会で優勝すれば、早実に出場の権利が与えられるが)

 今日の決勝は、1-3と接戦での敗退。昨日の準決勝は、12-0と5回コールド勝ち。このあたりの戦いぶりが、どう評価されるかである。

 しかし、期待はしないでおく。来年の夏の大会、決勝の壁を3度目の正直で打ち破り、実力で甲子園切符をつかんでもらおう。
 小野田、鈴木の両投手は、まだ一年生。一冬越えて、どんな進化を遂げているか。大いに期待したくなる素材だ。

 打撃陣は、主砲・森を中心に、中野、大矢、大野、小野田、鈴木ら、長打のある好打者が揃っている。
 ただ、今日の決勝のように、打ちあぐねる投手に当たった時に、どう打開するのか。セーフティバントや、エンドランを絡める場面は、今日は見られなかった。(そもそも、ランナーが出る機会が少なかったのだが。 笑) 相手が嫌がる小技を使える打者が2、3人いると、ずいぶん違う戦いができそうな気がする。

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 ぼくが神宮第二球場に着いたのは、9時半近く。その時は、すでにチケットを求める長蛇の列ができていて、国立競技場のほうまで続いていた。(試合開始は12:00)
 しかし、9時前に到着していた連れのおかげで、どうにか1階席(後ろのほう)に座ることができた。連れは早実の応援になると、ぼくよりも熱心なのである。

 開門は、11時予定が少し早まり、10時半ごろ。人出は思ったほどではなく、11時過ぎでも2階席にはまだ座れる余裕があった。
               (谷川彬良)

 

2008年10月25日 (土)

早実コールド勝ち&神宮、観戦雑記

 都秋季高校野球の準決勝(神宮第二)は、国士舘-帝京、早実-明大中野のカード。
 第2試合の開始予定は12:30であったので、11時に球場に行けばいいだろう、と甘く考えていた。

 その時間に神宮第二に行くと、応援の声援は聞こえてきて試合が行われていることはわかるものの、球場外には人の気配がまばら。
「空いているのかな?」
 ああ、何という読み違い。球場はすでに札止めになっているではないか!

 じゃあ、早実、明大中野を応援に来た人たちは諦めて帰った? いや、そんなわけはもちろんなくて、神宮球場の真裏のチケット売場を先頭に、行列をつくっていた。
 行列は外周道路の歩道から銀杏並木を折れ、秩父宮ラグビー場の入口を通り越して、国道246号(青山通り)の方まで続いている、との報もあったくらいの人気ぶりだった。

 行列の近くにいたベテランの早実ファンが、「こんなことは初めてだよ」と言っていた。
 昨年も、早実は準決勝まで進んだのだが、こんなに行列はできなかったのだ。

 ――――――――――――――――――――

「入場できない可能性もあります」との係員の声にも、諦めずに並んでいた甲斐があって、チケットを購入。神宮第二の早実側2階席の上のほうに、何とかもぐりこんだ。
 近くに、早実野球部のOB(おじさんだ)が数人。「2階席にいるからさ」と誰かに連絡をとった後、やってきた男性を見て驚いた。
 元中日ドラゴンズの川又米利氏(現解説者)であった。今日も東京ドームの試合の解説で来ていて、ついでに母校の応援を、とのことだった。

 ――――――――――――――――――――

 先週、早大-明大のリーグ戦を観戦したけれども、今日の神宮第二も似たような状況だった。
 早実も明大中野も多くの生徒がつめかけ、応援合戦にも熱が入る。共に校歌が大学とは違うくらいのもので、応援歌は大学と同じものを使うことが多いのだ。

 しかし、序盤から早実が大量リード。3回には10点差がつき、「5回コールド」が見えてきた。
 盛り上がる早実応援席。その逆の明大中野応援席。声はまだまだ出るものの、響きには諦めのムードが漂い始めていた。
 結局、12-0で終了。こんなに余裕があった試合は、久しぶりのことである。

 六大学リーグも、高校野球も、「早稲田」が「明治」に勝ち、どちらも「あと1勝」で優勝。
 結果は、高校野球が先に出る。決勝戦は明日、神宮第二で国士舘と対戦。ぼくの悩みは、何時に家を出ればチケットが買えるのか、その一点である。

 ――――――――――――――――――――

 予想された方もいらっしゃるでしょうが(笑)、神宮第二から神宮球場に移動した。
 法大-東大1回戦。加賀美と鈴木の両エースが投げ合っていたことがわかっていたので(神宮第二からスコアボードが見える)、結末を観たかったのだ。それに、連れは東大・鈴木のファンでもある。

 神宮に入ってみると、なんと観客の少ないことよ。神宮第二には、入れなかった人がいたと思うし、行列を見て諦めて帰った人がたくさんいたのだ。
 ぼくが並んでいた近くの人も、「神宮第二と神宮、入れ替えればいいんだよな」と真面目な顔で言っていた。
 ぼくもそれは思っていた。何の時だったか、早実の試合が神宮第二、ほかの試合が神宮で予定されていて、球場を入れ替えたことが実際にあったのだ。今日も、もしも六大学でなければ、その可能性はあったかもしれない。

 法東1回戦の結果は、延長12回、1-1の引き分け。両校1回に点を取り合った後は、0行進が続いた。
 加賀美は180球(三振16!)、鈴木は188球の力投。この2人は今日現在で、投球回数の1位(鈴木)と2位(加賀美)である。

 今季は引き分けや延長が多いが、加賀美はその試合によく絡んでいる。
 早大2回戦は9回完投の引き分け、同じく4回戦は延長14回に2失点で降板、そして今日の12回完投引き分け。
 打線の援護が少しだけあれば、2勝でとどまっている投手ではない。
                (谷川彬良)

(#業務連絡です): 早法4回戦で、「仕事をマッハで終わらせ、神宮球場へすっ飛んで行った者です。笑」とメールをくださった方。何度もメールをお送りしているのですが、すべて届かずに返ってきてしまいます。申し訳ありません。(谷川)

早実決勝へ。森、満塁弾、7打点

 神宮第二で行われた都秋季高校野球準決勝・早実-明大中野は、12-0で早実が5回コールド勝ちした。
 久々に胸のすく、先制攻撃だった。先攻の早実は相手投手の制球難により、いきなり無死満塁の大チャンス。
 打撃好調の4番・森は、目の覚めるようなライナーをレフトに叩き込んだ。
 続く5番小野田は、右中間への長打。外野からの返球が三塁側ベンチ前(明大中野側)に点々とする間に、小野田は一気に生還した。

 1回表無死の段階で、すでに5-0。早実は先攻の有利さを生かして、大きなアドバンテージを得た。

 森は満塁ホームラン、2点タイムリー、犠牲フライで7打点。中野も左中間へのホームランを放った。

 先発・小野田はストライクなしの四球もあったものの、先週の試合より制球が安定。3回に走者2人を背負うピンチこそあったが、それ以外は4回を危なげなく抑えこんだ。
 救援の鈴木も、落ち着いた投球。カーブのコントロールもよく、簡単に試合を終わらせた。

 ――――――――――――――――――――

 準決勝まで来てのコールド勝ちは、早実にとって大きな自信になるだろう。
 しかし、今日の相手投手は先発、二番手とも、投球リズム、球の質が早実の打者に“合って”いるように感じた。単に実力だけではない幸運が、早実にあったとも言えそうだ。

 明日の決勝の相手は、帝京を7-5で破った国士館。早実打線は好調と言っていいが、投手のタイプ、出来一つで、まったく音なしになることもあるのが野球。
 和泉監督は、2回表の攻撃で、好調の森にも送りバント(成功)をさせた。決勝も今日の大勝に気を緩めず、このように小技を織り交ぜつつ、一つ一つのプレーを丁寧に行えば良い戦いができるのではないだろうか。
                (谷川彬良)

2008年10月23日 (木)

早大野球部の記念ソックス

 奈良県にお住まいの読者の方から、メールをいただきました。添付されていたお写真は、ぼくが一度見てみたかったものです。
 ご本人に掲載のご了解をいただきましたので、メールの解説文と一緒に掲載させていただきます。(写真は、クリックで拡大します)

 ご本人曰く、「仕事が終わった後、周りの友達の勧めもあり、記念に私が携帯で写しました」とのことです。

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W2   私が仕事で刺繍したあの記念ストッキングです。今でも覚えています、忘れもしません3月1日土曜日でした。
 指示書を見てビックリ! 「早稲田大学BBストッキング」と書いてあったのですから!

 臙脂の色がそれまで依頼していたメーカーさんでは合わなくて、私の会社の得意先さんに依頼が来たそうです。
 見事OKが出て、刺繍の依頼が私の勤めていた会社にめぐってきたのです!

 斎藤君ファンの私が刺繍を入れる事になるなんて、、、最初は全勝優勝した時に履くのだと思ってました。
 それにしても気が早いな~、備えあれば憂いなしかな?、と思ってました。

W_2  心を込めて刺繍しました。
 全勝優勝して履いてくれますように、
 怪我しませんように、
 ヒット打てますように、
 勝利投手になりますように、、、
 などなど心の中で唱えながら、気持ちを込めてさせていただきました。

 まさか、京セラドームでのシカゴ大戦(3月24日)でお目にかかるとは、夢にも思いませんでした。
 ゴム下7㎜に刺繍のトップが来るようにという指示だったので、かなりのクラッシックスタイルで履いてもらわないと「W」の文字が見えないのですが、そのとき先発だった大前君と、あと何人かにその刺繍を発見、確認できた時はビックリクリクリでした。

 斎藤君はズボンの下に透けて見え、確認出来たときはもう大変でした。
 友達が携帯の写メ見せて「私がしたのよ~」と斎藤君に言え言えと、、、流石にそんな勇気はありませんでした(笑)。
 最近でも代打の神様、生島君がよく履いてくれています。

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 もうお気づきの方もいらっしゃると思いますが、当ブログの9月28日の記事「M様へ」のご本人でいらっしゃいます。
 Mさん、貴重なお写真をありがとうございました。

 Mさんの気持ちのこもった「Wの刺繍」。早大野球部の大きな力になっていたことは、間違いありませんね。
            (谷川彬良)

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荒井太郎/東京六大学野球史: ソニーマガジンズ新書

 

2008年10月22日 (水)

斎藤佑樹の笑顔

 早明3回戦(10月20日)で、自身初の1カード2勝&今季5勝(通算16勝目)を挙げた斎藤佑樹。ヒーローインタビューを待つ彼の写真を、読者の方が送ってくださいました。
 とても良い表情なので、ご紹介いたします。写真をクリックすると、少し拡大します。
(撮影主さんのご了解をいただいております)

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Photo_2

 春の1回戦はリリーフ投手が打たれて、逆転サヨナラ。3回戦は打球を足に当てて負傷退場があり、勝ち星がなかった明治戦。
 迎えて秋の明治戦。この日の投球は彼にとって満足のいく内容ではなかったが、「2勝」を挙げた。しかも、偶然にも1、3回戦での白星となり、春の分も取り返した形だ。

Photo_3

 天王山となった明治戦を乗り切って、あと1つ勝てば優勝が決まる。
 残すは、歓喜の場面が待っているはずの早慶戦。今度はどんな笑顔を見せてくれるのだろう。
              (谷川彬良)

 #撮影主さん、貴重なお写真をお送りくださり、ありがとうございました。

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2008年10月20日 (月)

早明3回戦、観戦雑記

 早大の打撃練習を見たかったので、試合開始の1時間前に球場に入った。
 優勝に王手をかける一戦だが、平日とあって観客は少ない(発表は5000人)。悪だくみ(笑)でもしなければ、そう簡単に仕事は休めないものである。

 打撃練習の終盤、背番号「1」がバットを持って登場した。
 あるスポーツ新聞には「先発松下」の予想が書いてあったから、「えっ?」と思った人が多かったようだ。

 しかし、斎藤先発は意外なことではないと感じた。
 もし今日負けてしまうと、4回戦は“無失点男”(今季33回3分の2無失点)の野村が先発濃厚。早大打線も前日、9回を無得点に抑えられている。

 應武監督は、いろいろ天秤にかけたはずだ。勝ち点をとるまでに1敗はできるといっても、4回戦に持ち込まれたら明治は野村が出てくる。
 つまり、「中1日の斎藤vs野村以外の投手」と、「中2日の斎藤vs野村」のどちらが勝つ可能性が高いか。
 結論は前者だったことになる。それだけ、野村は警戒するに値する投手だということだ。斎藤佑vs野村も見たかったが、来春の愉しみに回された。

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 試合終了後、球場正面の人々が少なかったので、珍しく出待ちというものをしてみた。(笑)
 道路に近い側に明大野球部のバス。その後ろに早大野球部のバス。(いつものエンジ色ではなく、レンタルしたものか?)

 先に明治の選手が出てきた。全員ではないが、泣いている選手が何人かいた。
 連覇の可能性が消え、消沈ぶりがありあり。岩田は最後部に座り、憮然とも見える表情をしていた。

 明治のバスが球場を後にしてしばらくしてから、ようやく早大ナインが登場。
 学生服の控え選手たちが両側からハイタッチで迎える“花道”を作り、ベンチ入り選手がバスに乗り込んでいく。
 最後に柔和な顔つきの應武監督が現れ、拍手の中、バスに姿を消した。

 1回戦のときは、大きな手拍子が起きた光景を2階席から見ていたのだが、それに比べると、今日は勝ち点を挙げたというのに弾け方は小さかったように思う。
 春の屈辱の敗戦を晴らした喜びは、初戦勝利のほうが大きく感じたのかもしれない。

 ――――――――――――――――――――

 拍手の中、走り出した早大のバスを見送りつつ、ぼくも神宮を後にした。
 日本青年館、国立競技場を抜けて、千駄ヶ谷駅方面へ行くと、見たことのある顔とすれ違った。
 今日の明大3回戦、先発を外れただけでなく、ベンチ入りも外されたK選手(三年)だった。控えの仲間と、電車で帰るのだ。

 ここ2試合ノーヒット。打率は1割台。さぞや意気消沈しているかと思ったが、優勝まであと1勝としたこともあってか、表情は明るく、元気そうだったのが救いだ。

 ――――――――――――――――――――

 今日の神宮球場には、この秋観戦したスポーツの試合(六大学、ラグビー、プロ野球)、応援するチームが負けていない「全勝女神」が乗り込んでいるという情報を得ていたので、大船に乗ったつもりで観戦していた。
 彼女はもちろん早大の応援。本気で念を送ると、その通りの結果になるらしいのだ。

 1回表、原のスクイズ失敗の投飛を捕った明大・江柄子が、一塁に悪送球して先制点が入った場面も、「早大に先制点を、早大に先制点を……」の祈りが通じたのかな、と思うしかない。
 そういえば、1回戦も岩田の二塁への悪送球で点をもらっている。このような勝敗に直結する悪送球が立て続けに起こることは、めったにない。

 全勝女神さん、これからもよろしくお願いします。(笑)
                    (谷川彬良)

神様、仏様、泉様(早明3回戦)

 今日のヒーローインタビュー(生島、松本啓、斎藤佑)には、もう一人呼ばれるべき男がいた。
 2回二死2塁の場面で、左中間真ん中へのライナー性の飛球が飛んだ。
 抜けると思われたこの打球を、レフトの泉はドンピシャリのダイビングキャッチ。ナインと観客席の大拍手に迎えられてベンチに戻った。
 早大は2-0とリードしていたが、先発の斎藤佑は、この日不安定な投球が続いていた。1点差に迫られていたら、5回をもたずに降板もあったかもしれない。

 このところの泉は、神がかっている。
 明大1回戦の2点タイムリー。2回戦は2つの飛球好捕と、9回本塁突入を阻止したバックホーム。そして、今日のこの好捕。法大戦でも、見事な背走キャッチがあったはずだ。
 この明治との3連戦。泉がいなければ、早大はもっともっと苦戦していたろう。

 今季はここまで、打率.267、打点4で、昨年春の成績(打率.333、打点6)には及ばない。
 しかし、四死球はリーグで唯一、二桁の「14」。そして守備での貢献度。印象度は抜群だ。

 泉尚徳(四年)。ラストシーズンは最高の形で、フィナーレを迎えようとしている。
             (谷川彬良)

斎藤佑樹、初の1カード2勝&シーズン5勝(早明3回戦)

 早明3回戦は3-0で早大が勝ち、明治から3シーズンぶりの勝ち点を挙げて、今季の勝ち点は4。早慶戦で1勝すれば、2シーズンぶりの優勝が決まる。

 斎藤佑樹は5回を3安打、3三振、3四球の無失点で勝利投手。
 自身初の1カード2勝と、シーズン5勝目(通算16勝目)を挙げた。

 ――――――――――――――――――――

 しかし、今日の斎藤の調子は、良くなかった。球速は144キロを記録するなどまずまずだったが、立ち上がりからコントロールが定まらない。
 2回を投げ終えた後、斎藤はブルペンに向かい、捕手を座らせて投げ込み(10球程度だと思う)。3回(?)を投げ終えた後は、場所はベンチ前であったが、細山田を相手に力を込めた投球を繰り返した。

 マウンドで、納得のいかない球が多かったのだろう。こんな光景は珍しい。
 ベンチ前で球を受けていた細山田は、ストレートに納得の様子で頷いていたが、マウンドに上がってみると不安定さは払拭されていない状態が続いた。
 6回の攻撃で斎藤は代打を送られたが、その生島(四年)が貴重な3点目のタイムリーを放った。

 連戦の疲れもあったのだろうが、それでも調子は悪いながら、5回を無失点で終えられるところが斎藤という男。
 1カード2勝は、エースの勲章と言っていい。
            (谷川彬良)

 

2008年10月19日 (日)

早実&早大、かけもち応援雑記(10/19)-1-

 久しぶりに出ました、かけもち応援。(笑) 早実は対東京戦。早大は対明大2回戦である。
 何と言いましょうか、「かけもち応援をせよ」とでも言うべきタイムスケジュール。早実は10:00開始(神宮第二)、早大は13:30開始予定(もちろん神宮)なのである。しないと、罰が当たる。(笑)

 ――――――――――――――――――――

 家を出たのは、8時半。歩いて明治神宮を抜けるつもりが、その手前でハチ公バス(渋谷区のコミュニティバス)とばったり。マスコットのハチ公が「乗って行ったら?」と囁いたような気がしたので、素直に乗った。
 コンビニで買い物をして、神宮第二には開場時間の9時15分頃に到着。日本青年館脇の歩道を、国立競技場あたりまで行列ができていた。

 しばし牛歩で並んで、球場に入れたのは9時半くらいだったか。1階席、まずまずの席を2つ確保した。

 試合は、東京先制、早実逆転、東京逆転で、7回を終わって2-4で早実劣勢。
 しかし、8、9回に1点ずつ返し、延長戦に。早実は13回、一年生捕手の土屋のヒットでサヨナラ勝ちした。

 面白い学生注目があった。

「対戦相手が東京と聞いて、大学野球を思い出したー」
「何だー」
「早稲田大学は、東京大学にここ30年負けていないー」(勝ち点をとられていない、だったかも←未確認)
「そうだー」
「だから、今日も負ける気がしないー」
「そうだー」

 まあ、何とか実現して、これで早実はベスト4進出。来週土曜日の準決勝は、明大中野と対戦する。
 ん? 大学も高校も、「早稲田vs明治」の構図だ。(笑)

 試合時間は3時間半ほど(終了13時半くらい)。神宮には遅くても12時台に入れるつもりだったのだが……。

 そういえば、神宮第二の早実応援に、斎藤佑樹君のご両親がいらっしゃっていた。ぼくの右側数人の位置。
 学校関係者やお知り合いなど、何人もの方が挨拶に訪れていた。
 サヨナラの場面では立ち上がって応援し、勝ちが決まったときには大喜びされていた。

 ――――――――――――――――――――

 早実の試合は、夏の西東京大会準決勝以来。だから、新チームの早実を観るのは初めてなのだ。
 早実の応援の率直な感想は、「疲れる」。(笑) ランナーが出ては立ち上がり、手をバチバチ叩きながら応援歌を歌い、点が入れば隣の人と肩を組んで「紺碧」の大合唱。
 せっかく席を確保しても、立っている時間のほうが長いと思う。ぼくの声は、はっきり嗄れている。(笑) でも、楽しいのだ、これが。
                (谷川彬良)

 「かけもち応援雑記-1-」としましたが、これから仕事をしなくてはなりませんので、続編にたどり着けないかもしれません。
 その場合は、ご容赦願います。

すまん、坂本力哉君(早明2回戦)

 両校初回からの0行進が続き、引き分け濃厚の12回(最終回)裏二死。早大・應武監督が出てきて、代打を告げた。
 坂本力哉(四年)。シーズン当初はベンチ入りさえしていなかったが、前節の法政戦(だったと思う)から呼ばれていた。

 体格の良い左打者(183センチ、94キロ)。しかし、選手として実績らしいものは残していない。
 勝負どころを迎えたリーグ戦。独特の元気と、ナインを鼓舞するだみ声を“戦力”として應武監督は期待したんだろうなあと、ぼくは判断していた。

 ところが、だ。代打に出てきた坂本は、この回から登板した明大のエース岩田から、レフト線へ二塁打を放ち、一打サヨナラの場面を一人で作った。
 当たり損ねがポテンと落ちたとか、この日強かった風で野手が目測を誤ったとか、ではない。
 まさに糸を引くような鋭いライナーによる二塁打である。

 ベンチは総立ちとなって、何人もの選手が二塁上の坂本に手を突き上げた。代走に白石(四年)が送られて戻ってきた坂本には、やんやの拍手がスタンドから起こった。
 四年生がチャンスをつくり、四年生の代走がホームを踏んでサヨナラ勝ちとなれば最高の場面であったが……それは残念ながらならなかった。

 引き分け濃厚の場面だから、應武監督は“温情”でラストシーズンの四年生を出したのだと思っていた。「思い出を作ってこい」と。
 しかし、相手校の頑強なエースから、見事な二塁打。リーグ戦3シーズンぶり、2本目のヒットとなった。

 坂本は、元気印だけが売りなのではない。打席に立っても、立派な戦力であることを証明した。

 坂本君、ぼくは君の力量を見誤っていた。すまん。
                     (谷川彬良)

 

祝・100安打、松本啓二朗(早明2回戦)

 早大の松本啓二朗が、1回裏二死から二塁への内野安打。これでリーグ通算100安打を達成した。
 今季達成したばかりの上本博紀との同時期での達成は、リーグ史上初である。

 次打者・原のときに盗塁を試みるも失敗。チェンジとなって戻ってくる松本には、改めて祝福の拍手が送られた。
 そして、観客席最前列には「祝・100安打」のカードが6、7枚、掲げられた。

 残り16本で迎えた今シーズン。順調なスタートを切ったが、途中で足踏み。記録達成は微妙かと思われた。
 しかし、法政戦の2試合連続3安打で一気にスパートをかけ、早慶戦を残しての達成。
 今日は都合3安打で、「102」に伸ばした。

 100安打の先輩・上本は、今日を終えて「104」。今季開始時の「11」本差を「2」にまで詰めてきた。
 終了時にどちらの本数が上にあるか、これも一つの楽しみである。
               (谷川彬良)

須田は泣いていた(早明2回戦)

 早稲田先勝を受けての早明2回戦は、延長12回、0-0で引き分け。
 試合終了は午後6時を回ったあたり。9回からは照明塔に灯が入った。

 ――――――――――――――――――――

 6回表、明大の攻撃は一死1塁。打席は3番打者の荒木郁。應武監督がマウンドに向かった。
 早大須田、明大野村の両先発投手が好投し、ここまで0-0の投手戦だ。

 應武監督、須田、細山田の三者協議はいつもより長かった。須田の口元が、何かを訴えているように見えた。
 しかし、その願いは却下されたのだろう。須田はベンチに向かって歩き出し、観客席からは大きな拍手が沸き起こった。

 須田の顔を見て驚いた。涙を流している。手でそっと、ぬぐった。
 グラブをベンチに置いて、ベンチ前に整列するナインに加わる時でさえ、右目、左目に浮かぶものをアンダーシャツの袖に含ませた。

 須田の調子は、今季の中では一番のものだった。ストレートは140キロを超えていたし、終始一貫、球は低めにきていた。
 だから、自分でも「まだまだ行ける」感触をつかんでいたのだろう。最後のシーズン、天王山の明大戦でもっと投げ続けたかったに違いないのだ。

 降板は悔しかったろうけれど、須田はすぐに気持ちを切り替えた。
 この回リリーフした大前、福井が無得点で切り抜けると、真っ先にベンチを飛び出して、バッテリーとハイタッチをした。
 ベンチを一番先に飛び出したのは、この後もほとんど須田。終盤には、ブルペンを打球から守る役も買って出ていた。(普通は下級生の役だ)

 優勝に突き進むチームにあって、今季は登板数が少ない。
 降板時に見せた涙は、白星が欲しいとか、そんな気持ちからではなかったろう。
 自身の最後のシーズン。本当ならもっと続投して、チームに貢献したかった一念ではなかったか、と思う。
               (谷川彬良)

 

2008年10月18日 (土)

早明1回戦、観戦雑記

 10時前に球場に到着。正面には、指定席券を求める行列ができていた。
 今季、初めてだと思う。今日の一戦がいかに重要であるか、いかに注目されているか、がよくわかる。

 ――――――――――――――――――――

 2回表、斎藤佑樹の打席。明大先発・岩田の内角への初球が、斎藤の左腕に当たった。
 肘のプロテクターだったので痛がることもなく、軽くスプレーして一塁に向かった。次打者への投球の間、斎藤は左腕を曲げ伸ばしして、何でもないことを確認していた。

 投手はデリケートである。ほんの些細なことが、投球に影響することも少なくない。だが、次の回からの投球も、まったく影響を感じさせない、安定したものだった。

 今日、一番危なかった6回裏の投球は、その前の早大の攻撃が長くなり、しかもネクストには斎藤が待機。
 準備不足が祟ったのか、コントロールが乱れた。二塁打、四球、犠打の後、タイムリーを打たれて1失点。
 しかし、なおも1、3塁の場面で、荒木郁を遊ゴロ併殺。見事な“納豆投球”であった。

 ――――――――――――――――――――

 6回、KOされた岩田は一旦ベンチに戻り、グラブを替えて再び登場。レフトの守備に着いた。
 高校野球でよく見られる光景だが、岩田の場合は再登板させようとするのではなかったと思う。

 打撃不振の明大にあって、岩田は欠かせない強打者。この日は5番を打っており、その打者をベンチに下げるわけにはいかないだろう。
 法大戦では、あわや3ランかというレフトフェンス直撃の二塁打を放っている。4番に座ってもいいくらいの打力があり、登板しない日には外野を守らせて4番を打たせてもいいと思う。

 岩田の後、マウンドに立ったのは、明日の先発と予想された野村だった。
 驚いたけれども、よーく考えれば、明大はどうしても連勝したい。この策は当然。登板したとはいえ、明大は明日、野村が先発するのではないだろうか。

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 早大・松本啓は1安打。これで通算99安打となり、ついに王手がかかった。明日には、実現しそうだ。
 1回一死1、2塁で、一塁走者の松本は、タイムの間にバッターボックスまで走ってきて、原にアドバイス。今季はこの“ささやき啓二朗”(この表現、ある方からの拝借)がじつによく見られる。

 100安打の先輩・上本は、今日は無安打。しかし、初回の初球を叩いて、あわやホームランの大レフトフライ。強めの逆風でなければ、入っていたと思う。
 それでも、今季の上本は引っ張る打撃をよく見せる。センターや右方向を意識するよりも、ヒットが出る可能性を感じる。

 ショートで先発出場の後藤は送りバントができず、さらに2回の守備でゴロにバウンドを合わせ損ねて後逸。
 松永がすぐに飛び出して、ベンチ前でキャッチボールを開始。即座に後藤→松永にスイッチとなった。

 せっかくのスタメンのチャンスを、後藤は生かせず……。

 ――――――――――――――――――――

 試合終了後、球場の外から大きな手拍子。二階席から見下ろすと、早大のバスが球場正面に停まっていて、その前で学生服の野球部員(控え?)が手を叩いていた。
 その前を應武監督がバスに乗り込んだ。

 大事な一戦をものにし、優勝を確信したような盛り上がり。
 明日も接戦は必至だが、今日のこの勢いで乗り切ってもらいたい。

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「通路で出待ちをした」という方から、メールをいただいた。

 ――本日の早稲田ナインのお弁当はどうやら「とんかつ弁当」のようでした(笑)――

 とのことです。
                 (谷川彬良)

 

早明1回戦、早稲田先勝

 9回表を終わって、3-1で早稲田リード。このスコアで何か思い出すことはあるだろうか?
 そう、春の早明1回戦、あの逆転サヨナラを喰らったあの試合と、同じなのである。

 その部分だけ嫌な感じはあったけれど、この回から登板した大石はそんな不安を払拭した。
 簡単に二死をとり、その後1安打を許したものの、最後は空振り三振。重要な一戦をがっちりと締めた。

 この試合の殊勲者は、なんと言っても斎藤佑樹だ。8回を5安打1失点。
 危なかったのは6回。二塁打、四球から一死2、3塁のピンチを迎え、山口将にセンター前タイムリーを打たれた。

 ここで打者は、春に逆転サヨナラ本塁打を打った俊足の左打者、荒木郁。最大のピンチといえたが、斎藤は遊ゴロに討ち取った。
 二塁も、一塁も間一髪のタイミングだったが、いずれもアウトの併殺完成。この回を1点で凌いで、大きな山を越えた。

 ――――――――――――――――――――

 早大は勝ったとはいえ、打線が心許ない。
 2回、後藤は送りバントを2球失敗し、最後は三振。3得点を挙げた6回も、一死1、2塁からの投ゴロを岩田が二塁へ悪送球。普通に処理していれば併殺でチェンジのところが、早稲田に先制点が入り、なおも1、3塁のチャンスが残った。

 続く泉は、スクイズ(?)を空振り(見逃し?)。代走の三塁走者・白石(四年)は、よく三塁に戻った。
 命拾いした直後、泉がレフトオーバーの2点二塁打。この一打が試合を決めた。
(この場面、スクイズだったのか、三塁ランナーが飛び出しただけなのかは、不明)

 早大はわずか2安打。5四死球がなければ、岩田の悪送球がなければ……今日の試合は負けていてもおかしくなかったと思う。

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 何はともあれ、早大は貴重な勝利を手にした。
 これで万が一、明治に勝ち点を奪われても“自力”は残り、早慶戦で連勝すれば優勝だ。

 優勝争いにかかわる慶立1回戦は、慶大・中林が3安打完封勝利。打球を左手に受けてからの復活登板を、見事に飾った。
 明日の第一試合、慶立1回戦で立大が勝ち、第二試合で早大が勝つと、早稲田の優勝が決まることになる。
 早く決めて安心したい気持ちもあるが、できるならば早慶戦まで優勝争いが残っていてほしい。
              (谷川彬良)

2008年10月17日 (金)

さて天王山、早明戦

 早大のV奪回か、明大の連覇か。08秋季リーグ戦は、最大の山場となる早明戦をいよいよ迎える。

 勝ち点を落とさないまま4カード目としてぶつかった春と違い、この秋は明大が慶大に勝ち点を落としての対戦。
 早大は勝ち点3で首位に立っているものの、もし明大に連敗すると逆転されて自力優勝がなくなる。
 早大の最低条件は「1勝」。1つ勝てば勝ち点を落としたとしても、早慶戦連勝で優勝となる。

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 最大の注目は、早大の第1戦先発投手だ。中2日で斎藤が来るか、それとももう一日休養を与えて第2戦に回すか。
 ぼくの予想は、第1戦だ。法大戦、中1日で9回を零封した好感触を、そのまま持ち込みたい。

 明大は、岩田、野村の先発2枚のうち、どちらが来ても面白い。
 岩田とは春の“因縁”(外野ががやがや言っているだけかもしれぬが。 笑)を受けての対決となるし、もし野村と息詰まる投手戦を繰り広げるようなら、法大・加賀美に続いて「看板対決」の誕生となる。

 早大は、斎藤が先発しない試合の投手起用がポイント。誰が先発しても、終盤大石にバトンタッチするまでどう継投するのか。
 期待するのは、左腕の大前だ。明大は東大・鈴木、慶大・中林の両左腕にてこずった。
 大前はワンポイント的に使われることが多いけれども、明大戦は何イニングか任せてみたい。

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 明大打線は地力は持っているが、今季は湿りがち。3割以上打っているのは、小林雄1人だけだ。
 しかし、前カードの法大戦は3点、7点を奪った。佐々木や池田、小道あたりの長打も怖いが、むしろ小林雄、荒木郁といった機動力に警戒が必要と見る。

 秘密兵器的に使われるかもしれないのは、山口将(二年)だ。
 身長160センチと小柄の両打で俊足。加賀美が先発した法大戦では、3番でスタメン出場し、三塁前へバント安打2本と、いやらしく揺さぶった。
 全試合に起用されてはいないが、早大はかき回されないように気をつけたい。

 早大打線は、法大戦でそこそこ安打は出るものの、タイムリーが出ない。加賀美には通算22回3分の2で、得点は暴投、押し出し、押し出しの3点のみだった。
 加賀美の威力十分の球を見た後とはいえ、明大の岩田、野村はタイプが違う。とくに野村の変化球には苦労するのではなかろうか……。

 ――――――――――――――――――――

 どちらが勝つのか、まったくわからない。早大は首位とはいえ、明大が連勝であっさり退けた法大に、4回戦の接戦を演じることになった。
 法大投手陣の出来が良かったとは言え、やはり打線が不安。どの試合も3点くらいの勝負か。

 早大の最大の目標は優勝だとはいっても、ここ2季続けて負けている明大から、是が非でも勝ち点を奪いたい。でなければ、喜びも半ばではないだろうか。
 松下にも登板してもらい、5か月間持ち越している“悪夢”の残像を消し去ってもらいたいものだ。

 どういう結果になろうとも、法大と展開したしびれるような試合を期待したい。
               (谷川彬良)

2008年10月16日 (木)

続・M様へ

(文末に追記あり:10月18日)

 9月28日に当ブログに書きました「M様」に対して、メールが寄せられております。簡単にではありますが、いただいた中からいくつか、ご紹介させていただきます。

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 9月29日に追記として書いた「早稲田の選手の記念ソックス」のことを教えてくださった方は、同じメールの中で次のように書いていらっしゃいます。

「偶然の仕事だったようですが尋常ではない縁を感じます。ですから、今季は何としても早稲田に優勝してほしいのです。
 私は残念ながら神宮にはいけませんが、日々の仕事や家事をがんばることで願掛けにしています」(Tさん)

 ――――――――――――――――――――

「夏のご子息のチームの全中への出場のサポートなど、どんなに困難なことだったろうかと察すると胸が詰まります。でも、彼女にとってはそれも支えになっていたのでしょうね。
 いつかMさんに神宮でお会いできる日を私も心待ちにしています」(Kさん)

 ――――――――――――――――――――

 そして、もう一通。

「M様の件です。
 どうぞ、必ず良くなってください。M様を全国の方々が応援していらっしゃると思います。その思いは必ず良くなる力となってくれるはずです」(Oさん)

 このOさんは、掲示板等への書き込みをぼくと同じように苦手としていらっしゃり、「厚かましいですが、機会がありましたら伝えていただけるとありがたいです」と記してありました。

 そしてOさんのメールは、さらに続きます。
「私も来月(11月)あたりに手術することになりました。今日も病院の後に神宮へ向かったのです」――。

 このメールをいただいたのは、10月11日。上本主将が「100安打」を達成した日です。
 ご病気はM様とは違う種類のものだそうです。Oさんにはこれまで何度かメールをいただいたことがあり、小さなお子さん(幼稚園児)がいらっしゃることも存じ上げています。

 改めてMさんも、そしてOさんも、早く良くなられることを祈っております。
                  (谷川彬良)

 (追記:10月18日)
 M様へ。あちらの掲示板、拝見しました。ありがとうございます。
 今日は明治戦。観戦日和のようです。斎藤君(たぶん)、良いピッチングをするといいですね。やってくれるでしょう。

2008年10月15日 (水)

早法4回戦、観戦雑記

 4回戦にこんなに見ごたえのある試合が残されていようとは、思っていなかった。
 延長14回のねじり合い、両校のこの一戦にかける執念を見る思いだった。

 斎藤佑樹と加賀美の両先発はリズム良く投げ、5回終了までわずか1時間。
「今日は早く終わるなあ」と思ったのは浅はか。(笑) プロ野球の試合はもうなく、延長は15回まで行われる可能性がある。
 もっとも、この時点で延長になるなど考えてはいなかったのだが。

 ――――――――――――――――――――

 試合前の早大の打撃練習。レフトで投手陣の面々が打球を追っていた。
 誰が先に捕るかを競っていたようなのだが、バウンドした打球に突っ込んでいった斎藤佑樹は、触ろうともせず。(笑) 球は後ろに抜けていった。不可解……。

 その斎藤、打撃練習の終盤に外野から一人ベンチに戻ってきて、ヘルメットをかぶりバットを持って出てきた。
「ええっ」。斎藤登板もあるとは思っていたが、先発とは……。

 しかし、應武監督の采配はずばり。もし斎藤でなければ、この試合、負けていたかもしれない。
 それほどに法大・加賀美の2回戦の投球は、「1点も与えられない」と應武監督を恐れさせていたのだろう。そして再び、この投球がやってきた。

 ――――――――――――――――――――

 以下、試合中に気づいたことを少々。

 加賀美はヒットは時折打たれるけれども、コントロールは安定。7回表、先頭の泉に0ー3となりながら、最後はショートフライに打ち取った。

 法大は8回、斎藤初めての四球で無死一塁としながら、初球に盗塁死。打者はストライクを振る気配も見せず。
 細山田の肩を甘く見るとは思えず、打者のエンドランのサイン見落としではないだろうか。法大には痛いミスだった。

 9回表の早大の攻撃。4番原に対して、同窓(桐蔭学園)の加賀美は149キロ、150キロ(最速)の直球勝負。見事三振に退けた。
 加賀美-原の対決は、原の5打数2安打。しかし、ヒット以外は3三振と、どちらに軍配を上げるべきか、悩む。(笑)
 この対決も、今後の楽しみにしたい。

 その9回、早大は一死2、3塁の絶好のチャンスで、バッターは松永。しかし、スクイズは一塁へのファウルフライで失敗。
 ここで決まっていれば、斎藤が勝ち投手(しかも連続完封!&初の1カード2勝)となるはずだっただけに、何とも惜しまれる。

 しかし、松永を責めてはかわいそうかもしれない。「ここでスクイズをミスれば、東伏見までの罰ランニングがあるかも」の恐怖心と闘いながら、きわめて慎重にバットを操作したと思うけれども、それでもフライになってしまったのは、加賀美の球威のなせる業だと思うのだ。
 試合は勝ったが、松永、バスに乗せてもらえたかな?(笑)

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 今日の観客は、4000人。意外に少なかった。
 日差しはたっぷりあり、黒を着ていたぼくは汗をかくほど。しかし、日陰となってからは、長袖でないと涼しく感じた。

 雨天順延となった昨日の2階席で「明日は仕事で来られない」とおっしゃっていた女性は、今日も三塁側(早大側)にいらっしゃった。(笑) 
 面識はまったくないが、神宮でよくお見かけする。午前中にテキパキ仕事をこなされたか、ここぞという時の悪企み(笑)がうまくいったのか……。
 まあ、このすごい試合が観られて、良かったですね。
              (谷川彬良) 

孤軍奮闘、法大・加賀美に熱い拍手

 3つ目の勝ち点をめぐる大事な一戦。延長13回を終わって、0-0。14回表のマウンドには、法大先発の加賀美がまだいた。
 13回まで8安打を許していたが、四死球は2。制球が安定していて、球威もほとんど衰えない。
 1-1で9回引き分けとなった2回戦と同様の好投だったと言っていい。

 14回はさすがに疲れが来たか。
 一死後に3連打で満塁。大石の代打・土生から三振を奪って二死とするものの、上本にはストレートの押し出し四球。加賀美は膝に手をつき地面をしばし見つめていた。
 気を取り直して対した細山田には、グリップ近くへの死球で2点目。ここで無念の降板となった。

 球数は215球。法大ファンも、早大ファンも感動させた力投に、そしてチーム4安打のうち2安打を放った奮闘に、一塁側からも、三塁側からも惜しみない拍手が送られた。
 太陽が西に傾き、陰になったグラウンド。今季、一番熱い拍手だったかもしれない。

 ――――――――――――――――――――

 その光景を、斎藤佑樹はどんな気持ちて見つめていただろうか。
 相手の先発投手よりも先にマウンドを降りることは、悔しいだろう。しかも、自分が劣っていたわけではなく、互角の投げ合いを演じていたのだ。

 中一日。
 週末からの明大戦。
 大石という信頼度の高いリリーフ投手の存在。
 それらを勘案すれば、斎藤の9回降板はやむをえないことかもしれない。

 それでも、斎藤は延長も投げたかったのではないだろうか。
 甲子園で演じた延長15回。あの熱い闘いが、よみがえっては来なかったろうか……。

  ――――――――――――――――――――

 今夜は、久しぶりにうまい酒を味わった。酒の肴は、早大の勝ち点3だけではない。
 六大学の新たな「看板対決」になりそうな、斎藤佑樹と加賀美希昇。
 二人が投げ合った9イニングは、0-0。試合は早大が勝ったものの、斎藤は「加賀美に勝った」とは思っていないだろう。
 加賀美は「斎藤に負けた」とは思っていないだろう。

 当人同士がライバルと思おうが思うまいが、意識しようが意識しまいが、ぼくは同学年のエース対決を新たな楽しみにしたいと思う。
            (谷川彬良)

斎藤佑樹、エースの証明

 完封勝利から中一日。勝ち点を賭けた早法4回戦に先発した斎藤佑樹は、9回をわずか2安打で、法大を零封。延長14回の熱戦を制す原動力となった。
 球数はわずか87。立ち上がりからテンポ良く投げ込み、疲れをまったく感じさせない好投だった。

 その投球内容もさることながら、この試合の先発を任されたことこそが、まさに「エースの証明」といえる。
 須田、松下、楠田、福井ら、先発できる投手はたくさんいた。いずれも万全の状態ではないとはいえ、土曜日から天王山の明大戦を控えていることを考えれば、斎藤は温存しておきたいところだ。

 だが、優勝に向けて、大きな一番だ。この試合に勝って、勝ち点3、6勝1敗としておけば、明大戦に1勝2敗で勝ち点を落としたとしても、慶大に連勝すれば優勝が決まるのだ。
 また、明大戦での優勝決定の可能性もある。早大が明大に連勝し、慶大が立大に1敗した時点で、早稲田の41回目の優勝となるのだ。

 完封から中一日で9回を零封、つまり実質2試合連続完封には、斎藤にとって大きな意味がある。
 2勝で勝ち点のリーグ戦。第1戦に先発で勝ち、第2戦は他の投手で敗れたとしても、第3戦に再び先発して勝ち点をとる。昨年の東洋大・大場が、そのパターンで投げ続け、チームを優勝に導いた。
 斎藤にもそれが出来ることを示したのだ。

 早大は投手王国と言われるけれども、今季は必ずしもそうとは言えない状況だろう。
 それでも、斎藤佑樹がエースとして確固たる力を示せば、この法大戦のように勝ち点を重ねていける。

 雨で昨日の試合は順延になった。雨の恩恵を受けたのは、早大のほうだったかもしれない。
                     (谷川彬良)

2008年10月14日 (火)

早法4回戦、雨天順延雑記

 14日に予定されていた早法4回戦は、12:40、雨天で天候の回復が見込めないため、明日に順延となった。

 歩きで球場に向かう。曇天ながらそんなに雲は重くなく見えたのに、神宮の手前10分のところで雨がポツリ。
 球場に入ったのは12:20頃で、早大の打撃練習中。各ベースエリアにはシートが予め敷かれて、雨を予想していたことがわかる。

 雨は騒ぐほどのことはなくて、試合は出来るものと思っていた。ところが、サイレンが鳴って打撃練習が終わったあたり(12:35ころ)から強くなり始め、その5分後に「順延」のアナウンスと電光掲示があった。

 ――――――――――――――――――――

 打撃練習に、「19」の姿があった。試合があれば、先発は松下だったのだ。
 一方の法大は、キャッチボールの様子から、加賀美の雰囲気。明日も松下―加賀美、そのままなのではないだろうか。

 早大の打撃練習が続く中、一足先に切り上げた上本主将が、三塁側のファウルゾーンでバットを持っていた。隣には、海津コーチ。
「なんだ?」と思っていると、なんと上本がレフトに向かってノックを始めた。フライを打ち上げるつもりが、三塁とレフトの間でバウンドしてしまったりして「すまん、すまん」と手を挙げていたが、その後はきちんとフライになっていた。
 ノックは止まっている球を打つ。簡単に見えて、そうでもないのかもしれない。上本が打ったのはほんの数球。その後は、海津コーチにバトンタッチした。

 それにしても、上本がノックをする姿をぼくは初めて見た。もうすぐ終える大学での野球生活。神宮でノックする気分を味わっておきたかったのか。
 それもあるにしても、100安打を達成して、その後も好調をキープ。心に余裕がある証拠でもあるだろう。

 ――――――――――――――――――――

「順延」の報があった時には、すでにエールの交換が始まっていて、早大校歌の真っ最中。それでも始めたものは途中ではやめないものらしく、きっちりフルコーラスを演奏。
 「フレ~フレ~早稲田」「フレ~フレ~法政」の後、今度は法政側が校歌。これまた2番フルコーラスをきっちり。最後に団旗(校旗)礼があって、終了。雨の中、ご苦労さま。

 ネット裏の2階席は、順延の報にがっかりの人もいれば、予想していた人も。下の売店で牛丼を買ってきた人が、「えっ」と恨めしげに電光掲示見つめながら、かっ込んでいた。
 今日のチケットは、払い戻しなしで、明日も有効。(チケット売場で買う前に告げられていた) 2階席では、「明日は仕事で来られない」という女性の声が聞こえてきた。有料券で入ったのであれば、無駄になってしまう。
 ただ、明日の東京も、天気は微妙だ。

 ――――――――――――――――――――

 今日の順延が、早大、法大、どちらに有利に働くのか。これは間違いなく法大だろう。(法大が勝ちそうだ、という意味ではない)
 加賀美にもう一日休養が与えられた上、次週は試合がないから、投手陣をどんどんつぎ込める。完敗の後、気分を変えられる効用もある。

 一方の早大は、次週に明大との天王山が控えていて、明日(水曜日)に試合ならば、土曜日までは中2日。
 法大4回戦は斎藤佑樹以外の投手をやりくりして、白星をとらなくてはいけないだろう。(明大の投手陣は、休養十分である)

 せっかく勢いの出てきた攻撃陣も、水を差されなければいいのだが。(ただし、明大戦に向けては、試合勘を保持したまま臨めるので悪くない)

 神宮球場を出て、神宮第二球場横を通る。こちらでは、東都の二部リーグの試合が雨の中行われていた。
               (谷川彬良)

早法3回戦、観戦雑記

 神宮球場は暑かった。
 一塁側(早大側)観客席は時間的に一番長く日差しが残り、試合の中盤までは半そでで十分。冷たい飲み物がよくさばけていた。(日陰の2階席に座った方からは、「涼しかった」とメールをいただいたが)

 試合前の早大ノックで、見慣れない光景があった。投手を除く野手がグラウンドに散らばって、應武監督の打球を処理するわけだけれども、捕手の位置にはたった一人。(だったと思う) それも正捕手・細山田ではなく、山懸(四年)だ。

 そのころ細山田は、ブルペンにいた。斎藤の球を受け、各球の今日の出来を確認したかったのではないか。
 加えて、いろいろな確認事項の最終チェックもあったかもしれない。(ぼくの座った位置からはブルペンの全景が見えず。違っていたらすみません)

 正捕手がノックに参加しないのは珍しいはずで、少なくともぼくは初めて見た。それだけ、この1戦に対する意気込みが感じられた。

 シーズン当初は、ノック時のライト守備は松本一人の状態が続いていたが、この法大戦は山田敏(二年)が入って2人になっている。
 ぼくもそのほうがいいと思う。松本の守備は絶品だから、なるべく近くで見て、後輩がいろんなものと吸収するといい。

 リーグ戦も残すは数試合。早大の試合を見ていて、四年生の動きが目立つ(こちらが注視していることもあり)。
 とくに、松本啓があちらこちらに出没する。2回戦では、二塁ランナーの際に打者(後藤)にアドバイスに向かったし(タイムの場面)、今日は5回、ネクストで待つ斎藤佑樹に歩み寄って、話していた。
 その直後に斎藤がベンチに消えたものだから(ぼくの席からはそう見えた)、斎藤に代打が送られるのかと一瞬思った(5回を投げ終えて勝ち投手の権利がある。明日の4回戦をにらんで、降板もあるかな、と)が、小島が凡退の後、小走りにバッターボックスに向かった。大きな拍手が沸いた。

 試合後のインタビューで、松本は「チームに何かを残したい」というような発言をしている。それをはっきりと体現しているわけである。

 ――――――――――――――――――――

 3回戦についてのブログは、その日のうちに書けなかった。4回戦を観に行こうと思って、火曜日にやる分の仕事をとりあえずやっつけていたわけである。
 しかし、火曜日は午後から雨が降るかも、との予報。渋谷区、港区あたりは、午後3時頃が「小雨」となっている。できるかな?

 今日ダメなら、明日になる(はず)。しかし、木曜日からは東都の優先になるので、もしも今日明日試合が出来ないとか、再度引き分けて5回戦(!)にもつれ込むとかすると、明大戦の後に組まれることになる(のだと思う)。
 ただでさえ、火曜日まで試合では週末の明大戦に響きかねないのに、明大戦の後に法大戦を残すのも不気味である。
 何とか今日(火曜日)に決着をつけて、明大戦にすっきりと臨みたいところだ。
                    (谷川彬良)

斎藤佑樹、完封で3勝目

 早法3回戦は、初戦で敗れた斎藤佑樹が先発。6安打、6三振、4四球で完封。今季、各カード1勝を続けている。

 1回戦よりも、ストレートを軸にした印象の投球。中盤、低めにボール球が連続した場面があったが、終盤はテンポが良くなる。
 調子がいい時は誰でも好投するわけだが、今日の斎藤はそんなに調子は良くないように感じた。4回、7回のピンチをしのいで、終わってみれば完封勝ち。こんな投球こそが、“らしさ”と言っていいのかもしれない。

 7回、二死2、3塁のピンチで、昨日大石があわやサヨナラホームランかという打球を打たれた和泉の打席。力ないレフトフライに抑えてベンチに戻ってきた斎藤は、「よしっ、よしっ」と何度も口にし、ハイタッチに応えた。
 この時、勝利を確信したのではないだろうか。

 ――――――――――――――――――――

 さて、1年前と同じように、4回戦にもつれ込んだ早法戦。法政の先発は、2回戦で引き分けながら12奪三振の好投を見せた加賀美だろう。
 早大打線は対策を練ったはずで、加賀美も同じ投球ではあれほどの好投はむずかしいのではないか。もし、再び抑え込むようなら、“本物”と言っていいだろう。
 ただし、加賀美には疲れていてほしくないし、2回戦同様、好調であってほしい。その加賀美からどうやって点をとるか。明大打線はバント攻撃を見せて、リズムを崩したが、そんな小技を織り込んだら面白い。
 2回戦を欠場した原は、昨日は出場。4回戦にも出てきそうだが、そうすると原-加賀美の同窓対決が見られることになる。

 早大の先発は、再び松下か、あるいは須田か福井と見る。(3人も予想は多すぎ。 笑) いずれにしても、終盤大石が登場するまでに、リードを保つ投球が出来るのかどうか。
 早大投手陣は、斎藤、大石以外は不安が残る。継投がうまく決まるかどうか、大きな勝敗のポイントだ。

 しかし、昨日は残塁が多かったとはいうものの、上本、松本が本来の調子に戻った早大打線は勢いづいてきた。
 4回戦は早大が優位に試合を進めると思う。
                  (谷川彬良)

2008年10月12日 (日)

早法2回戦、観戦雑記

 昨日より気温は低めながら、好天の神宮球場。
 心地よい観戦日和の下行われた早大-法大2回戦は、ハラハラドキドキの緊迫した熱戦となった。

「負けられない」の思いは、初戦を落とした早大はもちろん、法大も強かったはず。すでに3敗している法大は、早大から2勝0敗で勝ち点を奪いたい。
 4敗してしまうと、たとえ勝ち点を4(最終的に)にしても、勝率争いで不利になるからだ。引き分けで後退したわけではないけれど、今日の加賀美の好投を生かせなかったことが、法大にはどう響くだろうか。

 ――――――――――――――――――――

 松本啓は、チーム4安打のうち3安打。「100安打」まで、一気にあと「6」のところまでもってきた。
 引き分けで、勝敗の上ではノーカウントのこの試合。安打数だけが進んだ結果となり、松本にとっては“オイシイ”展開になった。(笑)

 2安打目は三塁前へのバント。一塁を駆け抜けて、「よし」と握りこぶしをつくった。
 今シーズンは、バント安打がいつもより多い。バント安打は簡単に見えるが、そんなことはない。
 野手の守備位置、バントの技量、そして走力。いつもやっていては野手は前に守ってしまうので、松本のように普通に打たせても一流の打者だからこそ成功率が高くなる。

 ――――――――――――――――――――

 今日の早大ベンチは、だみ声が響いていた。背番号26。坂本力哉(四年)がベンチ入りしたのだ。
 守備を終えて戻ってくるナインに、「よーし、リズムが出てきたよ」などと、毎回大きな声をかけていた。
 應武監督は、こういう元気のある選手が必要だと感じたのだろう。出場の機会はなかったが、初戦敗戦の悪いムードを変えるのに一役買った。

 もう一人は、背番号29。いつもはコーチの武石(三年)がつけて一塁コーチャーに立つが、今日は見るからに小柄な選手。確認していないが、おそらく神谷雄毅(四年)だと思う。(違ったらごめんなさい)
 身長は155センチとあるが、もしかするともう少し小さいのではないかな?、というくらい小柄。一塁のボックスで、こちらも大きな声で走者(機会は少なかったが。 笑)に指示を出していた。

 彼らにとっては、今日がラストゲームだったろうか? そうでないことを祈る。

 ――――――――――――――――――――

 早大ベンチからは、緊張感が伝わってきた。優勝へ向けて、落とせない試合。気合が空回りしなければよいが……。
 試合前の最後の円陣。真剣な表情で話を聞いていた面々が、最後に笑顔になった。たぶん海津コーチだと思うが、気持ちをほぐそうと何か面白いことを言ったのかもしれない。

 4回、早大先制の場面。一死1、2塁となって、打者は後藤。法大の金光監督がマウンドへ向かった。
 すると驚いたことに、二塁走者の松本啓がバッターボックスめがけて走ってきた。何をするんだろうと思っていると、後藤に何やらアドバイス。狙い球の指示か、あるいは二塁の塁上から何がしかのサインを送るとでも言ったのか……。

 実際には作戦ほどのことはないにしても、法政側に「なにかあるのか?」と思わせる効果はあったかもしれない。二塁ランナーが打者にアドバイスするなど、ほとんど見たことのない光景だから。
 後藤への初球は、ワンバウンドの暴投。松本が二塁から一気にホームインしてしまった。

 ――――――――――――――――――――

 法政打線がサインを盗んでいるかどうかは知らないが、早大側が意識しているんだろうなあと思わせる場面があった。
 大石がピンチで登板した時(だったと思う)、ある打者への初球、細山田は直球を受けきれずに不自然に前にこぼした。おそらく、サイン違いではなかったか。

 細山田はフォークボールのサインを出したつもり、大石は直球のサインを受けたつもり。だから、細山田は変な捕り方になったのではないかと。
 たぶん、試合の中でサインを細かく変えているのだろう。それだけ、法大の読み取り術を恐れているのかもしれない。細山田、大石、どちらが勘違いしたのか知らないが、細山田は手を挙げて「悪い、悪い」と言っていたように思えたが……。

 9回裏の法大。一死から和泉のライトへ大きな当たりは、松本がフェンス手前で捕球。明大戦のサヨナラホームランを思い出し、肝を冷やした。
                        (谷川彬良)

1943年晩秋 最後の早慶戦

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燃える都の西北

上本、超美技で救った!

 早法2回戦。引き分けに持ち込んでほっとしているのは、初戦を落としている早大・應武監督のほうではなかっただろうか。
 それだけ法大先発の加賀美は、素晴らしい投球を展開していた。

 勝ち点を落とす危機を救ったのは、主将・上本のファインプレーだ。
 4回裏、同点に追いつかれて、3塁には同点三塁打を放った柴原。次打者・長谷川の「やられた!」と観念したセンター前への低いライナーを、横っ飛びの逆シングルでつかみとったのだ。
 牛若丸のように身軽な上本ならではのプレー。六大学野球連盟のHPで、ぜひ動画をご覧いただきたい。

 それにしても、法大の投手陣は完投能力がある。昨日の小松も良い内容だったが、今日の加賀美はそれ以上。
 毎回、誰かしらが投げている早大ブルペンに対し、法大のブルペンは中盤で二神、武内あたりが投げていたが、終盤はブルペンに人影はなし。ベンチの信頼を感じ、投手は奮い立つのではないだろうか。

 加賀美は9回を4安打12奪三振。四球は2つ。1失点はランナー1、2塁からのワイルドピッチで、二塁走者の松本啓が一気にホームインしたもの。
 これがなければ、あるいは上本のファインプレーがなければ、早大は危なかった。

 ――――――――――――――――――――

 松下、須田、大前、福井、楠田、大石。應武監督は、細かい継投を見せた。
 9回表、二死から大石に打順が回ってきた。勝ちに行くのなら、代打の場面。ベンチにはスタメンを外れた長距離砲・原が残っている。しかし、大石はそのまま打席に送られた。

 斎藤佑樹は直前までブルペンにいたから、代打を送ってもよかった。しかし、大石の調子は今日は良く、このまま引き分けでいいと考えたのだと思う。
 原を出しても、今の調子では加賀美を打つことはできない。(野次馬的には、桐蔭学園の同期対決が見られるかと期待していたのだが。 笑) それに、斎藤を出して0点に抑えたとしても、明日の先発に響くことを恐れたのだろう。

 ――――――――――――――――――――

 これで早大の1分け1敗。「明日なら観戦に行かれる」という方のために早稲田勝利を祈る念を送り続けていたが、どうやら火曜日にも試合がありそうだ。(笑)

 3回戦の先発は、早大は斎藤佑樹。法大は二神か。リリーフには武内もいるし、小松、加賀美も使えるだろう。
 昨秋の早法戦は、初戦引き分けの後、法政が先勝。3、4回戦を早稲田が連勝し、逆転で勝ち点をとった。
 今秋もここまでの流れは似ている。斎藤佑樹、再度のリベンジなるか。
                (谷川彬良)

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燃える都の西北

  

2008年10月11日 (土)

早法1回戦、観戦雑記

 早大と早実の試合がかぶった10月11日、江戸川区球場にいるはずだったぼくは、なぜか神宮球場にいた。前夜、ここで優勝を決めた、どこぞのプロ球団の胴上げの余韻を味わいに来たわけではない。(笑) 
 ぼくはかつてはその球団のファンであったが(父親の影響だ)、ここのところはプロにはあまり興味がない。強いてあげれば、誰かさんの影響で西武かヤクルトといったところか。
 でも、その優勝球団のユニフォームを見ると、心はすでにそこになくても、血が少し騒ぐという妙な性質は残っている。(笑)

 まあ、そんなことはともかく、朝、目覚めてみると渋谷は雨。試合があるかどうかわからず、電車を乗り継がなければ行けない江戸川区球場よりも、歩いていける神宮に足が向いていた、というのが真相である。
 家を出たのは10時15分。まだ雨が降っていたが、中止でも神宮ならば「散歩にきたつもり」にできる。ここのところ仕事が忙しくて外出できなかったので、雨の中でも歩くのが嬉しく感じた。

 神宮第二球場の前を通る。高校野球が行われていて(もちろん早実ではない)、「アフリカン・シンフォニー」が響いていた。ふと早実が気になった。

 ――――――――――――――――――――

 神宮球場正面には、入らずに待っている人がたくさん。ぼくが入場し、二階席への階段を上っている時に、「9番・ピッチャー、斎藤君」のアナウンスが流れた。
 2階席はそこそこ埋まっていたが、上の方にいくつか残っていた空席に座った。

 同列の数席となりを見ると、明大のエース・岩田がいた。ぼくの前を見ると、新エース・野村が座っていた。
 今週は空番の明大ナインが、来週の早大戦に備えて偵察に来ていたのだ。
「うわっ、えらいところに座ってしまったなあ」と思ったけれど、まあそれも面白い。とりあえず、席を替えることはしなかった。

 1回表、松本啓のレーザービームの時(本塁セーフ)、仲間の「すげえ肩!」の声に野村は「うん」と頷いた。
 12時少し前、「昼飯食べに行こう」と誘われた野村は、「この回が終わってから」。この時、法大の攻撃中で、マウンドには斎藤佑樹。どうやら早大打線よりも、斎藤の投球が見たかったらしい。

 試合中盤には雨がほぼ上がったので、ぼくは一塁側(早大側)の内野席に移動。やはり、このくらいの距離感が見やすい。
 少し前の席には、「祝・上本君100安打」の紙を手にした2人の女性が座っている。さっき二階席にいた人。彼女らも移動してきていたのだ。ぼくが後を追ってきたわけではありません。(笑)

 早大は負けてしまったけれども、悲壮感のようなものは感じない。観客席も「一つ負けただけ」。最後には早大が勝つ、そう信じている雰囲気がある。
 今日は上本の100安打を見られたことでよし、としよう。
 明日の先発は、早大・松下、法大・加賀美と予想。面白い投げあいになりそうだ。

 ――――――――――――――――――――

 いつもは一緒に来る連れは「雨が降っているから今日はやめとく」とぼく一人で観戦。
 ところが、夕方帰宅してみると家にはいない。暗くなってから帰ってきたので「どこに行ってた?」と訊くと、「ふっふっふっ、江戸川区球場」。ムムッ。(笑) 雨が上がりそうだから、急遽出かけたのだという。前の試合が延長になり、試合開始は1時間遅れたそうだ。

 その早実、5-2で桜美林に勝ち、来週の準々決勝に進出。相手は、日大鶴ヶ丘を下した東京となった。
                  (谷川彬良)

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燃える都の西北

祝・上本、100安打

 早法1回戦で、早大主将の上本が2安打。リーグ戦通算100安打を記録した。史上27人目である。
 上本君ファンの方、ご覧になりましたか?

 今日の上本は、いい当たりのセカンドライナー、センターライナーながらヒットにはならず。
 3打席目は、詰まった当たりながらセンター前にポトリ。これが野球。これで99安打。

 今日の最終打席は9回一死の場面。思い切り引っ張った打球はレフトの頭を越え、あと少しでホームランのフェンスダイレクト。
 二塁にすべり込んだ上本は、間一髪セーフ。二塁でアウトになっても、ヒットはヒットだが、アウトにならずによかった。
 続く細山田の二塁打で、上本は2点目のホームイン。勇躍ベンチに戻ってきて、拍手で迎えられた。二塁でアウトになってすごすご戻ってくるより、はるかに良かった。(笑)

 上本の100安打は、観客の多くの人が知っていたようである。
 二塁ベース上の上本には、いつものヒットよりも長い拍手が送られていたように思う。早大側の一般応援席では、二人連れの女性が「祝・上本100安打」の祝文を掲げていた。
 ベンチの後方。ホームインする上本の視線の先にあったから、本人も確認したはずである。
 上本君、おめでとう。

 できることならば、勝ち試合で達成させてあげたかった。本人も、ナインも残念だったろう。ただ、100をクリアしたことで、ホッとはしていると思うが。
 今日の上本は、バットをしっかり振っていた。気が楽になった分、明日からはさらに期待できるのではないか。

 ――――――――――――――――――――

 100安打を狙うもう一人、松本啓は、5打数0安打。何かが狂っている。
 ヒットコースを狙いすぎて、強く叩くことが出来ていないような気がするが? 

 これで2試合無安打。しかし、2、3回戦が残っていると思って、切り替えてもらいたい。
 敗戦は痛いけれども、そもそも2試合で終わるつもりの法大戦だったから(早大の連勝)、まだ3カード丸々残っているのと同じこと。1カード3安打なら、特別に難しい数字ではない。

 その松本、1回、6回の守備で、レーザービームを見せてくれた。だが、いずれも間一髪セーフ。終わってみれば2点差だっただけに、この2つのプレーがアウトであったら……。
 もちろん、精一杯のプレーで、落ち度は何もない。こういうクロスプレーこそ野球の醍醐味であって、それを演出できる松本の肩を称えているのである。
                (谷川彬良)

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燃える都の西北

早大、初黒星

 早大の安打数は11本と、法大(10本)を上回っているのに、得点は2点。早大-法大1回戦は、初回に3点を挙げた法大が4-2で勝った。
 法大の先制攻撃は、見事なものだった。二死の後、四球とライト前ヒットで1、3塁。ここで5番佐々木が、レフトフェンス直撃の二塁打でまず1点。
 続く和泉のライト前ヒットで、2点を追加した。

 1年前の法大戦を思い出した。あの日、先発斎藤は早大にクセを見抜かれ、6回を投げて9安打。失点はわずか2だったが、リーグ戦初黒星を喫したのだ。
 今日の斎藤は結局5回を投げ、4安打だったものの、失点は3。初回に3失点は、斎藤はあったかな? 今日、佐々木が打った先制二塁打は、昨年、法大4番の大澤が打ったフェンス直撃の打球とよく似ていた。

 斎藤佑樹は、3回以降の投球はまずまず。5回を終えて降板したものの、3点ビハインドであったから、反撃のためには仕方があるまい。
 3回戦は、雪辱してくれるものと思う。

 早大は、楠田、福井、大前、大石と細かくつないだ。楠田は最速146キロとスピードは出ていたが、6回、7回と二死をとってから連打された。
 立ち上がりの6回は簡単に2人を凡退にした後、失点。この1点は、試合の流れからして痛かったと思う。
 結局、早大の4失点は、二死無走者から。何とも惜しまれる失点になった。

 早大は後半、いくつかのチャンスを迎えた。1番上本2安打、2番細山田3安打、5番宇高2安打、6番泉2安打など、11安打を打ちながら2点。
 ブレーキになったのは、3番松本、4番原。ともに5打数ノーヒットだった。どこかで1本出ていれば、わからない試合だった。

 ――――――――――――――――――――

 それにしても、法大先発の小松は粘った。8、9回に2失点するが、内容は危なげないといってもよかったのではないか。
 被安打11ながら、四球は2。コントロールが良かったことで、ピンチになってからも狙いのコースに投げられていたような気がする。

 小松は好きな投手だ。先日、プロ志望届を出し、気合が入っていたこともあったろう。
 けがで出遅れていたが、力のある早大打線を抑えてアピールになったのではないだろうか。プロでも見たい投手である。
                  (谷川彬良)

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燃える都の西北

2008年10月10日 (金)

秋季リーグ戦、後半の力比べへ

 東京六大学野球08秋季リーグは、後半戦を迎える。第4週を終わって、勝ち点2が早、明、慶、法、勝ち点0が立、東とくっきりと線引きされている。
 優勝争いは、4校に絞られた。

 このうち明大、慶大、法大の3校同士の対戦は、すでに終了した。
 法大は慶大に連勝したが、明大に連敗。
 慶大は法大に連敗したが、明大に連勝。
 明大は慶大に連敗したが、法大に連勝。
 まったくの三すくみで、どこが強いのかよくわからない。対戦時の調子の良し悪し、相性などが微妙に結果に出てくるにしても、安定感に欠けるのは確かだろう。
 ただ、野村、岩田で完封連勝した明大は上げ潮、反対に法大はやや自信がぐらつき始めているかもしれない。
 慶大は相澤が見事な投球を披露したが、中林が万全で投げられるのか、不安がある。

 この3校との対戦を、早大は残す。先にやらせておいて、「じゃ、そろそろやりましょうか」。登場の仕方は、いかにも真打ちっぽい。(笑)
 早大が格の違いを見せつけるのか、それともどこかに勝ち点を落として大混戦になるのか。

 ――――――――――――――――――――

 手始めは、法大戦。1回戦の先発は、早大は斎藤佑樹だろう。
 法大が読みにくい。二神なのか、加賀美なのか、それともようやく戻ってきた小松なのか。
 ぼくは斎藤-加賀美の二年生の投げ合いを見たいが、金光監督はラストシーズンの小松を使うかもしれない。(小松はプロ志望届を出した)

 法大は、打線に核となる選手がいない感じ。明大戦は、1点もとれなかった。
 しかし、斎藤佑樹は昨秋、リーグ戦初黒星を法大に喫している。その意味で不気味さはあるが、斎藤はそんなに苦労しないと思っている。

 問題は、法大投手陣の“どちらの目”が出るかだ。速球派が揃っていて、明大戦のようにコントロールの乱れから自滅することもあるが、はまったときにはすごいピッチングをする。
 立大戦の加賀美の15奪三振がいい例。そうなれば、早大は春のように苦戦するだろう。
                 (谷川彬良)

 

2008年10月 5日 (日)

早実、初戦の相手は桜美林

 都秋季高校野球、早実の初戦(10月11日)の相手が、桜美林に決まった。
 桜美林-堀越の対戦は、11-1で桜美林。また、準々決勝で早実-桜美林の勝者と対戦する可能性のある日大鶴ヶ丘-日大三は、14-5で日大鶴ヶ丘が8回コールド勝ちとなった。

 ――――――――――――――――――――

 今日の桜美林-堀越は、神宮第二。六大学野球(慶大-東大)を観終えての帰り、第二の入口で結果を確認。
 ぼくは何となく堀越が勝つと思っていたのでやや意外。しかも、大差である。

 桜美林は桑田真澄氏の子息がいることくらいしか知らないが、かなりのチーム力があるのかもしれない。
 ぼくはかつて町田市に住んでおり、桜美林があるのもその町田。30年ほど前の夏の甲子園での優勝は、ぼくを大興奮させてくれた思い出がある。

 この8月に東京で行われた「白球の記憶」で、その当時の主将・4番打者で、現桜美林高校野球部監督の片桐氏(早大應武監督とは、早大野球部時代の同期)の講演を聴かせてもらったこともあり、同校には小さくない思い入れがある。

 早実-桜美林の11日は、早大-法大の楽しみな対戦がある。しかも、あと2本に迫った上本の「100安打」の達成もありそうだ。
 けれど…しかし…、桜美林が強そうなので、早実vs桜美林は好勝負が期待できそうである。なんだかまたしても、“一発勝負”の魔力に負けそうな気分……。

 10月11日、ぼくは江戸川区球場(早実-桜美林)に居そうな気がしている。(笑)
                   (谷川彬良)

慶大・相澤、「完全」継続中に降板

 慶大-東大2回戦は、勝ち点をめぐる駆け引きが面白かった。
 先勝の東大は、エース鈴木を温存。前日完投の際、「最後はバテていた」そうだから、3回戦に回す策は当然と思う。ただ、リードすれば登板もあったとは思う。

 しかし、ピンチの連続ながら4回まで0点に抑えていた先発前田が、5回に3失点。
 リリーフ陣も7回途中に3失点して、「これで鈴木の登板はなくなった」と思った。

 だが、4人目安原が、1死をとっただけで3四死球。どうにもストライクが入らなくなって、見かねた中西監督が鈴木をマウンドに送った。
 その鈴木は、試合終了まで2回3分の1を投げた(失点1)。この登板が3回戦にどう影響してくるだろうか。

 先発前田が4回に無死1、2塁のピンチを迎えた際、ぼくの目にはいっぱいいっぱいに見えた。
 早くリリーフを送ればいいのに、と思ったが続投。失点を重ねることになってしまった。
 しかし、投手陣に不安のある東大は、できるだけ長い回を投げさせるしかないのだと、後から気づいた。点差が開いてからは、言葉は悪いけれども“捨てゲーム”であるのに、それを任せる投手も居なくなって、鈴木の登板。
 鈴木の肩を休ませるために、野手をマウンドに送る策もあったと思うが……それはさすがに相手に失礼だと思ったのかもしれない。

 ――――――――――――――――――――

 慶大の投手リレーには、驚いた。
 先発相澤は、6回まで一人の走者も許さないパーフェクトピッチング。「完全試合」は、リーグ戦史上2人しか達成していない大記録である。
 だが、7回のマウンドに上がったのは、リリーフの居村だった。

 なぜ?、と思うだろう。だが、チーム事情を考えれば、「当然」ともいえる。
 1回戦を落とした慶大は、連勝しなければ勝ち点をとれない。昨日、左手に打球を受けて降板したエース中林は、今日はベンチ入りせず。情報は入ってこないが、3回戦も投げられないかもしれない。

 今日の2回戦は、7回途中に5点差となって、安全圏に入った。
 ならば右のエースである相澤の肩を3回戦に備えて休ませようと、打席が回った相澤に代打が送られたのだ。

 それにしても、と思う。完全試合――それは投手にとって、最高の栄誉だろう。こんなチャンスは滅多にあるものではない。慶大の相場監督も、相澤に続投させたかったろう。
 だが、中林が投げられないかもしれない3回戦は、どうしても相澤に頼るしかない。監督とすれば断腸の思いで、個人の快記録よりもチームの勝ち点を優先したのだろうと思う。

 ウェーティングサークルでバットを振っていた相澤に監督が近づいて、一言二言声をかけた。
「悪いが、代わってくれないか」という話だったと思う。相澤は、うなずいた。

 試合後のインタビューで、「ヒットを打たれるまで行かせてくれるかな、と思った」と胸の内を明かしている。
 それでも代打を告げられた直後、相澤は慶大の攻撃中にブルペンに行き、悔しさを押し隠すように投球練習する投手たちに何やら笑顔で声をかけていた。

 主将・相澤の悔しさは、3回戦を勝って晴らすつもりだろう。
                    (谷川彬良)

 

優勝争い、やはり早大vs明大?

 東京六大学野球第4週注目のカード、法大-明大は、明大が2連勝で勝ち点奪取して2位に浮上。開幕好スタートを切った法大は、3位に後退した。

 この結果、勝ち点を落としていないのは、早稲田のみ。また、自力優勝の目があるのは、早大と明大だけになった。
 その明大も、早大に連勝してやっとタイとなる状況。早大が優勝に向けて、優位に立っている。

 ――――――――――――――――――――

 明大が、目覚めたかもしれない。対法政は、1回戦野村、2回戦岩田と、新旧のエースがそれぞれ完封勝ち。
 打線は7安打、5安打とまだまだのようだが、投手陣が調子を取り戻してきているので、戦いぶりは安定してきた。
 とくに、春、大車輪の活躍をした岩田の完封勝利で、ムードが俄然良くなったといえる。

 法大は投手陣が崩壊。2回戦はヒットを5本しか許していないのに、7投手登板、四死球10。これまで支えてきた武内、二神、加賀美が短いイニングで各3四球と、自滅した感がある。
 投手陣が復活しなければ、優勝は厳しくなった。
                     (谷川彬良)

2008年10月 4日 (土)

明大・野村、エースに昇格?

 法大-明大1回戦は、どちらもこれまでのローテーションを崩してきた。法大は二神に代えて加賀美(二年)、明大は岩田に代えて野村(一年)が先発した。
 今季のリーグ戦の行方を大きく左右する対戦。現在のところ、この二人が「エース」の位置づけなのだろう。

 法大・加賀美は、最速148キロとそこそこ球速はあったが、明大の三番打者山口の2本のバントヒットなどで揺さぶられ、リズムを崩したように見えた。
 一方、明大・野村は、落ち着いたマウンドさばき。内外角にうまく変化球を出し入れし、法大打線を2安打、12三振と的を絞らせず、3-0で完投勝ちした。

 法大は二番手でエース小松が今季初登板。最速146キロとまずまず球は来ており、次の登板に期待を持たせる内容だったといえる。
 法大は投手陣のコマは揃っているが、打線にもろさが見える。優勝を狙うには、バントなどの小技を織り交ぜるなどの工夫が必要かもしれない。

 ――――――――――――――――――――

 それにしても、明大の野村は安定していた。これで23回を投げて、依然として自責点は0である。
 変化球をうまく操る。とくに左打者に対したときの内角のスライダーやツーシーム(?)が効果的で、法大打者は多くの空振りをとられた。
 コントロールも絶妙で、内角を突かれて打者が飛びのいたのに「ストライク」の場面が何度かあった。

 春のエース岩田は調子が上がらないのか、1回戦の先発を回避。今日の野村のピッチングを見る限り、今季は野村を軸に進めるのかもしれない。
 力投型ではないから、今日のように長い回も投げられる。

 そうなると、早明1回戦は、斎藤佑樹-野村の若きエース同士の対決が見られるかもしれない。
 早大打線は、野村を打てるだろうか? 左打者も苦手にしないようだから、攻略には慣れと工夫が必要だと思う。侮れない。
                   (谷川彬良)

東京六大学野球 2009年カレンダー

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六大学野球―六大学はなぜ六大学なのか… (フォー・ビギナーズ)

東大、勝った!

 東大-慶大1回戦が行われ、2-1で東大の勝利。東大はリーグ戦春秋通じて今年の初勝利で、連敗は16でストップした。

 じつは2日前の朝日新聞夕刊で、東大・鈴木優一投手の記事を読んでいた。Webにその記事があったので、まだ読んでいらっしゃらない方はこちらから。
http://www.asahi.com/sports/column/TKY200810010173.html

 現役最多の15敗。「勝ちたい。それが僕のモチベーション」と書かれている。

 その“夢”が叶った。初回の先頭打者に三塁打を打たれ、ワイルドピッチで許した1点だけの4安打完投勝利は見事の一語に尽きる。

 卒業までに1つ勝ってもらいたかった昨年のエース・重信は、昨秋のラストシーズンに初勝利を挙げた。
 この鈴木にも卒業までに1つ、と願っていたが、三年生のうちに初勝利がやってきた。
 どんなにか嬉しかったことだろう。鈴木君、おめでとう。

 1回戦に勝って、今度は勝ち点をとる大きなチャンスがめぐってきた。
 慶大のエース・中林は4回、左腕に打球を受け、連続四球、同点タイムリーを打たれて降板。状態はどうなのか、心配である。
 考えたくはないが、もし投げられないとなれば、東大の勝ち点も見えてくる。

 ――――――――――――――――――――

 この試合、ぼくは4回まで観ていた。つまり、中林が降板し、東大が同点に追いついた回である。
 中林がピッチャーライナーを左腕に受け、すぐに一塁に投げてアウトにした後、マウンドでしゃがみこんだ。

 その時だ。
「がんばれー、中林ー」
 といくつもの声がかかった。なんと、東大の学生応援席からである。慶大応援席よりも先に、だ。
 ぼくが居たネット裏2階席にも明瞭に聞こえたくらいだから、中林にも届いたはずである。

 中林は一旦ベンチに下がり、長めの治療。そして、再びグラウンドに出てきた時には、慶大応援席はもちろん、東大応援席からも大きな拍手が続いた。(連盟HPの録画では拍手はそれほど大きく入っていないが、球場ではかなり大きな拍手だった)
 球場に居る誰もが、清々しい気分になったことだろう。
 スポーツはこうありたい。いい光景だった。
                   (谷川彬良)

 

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東京大学応援部物語

2008年10月 3日 (金)

早大3選手、プロ志望届けを提出

 上本、細山田、松本啓の早大三羽烏が、10月3日、プロ志望届を提出した。
 ある方が、メールで教えてくださった。ありがとうございます。

 東京六大学では、今のところこの3選手だけだが、15日の期限までには続々と提出されるはずである。
 今年のドラフトは、10月30日。早慶戦(11月1、2日)の前に行われる。
 それぞれ希望の球団に決まって、早慶戦に登場してきてもらいたい。吉報を祈る。
                    (谷川彬良)

早大4番・原、三冠王?

 2カードを終わって、12打数6安打。打率.500、打点7、本塁打2。早大・原は現在、三冠王である。(本塁打はトップタイ)

 対戦校が今季勝ち点のない東大、立大だから、と割り引く必要はないだろう。
 春季リーグ、原は東大戦で7打数2安打、立大戦は8打数1安打。この2カードの打率.200は、リーグ戦で残した.231よりも低かったのだ。

 好調の証は、三振の数にも表れている。
 春は合計12三振(東大、立大戦だけで6三振)を喫したが、秋はここまで三振0。もろさが影を潜め、確実性が増している。

 好例が、立大2回戦の2本の単打だろう。立大・戸村の速球にもうまく対応し、センター返しを心がけている様子がうかがえる。(好打者・松本啓でさえ、この試合2三振)
 今の姿勢があれば、大きく調子を崩す心配は小さいのではないだろうか。

 今季は4試合中3試合でヒーローインタビューを受けた。受け答えを聞いていると、いつも実直さが伝わってくる。
 早大は他にも好打者がたくさんいるのだし、少し責任を感じすぎではないかと思えなくもないが、それが「4番」というものなのだろう。(本人は“4番目の打者”と考えているようだが、本心かな?)

 優勝を逃した春。昨年の4番・田中幸長の偉大さを、改めて感じたはずだ。
 秋は責任を感じながらも、結果を残している。原の目標は「勝利に結びつく打点」「優勝」だけかもしれないが、「三冠王」も十分可能性がある。

 法大、明大、慶大と好投手との対戦が続くことになるが、「4番打者」としての初優勝を目指しての奮闘が期待できるだろう。
 応援したくなる選手である。
                 (谷川彬良)

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最後の早慶戦

BBM東京六大学野球カードセット 2008秋 (2008)

2008年10月 1日 (水)

08秋季リーグ、第3週終了

 全8週のうち、3週が終了。各校2カードずつを終えた。始まってしまうと、あっという間に進んでいく。
 勝ち点2が早大、法大、勝ち点1が慶大、明大、勝ち点なしが立大、東大。

 ここまでの“異変”は、春の覇者・明大の元気のなさと、春5位・法大の躍進ぶりといっていいだろう。
 しかし、この好対照の両校の戦いぶりが今季の実力なのか、まだ測りかねている。
 明大は勝ち点を落としたとはいえ、エース岩田が復活すればやはり優勝に絡んでくるであろうし、法大は好調の投手陣の歯車が一つどこかで狂うと、もともと打線は強くないだけに粘れなくなってしまう可能性がある。

 その法大と明大が、第4週で当たる。両校の力を知る上でだけでなく、リーグ戦の順位に大きくかかわってくるカードだと思う。
 明大が勝ち点をとれば、立大と東大以外の4校で優勝争いは混沌。
 逆に、明大が勝ち点を落とせば、早くも脱落。法大は勝ち点をとれば、第5週の早大-法大が優勝を懸けた“大決戦”になる。なにしろ、法大の最終カードは東大なのだ。

 ――――――――――――――――――――

 早大は、立大2回戦で1点しかとれなかったが、それでも勝てる投手陣が頼もしい。
 投手を辞めようとまで思ったというあの春を踏み台にして、松下はよくぞ復活した。“後輩”から新球を教わるという、その謙虚な姿勢が胸を打つ。
 尊大は人の成長を止め、謙虚は人を成長させる。

 斎藤佑樹が第1戦を確実に取ることで、早大は気分的に楽な展開に持ち込めている。立大戦の安定感を見る限り、斎藤は簡単に崩れそうな感じがない。
 早大は第2戦に誰を投げさせるか、嬉しい悩みを抱えることになったといえる。須田、松下、楠田、福井、大前。誰が投げてもおかしくないが、現実的には須田、松下が争い、そこに楠田が入ってこられるか、というところではないか。
 でも、この松下の完封劇を見ると、次も松下が来るかな?

 打線は2回戦で1点しかとれなかったけれども、そんなに心配していない。立大・戸村は、150キロ近い速球を武器に素晴らしい投球を展開していた。
 むしろ、その戸村から2安打した原をはじめ、しぶとく喰らいついていたと思う。

 ――――――――――――――――――――

 現時点で、早大は優勝へ向けて視界は悪くない。もしかすると、10戦全勝もあるかもしれない。
 そうなると、早大のリーグ戦は残り6試合。もうそれだけしか見られないのか……。

 余談だが、法大の金光監督は上本の100安打について、「うちじゃないときに打ってもらいたい」と早稲田スポーツのインタビューに語っている。
 しかし、早大の次の相手は法大で、上本はあと2本。金光監督も上本も、広島出身。郷土の後輩の100安打をたぶん見ることになるだろうけれど、嬉しいんじゃないだろうか?
 ちなみに、金光監督は108安打を打っている。上本、届くか?
                   (谷川彬良)

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